交通費や定期代を経費計上する際の注意点を解説!実費精算はOK?

交通費や定期代は業務に関係しているものであれば全額経費として計上できます。よく使用されるのは定額支給ですが、実費精算も可能です。最近ではICカードの利用も増えてきたため、こちらの記事では経費計上のポイントだけでなくICカードを使う際の注意点も解説します。



▼この記事を読んで欲しい人

  • 交通費や定期代が経費で落とせるか知りたい人
  • 業務上でICカードを使用するようになった人
  • 交通費や定期代を経費に落とす際のポイントを知りたい人
  • 定期代やICカードチャージ代の仕訳方法を知りたい人


▼この記事を読んでわかること

  • 定期代や交通費の経費計上方法
  • ICカードにチャージする際の注意点
  • 交通費を経費で落とす際のポイントと対応
  • 定期代とICカードチャージ代の仕訳方法
法人のお金やリスクに関する悩みならまずはマネーキャリアで相談してみてくだい!

内容をまとめると

  • 定期代などの交通費は業務に関係があれば経費として計上できる
  • 法人の場合は福利厚生の1つとして交通費の支払いが可能、通勤や飲み会でのタクシー代も対象
  • 交通費は実費精算でも行える、ただし経理処理や社会保険料に変更がでるので検討はしっかりと
  • ICカードにチャージする際には「公私混同しない」「決算時の残高管理を徹底」
  • 経費計上のポイント①プライベートでの旅行も業務行為を含めることで経費に
  • 経費計上のポイント②出張旅費規程を作成することで従業員にも会社にもメリット
  • 経費計上のポイント③領収書や使用履歴をきちんと残すことで税務調査対策
  • 定期代の仕訳は決算時期に注意
  • ICカードにチャージ代の仕訳は決済時に残高をまとめて振り返ることで経理処理の簡略化
  • 経費に悩んだらプロに相談、おすすめは「マネーキャリア」!

定期代などの交通費は全て経費で損金計上できる

法人に限らず個人事業主やフリーランスの方でも交通費は必ずかかる費用の1つです。経営をするうえで交通費の理解と仕訳方法は欠かさず覚えておかなければなりません。


定期代などの交通費は経費にできることはほとんどの人が知っていると思いますが、電子マネーの普及で経費計上の際注意すべき点が増えてきました


この記事で改めて交通費について理解するとともに、会社の経費計上について振り返りましょう。


交通費は「仕事に関連している」のであれば無条件で経費にとして計上できます。


上手に交通費を仕事に関連付けることで会社やプライベートのメリットを生み出すことができますよ。

社員や従業員の定期代は福利厚生費にする

法人の場合、従業員やアルバイトへの交通費は福利厚生費として計上します


こちらはほとんどの会社が導入しているため分かりやすいのではないでしょうか。


交通費を支給することは義務ではありませんがなければ出勤や出張費をすべて自分で払うことになります。福利厚生として交通費がなければ人材も集まりにくいため導入しているのもうなずけます。


通勤や出張はもちろんのこと飲み会のタクシー代も福利厚生費として支払いが可能です。


交通費や定期代は福利厚生の1つとして非課税で受け取ることができるので従業員側にも利点があるだけでなく、経費として計上できるため、会社にとって課税金額の減額につながるのです。


ただし非課税枠には限度額がありますので、そちらについては国税庁の通勤手当の非課税限度額の引上げについてをご覧ください。

交通費の経費計上は実費精算でも大丈夫


交通費の計上は実費精算でも行うことができます


現在は定額支給が主流となっています。しかし最近になりテレワークが増え定額支給よりも実費精算の方が費用がかからないケースが出てきたため実費精算を検討する経営者も増えてきました。


確かに、無駄なく支給できるため費用を抑えるには効果的かもしれません。


しかし会社の規程作成や、毎月個別の報告が必要なので定額で支払いを行っていた時よりも経理処理が複雑になります


また通勤手当が変わると社会保険料が減る可能性があるため、将来の年金額が少なくなってしまうことがあります。


経理処理だけでなく、従業員の年金にも影響がでてきますので経費計上を変更する際には検討をしっかり行わなければなりません。

SUICAやPASMOなどのICカードのチャージ代を経費にする注意点

SUICAやPASMOなどのICカードをバスや電車で利用することが一般的となってきました。そのためICカード代を経費にする状況も多くなっています


こちらの項目ではSUICAやPASMOなどのICカードチャージ代を経費にする際の注意点である

  • プライベートで使った費用を混同させない
  • 決算時点の残高が分かるようにする
について解説していきます。

交通代の支払い以外もできるICカードは扱いを間違えると不正計上と認められペナルティが課される可能性がありますので気を付けましょう。

①プライベートで使った費用と混同させない

SUICAやPASMOなどのICカードは公私混同に気を付けなければなりません

ICカードは交通費だけでなくコンビニエンスストアや自動販売機などでも使えます。そのため間違えてプライベート分の費用を支払ってしまったという事態がおきかねません。

交通費以外にコンビニエンスストアなどで物品を購入していたら裏面のナンバーで購入履歴がすぐわかるため、場合によっては経費での計上が不当となってしまう可能性があります。

その対策としてプライベート用と仕事用2枚持っておくと良いでしょう。そうすることで私用として扱ってしまうことも減りますし、仮に税務調査が入った場合でもきちんとプライベートと仕事を混同せずに管理していることのアピールにもなります。

②決算時点での残高がいくらかわかるようにする

ICカードはチャージしてすぐには使用履歴にのりません。


そのため決算時点で残高が反映されてない場合がありますので、決算時には実際の使用額を確認しておきましょう


また備の解説を下記の項目で行っていますが、帳簿をつけるためにはICカードの残高が必要ですので相違があってはいけません。


未使用分なのでそこまで大きな金額ではないかもしれませんが細かいところまでしっかり管理しておくとチェックが入った際徹底された管理のもと経営が行われているという印象を与えることができます。

定期代や交通費を経費にする際に知っておくべきこと


定期代や交通費を経費にするにあたって知っておくと役立つポイントを紹介します。


ポイントは

  1. 旅行にかかる交通費も工夫すれば経費に
  2. 出張旅費規程を作成する
  3. 領収書や履歴を必ず残す
の3点です。

こちらを知っておくことで、プライベートへの恩恵を受けることができたり経費計上のコツがつかめますのでぜひ頭に入れておきましょう。

①旅行にかかる交通費も工夫すれば経費にできる

個人事業主、法人経営者、フリーランスはプライベートな旅行も工夫すれば経費として計上できます


条件は旅行先で「業務に関係あることをする」ということです。


ただただ旅行にいくだけでは当然経費として落とすことは不可能です。


そのため小売業であれば仕入れ先に検討しているお店があるため実際に行ってみる、雑誌編集をやっているのであれば、ターゲットに取材を行うなど業務に関係することを盛り込みましょう。


実際取材なら取材、下見なら下見は必ず行いましょう。視察した証拠に写真などを残しておくと信ぴょう性が高まるためオススメです。


ただし不自然に高い金額を経費に計上していると指摘が入るケースがあります。また家族全員分を経費に計上するのは無理があります。


取引先に夫婦であいさつするためや、経営に妻が大きくかかわっているため同行したという理由で配偶者は認められるかもしれませんが原則は経営者1人分のみです。


ちなみに法人での慰安旅行の旅費交通費は福利厚生費として落とすこともできます。


ただしこちらは

  • 職場の半数以上が参加
  • 4泊5日以内
  • 一人当たり10万以下
という条件がありますので、条件を満たすように慰安旅行を計画すれば従業員にとっても嬉しいものになりますよ。

②出張旅費規程を作成する

法人であれば出張旅費規程を作成することをおすすめします。


メリットとして

  1. 経理側の処理簡略化
  2. 費用として損金計上可能
  3. 従業員の出張計画の単純化
の3点があげられます。

①会社の経理をする際の処理の簡略化できる

規定がない場合、不必要な出費でなかったか(電車でグリーン車をわざわざ使っているなど)等も気にかけなければならないので大変です。移動方法や日当について詳しく記載されている規定があれば、それに沿って経費計上を行うだけで良いので手続きが大幅に簡略化されます。

②費用として損金計上可能

規定を定めていない場合出張等の費用は給与の一部として扱われ課税対象になってしまいます。

しかし規程を作成することで非課税所得として法人税を発生させることなく従業員に支給できるのです。

取引先が各地にある営業職などは出張が多くなるため税効果をより感じられるでしょう。

③出張計画の負担を軽減

出張の際には、どの方法で行くべきか指定席で行って良いものか迷うことがたくさんあり自分ですべてを考えるのは大きな負担です。

規程を設けることで移動手段について指定がなされ交通手段が限られるため計画を立てるのが安易になるのです

このように出張旅費規程を定めることは会社側にも従業員側にも利点があります。

出張旅費規程についてはひな形出張旅費規程をご参照ください。

③領収書や私用履歴を必ず残す

領収書や使用履歴は必ず残しましょう


電車や新幹線、バスの切符は改札や降車の際に回収されてしますので残すのが難しい場合もあります。無理であれば使った日のメモを残すようにしましょう


確実に支払いがされており、それが業務上のものであれば支払いは可能ですが詳細を記録しておくのに越しておくことはありません。


ちなみに何度も領収書がない費用を経費として計上していたり、タクシー代など領収書がもらえると分かっているものの領収書がなかった場合、申請しても認められないケースがありますので注意が必要です


ちなみに領収書がない場合の扱いに備えて精算書をあらかじめ書式として作っておくのも良いでしょう。


Microsoftのホームページに経費精算書のテンプレートがありますので参考にしてはいかがでしょうか。


申請項目を決めて詳細に記載しておくことは、管理方法が行き届いている証明にもなりますよ。

定期代・チャージ代の経理処理方法


定期代とICカードチャージ代の経理処理方法について解説します。


仕訳の際ポイントをまとめると

  • 定期代計上:決算時期に注意、必要であれば月割で計算
  • チャージ代計上:利用した都度仕訳を行うのが原則だが、決算時の残高を仕訳することで簡略化
となります。

仮払金の有無や精算金の合計があっているかなどに気を配りましょう。

①定期代

定期代を経費として処理する際には決算がいつかを考慮しなければなりません


12月決算であれば問題ないのですが、1月に半年定期を購入した場合3月決算の会社は定期代をそのままの金額で計上してはいけません。


1~3月までを月割りで計算し、仕訳を行いましょう。


半年分の定期代が60000円と仮定して仕訳の例をあげます。


【定期支給時】

借方貸方
旅費交通費 60000円現預金 60000円


決算時の仕訳は6カ月の内の3カ月分になるので30000円を計上します。


【決算時】

借方貸方
前払費用 30000円旅費交通費 30000円

決算時には前払費用(前もって支払った分を来期以降に繰り越すことを目的とした経過勘定)を使用します。


【次年度】

借方貸方
旅費交通費 30000円前払費用 30000円 

上記のように反対勘定をすることで今年度と来年度を分けて計上できるのです。

②チャージ代

ICカードチャージ代の仕訳は間違えやすいので注意を払わなければいけません。


今回は10000円チャージした場合を例にあげます。


【チャージ代入金時】

借方貸方
貯蔵品 10000円現預金 10000円
借方には貯蔵品(事業に関わる物品で未使用のものを示す勘定科目)で計上します。

【ICカード利用時】
借方貸方
旅費交通費 1500円貯蔵品 1500円
このように原則ではICカードを利用するたびに帳簿への記載をしなければなりません。

しかし、使用回数が多く従業員の数によっては何枚も使用されるICカードはその都度計上していてはとても間に合いません

そのため一般的には決算時の残高を一括で仕訳する方法がとられています。

【チャージ代入金時】
借方貸方
旅費交通費 10000円現預金 10000円

として仕訳を行います。


【決算時】

借方貸方
貯蔵品 8500円旅費交通費 8500円

決算時に一括で振り替えてください。実際使用した額も10000円ー8500円=1500円と計算できます。


【次年度仕訳】

借方貸方
旅費交通費 8500円貯蔵品(前払費用) 8500円

次年度で反対勘定を行うことで経費に戻します。

定期代の経費化に関するまとめ

交通費の経費計上はうまく活用することで会社経営を円滑にすすめることができる重要な項目です


しかし、一般的に経費に落としやすいからといって管理の手を抜いていると税務調査で不当と認められるケースも多々ありますので注意しましょう。

経費の管理に自信がない方はプロに頼るのも1つの手です

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