法人設立でかかる維持費はいくら?法人設立で後悔しないために

法人を設立すると維持費がかかります。税金や社会保険料をはじめ、税理士報酬など経営を維持していくためには売り上げや事業内容だけでなく維持費を確保できるかが非常に重要です。法人を設立したものの後悔しないためにこちらの記事で維持費についてしっかり確認しましょう。





▼この記事を読んで欲しい人
  • 法人設立を検討している方
  • 法人の維持費全般について知りたい方
  • 株式会社と合同会社の維持費の比較をしたい方

▼この記事を読んでわかること
  • 株式会社と合同会社共通の維持費
  • 株式会社のみかかる維持費
  • 大まかな事業の設立費用
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内容をまとめると

  • 株式会社は原則経営者≠出資者、合同会社は経営者=出資者が特徴
  • 株式会社と合同会社共通してかかる維持費は「税金」「社会保険料」「税理士報酬」「定款変更手続き費用」がある
  • 会社によって異なる維持費には「オフィス代」「光熱費等」「従業員への給与」「福利厚生費」「在庫管理費」などがある
  • 株式会社のみかかる維持費用は「決算公告費」「重任登記費用」「株主総会開催費」
  • 事業を始める際、株式会社は設立費が高い。合同会社のコストは低く個人事業主は設立費用が掛からないがそれぞれにメリットとデメリットがあるので自分にあった形態を選ぶ
  • 法人を設立する前にはプロに相談を!おすすめは「マネーキャリア
監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

【前提知識】株式会社と合同会社とは?

法人を設立する際にどの会社形態にしようかは悩むところです。


今回は株式会社と合同会社を維持費という観点から比較していきます


それぞれの概要を簡単に説明すると以下の通りです。

  • 株式会社:株式を発行して資金を調達する、出資者≠経営者(中小企業の一部を除く)
  • 合同会社:全員が有限責任者員、出資者=経営者

株式会社は一般的に周知されています。金融機関からの融資が受けやすかったり、人材が集めやすいというメリットはありますが、設立費用が高く手続きが複雑です。


一方合同会社は認知度はあまり高くないものの、設立のためのコストが低く手続きも簡単なため最近ではこちらの形態を選ぶ経営者も増えてきました。(参考:ゼロイチ2020年最新/会社設立、法人設立数の推移のまとめ

合同会社と株式会社で共通してかかる法人の維持費用


まずは合同会社、株式会社ともに支払わなければならない維持費用について説明します。


種類は概括的に

  1. 税金
  2. 社会保険料
  3. 税理士報酬
  4. 定款変更手続き費用
  5. その他の維持費(会社によって異なるもの)
にわけられます。

会社を設立するためには、維持費の2年分は準備しておくことが望ましいため必要資金がどのぐらいになるのかはできるだけ明確に算出しておきましょう。

なるべく細かい費用や、もしかしたら必要になるかもしれない費用も維持費用として考慮しておくことが大切です。

法人設立後は経営を軌道に乗せるためにやるべきことがたくさんあります。維持費をしっかり確保しておくことで資金の心配が減り経営に集中できます

①税金

株式会社と合同会社で税金に差異はありません


今回は法人税等と呼ばれる「法人税」「法人住民税」「法人事業税」について簡単に説明します。


【法人税】

会社の収益から費用を差し引いた所得にかかる税金です。

資本金1億円以下の法人税率
所得年間800万以下15%
所得年間800万超え23.2%

資本金が1億円を超える会社に対しては23.2%の税率がかかります。(国税庁法人税の税率


【法人住民税・法人事業税】

法人住民税は地方自治体に対して納付し、法人事業税は都道府県に治めます。

法人住民税額=法人税割+均等割

法人事業税額=所得×法人事業税率

上記の計算式で求められますが、住んでいる地域によって法人税割や均等割、税率は差異があります


東京都主税局の法人事業税・法人都民税に詳しく掲載されていますので事例の1つとしてご一読ください。


法人税割は赤字の場合支払いが免除されますが、均等割は損失がでても納金が必要です。住民税5万、地方税2万の年間7万円が最低限必要となることは覚えておいてください。  

②社会保険料

支払うべき社会保険料には

  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料
  • 介護保険料
  • 労働保険料(雇用保険料や労災保険料)
などがあります。

会社が全額負担するのが労災保険料で、それ以外は会社と従業員両者が負担します

保険料はどこに住んでいるのかによって異なるため全国健康保険協会の令和3年度保険料額表(令和3年3月分から)を参考に
  • 東京都
  • 40歳メーカー勤務
  • 月額報酬300,000円
  • 協会けんぽ
のような人の場合にはどのくらいの支払いになるのか求めてみます。

表をみると標準報酬月額300,000円、等級は22です。

介護保険料は第2号被保険者に該当するため折半額は17,460円です。

厚生年金保険料は経営者と従業員が半分ずつ負担しますので標準報酬月額に18.3%をかけて2で割ります。27,450円が厚生年金保険料です。

雇用保険料は厚⽣労働省・都道府県労働局・ハローワーク「令和2年度の雇⽤保険料率について」に記載されている通り3/1000を乗じるため900円と算出されます。

以上を合計するため17,460+27,450+900=45,810となり1カ月にかかる金額は45,810円となります

③税理士報酬

会社を設立するにあたって、多くの場合税理士と契約をします。


小さな会社でも年間数十万円はかかる税理士報酬ですが、税理士と契約することで

  • 税務調査への対応
  • 節税のアドバイス
  • 決算方法や実施
  • 借入の相談や資金繰りについての相談
などがまとめて行えるため事業経営にとっては大きなメリットです。

しかし、税理士報酬は安くないため自社の利益や経営状況を見定めながら契約しましょう。税理士報酬のせいで経営を圧迫するようでは本末転倒です

契約は税理士法人と個人税理士のどちらかにお願いすることになります。税理士法人は報酬は高めですが、業務の質が高い傾向があります。

個人の税理士は比較的報酬が低めに設定されていますので個人の信頼できる税理士の方がいればその方に頼むのが良いでしょう

大まかな税理士報酬の相場については税理士顧問料・報酬・料金・価格の適正価格をご参照ください。

④定款変更手続き費用

定款は会社設立時に必ず作成するものです。その定款内容を変える場合には費用がかかります


例を挙げますと

  • 商号変更
  • 事業目的の変更
  • 役員変更
  • 増資手続き
  • 所在地の変更
等を行う時には書き換えが必要です。

変更内容によって費用は異なりますが、2~6万円ほどの支払いになります

株式会社は役員の任期が最長10年と決められているため、最低でも10年に1度は変更が必要です

資料作成や登記の件を司法書士へ依頼しなければなりません。そのため費用としては4万円ほどかかると思っていた方が良いでしょう。

自分で定款変更の手続きも行えますし、費用は謄本等の費用だけですので1万前後で済みます。

しかし、定款の変更は複雑かつ処理が多く大変です。そちらの方面に詳しい方は良いのですが、経営に集中するためにも依頼した方が確実です。

⑤その他の会社によって異なる費用

その他、会社によって異なる費用もあります。

  • オフィスの家賃
  • 光熱費などのインフラ代
  • 社員への給料
  • 福利厚生費
  • 在庫管理費
等は会社によって金額の差はありますが必要経費でしょう。

オフィス家賃は自分の持っている不動産で開業すれば必要ありません。

その他の費用で重要なポイントは「従業員の数」です。

従業員を雇うということは、それだけ給料を支払うことになり福利厚生も充実させなければなりません。給料が業界の平均値より下回れば不満がでますし、福利厚生の充実は人材確保の点からも欠かせないからです。

株式会社だけにかかる維持費


維持費の中にも株式会社にしかかからないものもあります


それが 

  1. 決済公告費用 
  2. 重任登記費用 
  3. 株主総会開催費用

 です。


合同会社はこちらの維持費がかからないためそれだけ安く運営できるのです。 


経営をキープする費用が高いのであれば合同会社の方が良いのでは?と思うかもしれませんが、株式会社の強みは信用力や節税、人材確保です。 


維持費と利点のバランスがどのようになるのかよく調べて考えてくださいね。J-Net21の起業マニュアル株式会社のメリット・デメリットを一度ご覧いただけると参考になるでしょう。

①決算公告

決算公告とは会社の決算を公開し、株主や債権者に財政状況や経営の成績などを知らせるものです


経営状況を公にすることで、会社の透明性をアピールでき信頼度も上がります。基本的に1年に1回は行われ、定期株主総会の後に公表されます。


公告の方法は3つに分かれ

  1. 官報
  2. 日経新聞
  3. 電子公告

にて掲載します。


官報であれば6万ほどで掲載が可能です。発行までには1~2週間ほどかかりますので余裕を持って準備しなければなりません。


日経新聞などの全国紙に乗せる場合は10万~100万ほどの費用がかかるケースがあります。会社名を宣伝するには適していますが毎年になると費用がかさむため、大手企業などで採用されています。


電子公告であれば0円でも掲載できます。しかし貸借対照表の5年分の掲載が必要になりますので、他の掲載方法よりも長く情報の公開が必要です。

②重任登記費用

重任登記とは取締役が任期を終えた際、退任と同時に再就任する場合の登記を指します。


重任することで役員交代による変化がないため業務に支障がでにくいことや、改めて役員を選ぶ際に必要な株主総会などを開く必要がないなど事務面や経費面でメリットがあります。


基本的には登記を司法書士に依頼するため3万~6万の出費があります


自ら行うこともできますが、重任登記は決定してから2週間以内に行わなければならず、登記漏れがあると過料が課せられるため司法書士に依頼することがほとんどのようです。


合同会社には役員の任期は定められていないため、意図的に取締役が交代するようなことがない限り登記費用はかかりません。

③株主総会開催費用

株主総会開催費用も株式会社にとっては見過ごせない点です。


株主が集まり重要事項の決定を行うもので年に最低1回は開催しなければなりません。


その際必要な費用としては

  • 会場費
  • お茶代やお弁当代
  • 手土産代
  • 懇親会費用
などがあります。

会場として自社を使用すれば費用がかかりませんが、ホテルなどで開催されることが多いようです。

お茶代やお弁当代の費用とともに、手土産の費用も考えなければなりません。現在手土産は廃止の傾向にありますが、手土産を用意することは株主にとっては魅力的です。

ただし、手土産に重点を置きすぎると来場した株主全員に配らなければならないため費用が大きく増加してしまいますので注意しましょう。

懇親会も株主の交流を深めるために開かれていましたが、こちらも開催しない会社が増えてきました

費用面のデメリットと会社の宣伝や株主獲得のメリットを比較し自社に必要かどうかはきちんと検討しましょう

株式会社・合同会社・個人事業主の設立費用を比較


維持費について解説してきましたが、株式会社と合同会社、個人事業主の設立費用についても簡単に触れていきます。

設立費用資本金
株式会社最低242,000円1円以上
合同会社最低100,000円1円以上
個人事業主不要不要


株式会社の費用内訳は

  • 定款認証手数料
  • 謄本・印鑑証明書手数料
  • 印紙代
  • 登録免許税
合同会社の費用内訳は
  • 謄本・印鑑証明手数料
  • 印紙代
  • 登録免許税
となっています。

株式会社に比べ合同会社は登録免許税はかなり安いです

個人事業主は開業届を税務署に提出するだけで良いので開業するだけであれば費用はかかりません。また、法人のように必ず支払わなければならない維持費もありません。

設立、維持ともに費用がかからないため新しく事業を立ち上げたいときは個人事業主からはじめてみるのも良いかもしれません

法人化すると費用はかかりますが信用度が上がるほか、節税の対象が広がったり優秀な人材を集めやすいといったメリットがあります。

一般的には利益が500万を超えたら法人成りのタイミングと言われています。会社形態は維持費や特徴をしっかり理解し自社にあったものを選びましょう。

まとめ:法人設立後にかかる費用もしっかり理解するべき!

今回は

  • 株式会社、合同会社ともに必要な維持費
  • 株式会社のみ必要となる維持費

の2点を中心に解説してきましたがいかがでしたでしょうか。


法人設立には事業内容や実際の売上の見通しを考える他に、法人の維持費の検討も欠かせません


法人設立をする前の準備についてはプロに相談すると良いでしょう。


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ほけんROOMでは、法人に関する記事が数多くありますので興味のある方は合わせてご覧ください。

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