犬・猫などのペットの購入費用・病院代・餌代は経費にできる?

会社で飼っている犬や猫などのペットにかかる費用を、経費にできることを知っていますか?ペットが会社の利益に貢献している場合は、経費計上できる可能性が高いです。本記事では犬や猫などにかかる費用を経費化する条件や、勘定科目・仕訳方法などを解説します。



▼この記事を読んで欲しい人
  • 飼っているペットの経費化ができないか気になる方
  • 会社の宣伝に犬や猫を起用している方
  • ペットの仕訳方がわからない方

▼この記事を読んでわかること
  • 犬や猫などが経費にできるか
  • 犬や猫などを経費にする条件 
  • 犬や猫などにかかる費用を経費にするときの勘定科目・仕訳方法 
  • 犬を飼育するときにかかる費用
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内容をまとめると

  • 犬や猫などの生き物は経費にできる!
  • 経費にできるのはその生き物が会社の利益に貢献している場合
  • 愛玩用など利益への貢献度が低い場合は経費にできない可能性が高い
  • 10万円未満の費用は消耗品費として費用計上
  • 生産活動を行う家畜は「生物」で資産計上
  • 生き物の購入費など、10万円以上の費用は「備品」で資産計上
  • 10万円以上30万円未満の費用は少額減価償却資産として一括計上できる!
  • 犬を飼育する場合は生涯で200万円以上の費用がかかる!
  • 犬や猫などにかかる費用を経費化したい場合はお金のプロへの相談がおすすめ
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犬や猫などの生き物は経費にできる!


犬や猫などの生き物の購入や飼育にかかる費用は経費にできます。


しかし無条件で費用にできるわけではありません。


経費化するためには、その生き物が会社の利益に貢献している必要があります。


生き物にかかる費用を経費化するには、


  • 会社
  • 個人


どちらが所有しているかを明確にしなければなりません。


会社での所有であれば、経費になる可能性が高いです。


もちろん経費にするためには、


  • ペット関連事業に取り組んでいる
  • ペットが広告塔になっている


など、何らかの形で会社の利益に貢献していることが条件です。


この場合は購入費用から飼育費用まで、その生き物にかかる費用全般が経費化できます。


一方個人での所有は、経費にはできません。


もし個人のペットに対する費用を経費計上すると、税務調査により役員賞与として扱われる可能性があります。


加算税や延滞税が発生する可能性もあるため、個人のペットにかかる費用に関しては、経費計上しないように注意しましょう。

犬や猫などを経費にできる場合

犬や猫を会社で飼育する理由は、宣伝や社員の癒しのためなど様々です。


しかし犬や猫などを会社で飼育しているからといって、全てのケースで経費化できるわけではありません。


経費化するためには、ペットが会社の利益に貢献している必要があります。


それでは具体的にどのようなケースで、購入費や飼育費用を経費にできるのでしょうか。


本章では犬や猫などの生き物にかかる費用に関して、経費にできる3つのケースをご紹介します。

①ペット関連の事業をしている

ペット関連の事業を行っている場合は、犬や猫などの購入や飼育にかかる費用を経費にできます。


具体的な事業例は以下の通りです。


  • 猫カフェ
  • ドッグカフェ
  • ふくろうカフェ


このような動物カフェに訪れる客は飲食のみが目的ではなく、動物とのふれあいを目的に来店します。


つまり犬や猫がいなければ利益が生み出せません。


そのため犬や猫も利益に貢献する一部として、費用を経費計上できるのです。


経費化可能な費用は、


  • 購入費
  • エサ代
  • 医療費
  • 保険料


など、購入から飼育までにかかる費用全般です。


動物園や水族館などについても同様のことが言えます。


基本的にその動物抜きには成り立たない事業であれば、飼育費用をほぼ間違いなく経費にできると言って良いでしょう。


気をつけなければならないことは、経費になるのは事業と関係のある動物のみである点です。


例えば猫カフェを経営していて、裏では熱帯魚を買っている場合、猫にかかる費用は経費にできますが熱帯魚にかかる費用は経費にできません。

②店舗の看板犬となっている

犬や猫など、ペットが店舗などの広告塔である場合は、飼育費用を経費にできます。


  • 看板犬
  • 社員犬
  • 猫駅長


などの言葉を聞いたことがありませんか?


例えば「お父さん犬」と呼ばれる北海道犬が起用されている、大手通信会社のCMを見たことがある人は多いのではないでしょうか。


この会社の事業はあくまで通信関連であり、ペット関連の事業ではありません。


しかしその犬を見ればこの会社を連想させるような、大きな宣伝効果をもたらしています。


このように実際の事業がペット関連でなくても、ペットが広告塔となり利益に貢献している場合は、ペットの飼育費用を経費にできます。


広告塔としての起用は法人・個人事業主ともに可能です。


比較的簡単に犬や猫などを広告塔として起用できる方法としては、


  • WEBサイト
  • YouTube
  • インスタグラム


といったメディアでの宣伝が挙げられます。


職場に犬や猫などがいる場合は、ブランディングや宣伝に活かすことで飼育費用を経費にし、税金対策をしてみてはいかがでしょうか。

③会社で飼ったペットで社員全員で面倒を見ている

会社で飼ったペットで社員全員が面倒を見ている場合は、


  • 宣伝用
  • 番犬
  • 受付用


などの目的であれば、飼育費用の経費化が認められるかもしれません。


会社で飼ったペットの飼育費用を経費にするならば、何らかの形で会社の利益に貢献している必要があります。


そのため、愛玩用のような会社の利益への貢献度が低いケースでは、飼育費用の経費化が難しい可能性が高いです。


犬や猫などにかかる費用の経費化を考えている場合は、犬や猫をどのように会社の利益に貢献させるのかを明確にしておきましょう。


なお熱帯魚に関してはインテリアの一部として備品にカウントされるため、エサ代を経費にできます。

犬などの生き物を経費にするときの勘定科目と仕訳方法

経理処理を行う際は、お金の流れの把握や税金の計算を行うために、適切な勘定科目へ仕訳を行なっていきます。


犬や猫などの生き物を経費にする場合は、購入金額や種類、目的などに応じて、それぞれに合った勘定科目への仕訳が必要です。


それでは具体的にどのような方法があるのでしょうか。


犬や猫などの生き物を経費にするときの勘定科目と仕訳方法としては、


  • 「消耗品費」として費用計上
  • 「生物」で資産計上
  • 「備品」で資産計上
  • 少額減価償却資産として一括経費計上


以上の方法が考えられます。


本章では上記それぞれの方法に関して詳しく解説します。


犬や猫などの経費化を滞りなく行うためにも、適切な勘定科目・仕訳方法を確認しましょう。

①10万円未満なら「消耗品費」として費用計上

犬や猫などの生き物を飼育する上では、

  • エサ代
  • おやつ代
  • ペットシーツ代

などの細かい費用が発生しますよね。

以上のような10万円未満の少額の費用に関しては、消耗品費に仕訳して一括で費用計上を行います。

他にも生き物には医療費などが発生しますが、これは雑費として処理を行います。

重要度の低いものについては勘定科目があまり重視されないため、エサ代やおやつ代なども雑費に含めることが可能です。

ただし全て雑費にまとめてしまうと、帳簿を見返した際に照会が難しくなるため、可能な限り消耗品費として記載した方が良いでしょう。

消耗品費で計上したものは、未使用であれば消耗品に振替ができます。

ここまでは飼育費用に関して解説しましたが、購入費用についてはどのように扱うのでしょうか。

基本的に10万円以上の場合は固定資産として減価償却の対象になります。

しかし熱帯魚は一部の高級魚を除き、購入費用が10万円以下であることが多いですよね。

そのようなケースでは、熱帯魚の購入費用を消耗品費にできます。

②30万円以上の生き物なら「生物」で資産計上

30万円以上の生き物の場合は、生物という勘定科目にあたります。


生物で資産計上できるのは、


  • ヤギ


など、家畜として飼育されていて、生産活動を行っている動物が対象です。


これらの動物は固定資産として扱われ、減価償却の対象になります。


耐用年数については、同じ動物でも繁殖用や肉用など目的によって異なるため、詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。


生物の経理処理を行う際は以下のステップを踏みます。


  1. 毎年年度末に、育成期間中のエサ代などの費用の合計を、育成仮勘定として計上する
  2. 成熟して生産活動を始めた家畜を、育成仮勘定から生物へ振り替えを行う
  3. 減価償却として管理を行う


育成仮勘定として積み上げていった資産を、生物に振り替えた後に費用計上していくイメージです。


そのため購入費は購入した年度に経費にできるわけではなく、成熟したあとでそれまでの育成費用と一緒に経費にします。


なお犬や猫などペットとして飼われている生き物については、購入費が30万円以上であっても、生物で資産計上はできません。


生物として資産計上できるのは、あくまで生産活動を行う家畜が対象であるため、計上の際は注意しましょう。

③犬・猫や熱帯魚は「備品」として資産計上で減価償却する

会社で飼育する犬・猫や熱帯魚は、事務用品などと同じように備品として扱われます。


備品は固定資産にあたり、固定資産税の対象です。


備品の購入費用に関しては資産計上で減価償却します。


生き物を減価償却する際の耐用年数は以下の通りです。


耐用年数
魚類2年
鳥類4年
その他(犬・猫など)8年


基本的に固定資産を減価償却する場合は、一旦購入金額を全て資産計上した上で、

購入金額 ÷ 耐用年数

以上の金額を、耐用年数に渡って徐々に費用計上していきます。


ただし30万円未満の固定資産に関しては、後述する少額減価償却資産の特例を活用することで、一括で経費計上できる可能性があります。


また20万円未満ならば耐用年数に関係なく、一括償却資産として一律3年間で減価償却可能です。


犬や猫などのペットは生き物であることから、「生物」を適用したいと考えるかもしれません。


しかし前述の通り、「生物」にあたるのは生産活動を行っている家畜のみです。


ペットとして飼育されている生き物については、備品扱いになる点には注意しましょう。

資産計上でも10万円以上・少額減価償却資産として一括経費計上できる

減価償却資産には、少額減価償却資産の特例が存在します。

特例を利用すると、10万円以上30万円未満の資産は、少額減価償却資産として一括で経費計上できます。

限度額は1事業年度あたり300万円までです。

この特例は資本金1億円以下の中小法人に対して適用されます。 

もちろん特例を利用せずに、通常の減価償却資産として毎年少しずつ経費計上しても問題ありません。

しかし特例を活用すれば、早い段階で購入費の全額を経費化できます。

一度にまとまった金額を経費計上することで法人税の負担減少も期待できるほか、償却資産税の対象外にもなるため、税金対策として非常に効果的です。

そのため少額減価償却資産の特例が適用される企業については、積極的に活用した方が良いでしょう。

少額減価償却資産の特例は、犬や猫などの生き物についても対象です。

前述の通り犬や猫などは備品、つまりものとして扱われます。

そのため事務用品などと同じように、購入費が30万円未満であれば一括費用計上が可能です。

特例を活用すれば、早い段階で犬や猫などの購入費を経費化できます。

ただし対策のためだけに犬や猫などの生き物を購入するのはやめましょう。

特例の活用で対策になるとはいえ、購入費の負担で会社の現金は減る上に、購入後には数年に渡って飼育費用の負担があります。

あくまで事業上で必要な範囲で購入をしてください。

【参考】犬を購入してから飼うのにかかる費用


犬を購入してから飼うのに、どのくらいの費用がかかるか知っていますか?


犬を飼育する場合は、


  • 初期費用
  • 飼育費用


など、様々な費用が発生します。


大まかな初期費用は以下の通りです。


費用
購入費約10万円〜
畜産登録費用3,000円
狂犬病予防注射(年1回)
3,500円
混合ワクチン接種(初年度3回)1回3,000円〜(種類・病院により異なる)
グッズ代(ケージ、トイレなど)約3万円〜


購入をした後は、


  • エサ代
  • 医療費
  • トイレ等のグッズ代


などの費用が継続的に発生します。


一般財団法人の「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査」によると、1ヶ月あたりにかかる費用は平均12,020円です。


犬の平均寿命が14.48歳であることを踏まえると、生涯で200万円以上が必要になる可能性があります。


この他に去勢・避妊を行う場合は手術費用が、持病がある場合はその治療費などが別途かかります。


また犬のケガや病気に備えて、ペット保険に加入することもあるかもしれません。


このように犬を飼育する場合は、生涯で沢山の費用が発生します。


会社で犬の飼育を検討する際は、責任持って一生涯飼っていけるだけの十分な資金があるか、よく考えてから購入しましょう。

犬や猫は「備品」なので固定資産税がかかる


犬や猫などの購入費用や飼育費用の経費化に関して解説しましたが、いかがでしたでしょうか?


経費化できるかのポイントは、犬や猫が会社の利益に貢献しているかどうかです。


しかし会社で飼育される犬や猫は備品として扱われるため、固定資産税がかかります。


少額減価償却資産の特例を適用することで不要になる場合もありますが、基本的には税金の支払いが必要であると考えた方が良いでしょう。


また飼育費用に関しても、犬の場合は生涯で200万円以上かかる可能性があります。


そのため税金や飼育費用の支払いが滞りなく行えるように、会社の資金に余裕があることが重要です。


余裕がなくなり手放すような無責任なことがないように、計画性を持って購入を検討しましょう。


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