美容院代・化粧品代・スーツ代などの美容費は経費にして大丈夫?

美容院代、化粧品代、スーツ代など美容代の費用は経費として計上することが可能です。ただし「業務に関係している」ことが条件となります。ただし申請の際にポイントを押さえておかなければ税務調査で不当と判断されてしますこともありますので注意しましょう。




▼この記事を読んで欲しい人

  • 美容代全般が経費に落とせるのか知りたい人
  • 美容代を経費で申告する際の注意点を知りたい人
  • 美容代の仕訳方法を知りたい人
  • できるだけさまざまなものを経費で落としたい人


▼この記事を読んでわかること

  • 美容代全般を経費に計上する際の考え方
  • 美容代の仕訳方法
  • 美容代全般を経費として申告する際のポイント
法人のお金やリスクについて悩みがあればまずはマネーキャリアで相談してみてください。

内容をまとめると

  • 美容院代を始めとする美容代全般は業務に関係していれば経費として計上できる
  • 特別な理由がある時のみ有効、定期的な利用や何度も通っている場合は美容代を経費として計上できない
  • 仕事上商品の比較をするために購入した場合の美容代は経費として落とすことができる
  • 美容代の仕訳科目は雑費・消耗品費が一般的
  • 経費計上のための捏造は重加算税の対象となるため厳禁!
  • 領収書やレシートに使用理由を記載しておくと税務調査の際に役立つ
  • 個人事業主の美容代は業務用と私用の関係があいまいになりやすいので按分計算を利用する
  • 経費関係で困った場合はプロに相談!おすすめの「マネーキャリア」を利用してみましょう!
監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

経費にするための条件


美容院に通ったりスーツを着用したり、仕事をするうえで気を付けなければならない身だしなみはたくさんありますよね。


これらの美容代全般費用を経費として落とすことができないか、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。


絶対に経費化は不可能というわけではありません


ただし経費としての条件を満たさなければなりません。


その条件とは

  • 売上に直接関係するための費用
  • 事業を運営するうえで必要不可欠
の2点です。

必ず「仕事上に関係する費用」でなければなりません。逆に言えば、仕事に関係することを証明できれば経費として計上ができるのです

①美容院代を経費にできる事例

美容院代を経費として勘定する例はいくつかあります。

  • 芸能人や劇団員がパフォーマンスをするとき
  • ホステスやキャバクラ嬢など外見が売り上げに直結する職業
  • ホームページ等の作成を行う時の撮影
  • 大事な取引先との商談や会合

芸能人や劇団員がパフォーマンスを行う際には美容セットやメイクが必要であり、仕事に明らかに関係しているため経費として計上できるのは分かりやすいかと思います


ホステスやキャバクラ嬢は外見を整えることは売り上げに直結するため経費として美容院代を落とすことができます。


上記2例は外見を整えることが売り上げに直結する職業での経費計上でしたが、関係のない職種の人でも美容院代を経費にできるケースがあります


それがホームページの作成に使う写真の撮影など、特別に身だしなみを整えらければならない状況がある時です。


パンフレットの写真がボロボロだと会社のイメージダウンですよね。イメージアップは会社の売上に直結する大事なことです。同じ理由で大事な取引先との商談や会合でも美容代を経費として扱うことができます。


注意点としては、定期的に美容院代を経費にしていると日常での使用とみなされ不適当とされてしまうことがあります。計上回数には気を付けましょう。

②エステサロン代を経費にできる事例

美容代の中のエステサロン代も経費にできるケースはありますが、エステの効果は仕事以外にも及びますので業務上のみという条件を満たしにくいのは確かです。

  • エステサロンの従業員
  • 女性雑誌の取材での体験費
  • モデルが撮影前に行ったエステ2~3回分
エステサロンの従業員は他会社の視察としてエステサロンに通うことがあります。こちらは自分のためではなく業務の一環であり、会社のための費用なので経費として計上できるでしょう。

女性雑誌のエステ特集やレポートを書くために取材を兼ねていく場合も仕事に関係していることが明らかなので大丈夫ですね。

モデルや芸能人が撮影前に2~3回ほどエステに行くのは、その日の撮影のためということで経費になる可能性があります。慣習的に通うのは美容院代と同じくNGです。

美容院代は外見をお仕事とする人以外でも特別な撮影や商談では経費となる可能性がありましたが、エステ代を経費として会社から落とすのは非常に難しいでしょう

美容院でのヘアメイクは比較的変化が分かりやすいので、イメージアップをするために必要であると言えますが、エステをしたからと言って一回では大きく変わりません。そのため仕事や売上に関連づけることが難しいのです。

③化粧品代を経費にできる事例

化粧品代は比較的経費として落としやすい項目といえます。

  • モデルが撮影のために使う化粧品
  • コスメのメディアを運営しており比較のために購入した場合

モデルや芸能人が撮影のために使う化粧品は仕事上必要であるので経費として計上できます。


ただし税務調査が入った場合、化粧品は私用との混同が疑われる不当とされるケースがあります。あえて自分用に購入した領収書をとっておくことで、購入した化粧品は仕事用自分用ときちんと分けていることを証明できるようにしておくと良いでしょう。


さらに仕事用私物分けて管理しておくと完璧です。


コスメのメディア運営者が購入する化粧品も経費で落とすことが可能です


コスメの紹介をするうえでさまざまなものを試して比較した方が、商品の特徴や良さを伝えることができますよね。ランキングや使用感を実際に掲載することでアクセス数の上昇につながり利益を増やすことができます。


ただし比較後に自分や社員が使用している場合であればすべての金額を経費計上するのは危険です。

④美容整形代を経費にできる事例


美容整形代はまれに経費として落とすことができますが、落とせてもごく一部だけになるでしょう。


基本的には経費に計上できません


可能な例をあげるのであれば

  • 美容整形のパンフレットなどにのせるビフォーアフターを取るために施術したもの

でしょうか。


美容整形代は外見が仕事につながる芸能人やホステスなどでも経費扱いは難しいです。


美容整形を行うことはその日だけではなく一生涯続く変化となるので「業務上のみ」が原則である経費には沿いません


パンフレットを作成する際業務上どうしても必要な場合を除き不当な計上に認められてしまいますので、経費としての勘定はしない方が無難です。

⑤スーツ代を経費にできる事例

衣類は日常生活にかかせないものなのでスーツ代を経費で購入できるかは非常に難しいところです

しかし、仕事上のみスーツを着る場合は経費として計上できる場合もあります。

例としては
  • 基本的には作業着で業務にあたっているが、システム開発等で取引先に常駐することとなりスーツ着用が必要な場合 
  • 重要な会議や商談・一部取引先訪問をするために特別に用意しているスーツ
  • 普段はカジュアルな仕事着だが、セミナーで登壇するために専用に用意しているスーツなど
のケースであれば不自然ではないでしょう。

どのような状況のために購入したのか、それがきちんと業務上に必要であったのかきちんと証明できなければなりません

スーツ代は経費として購入するのが難しい例ですので、着用した日のセミナーや商談の日付や内容は正式でなくてもかまいませんので、どこかに記載しておくと良いでしょう

ちなみに経費で落とせそうだからと言ってあまりにも高価なものを購入するのはNGです。私物として扱うための購入と判断される理由となってしまいますので注意してください。

美容代を経費にするときの勘定科目

上記であげた美容代の項目を仕訳上どのような科目にするかを表にまとめます。

勘定科目
美容院代雑費・広告宣伝費
エステ代雑費・美容費
化粧品代消耗費
美容整形代雑費・美容費
スーツ代雑費・消耗品費

美容院代は基本的には科目を雑費とすることが多いですが、ホームページやパンフレット掲載のためなどれあれば広告宣伝費として計上しても良いでしょう


すべて雑費として扱うと分かりにくいと感じるのであれば美容費のようなオリジナルの科目を作っておくのも良いかもしれません。


ちなみに消耗品費としての勘定科目が使えるのは金額が10万円以下の時のみです、スーツ代で仮に10万円を超えるようであれば雑費として計上しましょう。

美容院代・化粧品代・スーツ代などを経費として申告するときの注意点


美容院代をはじめとした身だしなみを整えるための経費は、一歩間違えると私的な利用であると指摘されてしまいます


そのような事態を避けるためにも

  1. 捏造は重加算税の対象となる
  2. 領収書やレシートに記録を残す
  3. 私的な利用をした場合は按分計算で経費計上する

の3点は頭に入れておきましょう。

①捏造をすると重加算税の対象になる

捏造をするとペナルティとして重加算税の対象となります


経費として計上するためにありもしないセミナーや商談をでっちあげるようなことですね。


そのようなケースがあれば税務調査が入った場合「脱税」の指摘が入ります。


経費として計算していたのに、認められずに注意を受ける場合とは違い無いものを有るとした捏造は明らかに悪意あるものと認められます。追加納税が課されるだけでなく、金融機関で融資を受ける際の足かせになってしまうのです


あきらかな不正が認められた場合は、刑事罰を受けたり逮捕されてしまうこともありますので気をつけてください。


国税庁の法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)に詳しく記載されていますので一度目を通しておくと良いでしょう。

②領収書やレシートにメモをするなど記録を残しておく

領収書やレシートに逐一なんのために使用したのかをしっかりメモしておく行為も申告の時には大いに役立ちます


美容代全般は経費にあげることができるかどうかはあいまいな項目です。


業務上だけでなく日常につながりやすいため税務調査が入った場合美容代はどうしても目につきやすくなってしまいます。


そのため経費におとすための原則である「仕事上での使用であった」ということは明確に説明できるようにしなければなりません。


できるだけどのようなイベントだったのか、いつ開催されたのかなど詳細に書いておくと良いでしょう。説明する際に調査員に詳細が伝えられるだけではなく、きちんと経費管理ができていることをアピールできますよ。

③スーツ代などは按分計算で経費計上する

個人事業主の方は特にそうなのですが、スーツ代を始めとする美容代は日常として使うことがないとも限りません。仕事以外でも何度か使用する場合もあるでしょう。


そのような場合は按分計算をして経費に計上しておけば安心です。


例えば5万円のスーツを購入し、10回のうち1回は業務外で着用する場合は

借方貸方
消耗品費 50000円
事業主貸 5000円
現預金 50000円
消耗品費 5000円

のように10分の1は経費に計上せず事業主貸(事業用のお金を事業主個人に貸すための項目)を使用します。


購入したものを1回だけ私用で使った程度では按分計算の必要はないかもしれませんが、私的利用が少しでも多いと感じたら業務用と私用で分けて考えた方が良いでしょう。

美容代を経費にできるかのまとめ

美容院代やスーツ代「仕事に関係があるか」が証明できたら経費として計上することが可能です。


しかし、注意点をしっかり押さえておかなければ税務調査が入った場合に不当な計上として指摘されかねません。

経費管理はポイントを押さえながら正しく行いましょう。

困った時にはマネーキャリア」で気軽に相談して見てください。

またほけんROOMでは、法人に関する記事が数多くありますので興味のある方は合わせてご覧ください。

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