全くの他人に学資保険をかけることは可能なのか?徹底解説します。

学資保険は血縁関係にある子どもに保険をかけると考えるのが一般的です。親の他にも叔父・叔母が甥・姪に、祖父母が孫に学資保険をかけるケースはよく耳にします。しかし、養子縁組のケースや、血縁関係にはない他人でも学資保険をかけてあげられるか、について解説します。

血縁関係のない他人の子に学資保険をかけるのは可能か


税金上の関係もあり、学資保険は子どもの親が契約者となり加入するのが一般的です。


しかしながら、最近では祖父母が孫のために、叔父や叔母(伯父や伯母)が甥・姪のために、学資保険を検討するケースも増えてきています。


その他にも、養子縁組で迎え入れた子どものケースや、血縁関係のない他人の子どものケースも考えらます。


他人でも学資保険をかけることはできるのでしょうか。


学資保険は、どこまでの範囲でかけられるのでしょうか。



そこで、この記事では「学資保険の契約者の範囲」の観点で 

  • 叔父や叔母が甥・姪の、祖父母が孫の、学資保険の加入可否
  • 養子縁組をした子どもの学資保険の加入可否
  • 血縁関係のない他人の子どもの学資保険の加入可否

について、お話します。


この記事を読めば、「学資保険に契約者として加入できる範囲」が分かります。 


ぜひ、最後までご覧ください。

法律上、他人と他人ではないの定義は3親等で判断される


学資保険に加入する際、父親か母親のどちらかが契約者となり、その子どもが被保険者となり、保険に加入するのが一般的です。


しかし、契約者と被保険者の関係が3親等以内であれば、学資保険を契約できる可能性があります。


その他の生命保険は、契約者と受取人の関係は2親等以内なのに対し、それよりは学資保険の契約範囲が広いくなっています。

3親等の範囲を以下の図から考えましょう。(詳しくは、国税庁のHPを参照)

3親等の範囲

3親等の範囲

子どもから見て3親等以内には、祖父母や叔父・叔母が含まれていることがわかるでしょう。


では、どのような関係の人が学資保険に契約者として加入できるのか、下記のように詳しく見ていきましょう。

  • 叔父や叔母が甥・姪の学資保険、祖父母が孫の学資保険の場合
  • 養子縁組をした子どもの場合
  • 血縁関係のない他人の子どもの場合

祖父母、叔父・叔母も3親等以内 保険をかけるのは可能

上の図を見ると分かるように、被保険者の子どもから見て、祖父母や、叔父・叔母も3親等以内に入ります。


ですから、祖父母が孫の学資保険に、叔父・叔母が、甥・姪の学資保険に、加入することは可能です。


自分が叔父・叔母の立場であれば、その子どもは他人ではなく、学資保険をかけられる対象となります。 


さらに言えば、祖祖父母からひ孫の学資保険をかけることも、理論上は可能だと言えます。


ただし、祖父母が孫の学資保険に入る場合も、叔父・叔母が、甥・姪の学資保険に入る場合も、親権者の同意が必要になってきます


保険会社ごとに対応が異なる場合がありますが、基本的に親権者(子どもの親)の同意が必要になると考えておきましょう。


また、祖父母が病気や持病を抱えている場合は、加入できる保険が限られてしまいますが、病気を抱えていても加入できる学資保険もありますので、そういった保険を利用するようにしましょう。

養子縁組をした他人の子でも、戸籍上の子であれば可能

では、養子縁組をした場合の他人の子どもに、学資保険をかけることはできるのでしょうか。
 


他人の子どもでも、養子縁組として迎え入れた場合、戸籍上の子どもとされていれば、学資保険の契約をすることが可能となります。 


戸籍上の「子」として認められるには時間がかかるかと思いますので、引き取ってすぐ学資保険に加入するのは難しいかもしれません。
 


しかし、学資保険は0歳や1歳でなくとも加入はできますので、「子」として認められてから学資保険を契約しても遅くはありません。
 


養子縁組の場合、子と親は元は他人ですから、学資保険を契約してあげたいといった場合には、戸籍上の子どもとして認定してもらうのが最善の方法かと思われます。 


ただし、こういったイレギュラーなケースは、保険会社に確認をするようにしましょう。

全くの他人の子どもに学資保険をかけることは難しい

次に、養子縁組とは関係なしに、全くの他人の子どもを被保険者として、学資保険を契約することはできるのでしょうか。


血縁関係のない他人に保険をかけることは、学資保険でもかなり厳しいでしょう。 


医療保険や生命保険の場合でも、同様に難しいと言えます。 


学資保険は契約者と被保険者の関係が3親等以内、と範囲がありますから、それに含まれない関係の人が、学資保険に加入するのは、かなり難しいでしょう。


先ほどの養子縁組の場合は、戸籍上「子」として認定されていれば、法律に則り、他人ではなく子どもになるので、加入が可能になるケースです。


では、保険を他人にはかけられない理由があるのでしょうか。


これは、犯罪などのトラブルを防ぐためと言えます。 


特に死亡保険などでは明確ですが、金銭が絡む範囲に対してお金をかけているので、犯罪の温床となりかねません。 


実際には血縁関係のあるもの同士でも、保険金を目的とした犯罪は起こっているものの、血縁関係のない他人同士の犯罪はその比ではありません。


そういったリスクを軽減するためにも、保険を悪用されないためにも、保険会社は他人と血縁関係の間でルールを定めているという訳です。

学資保険を検討する場合は、そのポイントをチェックしよう


子どもや孫の教育資金を貯めるには、学資保険を検討する方が多いかと思います。


貯蓄性の高さ、契約者の死亡保障など、メリットはたくさんありますが、デメリットもあります。


学資保険を検討する際には、そのポイントを詳しく知り、後悔しない学資保険選びをしましょう。


また、学資保険以外にも、子どもの教育資金を貯める方法はありますから、年齢制限や病気の面で、学資保険の加入が難しい場合は、以下のことを参考にしてみましょう。 

子どものために学資保険を選択する考え方

学資保険のメリットは、貯蓄性に優れている点です。


元本が保障される金融商品には、銀行の定期預金、郵便局の定額貯金や、個人向け国債などがありますが、これらの金融商品と比較して、学資保険は高い利率(返戻率)を保っています


それぞれの保険会社の学資保険の利率は、「学資保険返戻率ランキング!」の記事を参考にしてみてください。


ただし、保険に加入する際に特約をつけすぎると保険の利率(返戻率)が下がってしまい、本来の目的とそれてしまうことがありますので注意しましょう。


病気やケガの保障は大切ですが、利率(返戻率)も確認してから、契約することが大切です。


また、親の年齢や子どもの年齢で加入が制限される場合もありますから、祖父母や叔父・叔母が契約者になる場合には、年齢のことも確認するようにしましょう。


他にも、学資保険にはメリット・デメリットがありますので、詳しく知りたい方は、学資保険の4つのメリットと4つのデメリットの記事を参考にしてみてください。

子どものために学資保険を選択しない考え方

契約者の年齢や病気の面で、学資保険を検討するのが難しいケースもあるでしょう。

しかし、学資保険以外の金融商品でも、子どもの教育資金を貯めることができます。

学資保険を選択しない、という考え方もあるのです。

学資保険は、貯蓄性に優れていて元本が減るリスクは少なく、親の死亡時であっても確実にお金を貯蓄できるというメリットがあります。

しかし、資産運用の観点からすると、同じリスクをとってもさらに利回りのよい商品があります


学資保険以外の4つの運用方法で、学資保険を選択しない場合の代替案を、細かくまとめています。


興味のある方は、学資保険を検討する際に参考にしてみてください。

まとめ:祖父母、叔父・叔母、養子縁組でも学資保険の加入は可能


この記事では、「学資保険に契約者として加入できる範囲」についてみてきましたが、いかがでしたか。


血縁関係のない、全くの他人に学資保険をかけることは難しいことが分かったかと思います。


「契約者として加入できる範囲」について、以下のようにまとめてみましょう。

  • 契約者と被保険者の関係が3親等以内であれば、学資保険に加入できる。
  • 叔父・叔母、祖父母は3親等以内にあたり、学資保険をかけることができる。
  • 養子縁組をした子どもは、戸籍上の子であれば、学資保険をかけることができる。
  • 血縁関係のない他人の子どもの学資保険をかけることは難しい

生命保険など他の保険に比べて、学資保険は犯罪が起こるリスクが小さいため、他人の範囲の基準がややゆるく、叔父や叔母でも甥や姪の学資保険を契約できます


しかし、血縁関係のない全くの他人の子どもでは、学資保険をかけることは難しいと言えるでしょう。


学資保険は、貯蓄性に優れているなど、様々なメリットがあるので、子どもの教育資金を貯めるのにおすすめです。


しかし、孫の学資保険を検討したいと祖父母の方が考えても、病気や年齢で加入が難しい場合もあります。


そういった場合には、学資保険以外の選択肢もあることを覚えておきましょう。


子どもや孫の教育資金は、親の力だけで賄うには厳しい時代ですから、祖父母や叔父・叔母など、周りのサポートがあれば、子どもも安心して勉学に励むことができることでしょう。

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