公立中学校の学費は年間・月々いくら?授業料・入学金の費用、その他の費用は?

公立中学校の学費は月額いくらなのか、また3年間でいくらなのかの費用、そして授業料や入学金といった学費の内訳を解説します。そして、私立中学校の学費との比較、東京や大阪など地域別にみた公立中学校の学費の違い、就学援助制度といった無償化の制度についても紹介します。

公立中学校の学費は年間・月々いくら?

現在、公立中学校に通っている子どもがいる方は「学費」に関してどのような考えを持っておられるでしょうか。


公立中学校は私立中学校と異なり、授業料や教科書代といった費用は無料ですがが、実はそれ以外の部分で「お金がかかる」と感じておられる方は少なくありません。


塾に通うための費用、部活の道具や遠征にかかるお金など、勉強に関わること以外の部分で、家計の負担が大きいと思われている方は多いのです。


そこで今回は「公立中学校の学費」について、

  • 公立中学校の3年間でかかる費用とその内訳とは?
  • 都市部の学校かそうでないかによって学費に違いが発生するのか?
  • 学費を支払うのが難しいと思ったらどうすれば良い?
以上の点を解説していきます。

この記事をご覧になった方が、公立の中学校でも「学費が家計の負担となっている」のが自分の家庭だけではないこと、そしてその問題を公的に解決する方法があることを理解していただけたら幸いです。

公立中学校の3年間にかかる費用とその内訳

小学校が6年間あることに比べれば、中学校生活は半分の3年間ですから、それだけかかるお金も半分になれば良いのに…と思われるかもしれません。


実際のところ、義務教育である小学校・中学校・高校の学費を比較すると、以下のようになります。(参考:文部科学省「子供の学習費」


種別学習費総額(円)
公立幼稚園682,117
公立小学校1,934,173
公立中学校1,433,090
公立高等学校1,351,336


この統計では小学校が最も学費の総額が高くなっていますが、期間が6年間もあることを考えれば妥当、と言えるかもしれません。


しかし、大学入試があるはずの高校よりも、中学校の学費の方が高くなっていることを意外に思われた方も多いでしょう。


次に、学年ごとでどのくらいの学費が発生するのかを見てみましょう。


学年学習費総額(円)
1学年469,153
2学年392,774
3学年571,163


このように、入学に伴い様々な備品を用意する必要がある1学年や、高校入試のためにより勉強に力を入れる3学年は、とりわけ大きな出費が必要になることが分かります。


より重要な点として、中学校生活においてお金がかかるのは、勉強に伴うことだけではなく、小学校の頃よりも「学習外」の学校活動に時間を割くようになることも関係しています。


では次から、公立中学校では具体的にどのようなことにお金がかかるのかを紹介していきます。


入学時に必要な費用

公立中学校では、基本的にどのようなことにお金がかかるのでしょうか。 


基本的に公立中学校は私立中学校と異なり、入学金授業料教材費が必要ありません。 



中学校において入学時に必要となる代表的なものは、 

  • 制服 
  • ジャージ・体操服・水着等 
  • 上靴 

このようなもので、学校に着ていくものや授業で使用する備品にお金がかかります。 


公立中学校の制服やジャージに関しては1着あれば長く着ることができますので、私服よりもお金がかかりません。 


ただし、学校側が指定する専門の店舗で購入することになるため、基本的には定価よりも安く購入することが難しいのが難点です。 


このような、公立中学校入学時に必要な費用を総じて「学校納付金」と言い、文部科学省の統計によると公立中学校における学校納付金の平均は総額で約14,000円となっています。

学校教育費関連の費用:学校納付金や修学旅行の費用など

また、授業とは別に部活で必要な服や備品にもお金がかかります。


部活等で必要となる費用を「教科外活動費」と言いますが、こちらも文部科学省の統計によれば、平均で総額31,319円となっています。


ただし、全ての部活でそのくらいかかるのかというとそうではなく、以下のようにお金がかかる部活とそうでない部活に分類できます。


部活別で見る出費の多さとその理由(目安)

部活名目出費が多いか?理由
野球部専用のユニフォームに加え道具にもお金がかかる。
合宿費や大会の参加費を負担する場合あり。
テニス部同上
サッカー部専用のユニフォームや靴等にお金がかかる。
合宿費や大会の参加費を負担する場合あり。
バレー部同上
吹奏楽部◎※最もコストが高いのは楽器類である。
※ただし、楽器は学校から貸与が可能な場合も
多いため、一概には言えない。
演劇部基本的に備品は学校から経費が出ることが多く、
生徒側で出費することは少ない。
合唱部備品として必要な物品が少ない。
大会等に参加する場合は参加費が必要な場合も。
美術部活動費自体では出費が少ないが、
絵の具等必要な道具にこだわると
高額になる場合も。


基本的に、運動部は文化部よりも出費が多くなります。


また、その学校が特定の部活にどれだけ力を入れているか、どれだけの予算が回されるかによっても、生徒側が負担する費用は大きく変わってきます。


また、もう一つのお金がかかる代表的な項目として、卒業(修学)旅行費が挙げられます。


統計では公立中学校における卒業旅行の平均費用は約25,000円となっていますが、「どここに行くか」によって費用は大きく変わってきます。


修学旅行に行く子どもたちには旅行中自由に使えるお金も必要となりますから、ある程度旅費を多く見積もって、あらかじめ資金を用意しておく方が良いでしょう。

補助学習費:家庭教師や学習塾費用など

中学生が最も意識するのが、高校受験です。


高校受験は将来の希望を叶えるために最も重要なステップと言えますから、希望する高校に行くための受験勉強に励むことでしょう。


高校受験に伴い、多くの中学生が学習塾に通ったり、家庭教師を雇ったり、自宅で通信講座を活用したりします。


これらの費用をまとめて「補助学習費」と言います。


文部科学省の統計では、公立中学校に通う中学生における補助学習費の平均総額は239,564円となっており、学校で勉強する費用よりも明らかに出費が多くなることが分かります。


公立中学校に通う学生の補助学習費の内訳は、次の通りです。

補助学習の種類総額
学習塾費202,498
家庭教師費等17,868
家庭内学習費14,347

※参考:学年別にみた「補助学習費」(文部科学省)


この統計における公立中学校生の学習塾費は、実は私立中学校生の補助学習費総額よりも高くなっています。


それだけ、上のランクの高校を目指している公立中学校の生徒は、補助学習費という分野に多くのコスト比重をかける場合が多いのです。

その他の学校外活動費:習い事など

さらに、学校に通いながら、他の時間でいわゆる「習い事」をしている場合の出費も考える必要があります。


主に中学生が行うような習い事には、

  • 英会話
  • 水泳
  • ピアノ
  • 各種スポーツの育成クラブ
このような種類が含まれますが、これらは単に「趣味」として行うだけではなく、進路決定に役立つものとして行っている場合も多いです。

学校内の部活にお金をかけずに、このような「学校外活動」の方を重視することもあるでしょう。


ちなみに文部科学省の統計では、様々な習い事を含む「学校外活動費」の公立中学校での平均は総額で61,620円となっており、決して少なくない額が学校外活動費に費やされています。


子どもの頃から継続している習い事を続けるだけではなく、中学校に入ってから新たに習い事を始めるという場合、追加でその分の出費も考える必要があるでしょう。

[特別費用]高校受験の費用

高校受験は中学生において最も重要なステップですから、受験にいったいどれだけのお金がかかるのかが気になる方も多いでしょう。


文部科学省の資料によれば、平成27年度における高校受験または高校生活にかかわる費用は、以下の通りです。


全国の全日制公立高校の入学における各種費用は、

  • 検定料(受験料):2,200円(一部地域で相違あり)
  • 入学料:5,650円(一部地域で相違あり)
  • 授業料:9,900円
となっています。

このように、公立高校に入学する場合は受験料や入学費用にはそこまでお金はかかりません。

私立高校を受験する予定の方は、2020年4月から「私立高校の授業料無償化」が始まりますので、チェックしておきましょう。

ただし、併願(複数の高校を受験)をする場合は受ける学校の分だけお金がかかります。

地域別(東京/大阪/地方)の公立中学校の学費

次は、公立中学校の学費の違いを地域別で見ていきましょう。


文部科学省の統計によれば、人口規模で分類してみると、学費に以下のような違いがあることが分かりました。


人口規模学習費総額(円)
5万人未満395,829
5万人以上15万人未満444,087
15万人以上510,362
指定都市・特別区530,947


あくまで統計なので単純比較はできませんが、やはり人口の多い地域の方が、公立中学校における学習費の総額も高くなっています。


ですから、東京や大阪など日本の中でも都市部とされている地域においては総学習費は、地方の学校に比べて高くなる傾向にあります。

払えないと不安な方必見!公立中学校の学費免除・援助(就学援助制度)

今までのことを踏まえると、はたして公立中学校の学費は安いのでしょうか、それとも高いのでしょうか。


実際のところそれは、主観によります。


とりわけ世帯における総収入が少ない場合、たとえ公立の学校に通っていても「出費が辛い」と感じている方もおられるでしょう。


しかしそのような場合でも、「子どもを学校に通わせられない」と感じる必要はありません。


国が用意している学費免除(就学援助)制度を活用することができるからです。


実際に札幌市が行っている学費免除制度に注目してみましょう。


札幌市では収入が次に示す金額以下の場合に、学費免除の対象となります。


【世帯収入が給与収入のみの場合】

1世帯の人数限度額
(住居:賃貸)
限度額
(住居:持家)
2人2,270,0002,644,000
3人3,431,0003,275,000
4人3,699,0003,531,000
5人4,145,0003,956,000
6人4,809,0004,590,000
7人5,677,0005,419,000


【世帯収入に給与以外の収入がある場合】

1世帯の人数限度額
(住居:賃貸)
限度額
(住居:持家)
2人1,757,0001,670,000
3人2,219,0002,110,000
4人2,416,0002,289,000
5人2,775,0002,624,000
6人3,306,0003,130,000
7人4,000,0003,792,000

参考:札幌市の就学援助


そして、収入がこれらの金額を下回っている場合、次のような内容の援助を受けることができます。


【就学援助の詳細(抜粋)】

援助種類援助対象援助内容
学用品費等全員24,800~27,050円の援助
宿泊校外活動費対象学年のみ相当額
修学旅行費対象学年のみ相当額(例外あり)
体育実技用品1年生水着・柔道着
スキー用具等
通学費通学距離に応じて援助相当額
入学準備金次年度の入学予定者

※事前申請が必要
57,400円
給食費全員認定月以降の給食費が0円


実際にこのような援助は札幌市だけでなく全国で行われています。


これにより、たとえ親の収入が少なかったとしても、子どもたちは学校での勉強に集中することができるのです。


中には事前に申請が必要なものもありますから、これから援助を受けようと考えている方は確認しておきましょう。

公立中学校の学費のまとめ

今回は「公立中学校の学費」をテーマに、実際にどのくらいのお金がかかるかという点について取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 公立中学校における「学費」には、塾や習い事など学校外の活動費も含まれる
  • 特に修学旅行、また運動部の部活の備品購入には多くの出費が必要となる
  • 統計によると人口の多さは、かかる学費の大きさに比例する
  • 世帯収入が少なくても、国の就学援助制度を利用できる
以上の点です。

今回取り上げた金額はあくまで目安でしかなく、実際は子どもが大きくなっていくにつれて様々な面で出費がかさみます。

ですから「公立中学校はお金がかからない」というイメージで終始して安心するのではなく、親の皆さんは前もって準備しておくことで、子どもが安心して学校に通えるようにしましょう。

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