更新日:2020/03/07
孫のための学資保険による贈与税は小分けにして目的通りに使おう!
孫のために学資保険へ加入する方は多いですが、そのまま教育資金として孫に譲渡するのは待ってください。そのまま譲渡すると多額の税金で本来の目的に使えなくなる恐れがあります。学資保険と贈与税の関係を贈与税の計算式とその仕組みから見ていきましょう。
目次を使って気になるところから読みましょう!
孫に学資保険をかける場合は贈与税がかかる
孫にかける学資保険には贈与税がかかることが一般的です。しかし、この贈与税というのは何らかの対価で支払われるものではなく単純に授受するものから何ら経済的貢献のないものと判別され、その授受には多額の贈与税が課せられることになります。
孫のためにやったことだとしても思わぬ不利益を味合うことになる危険性もあります。そのため安易に学資保険に入り孫に譲渡しようとせず、贈与税のことをしっかりと計算に入れておくことが重要です。
祖父母が孫に払う学資保険に課される贈与税
ただし、学資保険の使い道を孫にしている以上は受取人を孫にしていることが多いでしょう。しかし急激な資産の増加というのは課税対象となる資産が増えるということでもありその贈与税を考えて実行に移さなければ有難迷惑になることもあります。
実際に学資保険の満期金を孫に渡したところあまり喜ばれなかったり、長男だけに保険金渡してしまい不仲を引き起こしてしまったという加入者もいます。やはり慎重に孫たちのことと贈与税のことを考えた方が良いでしょう。
贈与税の基礎控除は年間110万
学資保険の満期金に対する贈与税の課税額の計算式は以下の通りです。
(満期金ー110万円)×税率ー控除額
税率と控除額に関しては次の通りです。
贈与税の課税額算出の計算式に含まれる110万円という定数は基礎控除といいどの方にも適用されます。
満期金からこの基礎控除額が返金されそこに税率がかけられるため年額で110万円を超えなければ贈与税はかからないということが分かります。
110万を超えた分に関しては課税される
例えばある学資保険の満期金500万円について、ある年に200万円を孫に譲渡した場合を考えてみましょう。満期金の内200万円を受け取っているので基礎控除後は90万円となります。この場合は税率10%に控除額は無いので9万円が贈与税の対象となります。
このように受け取った年に関して贈与税は発生しますので小分けに引き出すことでかなりの節税が期待できそうです。
祖父母が孫に学資保険を贈与する場合の注意点
また、学資保険に限らず加えて孫に限らず何かを誰かに譲渡する際には何らかの法整備がされています。学資保険も多額の満期金と共に保障機能がついているため悪用されることによる被害は極めて大きいです。そのため所定の手続きとそれによって発生する法的効力を守るためにあるルールが付加されます。
このルールをきちんと知っておかないと不利益を被る可能性があります。お孫さんのために貯めてきた学資保険を丁寧に使うためにも頭に入れておいてください。
一度贈与された資金は贈与者に戻すことはできない
結局、一度孫に渡したものに関しては取り戻すことはできません。もし不当に贈与が行われている場合はその契約の破棄ができますが、保険会社との契約で受取人と契約内容が合致している以上不当な譲渡というのは考えづらいです。
学資保険の満期金の譲渡を行う場合は必ず110万円以内の譲渡かを確認しいつ支払われる者かも確認しておきましょう。
孫の了解なしに贈与すると非課税措置が利用できない
特に今回のように祖父母が孫の教育資金のために積立ているものを孫の了解なしに贈与することは不当な節税つまり脱税であることを避けるために孫の受け取る意思が重要となります。
正統な贈与として判断するためには贈与者と受贈者双方がどのような資金であるかを明確に理解したうえでその利用に努めるとともに管理をしなければなりません。
非課税措置をとるためにはどのようなお金がどんな使用意図でどのくらい使われたかを正確に測らなければなりません。そのためにはこのような双方の理解と確認が必要となるのです。
学資保険の節税についてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。
「教育資金一括贈与制度」というものもある
「教育資金一括贈与制度」とは
一括で贈与しなくとも小分けにして贈与することで不要な資金を贈与せずに済みます。なおこの制度を使う際には専用口座を開く必要があり、使用した領収書も求められます。受贈者が30歳になるまでに使用しなければならないという制約もついていますのでお気を付けください。30歳になった時点での残高分が課税対象となります。
学資保険は「教育資金一括贈与制度」の対象外であることも
例えば留学のために入学金や授業料は教育資金ですが、宿泊代は教育資金ではないといったように分類されます。このほかにも細かい規定があります。
教育資金が何に当たるのか、また学資保険のプランがその枠組みに適用されるのかを確認したうえで贈与した方が良いでしょう。