結婚による保険証の変更手続き・必要書類!切り替え中の保険証は病院で使える?

結婚・入籍後に保険証の苗字変更をするには、いつまでにどうすればよいのでしょう。今回、結婚による名字変更の際の続きや必要書類、発行までの期間を解説します。また、旧姓のままの保険証は使えないのか、氏名変更中保険証がない期間に病院で保険証を使えるのかも解説します。

結婚による保険証の変更手続き!届くまで病院を受診できない?


結婚後は銀行口座やパスポートなどの名義変更を行わなければならず、何かと慌ただしいですよね。


また、結婚後の大切な手続きの一つに健康保険の保険証の切り替え手続きがありますが、保険証の切り替え手続き方法はご存知でしょうか?


保険証の手続きに不備があると、医療機関での受診時に公的保険制度が利用できない可能性もありますので、今一度保険証の切り替え手続き方法を確認しておきましょう。


そこで、この記事では『結婚後の保険証手続き』について、

  • 結婚による保険証の切り替え手続き方法とは
  • ケース別にみる保険証の名義変更手続きと必要書類について
  • 結婚しても親の扶養のまま社会保険に加入しておくことができるのか
  • 保険証が届かない間に医療機関にかかる方法とは
  • 名義変更は保険証だけではない!結婚後のやることリスト
以上を中心に解説していきます。

この記事を読んでいただいたら、保険証の切り替え手続きが必要な方のお役に立てるかと思います。

ぜひ最後までご覧ください。

結婚による保険証氏名変更(切り替え)手続きと必要書類!

結婚後の保険証氏名変更について、具体的な手続き方法や用意すべき必要書類を解説します。


健康保険の種類によっても手続き方法が異なりますので、

  • 国民健康保険
  • 社会保険

のそれぞれで次項以降で詳しく解説します。


結婚にあたっての手続きは種類も多く、どれも煩雑です。


健康保険証の切替手続きをサクッと終わらせられるように、気を付けるべきポイントも含めてお伝えしますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

保険証の名前変更手続きの流れと必要書類:国民健康保険の場合

自営業・フリーランスの方や、専業主婦の方など国民健康保険(国保)に加入している場合の手続き方法を解説します。


結婚後の働き方やライフスタイルによって手続き方法が異なります。

結婚後も継続して働く場合

結婚後も継続して働く場合は、現在利用している国保保険証の名前変更の手続きを行います。居住先の市区役所にて手続きが可能ですので、保険証を持参し窓口に行きましょう。


退職し専業主婦・主夫として配偶者の扶養に入る場合

現在の仕事を退職し、配偶者の扶養家族となる場合は、現在の国保は脱退、かつ配偶者の健康保険へ被扶養者として加入する手続きです。手続き順序は、

  1. 配偶者の勤め先にて健康保険(社保)への加入手続き
  2. 社保加入し新しい保険証が届いたら、市区町村窓口にて国保脱退手続き

となります。国保脱退手続きは新旧それぞれの保険証印鑑が必要となりますので、忘れずに持参するようにしましょう。

保険証の名前変更手続きの流れと必要書類:社会保険の場合

会社員や公務員の方向けに社会保険(社保)の切替手続きを解説します。


結婚後の働き方やライフスタイルに応じて手続き方法が異なりますので、ご自身の状況に当てはまる箇所を確認しましょう。


結婚後も継続して働く場合

継続して働くのであれば、現在利用している社保の名前変更手続きを行います。手続き自体は勤め先が実施しますので、人事総務窓口などに手続き方法を確認しましょう。

退職して専業主婦・主夫として配偶者の扶養に入る場合

退職して、配偶者の扶養に入る場合は、

  • 配偶者の務め先にて健康保険(社保)への加入手続き
  • 元々の勤め先窓口を経由して現在利用中の社保を脱退

の2つを実施する必要があります。


新保険への切替と旧保険の脱退がスムーズに行えないと、保険料の2重支払いや、保険が適用されない空白の期間ができたりと不都合も発生します。


漏れなく手続き完了出来るように、予め手続き方法はチェックしておくと安心です。

切り替え手続きにかかる期間は?新しい保険証はいつ届く?

協会けんぽの場合、切替や新しい保険証が手元に届くまでにかかる時間は申請処理完了後2日後に発送とされています。


例えば会社員として働いていた方が結婚後も継続して働き、保険証の氏名変更だけを行うケースで紹介します。

  • 勤め先に社保の氏名変更手続きを行う:1~2日
  • 勤め先から加入先の健康保険組合に氏名変更申請を行う:1~2日
  • 健康保険組合で申請内容の確認・登録処理の実施:1~2日
  • 新保険証の発送:2日

となるので、氏名変更の手続きをしてから新しい保険証が届くまでは1週間程度を見ておくのが良いでしょう。


新しい保険証が届くまでの期間で病院を受診する場合は、

  • 受診先病院で事情を説明し、後日保険証を持参することを前提に3割負担としてもらう
  • とりあえず全額負担しておき、後日加入先の健康保険組合に「健康保険療養費支給申請書」を提出することで、過剰分の払い戻しを受ける

などの方法が利用できます。なお、氏名変更手続き後は旧保険証をそのまま使えないので、くれぐれも注意ください。

ケース別にみる保険証の名義変更手続きと必要書類について

結婚後どのような働き方・ライフスタイルを選択するのかによって手続き方法は異なります。


次項以降では、より具体的にモデルケースを設定して保険証の名義変更手続きを解説します。

  • ケース①:結婚後も変わらず共働きをする場合
  • ケース②:結婚後、退職する場合
  • ケース③:結婚後、退職して転職する場合
ご自身の状況に近いケースを確認頂くと、手続きに戸惑うこともなくなります。ぜひ最後までチェックしてみてください。

ケース①:結婚後も変わらず共働きをする場合

結婚後も働き続ける場合は、保険証の名義変更だけを実施します。加入先の健康保険に応じて、それぞれ手続き方法は以下の通りです。

国保の場合

市区町村の窓口にて変更手続きを行います。必要書類は、マイナンバーカード通知カードと、運転免許証などの身分証明書を持参します。

社保の場合

勤め先の人事総務窓口にて取り纏めて手続きを行います。手続き方法や必要書類は勤め先毎に異なる場合があるので、窓口担当に確認してみましょう。

ケース②:結婚後、退職する場合

結婚を契機に退職するケースは、退職後の働き方やライフプランにより手続きが分かれます。

扶養に入る場合

退職後は専業主婦・主夫として配偶者の扶養に入る場合は、配偶者側で扶養加入の手続きと、自身の健康保険の脱退手続きを行います。まずは扶養登録を行い、次に脱退手続きの順番で手続きを行います。

健康保険の任意継続をする場合

任意継続は、元々の健康保険を最大2年間に渡って継続する手続きです。給付金制度を継続利用出来たりと多くのメリットがありますが、雇用主が支払っていた保険料分も合わせて2倍の保険料支払いをしなければならないデメリットもあります。


任意継続を選択する場合は、加入先の健康保険組合宛に申請書を提出することになりますので、具体的な手順は健康保険組合に確認しましょう。

国民健康保険に加入する場合

新たに国保に加入する場合は、自身の健康保険の脱退後に、市区町村窓口にて新規加入手続きを実施します。

ケース③:結婚後、退職して転職する場合

結婚後に元々の勤め先を辞めて、別の会社に転職をするケースは、

  • 元々の勤め先にて健康保険の脱退手続き
  • 転職先にて健康保険の新規加入手続き

を行います。


会社員の場合は、人事総務窓口で取り纏めて申請を行いますので、変更手続きをすることが分かった段階で、具体的な手続き方法を確認し、漏れなく手続きをするようにしましょう。

保険証が届かない氏名変更中に病院に行く場合

新たな会社に勤めだすと、その会社での健康保険証を受け取ることになります。


しかし、健康保険の手続きの関係上、会社に勤めだしてすぐには保険証を受け取ることができず、2週間ほど保険証が手元にないという状態になる場合があります。


私たちはいつ病気やケガが原因で医療機関にかかるかわかりません。


もしも新しい健康保険証が届かないうちに医療機関にかかることになった場合、保険証なしでも医療機関にかかることはできるのでしょうか?


また、保険証がない状態での医療費の支払いはどのようになるのかなど、保険証が届かない手続き期間中に病院に行く場合について詳しく解説していきます。

「健康保険被保険者資格証明書」をもらっておこう

保険証が手元になくても、もちろん医療機関にかかることはできます。


また健康保険を申請中で新しい保険証が届いていない場合、保険証の代わりとして『健康保険被保険者資格証明書』を取得することができます。


会社にお勤めの方は、会社に入社した日から健康保険へ加入していることになりますので、入社日と健康保険への加入日を証明することができる健康保険被保険者資格証明書は保険証の代わりになると言えます。


そしてこの健康保険被保険者資格証明書を医療機関で提示することで、保険証がなくとも医療費は自己負担3割負担となります。


この健康保険被保険者資格証明書は、会社の所在地を管轄している“年金事務所”にて取得することができ、即日発行も可能です。


年金事務所にて健康保険被保険者資格証明書を発行するためには、「健康保険被保険者資格証明書交付申請書」と「本人確認書類(運転免許証など)」を持参します。


健康保険被保険者資格証明書は発行後20日が有効期間となりますので、医療機関にかかる予定の方は受診日と健康保険被保険者資格証明書の有効期間に注意しておきましょう。


また、健康保険被保険者資格証明書は被扶養者の方も利用することができますので、新しい保険証が届くまで不安なようであれば、被扶養者の方の分も申請しておくといいでしょう。

保険証なしで3割負担に抑える方法:一時全額負担にする

それでは、保険証が手元にない状態で医療機関を受診し、医療費を3割負担に抑える方法をご紹介します。


まず、医療費を3割負担に抑える方法です。

  • 先述したように、「健康保険被保険者資格証明書」を持参し医療機関で提示する。
  • 健康保険被保険者資格証明書を持っていない場合は、医療機関の窓口で事情を説明し、医療費のおよそ3割ほどの料金を先払いしておく。そして後日届いた保険証を持参し再度医療費を計算してもらい、足りない分を払うか超過分の返還を受ける。
つぎに、3割負担ではなく医療費をいくらか支払う方法をご紹介します。
  • まずは10割の医療費を先払いし、保険証が届いたら医療機関に持参して、7割の医療費の返還を受ける。
  • 手持ちが足りない場合は、帰りの交通費を除いた金額を支払い、後日保険証を持参して3割負担の計算をしてもらう。
上記のように、健康保険被保険者資格証明書の提示以外で医療費の支払い方法を相談する際には、各医療機関で対応してもらえる方法が異なります。

不安な方はまず医療機関に問い合わせてみることをおすすめします。

結婚後の保険証の名義変更などのQ&A

結婚に伴う健康保険証の名義変更について、よくある質問をQ&A形式で紹介します。


気になるところ、疑問に思うところは、類似の質問を確認すると答えがすぐに見つかるでしょう。


次項以降では、

  • 旧姓の保険証を使ってしまった場合はどうなる?
  • 保険証に旧姓の併記はできる?

の疑問について解説します。ぜひ最後までチェックしてみて下さい。

旧姓の保険証を使ってしまった場合はどうなる?

保険証の切替手続きを行った後に、誤って旧姓の保険証を使用してしまった場合は、後日切替前の健康保険組合や地方自治体から払い戻し請求が行われます。


この後の手続きとしては、

  • 払い戻し請求内容に従い、保険適用分の金額を支払う
  • 後日切替後の健康保険組合に対して療養費の支給申請を行う

となります。


旧姓の保険証を使うことで医療費を多く払わないといけないというわけではありませんが、手続きの手間や時間がもったいないです。


新保険証が手元に届き次第、旧保険証は速やかに返却するようにしましょう。

保険証に旧姓の併記はできる?

平成31年4月の政令により、住民票とマイナンバーカードへの旧姓併記が可能となりました。


金融機関の手続きや就職など、従来結婚後に名義変更の面倒な手続きが不要となるので、ぜひ利用したい制度改正です。

(参考:総務省 住民票・マイナンバーカード等への旧氏の併記について


ただし、上記に伴い健康保険証にも旧姓を記載することが可能になりましたが、全ての自治体・健康保険組合で対応可能となるわけではありません。


健康保険証への旧姓併記を希望する場合は、まずは加入先の地方自治体・健康保険組合に手続き可能かどうかを確認しましょう。


また、手続きにあたっては旧姓が併記された住民票やマイナンバーカードなどの証明書が必要となる場合もありますので、合わせて確認するようにします。

名義変更は保険証だけではない!結婚後のやることリスト

結婚に伴う手続きは数が多くて、調べるのも手間ですよね。参考までに健康保険証以外にも手続きが必要なものをピックアップしましたので、漏れがないかチェックしてみてください。


手続き内容・注意点
転出届・転入届新居に引っ越し予定があれば、転出届と転入届が必要です。転出届は旧住所の市区役所で取得します。
印鑑登録の手続き印鑑登録をしている場合は、氏名変更や住所変更の手続きが必要です。旧住所の市区役所にて印鑑登録の抹消後、新住所にて再度印鑑登録と氏名変更を行います。
パスポート旧姓のままでも利用可能です。ただしパスポートと航空券に記載された搭乗者氏名が一致しないと出国できませんので注意しましょう。
自動車検査証新住所の管轄運輸支局・検査登録事務所にて手続きをします。
運転免許証新住所の警察署にて手続きをします。
年金新住所の市区役所か、勤め先にて手続きします。
銀行口座銀行窓口か、インターネット・郵送などで手続きが可能です。証券会社・保険会社などの金融機関を利用している場合も同様です。
クレジットカード利用先のクレジットカード会社に連絡し、電話、インターネット、郵送などで手続きを行います。
携帯電話・インターネット利用先の通信会社に連絡し、電話、インターネット、郵送などで手続きを行います。

なお、住所変更や氏名変更を証明するために、住民票や戸籍謄本がそれぞれ必要になります。


一気にまとめて手続き出来るように、多めに住民票や戸籍謄本を取得しておくのが便利です。

運転免許証と保険の名義変更は特に早めに!

住所変更や氏名変更の手続きは、運転免許証生命保険の名義変更を優先的に実施するのがおすすめです。


運転免許証

身分証明書として利用できるため、他の住所変更・氏名変更の手続きをする際に利用できます。住民票なども証明書として利用できますが、発行手数料がかかるので運転免許証で代用するのが良いでしょう。


生命保険

契約者・被保険者・受取人に指定されている場合は、万が一の場合に備えて早めに手続きをします。旧姓のままだと、保険会社での確認に時間がかかったりとスムーズに保険金を受け取ることができません。忘れずに手続き出来るようにしましょう。

1日で手続きを終わらせたいという方におすすめな手続きの順番

なるべく手間をかけずに手続きを終わらせたい方向けに、効率よく手続きするためのモデルプランを紹介します。


急を要するもの、現地に行かないと手続き出来ないものを最低限変更するプランです、ぜひチェックしてみてください。


まずは、市区役所にて

  1. 婚姻届の提出
  2. 転入届を提出し、住民票を取得
  3. マイナンバーカードや通知カードの氏名・住所変更

を行います。この時、運転免許証の変更手続き用に住民票を取得しておくを忘れないようにしましょう。次に、警察署へ移動し、

  1. 運転免許証の氏名・住所変更

を行い、銀行にて運転免許証を提示して氏名・住所変更を行います。


上記以外の手続きは、インターネットや郵送で手続きが可能です。すきま時間を見つけて少しづつ手続きを行いましょう。

補足:入籍後も親の扶養のまま社会保険を続ける条件

通常であれば、入籍後は自分の社会保険の健康保険に加入したままか、配偶者の健康保険に扶養として加入するケースが多いです。


しかし、結婚前まで親の扶養で社会保険に加入しており、入籍後も親の扶養のままで社会保険を続けるということもできます。


例としては学生結婚された方などが挙げられます。


入籍後も親の扶養のまま社会保険を続けるための条件としては、1年間で“130万円以上の収入”がないということです。


扶養家族に入るためには年収の上限が設けられており、所得税の控除を受けるためには年間103万円以上、社会保険の扶養を続けるためには年間130万円以上の収入がないことが条件となります。


そのため、入籍後も親の扶養のままで社会保険を受けるのであれば、年間の収入に注意しておきましょう。


また、親が国民健康保険の場合、国民健康保険には『扶養』という概念がなく、保険料も世帯内の年収と人数によって算出されるため、世帯を共にしているのであれば問題なくそのまま保険を続けることができます。

まとめ:結婚による保険証の変更をすみやかに済ませよう

この記事では、結婚後の保険証の手続きについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

この記事のポイントは、
  • 結婚のために保険証の名前変更や住所変更が必要な場合には、勤め先の担当に「被保険者氏名変更(訂正)届」や「被保険者住所変更届」の提出が必要である。
  • 結婚後も親の扶養のまま社会保険を受けることができるが、年間の収入が社会保険の扶養限度額である130万円を超えないようにする。
  • 新たな勤め先で健康保険に加入し、保険証が手元にない間は健康保険被保険者資格証明書を取得して医療機関に提示することで医療費を自己負担3割負担で受けることができる。

以上です。


新たに会社に就職し、健康保険の保険証を受け取っていない間は病院へ行けないと思われている方も多いかもしれません。


しかし、新たに就職すると入社日から健康保険へ加入しているので、保険証が手元になくとも医者にかかることができますし、医療費は自己負担3割負担となります。


保険証に関して気になることは、会社の担当に確認するようにしましょう。


ほけんROOMでは、ほかにも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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