更新日:2020/07/15
日帰り手術にはどんな病気の種類がある?日帰り手術(外来手術)のメリットも解説
日帰り手術は入院を伴わない比較的簡単な外来手術ですが、ポリープや子宮筋腫など対象となる病気は多くあります。この日帰り手術をするには、適応基準に該当することが必要ですが、費用が安く身体への負担が軽いことがメリットです。今回は日帰り手術の病気の種類を具体例をあげて説明します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
日帰り手術ができる病気とはどんな種類?日帰り手術のメリットも解説
- 日帰り手術が可能な病気の種類と手術例
- 日帰り手術を受けることのメリット
- 医療保険での日帰り手術の扱い
日帰り手術をするには、適した種類の症例と適応基準に該当することが必要
日帰り手術が可能な病気の種類と手術例(具体例)
診療科 | 病名 | 手術例 |
---|---|---|
外科 | 鼠径ヘルニア 痔 | 腹腔鏡手術 痔核根治術 |
内科 | 胃ポリープ 大腸ポリープ | ポリペクトミー EMR(内視鏡的粘膜切除術) |
婦人科 | 子宮内膜ポリープ 子宮筋腫 | 子宮鏡下手術 内膜掻爬(そうは)術 |
泌尿器科 | 尿管結石 | ESWL(体外衝撃波結石破砕術) f-TUL (経尿道的結石破砕術) |
眼科 | 内反症 糖尿病網膜症 白内障 | 眼瞼内反症手術 網膜光凝固術 水晶体再建術 眼内レンズ挿入術 |
耳鼻咽喉科 | 慢性副鼻腔炎 | 内視鏡的副鼻腔手術 鼻中隔矯正術 |
循環器科 | 下肢静脈瘤 冠動脈疾患 | 下肢静脈瘤切除術 経皮的冠動脈形成術 (PTCA) |
形成外科 | 脂漏性角化症 | 皮下腫瘍摘出術 |
整形外科 | ばね指 靱帯損傷 半月板損傷 | 腱鞘切開手術 靭帯断裂形成術 膝半月板切除術 膝関節鏡視下手術 |
日帰り手術を行うための適応基準とは
- 日帰り手術が可能な術式であること
- 患者が理解し、日帰り手術を希望していること
- 他に重症な病気を持っておらず、術後に合併症が起きるリスクが低いこと
- 術後自立して生活できる又は最低限の介助で生活できること
- 通院にかかる時間や交通手段に問題がないこと
- 通院時付き添える協力者がいること、一人暮らしではないこと
日帰り手術(外来手術)をするメリットとは
- 日常生活を崩さなくても良い
- 費用が安く済む
- 身体への負担が少ない
日常生活の延長線上で手術ができる
入院の煩わしさも無く、費用が安く済む
手術・治療による身体への負担が少ない
日帰り手術の手順
- 〈外来受診〉
- 〈手術前日〉
- 〈手術当日〉
- 〈手術後〉
日帰り手術をする際の注意点
日帰り手術をする際の注意点を押さえておきましょう。
術前に食事や飲酒、禁煙などの制限を受けている場合は、指示通りに過ごし、手術に備えましょう。
手術前の検査により異常な結果が出た場合は、手術を見合わせる場合があります。
また、基本的に入院手術と日帰り手術、どちらも術後の痛みや合併症リスクは同じです。
そのため、すぐに帰宅できるからといって当日から同じ日常生活を送るのではなく、数日間は静養し、術後のケアとして余裕のある生活を心がける必要があります。
病気の種類・手術内容によっては、食事、飲酒、入浴、運動、仕事など禁止・制限されることがあり、守れないと回復に時間がかかったり、万一の場合命に関わるリスクもあります。
このように、日帰り手術は、きちんと術前・術後に自己管理をする必要があります。
日帰り手術と保険について
ほとんどの方が加入している健康保険や国民健康保険等の公的保険は、病気・怪我の手術の場合、入院の有無に関わらず原則適用です。
また病院でも公的保険の適用範囲かどうかは説明を受けることができるでしょう。
(それが勤務中の事故などによる場合は労災保険となります)
しかし3割負担の健康保険であっても手術となると自己負担は大きいです。
そこで民間の医療保険が使えるか考えますが、日帰り手術の場合はどうでしょう。
手術はしたけど入院はしていない、その日に帰宅したから保険は適応外だろう。
対象の医療がよくわからず、結局申請しなかった。
医療保険をもらうと高額療養費がもらえなくなるのでは?
などと曖昧にならないように、日帰り手術をした場合の保険について確認しておきましょう。
日帰り手術は保険適用される?
民間の医療保険に加入している場合、入院給付金と、手術給付金が支払われる仕組みとなっており、日帰りでも手術をした場合は、手術給付金が受け取れます。
また診療報酬点数で、入院料に点数が記載してある場合は、入院費用がかかっているため、日帰り入院となり入院給付金の請求も可能となります。
対象の手術かどうかですが、近年多い医療保険は、公的保険が対象としている手術をほぼすべて適用としています。
また以前主流であった保険会社が定めた88・89種類の手術を対象とした医療保険も、約600以上の幅広い術式をカバーしています。
いずれに加入している場合でも病気・怪我の手術に関しては、入院の有無を問わず、原則適用ですが、処置を主とする以下のような治療、公的保険の対象でも民間の医療保険は対象外とすることが多なっています。
- 切り傷などの縫合
- 皮膚を切開し膿などを除去
- 壊死した部分や傷口の異物の除去
- 関節などを接ぎ木で固定したり、外れた関節を元に戻した
- 鼻や耳の異物の除去
- レーザーによる鼻粘膜、下甲介粘膜焼灼術
- 虫歯や親知らずの抜歯
また美容整形、インプラント、レーシックなどの病気ではない自由診療もほぼ対象外です。
対象外は保険商品により差があるため、確認することをおすすめします。
なお、民間の医療保険と公的医療保険は同時に受けられますので、手術給付金を受けたとしても、高額療養費は申請できます。
そして受け取った手術給付金を差し引く必要もありません。
日帰り手術は医療保険がおりる?
まとめ:日帰り手術の病気の種類と日帰り入院のメリット
- 日帰り手術をおこなえる病気の種類や手術の種類は、医療の進歩により多岐にわたっている
- 入院の準備をする必要がないので、それによる手間や精神的負担、医療費が大幅に減る
- 医療保険は日帰りでももらえることが多いので、一度加入している保険会社に問い合わせをする