傷病手当金の待機期間や支給期間は土日・祝日の公休日を含む?

病気やケガで長期間休職し給与が支払われない場合、傷病手当金を受給できます。しかし、3日の待機期間や傷病手当金の支給期間に土日祝日などの公休日が含まれるかどうかで、支払われる日数に大きく影響します。この記事では、傷病手当金が土日祝日を含むのか解説します。

傷病手当金の待機期間や支給期間は土日・祝日を含む?

傷病手当金は、土日や祝日を含めた日数で請求ができるのか疑問に思っている人も多いと思います。待期期間や支給開始日が土日・祝日だった場合、どのように請求書を書けば良いのかわからないという人も多いのではないでしょうか。


傷病手当金は、支給開始日から最長1年6か月まで暦で計算されるため、土日や祝日があっても支給されます。


今回の記事では、傷病手当金について、

  • 傷病手当金の待機期間や支給期間の考え方
  • 傷病手当金の待機・支給期間に土日を含むことに関するQ&A
  • 傷病手当金は土日祝日に振込みされるのか

以上のことについて解説します。


この記事を読んでいただければ、傷病手当金の正しい請求の仕方や待機・支給期間がわかると思います。ぜひ、最後までご覧ください。


傷病手当金の待機期間と支給期間には、土日・祝日を含む

傷病手当金の待機期間と支給期間は、暦で計算することになっているため、傷病手当金は土日祝日でも出るのです。


請求書を書くときに、このことを知らずに平日だけで申請してしまいますと、傷病手当金が数万円変わることもありますので注意が必要です。


必ず請求書を記入する際には、土日や祝日も含めてそのまま申請をしましょう。


ここでは、傷病手当金の待期期間の考え方や支給期間・支給日数の考え方について、もう少し細かく見ていきましょう。

待機期間の考え方

傷病手当金の待期期間は、仕事を連続して休んだ日から3日間になります。そのあと、4日目以降の労務不能に対して支給されます。


待期期間の考え方は、

  • 有給休暇や土日・祝日などの公休日も含まれる
  • 就労時間内に業務外の事由で傷病が発生し、労務不能となった場合はその日が待機期間の初日となる
以上のようになります。

もう少し詳しく、待期期間について例を出しながら考えてみましょう。

例1
  • 火曜日・水曜日の2日間休み、木曜日に会社に行ったあとに金曜日にまた会社を休んだ場合
この場合は、連続して休んでいる日が3日以上ないため、待期期間は完成しません。

例2
  • 日曜日から火曜日まで休んだ場合(土日が含まれている)
この場合は、待期期間完成となり次の休みから傷病手当金が支給開始されます。

例3
  • 日曜日から火曜日まで休み、その中で月曜日と火曜日は有給休暇を使用した場合(土日が含まれている)
例2と違う点は、平日の休みに有給を使っているということです。この場合も、待期期間完成となり次の休みから傷病手当金が支給開始されます。

支給期間・支給日数の考え方(支給開始日が土日祝日の場合)

傷病手当金の支給期間は、支給開始日から最長で1年6か月です。気を付けなくてはいけないのが、期間中に会社に復帰した場合でも、その日数分が延長されるわけではないということです。

  • 傷病手当金の支給期間は、途中で復帰をしてもしなくても支給開始日から最長1年6か月である

次に、傷病手当金の支給日数は会社を休んだ出勤日数ではなく、土日や祝日を含んだ暦日数で支給されます。1日につき標準報酬(日額)の3分の2に相当する額が支給されます。


標準報酬の日額は標準報酬の月額から30を割った額になり、会社に問い合わせをすれば教えてくれます。また、給与明細で控除されている厚生年金・健康保険料の額から計算することも可能です。

  • 標準日額は標準月額を30で割った額であるため、傷病手当金は土日や祝日を含んだ暦日数で支給される
傷病手当金は土日や祝日など、会社が休みの日も支給の対象となります。休業中に会社から給与が支払われた場合は支給されませんが、給与額が傷病手当金の額より少ない場合は差額が支給されます。

傷病手当金の待機・支給期間に土日を含むことに関するQ&A集

傷病手当金は待機期間があったり、支給期間には土日や祝日を含んでいたりと少し複雑なところがあります。


そのため、土日や祝日を含むことに関する疑問を抱えている人も多くいるようです。


ここでは、多くの人が疑問を抱えている、傷病手当金の土日や祝日を含むことに関するQ&Aをご紹介します。

短期間の休みでも支給される?請求すべき?

傷病手当金の待期期間は、土日や祝日も含まれます。病気で会社を月曜日から1週間休んだ場合でも、初日が土曜日であれば待期期間成立します。


ただし、この場合は土曜日に休む前に病院に行って診断してもらう必要があります。


わかりやすくまとめますと、下記のような流れになります。

  1. 金曜日に医師に診断してもらう
  2. 土曜日から月曜日の3日間で待期期間が完了する
  3. 火曜日から傷病手当金の支給開始となる
ただし、短期間で傷病手当金を支給してもらう場合、有給がある場合は損をする可能性があります。

正社員の場合、休むことで査定に響いてボーナスの支給額が減る恐れもあります。どうしてもというケースを除いて、傷病手当金は1ヶ月以上確実に休むときに利用すると良いでしょう。

リハビリ勤務するとき、土日の傷病手当金は支給される?

うつ病などの精神疾患で休職する場合、一度体調が回復して復職したとしてもまた不調となり休職になるパターンが多いと言われています。


リハビリ勤務は職場の復職率を高めるうえでメリットが多い一方、半日でも出勤することで労務不能とは認められなくなります。つまり、傷病手当金ストップしてしまうということです。


休職中に賃金を得た場合は傷病手当金の差額調整がされますが、出勤した場合は全額支給されません。これでは、復職しないほうが良いのではないかと思う人も多くいるようです。


ただし、これらの条件を満たせば傷病手当金が支給される可能性があります。

  • 無給であること
  • リハビリ勤務の業務内容が、休職前の業務内容と異なっていること
  • リハビリ勤務が医師からの指示であること
リハビリ勤務を始める前に、被保険者と医師、会社担当者の3者間で話し合うと良いでしょう。

参考:傷病手当金は土日祝日に振込みされない

傷病手当金の振込日が25日の場合、その日が土曜日であれば24日の金曜日に前倒しで振り込まれます。

傷病手当金は基本的に、土日や祝日の振込みは行っていません。これは、健康保険組合によって異なりますが、協会けんぽが休みであることが理由として挙げられます。

金融機関も土日や祝日は営業していませんので、振込は平日となっています。

最近では、365日・24時間で即時振込みできる金融機関も増えてきていますが、協会けんぽが指定して土日や祝日に傷病手当金を振込むことはありません。

月末は一般的に、家賃や水道光熱費、携帯料金や保険料などいろんな支払いがあることからも、振込予定日が土日や祝日ですと不安になりますよね。ですが、一般的には前倒しで振り込まれますので、そこまで心配することもないでしょう。

傷病手当金の待機期間や支給期間に土日・祝日を含むのかまとめ

傷病手当金の土日や祝日の考え方について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 傷病手当金は有給休暇や土日・祝日などの公休日も含まれる
  • 傷病手当金は就労時間内に業務外の事由で傷病が発生し、労務不能となった場合はその日が待機期間の初日となる
  • 傷病手当金の支給期間は、支給開始日から最長で1年6か月
  • 傷病手当金は1週間などの短期間の場合、損をする可能性もある
  • リハビリ勤務をすると労務不能とは認められなくなり、傷病手当金がストップしてしまう
  • 傷病手当金は土日や祝日には振込されず、その場合は前倒しされる
以上になります。

傷病手当金は、暦日数で計算されるため土日や祝日も含まれます。請求書を申請するときは、必ず出勤日数ではなく暦日数で計算するようにしてください。

また、リハビリ勤務などで復職した場合も、支給期間がストップするわけではありません。計算を間違えてしまいますと、休職中に傷病手当金がもらえなくなる恐れがあります。

傷病手当金を正しく申請するためにも、待期期間や支給期間は正しく理解しましょう。

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