医療費が全額負担?退職したら国民健康保険への切り替え手続き忘れに注意!

退職等の理由で社会保険を脱退した場合や転職等で次の保険証が来るまでに期間が空く場合には国民健康保険への切り替え手続きが必要です。この記事では、国保への切り替え期限が過ぎてしまった場合どうなるのか、また切り替え方法や注意点についても分かりやすくまとめています。

国民健康保険への切り替えを忘れたらどうなるのか?

退職などによって、社会保険から国民健康保険に切り替えを行う必要があることをご存知でしょうか?


次の職場が決まっている時などは、国民健康保険への切り替えを忘れてしまいがちです。


もし、国民健康保険の切り替え期限を過ぎてしまったらどんなことが起こるのでしょうか?


この記事では、国民健康保険への切り替えについて

  • 国民健康保険への切り替えを忘れた場合に起こること
  • 国民健康保険加入の切り替え期限
  • 社会保険から国民健康保険への切り替え手続き方法
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読むことで、国民健康保険へ切り替えを忘れてしまったらどうなるのかが理解できるでしょう。

ぜひ最後まで読んでみてください。

国民健康保険への切り替えを忘れていた場合は医療費全額自己負担

退職や転職などにより社会保険から国民健康保険へ切り替えを行う必要があるのですが、万が一忘れてしまった場合は特別な理由がない限り医療費全額自己負担になってしまいます。


国民健康保険や社会保険への加入は、国民の義務となっています。切り替え作業を忘れてしまっている状態だと、これまで健康保険が支払ってくれていた医療費の7割は自分たちで負担しなくてはいけません。


さらに、切り替えをしていない間の保険料も後で加入した場合でも支払わなくてはいけません。国民健康保険の加入資格を得た月分から納めなくてはいけない決まりになっているからです。


保険料の支払いをそのままにしていると、延滞金も発生します。さらに、1か月以上滞納すると年9%の利息が追加されていきます。


国民健康保険への切り替えは忘れないようにしておいたほうがいいですね。

切り替えが遅れた場合も全額自己負担

切り替えには期限があり、その期限を1日でも過ぎてしまった場合も残念ながら医療費は全額自己負担となります。


10割支払う必要があるのは、かなり痛い出費になってしまいますね。


さらにこの忘れてしまっていた期間分の保険料も、もちろんですが請求されてしまいます。医療費を自己負担しつつ、あとからその月分の保険料も支払わなくてはいけなくなってしまいます。


他の国民健康保険を支払っている方と比べると、かなり損してしまうことがわかりますね。

忘れていた期間に支払った医療費は払い戻し不可

国民健康保険に加入し忘れていた期間に支払った医療費は、基本的に払い戻し不可能です。国民健康保険自体は、忘れていたとしても保険料を支払うことで加入が可能となります。


しかし、医療費については残念ながら払い戻しはありません。


自己負担で支払ったものは、もう戻ってこないと考えておきましょう。保険料はしっかり支払っているのに、払い戻しができないので注意する必要があります。


国民健康保険への加入は忘れないことは加入者にとっても大きなメリットになることでしょう。


ただし、ある一定の条件に当てはまれば払い戻しも可能なケースがあります。そちらもこの記事で解説していきます。


忘れていた期間が数年たってしまった方、まだ数週間しかたっていない方など、一人一人状況は様々です。


自分の場合は払い戻しはあるのかどうかがわからなくて不安」、「いくら戻ってくるのか知りたい」などという悩みを持っている方は多いです。


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国民健康保険の加入手続き期限

国民健康保険の加入手続きは、期限内に行わなくては医療費全額自己負担となってしまいます。


退職や転職の際は、何かと慌ただしくなってしまい忘れがちになってしまいますが手帳やカレンダーに記載して忘れないようにしておきましょう。


国民健康保険への加入には期限があり、原則として期限内に手続きを済ませるように決められています。


では、国民健康保険の加入手続きの期限について解説します。

退職で社会保険を脱退した場合は14日以内に切り替え手続きが必要

退職した場合、社会保険の資格喪失日は退職日の翌日です。


退職日はまだ社会保険の使用が行えますが、次の日からは行えなくなっています。転職の場合、退職日の翌日から新しい会社で社会保険に加入することが決まっているのであれば、手続きは必要ありません。


しかし、退職日の翌日から1日でも空いてしまう場合は国民健康保険への加入手続きが必要となります。国民保険ではなく、家族の扶養になる場合は国民健康保険への加入は必要ありません。


切り替え手続きの期限ですが、社会保険を脱退した場合、退職日の翌日から14日以内に国民健康保険への切り替え作業を行います。


14日以内に行うことでメリットもありますので、忘れないようにしておきましょう。

期限内に手続きを行った場合には自己負担分の医療費は返ってくる

退職日から14日以内に手続きを行った場合、その14日間の間で支払った医療費は払い戻しが行えます。国民健康保険への加入を忘れてしまい、医療費を全額支払った場合は払い戻しできないという解説を行いました。


しかし期限である14日以内にしっかり手続きを行えば、10割の自己負担は3割になります。


一旦10割の支払いを医療機関で行う必要はあるものの、後で7割返ってくるのはとても助かりますね。14日以内に受けた診察の領収書は大切に保管しておいてください。


国民健康保険に加入後は、診察を受けた医療機関か自治体に提出することで払い戻しが行われます。届け出が遅れれば遅れるほど、大きな負担となって帰ってきます。14日以内に加入することを忘れないようにしておきましょう。

期限が切れても加入は可能だが過去保険料の支払いも必要

14日以内に国民健康保険に加入しなくてはいけませんが、もちろん期限を過ぎてしまっても加入は可能です。


ただし、過去の国民健康保険料も支払う義務があります。


保険料は加入資格を得た月、つまり退職日の翌日分まで遡って支払いを行わなくてはいけません。加入後、過去の分の支払いが遅れれば延滞金も発生してしまいます。


国民健康保険を使っていない月の分まで保険料を支払わなくてはいけなくなるのは、かなり損です。


医療費は自己負担で支払っているのに、その間の国民健康保険料金はしっかり納めなくてはいけません。


期限が切れたとしても加入は可能ですが、過去の保険料支払いも必要となりますのでトータルで見てもやはり加入忘れがないように心がけておくと良いですね。

社保から国保への切り替え手続き方法

社会保険から国民健康保険への切り替え手続き方法を解説します。


切り替えに必要な書類はこちらです。

  • 退職日のわかる書類(離職票など)
  • マイナンバー確認書類
  • 本人確認できるもの(運転免許書など)
退職日のわかる書類には、離職票以外にも資格喪失連絡票(資格喪失証明書)とも呼ばれています。この書類は会社で発行してもらう書類となります。

可能であれば退職時に受け取れるように事前に発行してもらえるよう、伝えておくといいでしょう。

私の場合、1週間後に郵送で届きましたが、その間に体調不良になってしまうと保険加入していないことになるので全額を一度負担しなくてはいけなかったと思います。

このようなことがないように、事前に発行してもらえるよう伝えておきましょう。会社での書類発行が遅れてしまうことがわかっているのであれば、年金事務所でも発行可能です。

手続きをスムーズに行えるよう、ある程度の手回しは必要ですね。この3つの書類を持って、市町村役場へ行って手続きをしましょう。

代理での手続きも可能

国民健康保険への切り替え作業は、代理でも可能となります。同一世帯の方が手続きを行うのであれば、特に何も必要な書類はありません。


しかし世帯が別の方が手続きを代理で行いたいという場合は委任状が必要です。委任状には、委任者本人の署名や押印が必要となります。


さらに任された方の身分証明書も必要なので、忘れないようにしましょう。


委任状は各市町村役場のHPから印刷することができます。もちろん、直接市役所へ訪れてもらうことも可能です。必ず委任状の原本を持っていくようにしてくださいね。

国保から社保へ切り替えする場合の手続き方法

社会保険から国民健康保険への切り替えが必要なように、国民健康保険から社会保険に切り替えの際も手続きが必要です。


国民健康保険に入っており、就職が決まった方などがあてはまります。この場合、国民健康保険の脱退の手続きを忘れた場合、保険料を2重で支払わなくてはいけなくなってしまいます。


その場合は2年以内であれば返還手続きも可能となりますが、めんどくさいと思うので忘れないほうがいいでしょう。


国民健康保険の脱退に必要な書類はこちらです。

  • 加入した会社の社会保険証
  • 国民健康保険証
  • 本人確認書類(運転免許書)
  • マイナンバー確認書類
  • 印鑑
などです。

社会保険の発行には数日かかってしまうので、社会保険が出来上がったらすぐに手続きを行うようにしましょう。

国民健康保険の脱退は、住んでいる市町村役場で行います。社会保険の加入が決まった月の月末までに、国民健康保険の脱退を行うと2重で支払わなくてもよくなります。

できれば月末前に手続きを済ませましょう。

扶養に入る場合でも失業保険を貰うならば国保への切り替えが必要

退職後、失業保険をもらいたいと考えているのであれば家族の扶養に入ることはできません。


扶養に入るためには受給額が決まっています。年収130万円未満でなくては扶養に入ることはできないのですが、失業保険をもらうとこの条件に当てはまらないことがあります。

(参考:国税庁


失業保険の金額はある程度計算できると思うので、まずはどれだけもらえるのか計算して扶養に入ることができるのか調べておきましょう。


失業保険の受給が始まるまでは扶養に入ることができるので、失業保険の受給が始まるまでの間だけ加入しておくという手もあります。


失業保険の受給が始まって、扶養から抜けなくてはいけなくなった場合は、自分で国民健康保険への加入手続きを行ってください。


手続きに必要な書類はこちらです。

  • 印鑑
  • マイナンバー確認書類
  • 健康保険の資格喪失証明書
この場合の手続きも、扶養から抜けて14日以内に行ってください。


失業保険の受給が終わったらまた扶養に入ることもできるので、安心してください。

国民健康保険への切り替えに関するQ&A集

国民健康保険喪失の届け出を忘れて放置したらどうなるの?

国民健康保険加入の届け出を忘れ、放置したまま国民健康保険証を使用し、受診をした場合、国民健康保険負担分の医療費を返還しなければいけません


また、保険税を二重に支払ってしまう可能性もありますので注意しましょう。


国民健康保険の脱退を忘れた場合は、社会保険と二重払いになるの?

国民健康保険に加入していた方が、就職などで健康保険に加入した場合は国民健康保険を脱退する必要があります。


国民健康保険は、脱退手続きをしなかった場合継続して保険料が請求されるようになっているからです。


もし二重で支払ってしまったら、その分の保険料はいつ戻ってくるのでしょうか?


二重で支払ってしまった場合は、国民健康保険の資格を喪失した次の月以降に払ってしまった保険料は返還されます。

参考|コロナの影響で届け出が遅れる人は柔軟に対応してもらえる

新型コロナウイルスの影響で、役所での届け出の提出が難しい場合は、郵送での手続きに対応してくれる自治体があるようです


例えば新宿区では、職場の健康保険や国保組合を辞めたときの手続きに必要な、「 健康保険の資格喪失証明書」の提出は郵送で受け付けています。


お住まいの自治体が郵送に対応しているか確認してみましょう。


(参考:新宿区

国民健康保険への切り替え手続きを忘れたらどうなるのかまとめ

今回は、国民健康保険への切り替え手続きを忘れてしまった場合、どのようなことがおこってしまうのかについて解説してきました。


今回の記事のポイントは、

  • 国民健康保険への切り替えを忘れた場合は医療費全額自己負担になってしまう
  • 切り替え期限は退職日の翌日から14日以内と決められている
  • 14日以内に行えなかった場合は、医療費の払い戻しは不可
  • 国民健康保険への加入を忘れていた場合、後から加入することはできるが過去の保険料も遡って支払う必要がある
  • 国民健康保険の脱退についても自分で手続きを行わなくてはいけない
  • 社会保険から国民健康保険への切り替えは代理人が代わりに行うことも可能
でした。

国民健康保険への切り替えを忘れていて、体調が悪くなってしまった場合、全額自己負担となってしまうのはとても大変だと思います。

まず、国民健康保険へ加入しなくてはいけなくなったらまずは必要書類を集めておき、14日以内に忘れず手続きを行いましょう。

忙しくてなかなか市町村役場へいけない場合は委任状を作り、別の方へ頼んでおくのもいいでしょう。

ほけんROOMでは他にも、保険にまつわる記事を多数掲載しておりますので合わせてご覧ください。

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