更新日:2022/04/13
心療内科で保険証はOKなの?心療内科受診のメリット・デメリット
ストレス社会で心の病気に悩む人が増えています。そんな中、これから心療内科にかかろうと思っている人も方も多いのではないでしょうか。でも保険証が使えるかなど気になることがたくさんあると思います。心療内科での保険証の扱いや治療のメリット・デメリットを解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
心療内科で保険は適用可能?保険証は使える?
仕事や人間関係、家事育児などで心のバランスを崩したり、体調に変化が表れたりするのは誰しも経験があることだと思います。
そのような原因で心療内科などへの通院が必要になったとしたら、保険適用外になってお金がたくさんかかると考えていませんか?
実は、それは間違いです。
ここでは心療内科にまつわる費用と保険について
- 保険証は使えるのか
- 自己負担となるのはどのような内容か
- 心療内科の医療費の負担が軽減される制度について
- 診断書の料金について
- 心療内科受診のメリット・デメリットについて
以上のことを中心に解説していきます。
心療内科を来院したいけど、費用について疑問と不安が残るという人も、すでに通院している人も、参考になるかと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
心療内科には内容によって保険診療と自費診療に分かれる
治療方法は大きく分けて健康保険が適用される保険診療と、全額自己負担となる自由診療があります。
ただしどのような治療を選択するかはクリニックによって違いがあるようです。
では、保険診療と自費診療、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。
次の章ではこれらの費用や治療内容などの比較をしていきましょう。
保険診療であれば、3割負担
基本的には内科であるため、精神症状を専門とする精神科と違います。
頭痛やめまいや吐き気などの体に表れた症状を治すことを目的としています。
体の不調を調べるための検査や、一般的な診察、薬物療法などは保険適用となります。
この場合、費用は最大3割負担で済みます。
保険診療の場合、診療報酬はあらかじめ決められています。
したがって、内容が同じであればどのクリニックでも同じ金額を支払うことになります。
初診では3,000円~5,000円程度かかることが多いようです。
カウンセリングなどは自費診療となるケースが多い
カウンセリングとは、1時間以上のまとまった時間をかけて実施することが多いです。
その中で、患者は自分の気持ちや考えを話します。
そしてそれによって問題と向き合い、解決に向かうことを目指す治療法です。
保険外診療のため費用は定まっていません。
クリニックによって独自の料金が設定されているようです。
本人が来れずに家族が心療内科に来院する場合は、保険適用外
しかしその場合、保険適用外で全額自己負担となります。
本人を診察できないので薬の処方もできないことがあります。
ただし、心療内科の受診を考えうる人は精神的につらい状況だと思われます。
そのような方が、1人で心療内科へ行くことは大きな負担かもしれません。
したがって、最初に家族が心療内科にて
- 心療内科とはどのような医療機関なのか
- 治療法はどんなものなのか
- (家族は)診察を受けたほうがいいのか
自立支援医療を利用すれば、治療費の負担が下げられる
心療内科や精神科などへの定期的な通院と服薬、検査などが必要になります。
そのため医療費は保険適用となったとしても大きな負担となります。
その時のために精神医療を継続的に受ける必要のある患者の負担を軽くする制度があります。
「自立支援医療」といいます。
対象となるのは全ての精神疾患で、
- 統合失調症
- うつ病、躁うつ病などの気分障害
- PTSDなどのストレス関連障害やパニック障害などの不安障害
- アルコール、薬物などの精神作用物質による急性中毒又はその依存症
- 知的障害
- 強迫性人格障害
- アルツハイマー型認知症、血管性認知症
- てんかん
などが含まれます。
入院以外で行われる医療(外来、外来での投薬、デイケア、訪問看護など)が対象でです。
現在症状がなくても経過観察や再発防止のための通院も対象になります。
一般的には保険適用で3割自己負担となるところが、1割負担に軽減されます。
納税額に応じて1カ月当たりの支払限度が決まっています。
手続きは住んでいる市町村の窓口で行うことができます。
心療内科に定期的に通院して、医療費が負担になっている人は、ぜひ一度相談してみましょう。
医師に診断書を作成してもらう費用の目安
診断書はかかりつけの心療内科で作成を依頼することができます。
しかし診断書作成は保険適用外のため、その値段は医療機関によって異なります。
一般的な診断書は2,000円~3,000円ほどです。
精神障害者福祉手帳のための診断書や、障害者年金診断者などの発行には4,000円~8,000円ほどかかることもあります。
費用に関して事前にかかりつけクリニックでの診断書の料金を確認しておくと安心です。
心療内科のメリットとデメリットについて
ここまで、心療内科への受診についてのルールをご理解いただけたと思います。
では、心療内科の診察を受けることにどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
他の病気と同じように、治療を受けることによるデメリットはあります。
その一方で、他の診療科では解決できなかった心と体の問題を解決できる可能性があります。
この章で解説する内容を理解していただくことで、心療内科での治療を上手に活用できるようになると思います。
心療内科のメリット
心療内科への受診をすることで以下のようなメリットが考えられます。
精神的苦痛を聞いてもらえる
医師の処方によって適量の薬を受けることができます。
精神的影響による不眠は、睡眠薬を飲むことで症状が大幅に軽減することがあります。
自分では「性格や体質だ」と諦めていたような症状も、薬によって改善することがあります。
薬を使わない治療もある
「精神の薬って副作用がこわい」と思われているかもしれません。
適量を守れば簡単に副作用を起こすことはありませんが、それでも「薬は避けたい」と考える人もいるでしょう。
心療内科の場合、薬を使わない治療を行うことができます。
カウンセリングや作業療法と言った治療法はコミュニケーションや生活に近い活動を行いながら心理的な回復を促します。
心療内科のデメリット
一方で、心療内科で治療を受けることによるデメリットもあります。
保険加入が難しくなる
生命保険や医療保険と言った保険に入れないことが多くなります。
心療内科で治療を受けることは何かしらの病気があることになります。
そのため他の診療科の病気と同様に、保険加入の時に行われる病歴として告知する必要があります。
したがって心療内科の治療を受けると保険に入れないことになるのです。
しかし、治療終了後5年以上経過していれば、保険加入は可能です。
また病歴に対して条件の緩い保険であれば保険加入は問題ないようです。
保険外(自費)治療がある
心療内科でも病気に対して治療をするため、健康保険を使って治療を受けることができます。
しかし、カウンセリングなど保険外治療になることがあります。
カウンセリング以外でも保険外の治療法も勧められる可能性があります。
まとめ:心療内科と保険適用について
心療内科の保険適用とメリット・デメリットついて解説してきましたがいかがでしょうか?
これまでの内容をまとめると
- 心療内科での一般的な診察、投薬治療は保険証での治療が可能
- カウンセリング費用、相談のための家族の来院などについては保険適用外になる
- 入院以外で心療内科に定期的に通院する場合は自立支援医療により負担が1割になる
- 心療内科で診断書を作成してもらうには2,000円~8,000円ほどかかることが多い
- 心療内科の治療であきらめていた症状が改善することがある
- 心療内科の治療を受けると保険加入がむずかしくなる
です。
今まで精神的なストレスによって体に不調が出ても、心療内科で保険適用になるのか不安だった方もいるのではないでしょうか。
この記事で心療内科をより活用し、健康を取り戻す方が増えることを願っております。
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