保険証を紛失してしまったとき未成年でも再発行手続きはできるか

健康保険に加入していれば誰でも持っている保険証を、もしも未成年が紛失してしまったとき、未成年本人が再発行手続きをできるのか?について解説します。また、保険証の再発行に必要な手続きや再発行期間、紛失したときに悪用されないためにすべきことも詳しくご紹介します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

未成年でも保険証を紛失したとき再発行手続きできるのか

皆さんは、未成年でも保険証の再発行手続きができることについてご存じでしょうか。


保険証の再発行は未成年本人でも手続きすることが可能ですが、実は成人と未成年では再発行の手続きが異なります。


また社会保険か国民健康保険かによっても違いがありますので、健康保険について正しく理解しておくことで今後紛失などした場合でも焦らず対応することができます。


そこでこの記事では、皆さんの悩みを解消すべく、

  • 未成年でも保険証を再発行できる場合について
  • 健康保険の保険証再発行に必要な手続きについて
  • 保険証を紛失した際の対応と、よくある質問について

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、「未成年でも保険証を紛失したとき再発行手続きできるのか」について参考になるかと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

未成年が再発行できるのは「国民健康保険」に加入の場合のみ

未成年だけで保険証の再発行手続きができるのは、自営業者とその家族が加入している「国民健康保険」の場合に限ります。


会社員や公務員、その家族が加入している社会保険の保険証は、親の勤めている会社で再発行を行う必要があるため未成年個人では再発行の手続きはできません。


もし未成年で社会保険の保険証を紛失した場合の再発行手続きは、親の勤め先経由で行うようにしましょう。

健康保険の保険証再発行に必要な手続き


健康保険の保険証再発行に必要な手続きには2つの方法があります。

  • 窓口訪問
  • 郵送
お住まいの市町村役場の健康保険担当課に直接訪問して手続きするのが一般的です。

自治体によっては郵送での手続きを行っていない場合がありますので、もし郵送での手続きを希望する方は、一度電話などで確認をしておくようにしましょう。

保険証の再発行に必要な書類と手続き方法

保険証の再発行に必要な書類と手続きは、国民健康保険か社会保険かで異なります。また本人が手続きするか、家族が手続きするかによっても若干違いがありますので注意しておきましょう。


国民健康保険

本人が手続きする場合

  • 国民健康保険被保険者証再交付申請書(窓口で手に入ります)
  • 紛失した本人の個人番号カードや通知カード(マイナンバーが分かるもの)
  • 印鑑
  • 本人確認書類
家族(代理人)が手続きする場合
  • 国民健康保険被保険者証再交付申請書(窓口で手に入ります)
  • 紛失した本人と代理人の個人番号カードや通知カード(マイナンバーが分かるもの)
  • 印鑑
  • 代理人の本人確認書類
家族(代理人)が手続きする場合は、手続きをする方の本人確認書類を持っていくようにしましょう。また、個人番号カードは二人分必要になりますので注意が必要です。

手続きは、お住まいの市町村役場の国民健康保険担当窓口で行ってください。なお、本人確認書類は運転免許証を用意しておけば問題ありません。

社会保険

本人が手続きする場合
  • 健康保険被保険者証再交付申請書
  • 健康保険高齢受給者証再交付申請書
  • 健康保険被保険者証回収不能届
  • 紛失した本人の個人番号カードや通知カード(マイナンバーが分かるもの)
  • 印鑑
  • 本人確認書類
家族(代理人)が手続きする場合 
  • 健康保険被保険者証再交付申請書
  • 健康保険高齢受給者証再交付申請書
  • 健康保険被保険者証回収不能届
  • 紛失した本人と代理人の個人番号カードや通知カード(マイナンバーが分かるもの)
  • 印鑑
  • 代理人の本人確認書類
社会保険の保険証を紛失した場合は、お勤めの会社の担当者を通じて手続きすることができます。配偶者の扶養に入っている場合も同様です。
任意加入の場合
  • 健康保険被保険者証再交付申請書
  • 健康保険高齢受給者証再交付申請書
  • 健康保険被保険者証回収不能届
  • 紛失した本人の個人番号カードや通知カード(マイナンバーが分かるもの)
  • 印鑑
  • 本人確認書類
扶養家族が「社会保険の任意加入」の場合、お手続きはお住まいの都道府県の全国健康保険協会へ書類を提出することで行うことができます。

保険証の再発行に必要な日数

保険証の再発行は、窓口手続きをした場合や郵送で手続きをした場合、本人か代理人か、国民健康保険か社会保険かで必要な日数が変わってきます。


以下に表でまとめたので参考にしてみて下さい。


【国民健康保険の保険証再発行に必要な日数】


本人代理人
役場窓口即日発行3日~1週間
郵送5日~2週間

【社会保険の保険証再発行に必要な日数】


本人代理人
会社経由1週間~2週間1週間~2週間
任意継続の場合1週間~2週間1週間~2週間

なお、以上の手続きは未成年であるか否かに関わらず同様の日数がかかります。


未成年であっても、既に会社に勤めている場合などはご自身で会社経由で再発行手続きをすることができます。

保険証の再発行は無料

保険証の再発行は基本的に無料で行うことができます。


ただし、社会保険の中でも組合管掌健康保険に加入(全国健康保険協会以外に加入)している場合は、各組合ごとに再発行手数料が定められている場合がありますので注意が必要です。


※参考例

  • 楽天健康保険組合 再発行手数料1,000円
  • 東京不動産業健康保険組合 再発行手数料1,000円
  • 東京都食品健康保険組合 再発行手数料500円 など

【保険証再発行手数料】


国民健康保険全国健康保険協会組合管掌健康保険
再発行手数料無料無料各組合ごとに異なる


保険証を紛失したら悪用されないよう警察へ届出をすること


保険証を紛失した場合は、すぐに警察に届出をしましょう。まずは、紛失した保険証が悪用されないように対策をする必要があります。


近年では健康保険証のみでは本人確認として認められないケースがほとんどですが、未だに本人確認審査の緩い消費者金融なども存在します。紛失した保険証を悪用して借金をされる可能性も無いとは言えませんので、早急に対応する必要があります。


また、紛失した場合は警察への連絡だけではなく「消費者生活センター」へ連絡したり「本人申告制度」を利用して借金が発生しないようにするのも効果的な手段です。それぞれ紹介しますので、参考にしてみてください。

保険証を紛失したことに気づいたら即時警察へ届出を

何よりもまず始めに行うのが「警察への届出」です。


警察へ届出することによって遺失届出書を作成することができ、届出完了時に受理番号が通知されます。この受理番号は保険証の再発行手続きに際して必要になる場合もあるため、必ず控えておきましょう。


また、警察へ届出した後は、会社や健康保険の発行元などに連絡を入れておくようにしましょう。

保険証を悪用されたら警察や消費者生活センターへ連絡

保険証を悪用された場合は、直ちに警察や消費者センターへ連絡するようにしましょう。


健康保険証はクレジットカードのように、紛失したからと言ってその効力を止めることはできません。そのため、何よりもまず警察へ届出をする必要があるのです。


警察に届出をすることによって、身に覚えのない借金やクレジットカードの請求から不正利用を主張できますので、必ず行いましょう。


消費者センターは各都道府県に相談窓口(消費者ホットライン)がありますので、直接相談することが可能です。万が一保険証を悪用された場合の対処法などを教えてくれます。

保険証を紛失したら必要に応じて本人申告制度を活用

クレジットカードの作成時、または銀行や消費者金融からの借入時には個人情報登録機関に信用情報開示を行い、信用情報が問題ないか審査を行います。その際に、本人申告制度を利用しているかどうかを併せて確認が行われます。


本人申告制度とは、CICやJICCなどの個人信用情報機関に自ら審査に通らないように情報を掲載できる制度のことで、この制度を利用することで不正利用を防ぐことができる可能性が高くなります。


本人申告制度は本人の意思により直ちに抹消することもできます。再発行の手続きが終わったら元に戻せますので、安心して利用できます。


なお、個人信用情報登録機関は日本ではCICJICCKSCの三つありますが、それぞれ情報を共有していますので、どれか一つに本人申告制度を利用しておけば問題ないですが、心配な方は全てに手続きをしても大丈夫です。

健康保険の保険証紛失でよくある質問


最後に「再発行申請中に病院に行くことになってしまった場合」と「紛失したと思っていた保険証が見つかった場合」の対処法についてお伝えします。保険証を紛失した際によくある質問ですので、参考にしてみてください。

再発行申請中に病院に行くことになってしまったらどうなる?

再発行申請中に病院に行かなければならない場合は、一度治療費は全額自己負担となります。その後新しい保険証と診察時の領収書などで支払いの確認が取れ次第、払い戻しの申請手続きを行います。


なお、市町村によっては有効期限がある仮の健康保険証を発行してくれたり、病院によっては事情を説明し保険診療で対応してくれる場合もあります。


国民健康保険の場合は再発行は窓口で即日対応してくれるため、病院に行く機会が多い方は窓口で再発行手続きをしておくのが良いでしょう。

紛失したと思っていた保険証が見つかったらどうすればいい?

紛失したと思っていた保険証が見つかった場合は、破棄などはせず直ちに返却をして下さい。2枚持っていても紛失の届出をした古い保険証は効力を持っていません。


社会保険の場合は勤務先に、国民健康保険の場合はお住まいの市町村役場の担当窓口に返却するようにしましょう。

保険証を紛失したとき未成年でも再発行手続きできるのかのまとめ

「未成年でも保険証を紛失したとき再発行手続きできるのか」について解説しました。


今回のポイントは、 

  • 未成年が再発行できるのは「国民健康保険」に加入の場合のみ
  • 国民健康保険の場合は市町村役場の担当窓口、社会保険の場合は勤務先で再発行手続きを行う
  • 紛失した場合はすぐに警察に届出し、消費者センターや本人申告制度なども利用すると良い

未成年が保険証の再発行を行えるのは国民健康保険に加入している場合のみです。未成年で親などの扶養に入っている場合は親の勤め先から再発行手続きをしてもらうようにしましょう。


ただし、未成年でも既に本人が会社などで働いていたら、本人が会社に申告することで未成年でも社会保険の手続きができます。


また、未成年であっても成人であっても保険証を紛失した際は、まず警察に届出し、焦らず正しい対応をするようにしましょう。


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