下肢静脈瘤でも保険に入れる?加入基準と告知ポイントを解説!

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下肢静脈瘤を見つけて、治療しようか迷っている方も多いと思います。治療にはどんな方法があるか、入院や手術が必要なのか、治るまで何日かかるのか、保険適用できるか、実際の治療費用はどれくらいか、後遺症はあるか、についてまとめました。

内容をまとめると

  • 下肢静脈瘤は弁が壊れる病気
  • むくみやだるさ、湿疹などの症状
  • 静脈を焼いたり、閉じたりする治療法がある
  • 保存的治療は保険適用外
  • 既往歴があると保険に入りにくい
  • 入りやすいのは引受基準緩和型と無選択型
  • 告知義務違反には注意
  • 出産・妊娠中やその後の生活に関するお金のことで少しでも不安や疑問があるならマネーキャリアのFP相談を利用するのがおすすめ!

下肢静脈瘤の治療は保険適用?治療法・治療費など全て解説

下肢静脈瘤の症状が気になるから治したいけど、保険適用されるかわからないと思ってはいませんか。特に、見た目が気になるからという美容目的の理由で治療を考えている人は、医療脱毛のように保険適用されないのではないかと心配な人も多いと思います。


下肢静脈瘤は保険適用内ですが、治療方法の選び方次第では保険適用外になってしまう病気です。また治療費用がどのくらいなのかを知っておかなければ、保険金が必要かどうかの判断もできません。


そこで今回は下肢静脈瘤について、

  • どのような病気か
  • 保険適用される治療法
  • 治療法ごとの金額
  • 保険加入時の告知について
  • 入りやすい保険
  • 告知義務違反について
  • 自覚症状の口コミ

を解説します。

下肢静脈瘤とは?


下肢静脈瘤
とは足の静脈が膨れあがり、ボコボコとした見た目であらわれる病気です。症状の度合いによりコブが出る範囲は異なりますが、若い女性のなかには、外見が気になって通院する人も多いため、いかに症状が目立つ病気であるかが理解できます。


この章では、下肢静脈瘤について

  • よく見られる症状
  • 下肢静脈瘤の種類
  • 主な原因やなりやすい人

を説明します。


下肢静脈瘤は症状の重さを問わず15歳以上で約40%、30歳以上ではその発症率が約60%にまで高くなる病気です。


重症化すると皮膚が破けたり、出血したりするため、症状をよく確認して早いうちに医療機関で見てもらいましょう。

下肢静脈瘤の症状

以下は下肢静脈瘤にみられる症状の一覧です。

  • こむらがえり
  • 脚のむくみ
  • 痛み
  • 湿疹
  • 色素沈着
  • 皮膚が破ける(潰瘍)
  • 出血

これらの症状はすべてが同時におこるものではなく、静脈瘤の重症度によって段階的に起こります。また、下肢静脈瘤は重症になる伏在型と、ならないクモの巣型・網目型があるのもポイントです。


伏在型静脈瘤は症状が進行してコブができるパターンで、初期症状では長時間立つと脚のむくみやだるさが起こります。重症化してくると湿疹や潰瘍が発症し、足の機能に影響を及ぼす可能性があるため、手術や治療が必要になる静脈瘤です。


クモの巣型網目型の静脈瘤は1mm程度の細い血管が浮き出るパターンで、脚の機能へ影響が出る心配はありません。足の疲れが出ると痛みをともなうことがありますが、基本的には無症状のことが多いです。


日本皮膚科学会の資料内5ページ目の写真を参考にすると違いがわかります。伏在型かクモの巣型・網目型かを見極める方法は超音波を使った検査です。

下肢静脈瘤の原因

下肢静脈瘤の原因は、血液の逆流を防ぐ弁というフタが正常に動かなくなることです。心臓というポンプは体中へ血液を運んでいますが、血の流れを作るためには末端にたどり着いた血液を心臓へ戻す必要があります。


足に運ばれた血液は重力により下へ落ちてしまうため、それを防止するのが弁の役割です。ところが、弁に不具合が生じると血液が脚の静脈内にたまり、下肢静脈瘤が起きてしまいます。


弁が壊れやすくなる原因は以下のとおりです。

  • 高齢者
  • 直近で妊娠や出産をした
  • 同じ姿勢で長時間作業していた
  • 親に下肢静脈瘤の既往歴がある

高齢になるにつれて血液循環や弁の機能が低下し、静脈瘤が起こりやすくなります。長時間の立ち仕事も同様で、弁の機能を使い過ぎてしまう一例です。


妊娠・出産中に静脈瘤になる理由は、子宮の圧迫により脚の血液循環がされにくくなるためです。また、女性ホルモンの分泌が関係しているとも考えられています。

保険適用・保険適用外の下肢静脈瘤の治療方法


下肢静脈瘤の治療法は効果や投薬の有無によりさまざまです。一般的にはまず触診超音波検査を使い静脈の状態を調べます。


超音波検査をおこなったあとは症状別に治療をします。以下の表は治療法の説明とも目的をまとめた早見表です。

治療法価格(目安)目的
保存的治療3,000円~5,000円生活習慣の改善とともに、日常的な症状を軽減する
硬化療法〇5,000円~6,000円硬化剤を使用し、静脈の内部を固める・血栓を作りふさぐ
ストリッピング手術〇34,000円~35,000円弁の障害が起きている静脈を抜き取り、根本的治療をする
血管内焼灼治療△34,000円~40,000円レーザーの熱で静脈を焼きふさぐ
血管内接着治療〇45,000円~50,000円医療用の接着剤を注入して静脈をふさぐ

治療法の横に〇がついているものは保険適用され、保険金がもらえます。△のものは適用外の保険もあるため注意が必要です。


それぞれの治療法について詳しく解説していきます。

保険適用外:弾性ストッキングなどによる保存的治療

保存的療法は運動療法のように薬を使わずに症状の悪化を防ぐ方法です。あくまでも症状の緩和が目的で、完治を目的としていません。


代表的な例として、着圧ストッキングを履く方法があります。着圧ストッキングを履くと血流が悪くなると思われがちですが、脚の血流循環を補佐してくれるように製造されているため便利です。


ただ着圧ストッキングを履くだけでなく、同じ姿勢を避けるように生活すると、よりストッキングの効果を感じられます。しかし、保存的治療では保険適用がされないため、注意しましょう。

保険適用:硬化療法

硬化療法は静脈に直接薬剤を入れることで、内部を詰める方法です。静脈が内側でくっついたり、血栓ができたりして埋まります。


主に初期の軽度な静脈瘤に使用される療法で、薬剤は泡状のものも利用可能です。内部を埋めた静脈はしだいに硬くなり、徐々に消失していくのが特徴。治療にかかる時間は約10分で、外来での受付をする病院もあります。


治療費用も5,000円~6,000円程度と安価で圧着ストッキングと変わらず、保険適用もされるため、症状が軽いうちに治療できると手術代がかかりません。

保険適用:ストリッピング手術

ストリッピング手術は悪くなった静脈内にワイヤーを入れ、静脈瘤を取り除く手術です。昔からおこなわれている療法で再発率は低めですが、手術のあとの痛みが強い特徴があります。


入院が必要なこともあれば、日帰りでの手術が可能な病院もあるため、各医療機関に問いあわせてみましょう。


治療費用は35,000円前後で、保険適用がされます。硬化治療が有効でないときに併用される方法です。

保険適用:血管内治療

血管内焼灼治療はレーザーを使い、内部の静脈を焼きふさぐ方法です。レーザーを使うからといって外部からの治療で済むわけではなく、重症の場合は血管内にファイバーを入れなくてはなりません。


焼きふさいだ静脈は半年程度でなくなり、体の負担が少ないのが特徴です。クモの巣型や網目型の静脈瘤には外部から皮ふへ熱を照射して焼き切る方法も使われます。


保険適用はされますが、民間の医療保険のなかには適用外のものもありますので、注意が必要です。

保険適用:血管内接着材治療

血管内接着剤治療は静脈瘤へ接着剤を注入し、血管内部をふさぐ治療法です。レーザーを使う焼灼治療と比べて熱を使わず、痛みや周囲への影響が少ないことが特徴です。


完治が見込める治療法ですが、治療後にコブがある場合は硬化治療を併用します。また、接着剤にアレルギー反応を起こす人には使えないため、注意が必要です。


保険適用がされ、保険金が下ります。

手術歴がある場合は保険の告知に引っかかる場合も


保険契約の前に下肢静脈瘤の経歴があると、告知審査の際に指摘されて加入が難しくなります。一般的には過去に事故や病気の経験があると告知で断られやすいです。


告知とは保険会社が保険契約をするかどうかの判断をするもの。既往歴がある人は再発することが予想されます。


保険金を目的とした既往歴のある人が押し寄せてしまうと、万が一のために契約した被保険者に保険金が回らなくなるのです。これを防止するために告知という行為があります。


手術後の経過観察で完治したときは保険に入れる可能性があります。その際は部位不担保のように条件付きの契約となる場合が多いです。


部位不担保とは、指定された体の部位の病気が保険適用外になることをいいます。下肢静脈瘤の場合、契約後に発症した両足の病気は保険適用外です。


術後に完治している人は、まず保険会社に相談してみましょう。

下肢静脈瘤の既往歴・手術歴がある方でも入りやすい保険は?

下肢静脈瘤の既往歴があっても入りやすいのは告知が緩和されている保険です。持病や既往歴がある人のために受け入れ基準を下げた保険が多く存在します。


ここでは受け入れ基準の低い保険について

  • 引受基準緩和型保険
  • 無選択型保険

を紹介します。


告知が緩和されている分相応のデメリットがあるため、どのような保険かを理解して選択しましょう。

告知の緩い引受基準緩和型保険

引受基準緩和型保険は普通の保険と比べて告知項目を減らした保険です。告知の際に引っかかることが少なくなるので、加入率が上がります。


加入率と引き換えに、以下のようなデメリットがあります。

  • 保険料が高い
  • 保険金額が少なくなる

契約のしやすさが売りの商品ですが、既往歴のある人や持病持ちの人の契約を想定しているため、保険金を支払う確率は高くなります。


そのため、支払う保険料を高めに設定することで整合性を取っているわけです。次に保険金額が少なくなるデメリットですが、引受基準緩和型には削減期間が設定されています。


削減期間とは、たとえば契約してから1年以内の病気やケガによる保障は、保険金が半分になるといった期間です。


引受基準緩和型を視野に入れるなら、デメリットをよく確認してから契約を考えましょう。引受基準緩和型に関する詳しい内容は以下の記事をご覧ください。

告知なしで加入できる無選択型保険

無選択型保険は引受基準緩和型よりも入りやすい無告知の保険です。完全に無告知ですので、どのような健康状態でも契約できます。


当然ですが、無選択型にも以下のようなデメリットがあります。

  • 保険料が高い
  • 保険金の制限が強い
  • 割に合わない

無選択型は他の保険と比べてさらに保険料が高いことが特徴です。告知がないのは被保険者にとってうれしいことですが、保険料支払いで家計が厳しくならないように注意してください。


告知がない無選択型は保険金額にも影響があります。削減期間のようなものではなく、支払保険料の相当額しかもらえないケースが一般的です。


加入者がまだ若く、高齢になったときの病気に備えて保険に入りたいという場合はメリットがあるかもしれません。


無選択型のデメリットをまとめると、保険料は高く保険金は少ないという結果になりました。契約をしてから早い段階で保障を使ってしまうと収支がマイナスになることもあるため、長期間の支払いを考えている人は検討してもいい商品です。


まずは通常の保険で告知をして、入れなかったときに引受基準緩和型・無選択型を選ぶようにしましょう。無選択型に関する詳しい内容は以下の記事をご覧ください。

告知を怠ると告知義務違反になるので注意!

告知義務違反とは告知の際に、故意であるかにかかわらず申告漏れやウソの申告をすることです。違反をすると以下の対処がされます。

  • 契約解除
  • 契約の無効化

一見同じように考えられますが、それぞれの違いはすでに支払った保険料のとらえ方です。契約解除のときはそれまで支払っていた保険料が有効になるため、相応の解約返戻金がもらえます。


契約の無効化のときは契約自体がなかったものになり、解約返戻金はもらえず保険料の分だけ損をします。どちらにせよ受け取れるリターンが極端に減ってしまうため、告知の際は項目を充分確認して申告漏れに気をつけてください。


もし告知忘れをしたり、告知内容が誤っていたりしたときは、すみやかに連絡して違反になる可能性を低くすることをおすすめします。告知義務違反についてもっと詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください。

参考:下肢静脈瘤の自覚症状は?

下肢静脈瘤の症状や治療法を説明しましたが、なかには症状に自分で気づける自信がない人も多いはず。そこで実際に下肢静脈瘤を経験した人の体験談や口コミを2つ紹介します。


性別や年齢を確認し、自分に似た症状がないかのチェック用としてお使いください。



20代女性

膝裏の血管がボコボコに

普段はデスクワークをしているOLですが、知らないうちに膝の裏にボコボコとした血管がありました。ボコボコを見つけてから足のだるさやむくみが気になるようになり、かかりつけの医者に診てもらうと下肢静脈瘤と言われました。

私の場合は軽度のクモの巣状だったようで、硬化療法で治りました。

50代女性

手術で治しました

主婦をしていますが、去年下肢静脈瘤になりました。あまり外に出ることがなかったため、運動をすることもなく、血流が悪いことから起きたようです。

手術をして治しましたが、手術をしてからしばらくは少し痛かったです。今は再発が怖いので、毎週少しずつ運動をするようにして、着圧ストッキングも試しています。

まとめ

この記事では下肢静脈瘤について、以下の説明をしました。

  • 下肢静脈瘤は弁が壊れる病気
  • むくみやだるさ、湿疹などの症状
  • 静脈を焼いたり、閉じたりする治療法がある
  • 保存的治療は保険適用外
  • 既往歴があると保険に入りにくい
  • 入りやすいのは引受基準緩和型と無選択型
  • 告知義務違反には注意

下肢静脈瘤は早めの治療をすると医療費と体の負担が軽くなります。しかし、保険に加入していれば保険適用されますので、万が一のときも安心です。

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