腰痛やぎっくり腰の通院・入院治療でも保険の適用となるのか?

腰痛やぎっくり腰で通院治療を受けている方向けに、治療費が医療保険で保障されるのかを解説してます。基本腰痛で手術を受ける場合には、医療保険の給付金がおりますが、通院や短期入院ではどうなのでしょうか?保険会社の免責事項とされている条件もありますので注意が必要です。

慢性的な腰痛やぎっくり腰での通院・入院で医療保険はおりるのか

慢性的な腰痛やぎっくり腰、いったんこの症状になってしまうと、立って歩くこともままならない厄介な事態になります。 


この腰痛やぎっくり腰で入院・治療した場合、公的医療保険が適用されることに加えて、民間の医療保険も適用されたら、大変ありがたいことです。 


しかし、入院治療のみならず通院治療等でも保険が請求できるのか疑問は残ります。 


そこで、この記事では「慢性的な腰痛やぎっくり腰での通院・入院で医療保険はおりるのか」について

  • 腰痛・ぎっくり腰の種類と治療費について
  • 腰痛が原因で入院や手術をした場合に医療保険が適用されるケース
  • 病院以外で腰痛治療するときの保険の注意点

以上のことを中心に説明していきます。 


この記事を読んでいただければ、慢性的な腰痛やぎっくり腰の基本的な知識と、医療保険が適用されるケースについておわかりになると思います。 


腰痛・ぎっくり腰の種類と治療費についてのまとめ

こちらでは、腰痛・ぎっくり腰の種類と治療費について説明していきます。まず、腰痛・ぎっくり腰には次のような種類があります。
  • ぎっくり腰:椎間板等の腰の組織のケガを言います。病院では腰椎捻挫(ようついねんざ)もしくは腰部挫傷(ようぶざしょう)と診断されることになります。
  • 椎間板ヘルニア:椎間板(ついかんばん)が突出あるいは脱出し、座骨神経の始まる部分である腰の神経を刺激されることにより、痛みが生じる疾患です。
  • 腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症:腰骨が年齢とともに変化し、腰の神経が圧迫されることで、一次的に歩けなくなる疾病のことです。

次に、治療方法を見てみましょう。

腰痛・ぎっくり腰の治療方法と治療費

では、腰痛とぎっくり腰の治療方法と治療費をみてみましょう。


慢性腰痛の場合

整形外科での治療(健康保険適用3割負担)

  • 初診料:810円
  • リハビリ治療:500円
  • 薬代:500円

鍼灸院での治療(健康保険適用外)

  • 初診料:0~2,000円
  • 診察料:6,000円 

接骨院での治療(健康保険適用外)

  • 初診料:0~3,000円
  • 施術費用:45分4,000円60分5,000円

カイロプラクティック(健康保険適用外)

  • 初診料:1,000円~3,000円
  • 施術費用:5,000円~6,000円

手術

※健康保険が適用されるものとそうでないものがあります。

  • LOVE法:約25万円→約7.5万円(3割)
  • レーザー治療:約20万~60万円(健康保険適用外)
  • 経皮的髄核摘出術:約20万円→約6万円(3割)
  • 内視鏡下椎間板摘出術:入院・検査込み約15万円(3割)
  • 椎弓切除術:約40万円→約12万円(3割)
  • 脊椎固定術:約30万~60万円→約10万~20万円(3割)

ぎっくり腰の場合

整形外科での治療(健康保険適用3割負担)

  • 初診料:810円
  • 治療費:1,000円~2,000円
  • レントゲン:1,000~2,000円
  • 湿布:5,000円
  • MRI:10,000円

鍼灸院での治療(健康保険適用3割負担)

※健康保険を適用するには医師の同意書が必要

  • 初診料:900円
  • 医師の文書発行料:1,000円

接骨院での治療(健康保険適用3割負担)

  • 初診料:670円

カイロプラクティック(健康保険適用外)

  • 初診料:1,000円~3,000円
  • 施術費用:5,000円~6,000円
このように、慢性的な腰痛やぎっくり腰は疾病であるため、災害時(急な怪我など)に使える傷害保険では保障されないので、注意が必要です。

腰痛が原因で入院や手術をした場合は医療保険がおりる

医療保険に加入していれば腰痛の入院・手術の場合は医療保険の給付金はおります。


日常の何気ない動作で突然起きるぎっくり腰でも、「急性腰痛症」などという病名がありますので、れっきとした疾病になります。

それゆえ、入院や手術を行うと医療保険で給付金がおりるのです。


しかし、一部の条件の場合、給付金がおりないことがありますので、注意しましょう。

短期間の入院の場合は医療保険はおりないことも

短期間の入院で医療保険が下りない場合がありますが、これは腰痛の入院と関係があるわけではなく、短期入院が不担保になっていることが原因です。


国の政策により、入院日数が減り、通院日数が増えていますが、古いタイプの医療保険だと5日以上の入院でないと給付金を払いません、という今の医療とかけ離れた保障となっているものもあります。


今では、入院1日目から保障してくれる医療保険や、1泊2日の入院も保障してくれる保険もありますので、今一度、契約内容を見直してみてください。

慢性的な腰痛で告知義務違反の場合は医療保険はおりないことも

告知義務とは、医療保険等に加入する場合、加入予定者は告知書に記載されている質問へ、正直に回答する必要があることを言います。

腰痛くらいいいだろうとお考えの方は要注意です。

告知しなければならない病気・ケガや、治療の事実を記載しなかったり、嘘の記載をしたりすると、給付金が下りないことや、契約が解除されることがあります。


告知項目に回答する場合、慢性的な腰痛が原因で整形外科の治療を受けていて、腰痛等に該当する質問があるなら、正直にその事実を記載しなければなりません。

慢性的な腰痛は、告知を忘れがちです。入院や通院を経験したことがあるなら、医療保険加入時に必ず病名を申告しましょう。

腰痛の通院治療で給付金がおりる場合は入院や手術を行った場合のみ

医療保険はケガや病気で入院・手術をした時に経済的負担を軽減してくれます。


しかし、病院に行って診断されただけで医療保険はおりません。


例えば、風邪をひいて病院に行ったとしても医療保険の対象にならないのが良い例えだと思います。


腰痛も同じことです。ただ腰が痛いと病院に行っても医療保険の対象とはなりません。


やはり、入院・手術を行わないと医療保障の対象外です。


しかし、腰痛の治療も湿布代やMRIなど、通院回数が多くなると治療費もかかるものです。

そんな人のために通院保障特約というものもありますが、これも実は支払い条件は厳しいです。

通院保障特約は給付金の支給条件が厳しい

通院保障特約とは、

  • 給付金を受け取れるのは、入退院した後の通院が対象
  • 給付金の金額は入院給付金と同額である場合が多い
  • 1回の通院で契約した額の給付金が受けられる
以上が、主な特徴となります。

勘違いしている方もいらっしゃるかもしれませんが、通院すれば通院保障特約が使えるわけではありません。

また、医療保険に必ずついてくる保障ではなく別途に追加の保障となりますので、保険料も上がります。

病院以外で腰痛治療するときの保険の注意点

病院での腰痛の治療は健康保険が適用されるので良いのですが、病院以外での治療となると、注意しないと健康保険適用外となる場合もあります。


腰痛の治療、”整骨院”と”鍼灸院”の注意点を見ていきましょう。

整骨院の場合

整骨院での腰痛の治療の場合、気を付けていただきたい点は、


同時期に他の医療機関との同時治療は健康保険の適用外になります


です。


病院で治療して、さらに整骨院で治療して。このような場合は保険適用外となるという事です。

どちらか一つの治療に絞るか、この月は病院、次の月は整骨院と変える必要があります。

鍼灸院の場合

鍼灸院の場合は健康保険が使える所と使えない所がありますので、前もって確認が必要となります。


また、医師の同意書が必要となります。


その同意書の用紙は鍼灸院が準備してくれるところもありますが、あまり積極的に同意書を出してくれる鍼灸師は少ないようですので、まずは健康保険が使える鍼灸師を見つけて、実際に問い合わせてみましょう。

腰痛・ぎっくり腰の入院通院の保険適用についてのまとめ

腰痛・ぎっくり腰の入院や通院は保険適用されるのか?について解説してきましたが、いかがでしたか?

 今回の記事のポイントは、 

  • 慢性的な腰痛やぎっくり腰は疾病であるため、災害時(急な怪我など)に使える傷害保険では保障されない
  • 医療保険に加入していれば腰痛の入院・手術の場合は医療保険の給付金はおりる
  •  短期間の入院で医療保険が下りない場合がある
  • 告知しなければならない病気・ケガや、治療の事実を記載しなかったり、嘘の記載をしたりすると、給付金が下りないことや、契約が解除されることがある 


 腰痛にも医療保険が適用とはなりますが、まずは手術と入院が必要という事がわかりました。


 そして、整骨院と、鍼灸院も条件付きだが健康保険適用内で治療もできるようです。

腰痛持ちにしかわからない辛さです。スッキリと治療できるといいですね。


ほけんROOMでは他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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