不妊治療で退職する人の理由は?制度や失業保険、再就職の仕事も紹介

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不妊治療の両立がストレスで退職を考える人や退職した人は多いのではないでしょうか。事実、不妊治療の5人に1人は退職をしますが、会社の制度や失業保険を使わない方はとても多いです。今回、不妊治療に専念し退職する理由から退職後の制度や再就職の仕事もまとめて紹介します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

不妊治療が原因で退職する?5人に1人は退職する現状


妊活を始めたけれどもなかなかうまくいかない。このような場合、不妊治療をする人が増えています。現在、不妊治療は特別なことではなく身近な存在となっています。

しかし不妊治療と仕事の両立は難しく、治療をしている女性のうち5人に1人が退職をしています。

身体的負担が大きいことから、仕事を退職する方は多いですが、注意してほしいことは、不妊治療中に子宮がんや子宮筋腫などのケガや疾病を発覚してしまうことです。

不妊治療費+手術費・入院費を余儀なくされることから、不妊治療中の方は医療保険に加入する方が多いようです。

そこで今回この記事では
  • 不妊治療で退職する人の理由と事例
  • 不妊治療のための制度
  • 不妊治療で退職した際の失業保険給付の注意点
  • 不妊治療をしながらできる仕事
について詳しく解説します。

この記事を読んでいただければ、不妊治療のための制度から退職後の失業保険や働き方についても知ることができます。

また、不妊治療中の金銭面の負担に備えたい方は下記ボタンの不妊治療中の医療保険の詳細をご確認ください。

退職を決意する前にぜひ最後までご覧ください。

不妊治療で退職する人の理由と事例

残念なことに現在の日本では不妊治療をしながら仕事を続けることを断念する人が後を絶ちません。


不妊治療にはお金がかかるため仕事をつづけた方が良いはずなのに、退職してしまうのはどのような理由によるものでしょうか?


さまざまな理由がありますが、ここではその中でも特に多い

  • 不妊治療に専念するため
  • 仕事と治療の両立のストレスのため
  • 体力的に辛いため

といった理由で退職した事例を紹介します。

不妊治療に専念するため退職

A子さん(仮名)は不妊治療に専念するために退職を決意しました


A子さんはプロジェクトマネージャーを任されるなどバリバリと仕事をこなすキャリアウーマンでした。


しかし妊活をはじめてもうまくいかず不妊治療に踏み切ってからは、不妊治療中心の生活に切り替えるため自らキャリアダウンを申し出たそうです。


それでも思うように病院に通うことができず、結果も出ないため思い切って不妊治療に専念できるよう退職を選択しました。


不妊治療ができる時間は限られているため悔いを残したくなかったA子さん。幸い現在はお子さんには恵まれ現在幸せな生活を送っていますが、昇進した同僚のうわさを聞くと複雑な気持ちになることもあるようです。

不妊治療と仕事の両立がストレスで退職

B子さん(仮名)は治療と仕事の両立に強いストレスを感じ退職しました


不妊治療は自分の都合に合わせたスケジュールではできません。タイミングが命なので、卵子の成長に合わせて突然「〇月〇日の何時に病院に来て」と医師に指定されることがよくあります。


通院のため大事な会議を何度もキャンセルすることになってしまったB子さんは、仕事との両立に限界を感じてしまいました。


職場には不妊治療をしていることを伝えていて、理解も得られていました。それでも急な休みを申請するたびに申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまったそうです。


仕事にやりがいを感じていたB子さんでしたが、周りに迷惑をかけ続けてまで仕事を続ける必要があるのかを考えた結果、退職という結論に行きつきました。

不妊治療が体力的に辛いため退職

働きながら不妊治療を続けるためには通勤に加えて通院する必要があり、体力的に辛くなることもあるようです

C子さんは不妊治療で有名な病院に通院していました。職場から1時間以上離れた場所にあったため、仕事を終えてから通院した日は家に帰ると何もすることができないほど疲れ切ってしまったとのことです。

その様子を見て、ご主人もとても心配してくれたそうです。夫婦の絆は深まりましたが、仕事をしながらの通院により日増しに疲れが溜まっていきました。


また、不妊治療ではホルモン剤を使うことが多く、その副作用に悩まされる人も少なくないと言われています。


C子さんも吐き気や頭痛に悩まされ、「仕事をこれ以上続けることは無理」だと感じご主人のすすめもあり退職しました。

【退職前に確認】不妊治療と仕事の両立のための会社の制度を紹介

ここまでで不妊治療をしながら仕事を続けるにはさまざまな問題があることがお分かりいただけたと思います。


多くの人が本当は仕事が続けたいのに退職を選ぶしかなかったことは残念でなりません。


実は、不妊治療と仕事の両立を支えるための制度がいくつもあります。しかし、あまり知られていないこともあり、制度を利用している人は40%ほどにとどまっています。


もしかしたら制度を利用したら仕事を続けることができた人もいたかもしれません。


そこでここでは、不妊治療に関する

  • 休職・休暇制度
  • 費用の助成制度
  • 両立を支援するための制度

を紹介します。


他にもキャリアダウンをして働き方を変えるという方法もありますので使える制度がないかも含めて職場に相談してみるといいでしょう。


また、厚生労働省は仕事と不妊治療の両立支援ためにという分かりやすい資料を作成しているのでこちらも読んでおくことをおすすめします。

不妊治療を目的とした休職・休暇制度

不妊治療に関する制度の一つ目は休職・休暇制度です


子どもができないためにする治療は精神的にも体力的にも辛いものがあります。そのため思い切って休職することも一つの方法です。


また、通院する日だけでも休みをもらえると治療がしやすくなります。


不妊治療休職制度

体外受精、顕微授精など負担の大きい治療を行う際に最長1年間休職が可能になる制度です。1人1回利用可能。


出生支援休職制度

不妊治療のために最長1年間の休職を認める制度。休職中の社会保険料を会社が補助してくれます。在職中1回利用可能。


失効年休の積立休暇制度

失効してしまった有給休暇を不妊治療のための特別休暇に利用できる制度。1日単位、半日単位で利用できるので利用しやすい。

不妊治療のための費用の助成制度

2つ目は費用助成制度です。不妊治療は金銭的な負担がとても大きく、金銭的な理由で治療を断念する人も少なくありません。


一般的に1回の治療にかかる費用は以下のようになります。

  • タイミング法:数千円
  • 人工授精:1~2万円
  • 体外受精:20~60万円

体外受精などの高度治療まで行うとトータルで200万円以上かかることもあるようです。


このような費用負担を軽減するために各企業がさまざまな費用助成の制度を打ち出しています。


不妊治療貸付制度

体外受精・顕微授精・精巣内精子生検採取法など特定の治療費用の貸付を受けられる制度。


こうのとりサポート制度

不妊治療や養子縁組をする際にかかった費用を補助する制度です。1年12万円、最大5年間60万円まで補助を受けることができます。


共済会補助金制度

不妊治療にかかる費用が5万円以上と高額になった際、5万円が共済金から支払われる制度です。1年度に1回利用可能。

両立を支援するための柔軟な制度

3つ目は柔軟な働き方ができる制度です。


人によって事情も働き方も治療方法もさまざまなため自分の都合に合わせた働き方ができる制度が導入されています


うまく利用すれば不妊治療の負担を軽減することができます。


フレックスタイム制度

出勤・退勤の時間を既定の範囲内で好きなように設定できる制度。通院のある日は遅れて出勤というように通院と仕事の両立がしやすくなります。


半日単位・時間単位の年次有給休暇制度

通院にかかる時間が少ない時に便利な制度。1日の有給休暇を何回にも分けて取得できるので、通院回数の多い不妊治療に適しています。


テレワーク制度

家で仕事をすることで通勤の体力てな負担を軽減できます。感染症の予防にもなり今後も広がっていきそうな制度です。

【退職後必見】不妊治療退職後の失業保険

不妊治療を支援するためにさまざまな制度がありますが、最終的に退職を選択することもあるでしょう。退職後の金銭面にかかわる手続きも気になりますね。


一般的に退職後、金銭面で頼りになるのが失業保険です。


しかし、不妊治療による退職の後、失業保険を受給する場合は注意が必要です。


そもそも失業保険は失業し就職活動をしている間に給付されるものです。不妊治療のために退職し、その後出産・育児をしている間は給付対象ではありません。


失業保険には受給期限(離職して1年)があるため育児が一段落して求職活動を始めた時には期限が切れてしまいます。


ただし、手続きをすれば3年間延長が可能です。


そこで、出産後しばらくしてからでも失業保険を受給できるように退職したら忘れないうちに手続きをしておきましょう

【退職後必見】不妊治療中でもできる仕事を紹介

不妊治療との両立が難しく退職したら、治療を続けながらできる仕事を検討してはいかがでしょうか?


不妊治療には経済的な負担が伴うので少しでも仕事ができると安心ですよ。仕事をしていると気持ちがまぎれるという効果もあります。


そこでここでは不妊治療中でもできる

  • エンジニア
  • データ入力
  • ライティング

以上の仕事を紹介します。


これらの仕事は家で仕事をすることが可能なため、通勤がなく体力的な負担が軽減されます。


また、自分の都合に合わせて仕事量を調節したり、好きな時間に作業を行ったりすることができるため治療を優先させることもできます。

エンジニア

WEBエンジニアやシステムエンジニアは、高い需要がある上、在宅勤務も可能なため不妊治療中の仕事におすすめです


完全に在宅勤務もできますし、打ち合わせにだけ出社して後は家で働くという勤務形態をとることもできます。


他の在宅勤務に比べてお給料が高いのもうれしいですね。


ただし、初心者には難しい職種で、特別なスキル経験を持つ人だけができる仕事です。


もともと、正社員エンジニアとして勤務していた会社から退職後もパートとして仕事をもらうというケースもよくあります。

データ入力

在宅ワークとしてよく募集されているのがデータ入力です


紙の資料や伝票・レシートの内容をデータ化する仕事です。


おすすめポイントとしては

  • PC操作やタッチタイピングがある程度できれば初心者でもOK
  • 案件数が多い
  • 数時間で終わる仕事もある

などがあります。


お給料は他の在宅ワークに比べると少し低めですが、慣れてくると短時間で多くの仕事をこなせるようになります。


案件によってはスマホでも仕事ができますが、PC安定したインターネット環境がある方が仕事の幅が広がります。

ライティング

ライティングはWEBやタウン誌などの記事を書く仕事です

データ入力と違い自分で文章を作らなくてはなりませんが、文章を書くことが好きであれば初心者でも歓迎されます。

記事の内容はさまざまで自分の体験を書くものから、あるテーマについて調べて書くものもあります。

ジャンルを絞って募集がかかることもあり

  • 医療
  • 金融
  • 保険
  • 就職(人事)

など、これまでの仕事の専門性が活かせる仕事もあります。


在宅ワークの中でも人気のある職種で、案件も多くあるのでまずは書きやすそうなジャンルから挑戦してみるのもいいでしょう。

まとめ:不妊治療で退職の場合は制度があるか確認してから

ここまで不妊治療で退職する理由や利用できる制度について解説してきましたがいかがでしたでしょうか?


この記事のポイントは

  • 不妊治療による退職理由は治療に専念・両立困難・体力的な問題
  • 不妊治療のために休暇・休職、費用の助成などの制度がある
  • 退職後時間をおいて失業保険をもらうためには延長の手続きが必要
  • 不妊治療中でもプログラマー・データ入力・ライターなどの仕事ができる

でした。


子どもを望む人にとって子どもができないということはただそれだけでとても辛いことですが、仕事を続けることも難しくなる可能性もあります。


負担を軽減して働き続けるために会社に使える制度がないか調べることも大切です。


また、退職したとしても在宅ワークなどで働くことが可能です。自分に合った仕事が見つかれば出産後も続けることができますよ。


ほけんROOMでは、他にも記事を多数掲載しておりますので、ぜひ読んでみてください。

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