会陰切開や会陰裂傷・会陰裂傷縫合術は保険適用される?【出産保険のプロが解説】

妊娠や出産時に民間の保険がどこまで保障されるのか?そもそも保険の適用内なのか気になる方向けに解説していきます。出産保険に詳しいFPが会陰裂傷や会陰切開に関する治療費用や保険の内容についてわかりやすく解説しているので出産保険でお悩みの方は参考にしてください。

内容をまとめると

  1. 会陰裂傷や会陰切開は民間保険の保障範囲になっている場合がある!
  2. 出産保険の注意点は保険金や保障内容が保険会社によって制限があることが多いため事前に保障内容を確認する必要があること!
  3. 出産保険は保障内容が複雑なため保険商品の説明や手続き方法まで教えてくれるマネーキャリアの保険相談を有効活用することがおすすめ!

出産時の会陰切開や会陰裂傷・会陰裂傷縫合術は医療保険適用?

会陰切開とは、出産時に安全な出産を行う目的で、会陰部に切開を加える分娩介助方法です。


この会陰切開を行う場合でも公的医療保険が適用されたら、出産費用を抑えることができてお得ですよね。


しかし、会陰切開には公的医療保険が適用される場合と、適用されない場合があるのはご存知でしょうか。


そこで今回は、「会陰切開で公的医療保険が適用されるケースと、民間の医療保険の活用」について

  • 会陰切開で公的医療保険が適用される出産
  • 民間の医療保険が適用される場合とは
  • 会陰に関する切開・裂傷が民間の医療保険の対象になる場合
以上のことを中心に解説していきます。         
 

この記事を読んでいただければ、会陰切開が保険対象になる条件や、民間の医療保険の有用性を知ることに役立つと思います。       

ぜひ、最後までご覧ください。

また、自分の加入している医療保険が適用されるか知りたいという方は、マネーキャリアで保険のプロへ相談するのもおすすめです。

会陰切開・会陰裂傷は医療保険の適用内の場合もある!

会陰切開で、民間の医療保険の給付金が下りるのは、その処置が公的医療保険に該当するかどうかで決まります。


吸引分娩または鉗子分娩という異常分娩に伴う会陰切開の処置は、給付金の対象です。


その他にも、民間の医療保険の対象になるケースは存在します。


また、2度目や3度目の場合も保障の対象になります!


ここでは、保険会社や共済に給付金を請求する場合、医療機関から受け取る各書類のどこをチェックすべきかを解説します。

民間の医療保険が適用される場合

民間の医療保険は生命保険会社・共済が取り扱う保険商品です。


 公的医療保険の適用外となる、有料の個室を利用した際の「差額ベッド代」も保障範囲となります。 


 ただし、民間の医療保険の給付金が下りる条件は、異常分娩である場合がほとんどです。

自然分娩のうちの会陰切開では、前述した通り医療保険で給付金が出るのはあまり期待できないでしょう。 


 こちらでは、各給付金の対象となる出産の際の処置等について解説します。

手術給付金の対象

手術給付金とは、被保険者が手術治療をした際に下りる給付金です。 


 給付金額は一般的に後述する入院給付金(日額)の、例えば「○○倍」という形で金額が設定されます。 


 手術給付金の対象になるのは次ようなケースです。 

  • 帝王切開 
  • 出産予定日等を超過した場合の陣痛誘発剤の投与 
  • 微弱陣痛で母子共に危険な状態を避ける目的で行う陣痛促進薬の投与 
  • 吸引分娩または鉗子分娩を行うため、医療器具の挿入を目的とした会陰切開 等

入院給付金の対象

入院給付金とは、被保険者が病気等で入院をした際に下りる給付金です。 

 こちらの給付金は、「1日につき○○○○円」という形で設定されています。 

 入院した日数分、無限にお金が受け取れるわけではなく、例えば「1入院につき○○日まで」と上限が定められています。 

 入院給付金の対象になるのは次のようなケースです。 
  • 前期破水(陣痛が始まる前に破水してしまうトラブル)等による入院や出産の場合 
  • 陣痛促進剤の効果がない場合の入院 
  • 切迫流産や切迫早産の危険性があるため入院した場合 等 

とはいえ、「自分が加入している医療保険の保障範囲がよくわからない」、「これから保険に加入したいけど、どの保険を選べば妊娠や出産のときに得するのかわからない」という声も多いです。

そこでほけんROOMでは、保険のプロが皆様の保険の悩みを解決すべく、無料相談を行っています。

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領収書の手術欄と保険負担割合を確認

退院後に医療費を支払う際、まず医療機関から受け取る領収書を確認しましょう。


領収書に負担割合が記載されていた場合、公的医療保険が適用されたとわかります。


また、会陰以外に切開・縫合した処置が無く、手術欄に費用が記載されていれば、その処置が手術として扱われることになります。


この場合は、会陰切開が手術給付金の対象になる可能性が出てきます。

病院・産院に手術コードを聞いてみよう

前述した手術の記載がある場合、保険会社等に給付金を請求したいものですが注意点もあります。


医師の診断書は有料


給付金を請求の際は、医師に診断書を記載してもらいますが有料(約5,000円)です。


この診断書の費用は全額自己負担です。


そのため、保険会社へ診断書を提出したのに、保険給付の手術に該当せず、結局給付金が下りないのでは損です。


そこで、会陰切開等による手術が保険給付に該当するのかどうか、事前に医療機関で尋ねてみましょう。


Kコード(手術コード)で判断


保険給付に該当するか否かの判断基準としてKコード(手術コード)が参考となります。


このコードは診療報酬点数に表示されています。


正常分娩の会陰切開は「K895 会陰(陰門)切開及び縫合術(分娩時)」が該当します。


こちらの場合は公的医療保険が適用されず、民間医療保険の給付金も下りません。


一方、会陰裂創(裂傷)と呼ばれるトラブルもあります。


これは会陰部が過度に押し広げられて生じる裂傷を言います。


会陰裂創(裂傷)の治療に該当するのが「K896 会陰(腟壁)裂創縫合術(分娩時)」です。


さらに次の4つの裂傷に分かれます。


  1. 筋層に及ぶもの
  2. 肛門に及ぶもの
  3. 腟円蓋に及ぶもの
  4. 直腸裂創を伴うもの

前述したK896-2(裂傷が肛門に及ぶもの)以降で、手術給付金の対象となる可能性が高くなります。

医療機関でKコード(手術コード)を聞いたら、念のため保険会社のカスタマーセンター等に電話連絡して、Kコードを伝えてみましょう。

給付金が下りるかどうか正確な判断が期待できるはずです。

会陰切開で民間の医療保険に保険金を請求する3ステップ

ステップ1:保険会社に連絡

まず、保険会社に異常分娩で出産したことを報告します。

また、請求に必要な書類の送付を頼みましょう。

ステップ2:書類を記入し提出

保険会社から書類が届いたら、手術名や入院期間を詳細に記入しましょう。

意志からの診断書が必要な場合もあるので、必要な場合は病院に診断書の発行をお願いしましょう。

ステップ3:保険金を受け取る

保険会社の審査に通ったら、保険金が指定の口座に振り込まれます。

医師が診断書を発行してくれない場合の対処法

保険金の請求には医師の診断書が必要な場合がありますが、まれに医師から診断書の作成を断られてしまうことがあるようです。


法律的には、医師は正当な理由が無い場合以外には、依頼された診断書の作成を断れないです。


ですから、本当は医師は診断書の作成をしなければいけません。


とはいえ、医師も人間なので、とても忙しい場合には診断書の作成を断ってしまう場合もあるかもしれません。


そこで、診断書の作成をを断られた場合には、以下の対処法を試してみましょう。

  • 看護師さんを通じてお願いする
  • 医師の機嫌を損ねるような言葉遣いはしない
  • 家計の関係上、保険金が無いと生活が厳しいことを伝える
  • 診断書作成のための資料を自分で用意する
これらの対処法を試せば、医師も診断書を作成してくれるでしょう。

会陰切開で民間の保険会社からいくら保険金をもらえるのか

会陰切開で民間の保険会社からいくら保険金を受け取れるのかシミュレーションしてみましょう。


例えば、A社の女性保険では、入院給付金と、手術給付金が支払われます。


また、保険会社によっては女性入院給付金という制度があり、通常の入院給付金に上乗せされて給付金が支払われる場合があります。


今回は上乗せ分の給付金が5000円あると仮定します。


異常分娩で10日間入院した場合を考えると、

入院1日につき1万円のコース入院1日につき5千円のコース
1日当たりの入院給付金15,00010,000
手術給付金20万円10万円
合計(10日間入院)35万円20万円

よほど入院費が高い高級な病院に入院しない限りは、自己負担分の医療費は民間の医療保険でカバーできるでしょう。


また、会陰切開は何度でも保険が適用されるので、2回目以降も安心です。

コープ共済の「たすけあい 女性コース」がおすすめ!

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会陰切開は通常なら健康保険は適用されない

会陰切開は、まさしく切開を行うので、一見すれば帝王切開のように公的医療保険が適用されると思われることでしょう。 


しかし、この分娩介助方法は外科的手術ではなく、安全な出産に必要な処置として扱われ、分娩介助費用に含まれます。 


そのため、正常分娩の場合は会陰切開に公的医療保険が適用されません。



一方、何らかの異常分娩を伴い、その処置の一環として会陰切開を行えば、保険対象に該当する場合が多いです。

健康保険が適応となるのは異常分娩での出産とみなされた時

出産・分娩時に公的医療保険が適用されるのは、帝王切開・切迫早産・吸引分娩等の「異常分娩」であることに限られます。


帝王切開は、いわゆる外科的手術で子宮から胎児を取り出す方法です。


この帝王切開の場合には、手術費用の3割が患者負担となります。


また、異常分娩での出産費用が高額なる際には、「高額療養費」制度を活用することもできます。


この高額療養費制度は、1ヶ月にかかった医療費が自己負担限度額を超えた場合、申請によりその超過分が戻る制度です。


こちらでは、会陰切開に公的医療保険が適用されるかどうかを解説します。


高額医療の出産費についてはこちらで解説していますので、ぜひ読んでみてください。

妊娠出産は病気ではない

正常分娩(自然分娩)は病気といえません。


そのため、正常分娩の出産費用は公的医療保険が適用されません。


では、いかなる場合も正常分娩は全額自己負担になってしまうのかといえば、そうではありません。


出産育児一時金を利用する


正常分娩の出産費用は、約50万円かかるといわれています。

この高額になってしまう費用を軽減するため、保険者から給付される一時金が「出産育児一時金」です。

この一時金は、子一人につき42万円が支給されます(双子の場合は84万円に増額)。

なお、このお金を給付する保険者は、ご自分の加入している公的医療保険によって異なります。

  • 健康保険(給与所得者が加入)→全国健康保険協会または各健康保険組合
  • 国民健康保険(給与所得者以外の方々が加入)→市区町村

出産育児一時金の給付条件・申請方法


出産育児一時金を給付してもらうためには、次の条件が必要です。

  • 健康保険、国民健康保険等の加入者
  • 妊娠4ヶ月(85日)以上で出産する場合
そして、この一時金は申請手続きを行う必要があります。


次の3つの方法があります。

  • 直接支払制度:申請手続きを医療機関側が代行する方法です。この場合には、一時金額を超えた費用分だけ医療機関の窓口で支払えばよいことになります。
  • 受取代理制度:妊婦本人が申請する方法です。事前に医療機関から申請書の必要事項を記載してもらい、出産の2ヶ月前に保険者へ申請書を提出します。
  • 産後申請手続き:妊婦本人が出産費用の全額を医療機関へ支払った後、指定口座にお金を振込んでもらう方法です。事前に医療機関から申請書の必要事項を記載してもらい、出産した日から2年以内に保険者へ申請書を提出します。

ご自分の入院する医療機関が直接支払制度を採用している場合、こちらの方法で申請手続きを行いましょう。

妊娠から出産までにかかる費用

妊娠中にかかる費用

妊娠病気ではないため、保険が適用されません。


ですから、少し費用が高額に感じるかもしれませんが、民間の医療保険や、後ほど説明する公的な助成制度などを利用して費用を抑えましょう。


妊娠中にかかる費用としては主に以下のことが挙げられます。

  • 妊婦検診費(初回):10,000円から20,000円程度
  • 妊婦検診費(2回目以降):1回5,000円程度(血液検査がある場合は5,000円から10,000円が加算される)
  • つわりや貧血など、妊娠に関連した症状に対応するための医療費
妊娠確定後は、自治体から検査費用割引のための補助金をもらえるので、実際はもっと負担は軽くなります。

また、妊娠に関する費用は保険適用外ですが、つわりや貧血などの医療費は健康保険が適用されます。


出産にかかる費用

自然分娩の場合は40万円から80万円程度の費用がかかるといわれています。


健康保険が適用されないため、入院費などもすべて自己負担になりますが、後ほど紹介する公的制度を利用すれば負担はある程度軽くなります。


会陰切開をする場合は、上記の金額には1万円から2万円程度上乗せされるようです。


また、帝王切開で出産する場合は、保険適用となるため3割負担ですが、40万円から100万円程度の費用がかかるといわれています。

妊娠・出産の際に利用できる公的制度

①出産育児一時金

子供1人を出産したら42万円を受け取ることができます。


妊娠から4か月以降の出産が条件となります。


子供一人につき42万円なので、双子を産んだ場合には84万円受けとることができます。


申請は加入している健康保険組合や、共済組合に行い、期限は出産日から2年間に設定されています。

②出産手当金

被保険者が出産のために会社を休み、その間に給料を受け取れなかった場合に受け取ることができる手当金です。


もともとの給与の約3分の2の金額を受け取ることができます。


出産の42日前から、出産後56日の間のみ受け取れるという条件があります


申請は加入している保険組合で行えます。

③傷病手当金

被保険者がけがや病気で会社を休んだ場合に受け取ることができる手当金です。


傷病手当金も、もともとの給与の3分の2の金額を受け取ることができます。


切迫早産つわりなどが原因で会社を休んでしまった場合にも受け取ることができます。

④高額医療費制度

高額医療費制度は、所得や年齢に応じて、1ヶ月支払う医療費の上限が設定され、その上限を超えた場合には、超えた分の金額が還付されるという制度です。


申請の際は、医療費の明細書や領収書が必要なので注意しましょう。


所得や年齢に応じて上限額が違うので、厚生労働省のページをチェックして、自分の上限額を確認しましょう。



⑤医療費控除

世帯全体の医療費が1年間で10万円を超える場合、一定額税金が安くなるという制度です。


確定申告の際に税務署に必用書類を提出することで、税金が払い戻されます。


高額医療費制度を利用した場合は、残りの金額が合計で10万円を超えれば利用できます

出産の際の会陰切開で保険は適用されるかについてのまとめ

会陰切開で公的医療保険が適用されるケースと、民間の医療保険の活用について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。              


今回の記事のポイントは

  • 妊娠出産は病気ではないので公的医療保険は原則として適用されず、会陰切開も同様である
  • 民間の医療保険も公的医療保険が適用されなければ、入院・手術に給付金は下りない
  • 吸引分娩または鉗子分娩という異常分娩に伴う会陰切開の処置は、給付金の対象である
  • 領収書に負担割合が記載されていれば、公的医療保険が適用されているとわかる
  • 医療機関からKコードを聞いて保険会社に問い合わせれば、給付金が下りるかどうか確認できる
でした。

会陰切開に公的医療保険が適用されなくても、出産育児一時金で出産費用の負担を軽減することが可能です。

医療機関で出産育児一時金の給付を受けたい旨を忘れずに伝えましょう。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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