更新日:2020/03/04
わざと壊した家財は火災保険・家財保険の補償対象になる?保険金は出るの?
わざと破損させた家財は火災保険・家財保険の補償対象になるのでしょうか。確かに、わざと家財を壊して保険金が出るのなら、都合がいいですよね。しかし、火災保険は放火や故意の破損は補償対象外としています。今回は、火災保険の正しい使い方や保険金請求のコツ、家財保険や個人賠償特約を解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- わざと壊した家財は火災保険・家財保険で補償される?火災保険の使い方とは
- わざと壊した家財は火災保険で補償されない!火災保険の間違った使い方
- 火災保険の間違った使い方①放火・故意による破損
- 火災保険の間違った使い方②虚偽の申請
- 火災保険の間違った使い方③焼け太り行為
- 補足:悪質な修理業者に注意!
- 火災保険の使い方とは
- 火災保険の補償範囲
- 台風被害にも火災保険が適用!火災保険の意外な使い方って?
- 参考:保険金の使い方について
- 火災保険の他の特約・保険の使い方を合わせて紹介
- 家財保険の使い方
- 個人賠償責任特約の使い方
- 賃貸住宅は必須?借家人賠償責任補償とは
- 火災保険の使い方って?火災保険の請求方法・コツを解説
- 請求時の必要書類
- 保険金請求のコツって?
- 注意:火災保険の補償金には請求期限がある
- まとめ:火災保険の使い方をマスターして正しい保険金請求を
目次
わざと壊した家財は火災保険・家財保険で補償される?火災保険の使い方とは
この記事をご覧の皆様は、正しい火災保険の保険金の請求方法について調べているものと思います。
事故が起きた時に、損害を受けた場所を保険を使って修理することは当然です。
しかし、請求の仕方によっては不正請求となるでは?と不安をもたれている方もいることでしょう。
さらに、支払われた保険金を修理に使わず、他のことに使ってしまった場合はどうなるのでしょうか。
また、修理を依頼した業者が実際の損害額よりも高い見積もりを作成し、それをもとに保険金の請求をした場合はどうなるのでしょうか。
実は、保険金の使い方は自由であることをご存知ですか?
確かに、火災保険の使い方について、正しい知識を持っていなければ不安になってしまいますよね。
この記事では
- 火災保険に関係する保険、特約について
- 火災保険の請求について
わざと壊した家財は火災保険で補償されない!火災保険の間違った使い方
火災保険は実に身の回りの多くの物に損害があれば補償対象となりうるのです。
ただし、それをいいことに不当に火災保険の請求を行うことはあってはなりません。実際、保険会社の調査は丁寧なものですし、保険金を過度に請求することは犯罪です。
保険金の請求におよぶ事故はいつでも起きる可能性があるといえます。
そこで考えられるのが、火災保険の間違った使い方です。
故意に事故を起こしたり、事故の際の修理見積もりを過大にしたりすることで不当に保険金の請求を行なう行為です。
モラルリスクと呼ばれるこれらの行為は、保険の種類を問わず起きる可能性があり、火災保険も例外ではありません。
- 保険の目的に対する放火、故意による破損
- 虚偽の申請
- 焼け太り行為
火災保険の間違った使い方①放火・故意による破損
火災保険の間違った使い方として、火災保険を使えるようにわざと放火や破損を起こしてはなりません。
わかりきっているとは思いますが、自宅に放火して火災保険の補償を受けることはできません。
家財も同様です。故意にこわしたものを補償してもらうことはできません。新しいソファーが欲しいからといって、わざと壊して補償してもらうことはいけません。
火災保険の補償に目がくらんで、わざと火事を起こしたり、破損をさせ保険金をもらうのは詐欺になります。
火災保険の間違った使い方②虚偽の申請
火災保険の間違った使い方③焼け太り行為
他に火災保険の間違った使い方が焼け太り行為です。この焼け太り行為とは保険を重複して契約して、それをそれぞれ重複して契約していることを保険会社に知らせずに、保険金を多くもらおうとする行為です。
火災保険は保険金を受け取るときに、決められた価格までしか補償されませんが、何社も契約していても、変わりません。例えば、家財補償を200万円まで付けていた場合、何社契約していても200万円までしか支払われません。
火災保険は損害への補償が目的のため、損害額以上の支払いをうけることはできません。
補足:悪質な修理業者に注意!
火災保険の使い方について注意しなければならないのは悪質な修理業者の存在です。
修理業者のなかには、火災保険の保険金を目当てに、実際にかかった費用より多く保険金を請求したり、費用を浮かせるために手抜き工事を行うなどの行為を行うところがあるからです。
保険金は実損額が支払われるので、その金額を故意に増やしたり、金額以下のずさんな工事をして差額を不正に取得したりするのですね。
悪質な修理業者の口車に乗せられて、損害額を過大に請求してしまった場合は注意が必要です。
過大請求であることを知っていた場合には、保険金詐欺となるため、犯罪となる可能性が高くなります。
また、修理業者が過大な請求をしていることを知らなかった場合には、犯罪となることはありませんが、保険会社によっては保険金支払いを拒まれる可能性があります。
悪質な修理業者の被害に遭わないためには、優良な事業者を選ぶことも重要です。
インターネット上には優良な事業者を紹介するサイトもあるので、そこを利用することを検討してよいかもしれません。
火災保険の使い方とは
火災保険は火事が起きたときに保険会社から損害について補償を受けられる保険ですが、火災保険の契約内容についてきちんと覚えている方は少ないと思います。
火災保険は、不動産会社にすすめられるままに契約してしまったり、ローンを組む際に申し込むものと言われるままに契約して、家を決めることにばかりに気持ちが向かってしまい、なかなか内容をきちんと把握していない方が多いのです。
火災保険は、「家」に対して損害が生じた時に、保険会社が保険金を支払って補償をしてくれる保険です。火災保険という名前だけあって、補償されるのは「火災」が原因の時だけだと思われがちですが、火災の他にも、落雷や風災、水災や雪災、爆発や盗難などがあります。
地震以外の自然災害が対象となっており、地震による損害は別途地震保険に加入する必要があり、地震保険に加入していれば、ほぼすべての自然災害における被害を補償してくれるのです。
ここでは、火災保険で補償されるいろいろな事項について見ていきます。火災はもちろん、家に関わる損害全般や、日常生活のトラブルまで火災保険の補償対象になっており、
契約内容によっては、旅行中の盗難まで補償してくれることもあります。
せっかくお金をはらい火災保険をかけているのですから、火災保険の契約の内容をきちんと理解して、もしかして火災保険の補償の範囲内かもと思ったら、確認し、しっかり補償してもらいましょう。
火災保険の補償範囲
火災保険は、偶然に起きた火事や自然災害などから財産を守るための保険です。
また、自動車保険とは異なり、保険を使った回数によって次の年の保険料が上がることもありません。
そのため、不正請求にあたらない事案であれば保険会社に請求しましょう。
それでは、火災保険の補償範囲を見てみましょう。
- 火災 先火やもらい火による火災の損害の補償
- 落雷 落雷による損害の補償
- 破裂・爆発 破裂や爆発による損害の補償
- 風災、ひょう災、雪災 風やひょう、雪などによる損害を補償
- 水ぬれ 漏水などによる水濡れの損害を補償
- 水災 台風や集中豪雨による損害を補償
- 盗難 盗難にともなう、盗取、損傷、汚損による損害を補償
- 騒擾・集団行為等にともなう暴力行為 騒擾や集団行為による暴力・破壊行為の損害を補償
- 建物外部からの物体の落下・飛来・衝突 建物外部からの物体による損害を補償
以上です。これは基本的な補償範囲ですので、特約をつけて、範囲をひろげることもできます。
火災保険の請求をしようとするとき、損害の原因が不明な場合があります。
たとえば、屋根や雨樋の損害です。
特に、築年数が古い家屋で、大雨が降ったり大風が吹いたりした後で、損害に気付いた場合などは判断に迷うことがあるかもしれません。
その場合には、保険金請求の際、保険会社に事情をよく説明しましょう。
保険会社では、損害の原因調査のために調査員を派遣して詳しく調査をし、その結果に基づいて保険金の支払いをするので、不正請求とみなされることはありません。
補償の対象となるものは、「建物」と「家財」です。建物は、住んでいる家自体だけでなく、車庫や物置、外壁、建物に取り付けてあるエアコンや浴槽なども含められます。家財とは、補償対象である建物内に収容されている、家具や衣服、宝石などがあります。
台風被害にも火災保険が適用!火災保険の意外な使い方って?
これから、火災保険が適用される事例を紹介します。火災保険は火事だけに使えるわけではありませんので、見ていきましょう。
- 隣の家が火事になり自宅に燃え移った
- 放火されて家が燃えた
- 台風の突風で窓ガラスが割れた
- 落雷がありテレビがショートした
- 自宅の屋根からの落雪があり隣家に損害を与えた
- 隕石が落下してきて自宅の屋根を突っ切った
- 外壁に落書きされた
- 車庫入れを失敗し、自宅のガレージを壊してしまった
これらは、火災保険の支払いの事例です。
このようなものでも対応してもらえるのです。火事に限らず、台風や落雷など自然災害における被害、日常のトラブル、予測できない被害なども補償されることがあります。
実際には保険会社の調査が必要になるので、参考までにしていただきたいのですが、もしかして補償の対象かもと思うことがあれば、保険会社に確認してみましょう。
参考:保険金の使い方について
みなさん保険金の使い方を知っていますか?
実は、受け取った保険金の使い道は自由なのです。
事故による実際の損害額を補償するための保険金なので、損害の修理以外に使うことは認められないと考えている方は多いようなのですね。
しかし、保険金の使い方は自由とされています。
受け取った保険金の全額を旅行費用に使ってもよいのです。
ただし、その場合には、損害を被った箇所は修理されずにそのまま放置されることとなります。
これでは保険の意味をなしませんよね。
保険金の使い道は自由であるといっても、損害を修復して元の状態に戻すことが保険本来の趣旨です。
受け取った保険金は損害部分の修繕に使うようにしましょう。
ただし、火災保険契約のなかには、保険金の使い道が被災箇所の復旧のみに限定されているものがあります。
新価保険特約という特約が付帯されている場合にこのような限定が付けられているケースがあるのです。
この特約が付いている場合には被災箇所の修理をしなければ保険金が支払われません。
ちなみに、一般的な個人住宅に付保される火災保険にこの特約が付帯されることはほとんどありませんが、念のため、加入先の保険会社に確認することをおすすめします。
火災保険の他の特約・保険の使い方を合わせて紹介
火災保険を付保できる対象は、先述した通り、建物と家財です。
基本的な補償は、火災、落雷、破裂爆発ですが、風水害や現金も含めた盗難も補償の対象としている火災保険もあります。
以上の基本的な補償に加えて、偶然な事故による建物や家財の損壊、泥棒に入られたことによる窓の破損、さらには被災したことによって一時的にホテルを利用せざるを得なくなった場合の宿泊費などを補償の対象とする特約もあります。
ここでは、家財道具に付ける家財保険・個人賠償責任特約・借家人賠償責任保険について解説します。
家財保険の使い方
家財保険とは、家財道具を補償の対象とした火災保険のことです。
家財道具には、テレビ、電話、冷蔵庫、エアコンといった家電から机や椅子、さらには現金、有価証券といったものが含まれます。
いわば、建物以外で自宅にあるものすべてを含むといっても過言ではありません。
火災保険というと、建物を対象にしたものと考えている方がいるかもしれませんが、家財道具も補償の対象となっているのです。
ただし、家財道具を補償の対象とする場合には、建物の保険とは別に家財保険に加入しなければなりません。
建物と家財は別のものだからです。
家財の評価額は実際の家財道具の金額を足していく積算評価と総務省の家計評価をもとに保険会社が算出した簡易評価のいずれかによって決められています。
積算評価は時間も手間もかかるため、ほとんど利用されておらず、一般には簡易評価が使われています。
簡易評価は、世帯主の年齢、家族の構成によって決まるものです。
たとえば、次のようになります。
- 世帯主の年齢が27歳以下で、夫婦2人と18歳未満の子どもが1人の家庭では、590万円
- 世帯主の年齢が38歳~42歳で、夫婦2人と18歳未満の子どもが1人の家庭では、1,160万円
- 世帯主の年齢が48歳以上で、夫婦2人と18歳未満の子どもが1人の家庭では、1,560万円
この評価額を保険金額として保険に加入するのです。
家財保険に加入するメリットには次のものがあります。
家財保険の補償範囲は建物と同じですが、盗難事故が起きた際には、実際に盗まれた家財道具の他に、金額の上限はありますが、現金、有価証券が補償されます。
建物の火災保険では家財や現金の盗難は補償されません。
また、住宅ローンの支払途中で被災した場合、建物の火災保険の保険金はローンの残債の支払にあてられ、手元にはわずかしか残らない可能性があります。
しかし、家財保険に加入していれば、その分の保険金が支払われるため、自宅を再築する計画が立てやすくなるのです。
個人賠償責任特約の使い方
不注意や偶然な事故によって、他人の身体を傷つけたり、他人のものを破損したりした場合に、相手の損害を賠償する保険が個人賠償責任保険です。
火災保険では、個人賠償責任保険を特約として付帯できるようになっています。
保険を利用できるのは被保険者と生計をともにする同居の親族、および別居の未婚の子となります。
簡単にいうと、世帯主を被保険者とすれば家族全員の賠償事故が補償される保険です。
特に利用するメリットが大きいのは、自転車事故の際に相手への賠償にこの保険を使うことができることです。
保険会社によっては、本人に代わって、相手と交渉してくれる示談代行サービスを行なっているところもあり、賠償事故だけを考えると自転車保険に加入する必要性は低くなります。
ただし、この特約は自動車保険などにも付保されてることがあり、補償が重複するおそれがあるので、注意が必要です。
賃貸住宅は必須?借家人賠償責任補償とは
火災保険の使い方って?火災保険の請求方法・コツを解説
火災保険の請求は、事故が起きたらすぐに保険会社に連絡を入れるところから始まります。
保険会社からは請求に必要な書類が送られてくるので、そこに記載された書類に所定の事項を記入するとともに、修理業者に依頼して見積もりを作成してもらいます。
事故の規模によっては、保険会社から事故調査を行う鑑定人がくるので、その調査に協力します。
その後、損害額が確定し、保険金が支払われることとなります。
請求時の必要書類
事故の際の保険金請求書類は次の通りです。
- 保険金請求書
- 事故状況報告書
- 修理見積書
- 写真
保険金請求のコツって?
これまで火災保険の請求について確認してきました。請求時の必要書類は揃えられましたか。
保険金請求のコツはこの必要書類をきちんと揃えることが大切です。修理業者に修理見積書を作ってもらうことになるのですが、きちんとした業者であれば、信頼できる見積書を作ってもらえます。
修理業者の選定は保険金請求の鍵となりますので、口コミや評判を重視しましょう。
よい修理業者を選び、信頼できる見積書と写真を多くとり、きちんと書類をそろえ保険の契約内容を確認した上で、保険会社の担当者へ相談してください。
手間はかかりますが、保険会社の担当者にこちらの希望を伝え、十分な補償をしてもらえるように意思疎通をはかることが大事です。
注意:火災保険の補償金には請求期限がある
火災保険の補償金を受け取るための請求には期限が決められています。
保険金を請求できる期限は通常、3年間とされています。
この期間を過ぎてしまうと保険金の請求ができません。
言い換えれば、事故が起きてから3年間は保険金請求ができるということです。
保険金を請求できる期間はもっと短いものと考えている方がいるかもしれませんが、そのようなことはないので安心してください。
火災保険の補償範囲は幅広いものですから、請求漏れということも十分考えられます。
気になることがあれば、迷わず保険会社に相談してみましょう。
たとえば、うっかりして家財道具を壊したなどの損害は、補償の対象となっていても気が付かずに請求期限を過ぎてしまうおそれが十分にあるからです。
ただし、保険会社によっては保険金を請求できる期間について、2年間を限度としているところもあるので、念のため確認することをおすすめします。
まとめ:火災保険の使い方をマスターして正しい保険金請求を
火災保険の正しい使い方と不正な使い方について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回のこの記事のポイントは、
- 火災保険の使い道は自由
- 火災保険の保険金請求について