法人保険における損金算入とはなに?全額・1/2・1/3損金の違い!

法人保険の保険料が損金算入できると、法人税が少なくすることができるので法人保険を選ぶ際に重要になります。しかし、損金算入は全額損金、1/2損金、1/3損金と3種類あるので、それぞれの特徴やどのような企業がどのタイプの法人保険を選ぶべきかについてご説明します。

法人保険における損金算入とは?全額・1/2・1/3損金の違い!

法人保険について調べていると、「法人保険に加入すると損金算入できます」という説明文を目にすることがあるかと思います。


しかし、そもそも法人保険における「損金算入」の正確な意味についてきちんと説明できる人は多くはありません。


損金算入には全額損金タイプ、1/2損金タイプ、1/3損金タイプなどがあるため、ご自身の会社にぴったりの法人保険を選ぶには、損金算入の意味、損金算入の割合に応じたタイプについてしっかりと理解しておくことが重要です。


そこで本記事では、法人保険の損金算入について 

  • 法人保険の損金算入とはどのようなものなのか 
  • 損金算入のメリットとデメリット 
  • 全額損金・1/2損金・1/3損金の特徴と選ぶべき企業 
  • 保険料が資産計上される保険 


以上を中心にして解説していきます。


この記事を読んでいただければ、法人保険の損金算入について詳細な知識を身につけるのに役立つと思います。


是非、最後までご覧ください。


法人保険の損金算入とは?

法人が利益をあげた時に得るお金のことを「益金」と呼び、法人が利益を上げるためにかかった費用を「損金」と呼びます。


具体的には、製菓メーカーがお菓子を売って得たお金は「益金」、お菓子工場の設備にかかるお金は「損金」となります。


また、損金算入のメリットとデメリットは以下の通りです。


損金算入のメリット

  • 法人税の課税対象額を小さくできる

損金算入のデメリット

  • 会社の資産価値が減る
  • すぐに使える現金がなくなりキャッシュフローが悪化する

具体的なメリットとデメリットに関しては次でご説明します。

損金算入のメリット

法人税は、益金から損金を差し引いた額に課税されることになります。


そのため、損金算入の額が大きければ大きいほど、法人税の課税対象額は小さくなるので、節税効果が高くなることがメリットです。


また、現在は業績が良くても、いつ業界の景気状況の変動によって業績が悪くなるかわからないという場合に、将来に備えて節税することができることもメリットとして挙げられます。

損金算入のデメリット

損金算入することで会社の企業価値が低くなってしまい、会社の信頼性が低下してしまいます。


また資産が減ることで、活用できる資金が少なくなり、キャッシュフローの悪化を招いてしまいます。


また、企業価値が減ることで、なにかあったときに会社を高く売却することができなくなってしまうなど可能な施策が減ってしまうことがデメリットとしてあげられます。



全額損金・1/2損金・1/3損金の特徴と選ぶべき企業をご紹介!

法人保険は損金算入される割合に応じて以下のような種類に分かれています。


  • 全額損金タイプ 
  • 1/2損金タイプ 
  • 1/3損金タイプ 


解約返戻金をどのくらい受け取れるのかは、解約返戻率によって変わります。


しかし、解約返戻金を多く受け取ると、その分だけ法人税が課税されてしまうので、使い道を考えておく必要があります。


解約返戻金などの使い道のことは出口戦略と呼ばれ、法人税対策をする上で重要です。

全額損金の法人保険

全額損金タイプの法人保険の特徴

  • 解約返戻率が低い
  • 保障が手厚いので、保険料が割高

全額損金タイプの法人保険は貯蓄性がないので、長期的に資産を運用したい場合にはおすすめできません。


そのため、全額損金タイプの法人保険は、貯蓄性よりも緊急時の保障を重視したい企業におすすめです。


全額損金タイプの法人保険の例として、掛け捨て型の定期保険が挙げられます。

1/2損金の法人保険

1/2損金タイプの法人保険の特徴

  • 支払った保険料の1/2が損金計上され、残りの1/2が資産計上される
  • 全額損金タイプに比べると、保険料・解約返戻率が高くなる

このように、1/2損金タイプの法人保険は、キャッシュフローに余裕があり、貯蓄性を重視したい企業におすすめです。


1/2損金タイプの法人保険の例として、逓増定期保険長期平準定期保険が挙げられます。


長期平準定期保険と逓増定期保険は、前半6割の期間で保険料を積み立て、後半4割の期間で積み立てた保険料を取り崩すことで、全保険期間にわたって保険料を平準化する保険です。


長期平準定期保険と逓増定期保険では、解約返戻率のピークがあり、ピークを過ぎると解約返戻率が減っていくのが特徴です。

1/3損金の法人保険

1/3損金タイプの法人保険の特徴

  • 支払った保険料の1/3が損金算入され、残りの2/3が資産に計上される
  • 解約返戻率が高く、100%にもなるため元本割れしない

このように貯蓄性が高く、長期的な資産運用が可能であるため、従業員や役員の退職金の準備として利用したい企業におすすめです。


1/3損金タイプの法人保険の例として、逓増定期保険があります。

保険料が資産計上される保険

これまでは保険料が損金算入される法人保険について解説してきましたが、資産計上される保険にはどのような特徴があるのでしょうか。


資産計上されることのメリットは、会社の資産価値が高くなることです。


会社の資産価値が高くなると、後継者の不在や業績不振など、何らかの事業で会社を売却しなければならない時に高く売ることができます。


資産計上されることのデメリットは、支払った保険料が益金と相殺できないため、節税効果が期待できないということです。

まとめ:法人保険を選ぶ際には損金算入の割合も重要になる

法人保険の損金算入について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは 

  • 法人保険の損金算入には節税効果が高いというメリットがあるが、企業価値が低くなるデメリットがある。
  • 損金算入できる法人保険には、損金算入の割合に応じて全額損金タイプ、1/2損金タイプ、1/3損金タイプなどがある。
  • 損金算入の割合は、出口戦略や貯蓄性、キャッシュフロー、節税効果の観点から選ぶことが大切。 

でした。


損金算入の割合が大きい法人保険を選ぶのもいいですが、単に節税目的だけで加入しても、税務署から指摘されてしまう可能性があるので注意してください。


保険の本来の目的は万が一の時の備えができることで安心を得られることなので、なぜ法人保険に加入する必要があるのか、目的意識を持って保険を選ぶようにしましょう。


ほけんROOMでは他にも読んでみたい記事をたくさん掲載していますので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

ランキング

  • 法人契約の全額損金定期保険とはなに?メリット4つとデメリット2つ!
  • 経営者保険や役員保険の保険料は損金計上?加入するメリットを解説!
  • 終身がん保険はもう節税にならない?半額損金の今、加入すべき?
  • 法人保険で節税の仕組み!損金算入やデメリットについても解説!
  • 【個人事業主必見】法人化で生命保険料を経費に!損金算入のメリット
  • 法人保険特有の「105ルール」とは?損金算入できる割合が変化⁉
  • 普遍的加入とはなに?法人保険の福利厚生プランにおいて重要になる
  • 金融庁が法人保険の全額損金タイプに規制?節税が脱税になるかも!
  • 生前給付保険とは?全額損金にしながら三大疾病の保険金を非課税に!
  • 中小企業退職金共済とはなに?3つのメリットと注意点を確認!