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金融庁が法人保険の全額損金タイプに規制?節税が脱税になるかも!

法人保険の全額損金タイプは節税したい法人や経営者に大変人気です。しかし、金融庁がこの法人保険の全額損金タイプを問題視しています。そこで今回の記事では、なぜ金融庁が問題視しているのか、また規制前にすでに加入していた場合についても紹介します。

なぜ金融庁は法人保険の全額損金タイプを問題視しているのか?

加入している法人が多いと言われている法人保険の全額損金タイプ。


この保険は以前から人気の商品でしたが、なぜ今頃になって金融庁が問題視しているのでしょうか?


未加入の法人にとっても、既に加入済みの法人にとっても、今後この保険はどうなるのか気になるところであると思いますが、法人保険の全額損金タイプの加入は注意が必要です。


ここでは今回問題視されている法人保険の全額損金タイプについて、


  • なぜ金融庁は問題視し始めたのか
  • 既に加入されている場合の保険はどうなるのか
  • 規制前の駆け込み需要はあるのか


の上記3点を中心に解説します。


この記事をお読みいただければ、金融庁がなぜ法人保険の全額損金タイプを問題視しているのか、今後はどうなるのか、既に加入している場合はどうなるのかご理解いただけるはずです。


ぜひ最後までご覧ください。


金融庁が法人保険の全額損金タイプを問題視している理由

そもそも、金融庁が問題視している法人保険の全額損金タイプとはどういった保険なのでしょうか?


簡単に解説しますと、主に中小企業が契約し、経営者や役員が被保険者となり、被保険者が死亡の際に保険金が支払われるという死亡保険です。


ここまでなら問題はないのですが、問題になっているのは次の特徴があるためです。


その特徴とは、契約後10年程度で解約すると支払った保険料が「解約返戻金として戻る、という点です。


これは、生命保険としてはありえない解約前提の保険なのです。


しかも保険料は全額損金扱いとなり法人の利益は圧縮され、法人税の支払いを減らせるという特徴も持ちます。


万が一の保険という機能よりも節税に目を置いた商品のため、金融庁はこの商品を問題視しているのです。



全額損金タイプのような節税保険は保険の趣旨を逸脱している

前述のとおり、この保険の主な機能は死亡保障よりも、保険料の支払いによる利益圧縮と、解約による解約返戻金の受け取りという機能に特化しています。


そもそも保険とは、何かあった際の金銭的な保障です。


それにも関わらずただ節税のために中途解約を推奨する商品は、保険の本来の趣旨からは逸脱していると言わざるを得ないというのが金融庁の主張になっています。

目をつけられている節税保険の種類は?

それでは実際にどのような商品に金融庁は目をつけているのでしょうか。


きっかけは、日系大手のニッセイがプラチナフェニックスという商品を発売したのが始まりです。


これがヒットし、各社が類似商品を相次いで投入したことで、大量の保険料が生命保険会社各社へ流入し、金融庁が目をつけるに至りました。


節税方法としては、利益の出ている法人が、10年後に勇退する役員に対して退職金を支給したいと考えている場合、この全額損金タイプに加入します。


全額損金タイプは保険料が全額損金扱いになり、利益が圧縮されるので法人税を低くできるため節税効果があります。


そして10年後、役員が退職するタイミングで解約し、解約返戻金を受け取り、その年に退職金を支給すると、解約返戻金の雑収入(益金)を退職金支払い(損金)で相殺することで、支払う法人税が高くなるのを防ぐことができます。


この方法ですと、単なる税の繰り延べではなく節税を行うことができます。


もちろん、退職金の支払いが設備投資等に置き換わっても対応できるため、使い道が豊富なこともヒットの一因です。

生保は以前にも全損タイプの法人保険について指摘されていた

実はこのような問題は以前から発生しており、保険会社と金融庁はいたちごっこを続けているのです。


有名なのが法人契約の逓増定期保険終身がん保険です。


これらの商品も今回の全損定期保険と同じように、支払った保険料の全額が損金扱いになり、数年後解約すると、支払い保険料の90%程度が解約返戻金として返ってくるというものでした。


しかし、保険商品というよりも節税に特化し爆発的に売れたため、金融庁に目を付けられて1/2損金扱いになる等、規制をされているのです。

規制前に加入していた場合はどうなるのか

ここまでは金融庁に問題視されている保険の実態についてご説明いたしました。


さて、ここから問題となるのは、万が一金融庁からの規制が入った場合、既に加入している保険についてはどのような扱いになるのか?という事だと思います。


その問題点を解決していきます。

規制前に加入をしていれば問題ない

上記でご説明したとおり、このような税制改正は以前も行われてきました。


その際、規制前に逓増定期保険や終身がん保険に加入していた法人は、今現在も全額損金の経理処理が認められています。


そのため、今回も規制前に加入していた法人に関しては、金融庁は同様の処置を認めるものと考えられています。

駆け込み販売の需要が高まる可能性がある

これから規制されるかは定かではないのですが、金融庁から各生命保険会社には【法人向け定期保険の付加保険料実態調査】というアンケートが行われています。


そのような動向を捉え、過去の事例から企業も保険会社もお互いに駆け込み需要・駆け込み販売を行おうとしている様に見えます。


これまでの法人保険の通達改正の歴史から、保険の認可は金融庁、税制の見直しは財務省・国税庁の仕事であるので、具体的にいつから規制されるのかわからない状態です。

まとめ:法人保険の全額損金タイプは金融庁が目を付けている

法人保険の全額損金タイプが規制されるかもしれない、という点について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、


  • 法人保険の全額損金タイプは節税効果がメインなので、規制される可能性がある
  • 万が一規制された場合も既加入者は守られるため、駆け込み需要も見込まれる


上記2点です。


金融庁が目をつけていると言っても、保険商品が発売される際に認可をするのは金融庁です。


一度認可した商品について、ひっくり返すことはなかなか難しいのも事実です。


また法人保険の全額損金タイプは利益が出ている企業が【解約時を見越して加入】すれば大きな節税効果があります。


しかし、規制されるかもしれないといった危機感から解約時の対策を考えずに加入した場合は、解約返戻金受取時に雑収入になり、結局課税の繰り延べになってしまいます。


もし加入を検討される場合は、法人のキャッシュフローや解約時をよく考えてから加入するようにし、安易な駆け込み加入には気を付けてください。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。


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