更新日:2023/07/20
プライベートカンパニーとは?メリットとデメリットを解説
プライベートカンパニーは副業での収入が多い方などにおすすめです。税金対策として効果が期待できる一方、知っておくべきデメリットもあるため、事前にしっかり調べておきましょう。プライベートカンパニーのメリット、デメリットについてご紹介しています。
内容をまとめると
- プライベートカンパニーは個人で設立できる会社のこと
- 設立目的は資産管理
- メリットは損金の増加、利益・損失の繰延、法人保険の活用、所得分散
- デメリットは手間や経費がかかる、個人情報流出の恐れ
- 設立には手間がかかる
- 所得税などお金の悩みはマネーキャリアで相談がおすすめ
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目次を使って気になるところから読みましょう!
プライベートカンパニーとは?
プライベートカンパニーは個人で設立する会社のことを指しています。
大きな特徴としては「副業目的」での設立が可能ということです。本職があってもそれ以外のことで収入を得ている場合、活用できる制度です。家族がいる場合には従業員とすることもできます。
副業でわざわざ会社を作るの?と感じるかもしれません。しかし、副収入がある方、特にその金額が多い方にとっては設立することでメリットを受けることができるのです。
資産管理会社とは
- 資産管理
- 税金対策
を目的として設立される会社です。目的に「税金対策」が入っているため、かなり期待ができそうですね。
それぞれの目的ごとに解説をしていきたいと思います。
目的①個人資産の管理
サラリーマンが本職だとしても、副業として不動産や株などで利益を上げている方もいらっしゃいますよね。このような個人資産の管理を行うことが2つ目の目的となっています。
個人資産の管理にも税金はかかります。特に金額が多いほど税率は上がってしまうのです。
また、資産管理会社とすることで、個人資産の管理でも所得税などを抑えることができます。
また、家族等に所得を分散させることができれば、相続に備えることが可能です。
不動産投資などで副収入を得ている場合、その金額が多いと税金は増えてしまいます。所得税を抑えることで手元に入ってくるお金も増えるため、個人資産の管理でもプライベートカンパニーは活用できるのです。
目的②税金対策
プライベートカンパニーを設立する目的のひとつが税金対策です。
副業などで収入を得ている場合、収入が一定額以上になる場合には所得税の支払いをしなくてはいけません。年収4,000万円以上の場合、そのうちの45%が所得税として支払わなくてはならなくなるのです。(参考:国税庁・所得税率)
45%は所得税の中では最大です。年収がこれ以上上がっても所得税率はこれ以上あがることはありません。しかし住民税10%が同時に課税されるため、約55%が税金として納める割合になるのです。
一方、法人税の最大所得税率は23.2%です。(参考:国税庁・法人税率)
地方税などを含めても約33%ほどになるため、副収入が高額になる場合はプライベートカンパニーを設立して税金を納めた方が、税金効果が期待できるということになるのです。
プライベートカンパニーの税金対策におけるメリット
税金対策として特に副収入の金額が多い方にはおすすめの方法となっているプライベートカンパニーの設立ですが、なぜこれほどまでに税効果があるのか、理由を知っておきたいですよね。
なぜ税効果があるのか、理由としては以下のものが挙げられます。
- 損金の増加
- 利益・損失の繰延
- 法人保険の活用
- 所得分散
などです。
所得税割合の減少ひとつを取ってみても大きな税効果と言えます。しかし、それ以外にもこれらの理由で税金対策の効果が期待できるのです。
①損金計上できる金額が増える
設立後にはかかった費用などを損金算入にすることができるようになります。
通常の副収入では、かかった費用はそのまま自己負担です。利益すべてが所得となり、金額に応じた所得税が課税されることになります。
しかし、会社を設立することで「損金にする」ということができるようになります。かかった費用を利益から差し引くことができるのです。
- 家賃
- 旅費
- 車両費
など、全額は難しいかもしれませんがこれらの費用が損金という扱いに変わります。
例えば利益が500万円あったとします。経費になる金額が100万円あった場合を考えてみましょう。
通常の副業ならば費用がいくらかに関わらず所得は500万円となってしまいます。
しかし、損金計上ができるようになると利益から費用を引くことができるため、所得は400万円と減らすことができます。
そのため、課税金額が減り、支払う税金が減ります。
②利益・損失の繰延ができる
利益や損失の繰延ができることもメリットとなります。
個人での繰越欠損金の利用期間は3年ですが、法人となると9年まで利用期間が伸びるのです。長い方が有利に働きます。
利益の繰延はその年の所得を減らすことになるため、税金額を減らすことができるのです。利益の繰延はいろいろな方法があるため、自分に合ったものを選ぶことができます。
ただし、利益の繰延は単純に税金の支払いを延期している状態です。いつかは利益として会社の益金にしなくてはなりません。何も対策をしていなければその年の利益が跳ね上がり、結局多額の税金が課せられることになります。
このような事態を避けるためにも、利益の繰延を行う場合には出口戦略も同時に考えておくようにしましょう。
中小企業退職金共済などを利用して利益の繰延を行うことで、同時に退職金の準備もすることができます。
退職金を利用すれば利益の繰延時に必要となる出口戦略も同時に解決できるため、退職金を積み立てつつ税金対策を行い、退職金の準備もできると言うメリットがあるのです。
③法人保険の活用ができる
設立後に利用できるようになるものの一つが法人保険です。
保険なんて必要ない、と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、上手に利用することで税金対策として期待ができます。
ポイントは保険料です。経費にできる部分があるため、もしもに備えながら税金対策を行うことができます。経費にできる割合は種類によってそれぞれ決まっているため、利用する前には事前に調べておく必要があります。
また、利益の繰延部分でも退職金について触れましたが、ここでも法人保険は活躍します。
解約返戻金を利用して退職金を準備することができるのです。この際の保険料も一部は経費として処理できることになっています。
解約のタイミングなどを見極めなくてはいけないため多少難しいかもしれませんが、退職金などにも利用できる法人保険はぜひ活用しましょう。
④所得分散ができる
所得分散ができることもメリットの一つです。
会社を設立することで、家族を従業員として雇うことができます。そのため、副業で得た利益を分散させることができるのです。
同じ金額ならば分散させても意味がないのでは、と考えるかもしれません。しかし、かなりの効果が期待できると言えます。
1,000万円の場合を考えてみましょう。年収1,000万円の場合の手取りは約720万円です。280万円は税金として差し引かれてしまいます。
では、500万円が2人の場合はどうでしょうか?500万円の手取りは約400万円です。合計で800万円の手取りとなるのです。
家庭としての所得は変わりませんが、手取りは80万円も増えていることになります。このように所得を家族に分散させることは、税金対策に大きく貢献するのです。
プライベートカンパニーの3つのデメリット
プライベートカンパニーを設立することで、税務上のメリットを多く受けられるため、悪い事が無いような気がしますよね。
しかし、設立する場合には手間もかかりますし、それ以外にもデメリットがあることを理解しておかなくてはいけません。
- 手間や経費がかかる
- 個人情報流出の恐れ
- 税理士への相談が難しい
などが挙げられます。
メリットばかりを見て設立を決めてしまうと、設立後に後悔してしまう事になります。事前にしっかりと調べておく必要があるのです。
①手間や諸経費がかかる
プライベートカンパニーの設立は簡単にできるものではありません。申請だけすればできるようなものではないのです。
設立する場合には社印などの印鑑が必要になります。また、定款も作成しなくてはなりません。登記書類や開業届も作成する必要があります。
このように設立には手間がかかるのです。
さらに経費もかかってきます。
- 登録免許税:15万円(最低額)
- 定款認証:5万円
- 定款謄本手数料:2,000円
- 収入印紙:4万円
など、設立費用だけでも意外と多くの費用が必要となります。
また、プライベートカンパニーを維持するのにも費用がかかることを忘れてはいけません。赤字でも法人住民税などの地方税はかかりますし、顧問税理士を雇う必要があり、顧問料の支払いをしなくてはいけません。
月の利益が40~50万円がプライベートカンパニーをもつ目安とされています。
②個人情報流出の恐れがある
プライベートカンパニーを設立することで、個人情報が他人に知られてしまう恐れがあります。
設立時には登記する必要があります。一般的な会社と同じように行われるのです。このときに情報が公開されてしまうのです。
そのため、自宅を会社住所にしている場合には自宅住所が公開され、調べればわかる状態となってしまいます。
会社として登記されているため、この情報をもとに営業の電話やDMが送られてくることも予想できます。
個人情報が流出してしまう事でこれらのデメリットがあることを忘れないようにしましょう。
③プライベートカンパニーに詳しい税理士が少ない
プライベートカンパニーを設立する際には、様々な事を税理士に依頼することでスムーズに処理を行うことができるようになります。
設立時には税務署や年金事務所などへ書類や届け出などを提出することになりますが、税理士に依頼できれば自分で調べて行う必要はありません。
また、毎年青色申告など書類を作成しなくてはいけませんが、税理士に任せてしまえば手間は無くなりますよね。
このように、プライベートカンパニーを設立する際には、税理士に依頼する仕事が多く出てきます。しかし、プライベートカンパニーに詳しい税理士が少ないのです。
そのため、設立したくても税理士が見つからないというデメリットもあるのです。
プライベートカンパニーの設立方法
プライベートカンパニーの設立の流れは以下のようになります。
- 商号・本店を決める
- 目的を決める
- 資本金・決算日を決める
- 書類を準備する
- 定款認証手続き
- 登記申請
- 各種届出
思ったよりも手間がかかると驚かれたかもしれません。自分で行うことも可能ですが、かなり難しくなってしまうため、難しい場合は税理士等に相談することがおすすめです。
商号は会社名です。利用できる文字が決まっています。同時に本店、登記される住所も決めます。
目的は登記簿謄本に登録されます。事業内容のことで分かりやすい内容にしましょう。
資本金は1円以上ならば設立自体は可能になります。しかし、銀行融資やクレジットカードの発行に支障が出るため、ある程度の金額は準備しましょう。決算日も決めなくてはいけません。資本金が1,000万円未満ならば「消費税の最長2期免除」が受けられるため、この期間を有効活用するために設立前月の末日を決算日に指定するのが一般的です。
必要な書類を準備し、株式会社の場合は定款認証手続きを行います。
その後法務局に登記申請を行い、申請後に各種届出を行う流れになります。
このような方法で設立することが可能です。しかし、事前に本業である会社の副業規定にひっかからないかをチェックしておくようにしましょう。
公務員はそもそも副業が禁止されていますよね。一般企業でも副業が禁止されている場合があります。公務員と違い法的に罰せられるわけではありませんが、本業を続けるのであれば事前に確認しておきましょう。
プライベートカンパニーの設立に必要なもの
プライベートカンパニー設立の流れはお分かりいただけたと思います。では、どのような書類が必要になるのでしょうか?
設立前には会社の形態を決めなくてはいけません。
- 株式会社
- 合同会社
- 合名会社
- 合資会社
などがあり、それぞれ特徴があるのですが、ここでは費用が抑えられていて税務メリットの大きい「合同会社」設立時に必要なものをご紹介していきます。
- 合同会社設立登記申請書
- 登記用紙と同一の用紙
- 定款
- 代表社員の印鑑証明
- 出資金の払込証明書
- 印鑑届出書
- 登録免許税
などが必要になります。
登記申請書は法務局のホームページからダウンロードすることが可能です。また、オンライン申請も可能なため、どちらの方法で申請するのかも決めておくようにしましょう。
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