終身保険の選び方のポイントを解説!終身保険に適している人は?

貯蓄性の高い保険の一つである終身保険。保険料が変わらないまま一生涯高額な死亡保障がつき、さらに解約するとお金が返ってくるという保険料が無駄にならない生命保険です。終身保険の選び方にはポイントがあります。この記事では終身保険の選び方をピックアップして説明します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

終身保険の選び方がわからない方へ向けて詳しく解説

終身保険とは、一度、契約を締結すれば加入契約者(被保険者)が解約するか、死亡または高度障害状態になるまで保障期間が継続する生命保険です。

そのため、確実に死亡保険金を家族へのこしたい人にとって理想的な保険と言えます。


しかし、終身保険は、契約のとき設定した死亡保険金が確実に下りるために、毎月支払う保険料が高くなります。また、終身保険にはいろいろなタイプがあり、どんな目的で加入するかによっても、その目的に合わせたベストな終身保険の選び方は変わります。


そこで、この記事では「終身保険の選び方」について、


  • 終身保険の選び方で注目すべき主なポイント
  • 終身保険が適している人
  • 終身保険を上手に活用する方法
  • 貯蓄性を高めたい人におすすめな終身保険とは

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、終身保険の選び方がわからない方々の良い参考資料になると思います。




終身保険の選び方で注目すべき主なポイント

終身保険は、確実に死亡保険金を受取人が取得できるだけではなく、ご自分の貯蓄を目的とした運用ができる生命保険です。

この貯蓄を目的とした運用に必要となるのは、「返戻率の高さ」「保険料の払込期間」です。この2つが終身保険の選び方で注目すべきポイントです。

ポイント1:終身保険の返戻率の高さ

この「返戻率」とは、これまで支払った保険料と解約して受け取るお金(解約返戻金)の割合を言います。つまり、払い込んだ保険料を100%とするなら、受け取るお金が100%を超えていた場合、加入契約者は得をしたことになります。


例えば、払い込んだ保険料総額を100万円とすると、受け取るお金が120万円の場合は、20万円分得したことになります。


逆に、受け取るお金が90万円の場合は元本割れ、すなわち加入契約者が10万円分損したことになります。


ご自分の貯蓄を目的とした運用のためには、この解約返戻金でより得をする終身保険に加入することが賢い選び方といえます。


この終身保険の返戻率は、生命保険会社の各商品やプラン、加入時期等でも異なり、保障期間の各年度でも推移します。


終身保険の返戻率のピークは、各商品とも概ね107%~120%となっています。

ポイント2:終身保険の保険料の払込期間

貯蓄を目的とした運用には、契約の際に決める保険料払込期間の選び方もポイントといえます。

終身保険の保険料の払込期間は、10年間・15年間など決まった期間中に支払い終える期間と、○○歳まで支払うという一定の年齢になるまでに支払い終える期間、そして一生涯にわたり保険料を支払い続ける終身払があります。


終身払は毎月の保険料は比較的安くなりますが、加入契約者(被保険者)が亡くなるまで払い続けることになるので、支払保険料の総額は結局高くなってしまう傾向があります。


一方、払込期間が定められている場合には、毎月支払う保険料は高くなりますが、支払保険料の総額は終身払よりも抑えることが期待できます。

終身保険が適している人

どのような方々が終身保険へ加入しても、ベストな選び方だったと断言することはできません。終身保険を活用する明確な目的を持って加入ことが、後悔しない選び方と言えます。


こちらでは、どんな目的を持って終身保険を活用する人が適しているのかを説明します。

残された家族に財産を譲りたい人

死亡保険金は契約時、誰が受け取るかが明確に決められているため、確実にその対象者に死亡保険金が下ります。


そのため、加入契約者(被保険者)が亡くなった後、死亡保険金に関しては遺産の所在を巡る親族間の争いが起きません。

独身の男性、女性は最低限の葬儀費用に備えるべき

独身の人が加入することは意外と思われるかもしれませんが、独身の人であっても亡くなった際の葬儀費用は確保する必要があります。

独身の人がご自分が亡くなった場合のことを想定して、兄弟姉妹等を死亡保険金の受取人にして、葬儀費用をそのお金で賄ってもらうという方法です。


ご自分の葬儀費用のために終身保険に加入することは、良い保険の選び方といえます。なお、死亡保険金は300万円くらいに設定しておけば、保険料を抑えることもでき、葬儀費用としても十分な金額でしょう。


終身保険で葬式代を準備する方法とメリットについて詳細は以下の記事をご参照ください。

終身保険で葬式代を準備しよう!そのメリットを詳しく解説します。

終身保険を上手に活用する方法

終身保険を上手に活用すれば、ご自分の利益になることの他、相続税対策として遺族にも役に立つことになります。

こちらでは、終身保険を活用した「効率の良い返戻率を上げ方」「相続税対策への利用」を説明します。

終身保険料を有期払いで払い込み、返戻率を上げる

終身保険の払込期間を契約時に定めていれば、払込期間終了後、ご自分が死亡または高度障害状態になるか解約しない限り保障が継続します。


それに加え、一般的に早く払い込みを終了すれば返戻率が高まりますので、払込期間が定められていて、できるだけ早期に払済となる方法をとることが賢明な選び方と言えます。

一時払い終身保険を相続税対策として利用する

一時払い終身保険とは、保険料の支払を1回で終了する終身保険のことです。法定相続人が多い場合に、この保険へ加入するのが賢い選び方と言えます。それは、次のような方法をとることで有効な相続税対策となるからです。


ご自分の預貯金はご自分が亡くなった後、そのまま相続時の課税対象財産になってしまいます。しかし、この預貯金を一時払い終身保険の保険料に充当することで、課税対象財産を圧縮することができます。


死亡保険金は、「みなし相続財産」として他の遺産と同様に、非課税枠(500万円×法定相続人の数)を活用できます。そのため、法定相続人が多いほど、この非課税枠を有効に活用でき、相続税対策として大きな効果が期待できます。

貯蓄性を高めたい人におすすめな終身保険とは

死亡保険金を家族にのこすために終身保険へ加入するというより、ご自分の貯蓄を充実させる目的で運用したい場合は、「低解約返戻金型終身保険」または「外貨建て終身保険」へ加入することも良い保険の選び方といえます。

こちらではこの2つの保険の特徴と注意点を説明します。

低解約返戻金型終身保険

この低解約返戻金型終身保険とは、毎月の支払う保険料は割安で、保険料の払込が満了した後に解約すると、高い返戻率が期待できる生命保険のことです。


生命保険会社の商品・プラン毎に異なりますが、払込終了後は約105~130%の高い解約返戻率が期待できます。

ただし、この保険は保険料を支払っている期間中に解約する場合、解約返戻金がかなり低い金額(元本の7割くらい)になってしまいます。


契約当初から払込が終わるまでは解約しないと決めている人にとって、この保険への加入は賢い選び方といえます。


低解約返戻金型終身保険についての詳細は以下の記事をご参照ください。

低解約返戻金型の生命保険を最大限活用すると、こんなにお得!

外貨建て終身保険

外貨建て終身保険とは、主に米ドルを中心とした外国の通貨により運用される保険商品(ドル建て終身保険)です。円建て終身保険よりも利率が高く、支払う保険料が安いことが特徴です。


一見、効率的に貯蓄する必要性を強く感じている人には、非常有効な保険の選び方のようですが、注意点もあります。


この保険は為替変動に大きく影響される一面があります。外貨建て終身保険へ加入して、運用期間中、どんなに国内経済・国際経済は好調でも、戦争・大規模テロ・重大な自然災害・環境破壊等により為替が大きく変動することもあります。


経済の好不調のみならず、このような事態でも保険の運用に悪影響を及ぼし、返戻率がご自分の予想以上に低下することも想定されます。


円建てとは異なるリスクがあることを納得した上で加入を検討しましょう。


ドル建て終身保険の詳細やメリット、デメリットについては以下の記事をご参照ください。

ドル建て終身保険完全ガイド、この保険に入るべきかがわかります


またその他にも「積立利率変動型終身保険」「変額終身保険」などの終身保険もあります。

これら終身保険の種類を詳しい解説は以下の記事をご参照ください。

終身保険にはどんな種類があるの?特約はどれを付加すればいいの?

まとめ:終身保険の選び方は慎重に

終身保険の選び方がわからない方へ向けて、この保険の選び方のポイントを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、


  • 終身保険は家族へ残す死亡保険金のみならず貯蓄にも有効
  • 終身保険は誰もが加入すれば良いわけではなく、この保険の活用に適している人が選ぶ
  • 終身保険の返戻率を上げ貯蓄性を高めるには支払方法や保険商品選びを工夫する

です。


生命保険には、終身保険の他にも種類がありますが、大切なのはご自分がどんな目的を持って、どんな特徴をもつ保険へ入るのが相応しいかを把握することです。

生命保険の選び方が気になるという方はぜひこちらを読んでみてください。

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