更新日:2018/03/07
ドル建て終身保険と学資保険、どちらが良いのか徹底比較してみた
ドル建て終身保険は学資保険の代わりに加入する人もいるほど、貯蓄性に優れた保険です。ドル建て終身保険と学資保険を比較した場合、それぞれにメリットとデメリットがあります。特徴を十分に理解して納得できる選び方ができるように、わかりやすく解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
子どもの教育資金の確保のために、ドル建て終身保険と学資保険、どちらが良いのか
以前は学資の積み立てと言えば学資保険と相場は決まっていましたが、市場金利の低下に伴う保険会社の運用状況の悪化により、学資の件の返戻率も下がり、あまり魅力的とは言えなくなってきました。
その学資保険に代わって学資の積み立て商品として脚光を浴びたのが、低解約返戻金型終身保険でした。
保険料支払期間の終了とともに返戻率が一気に上がり、返戻率で学資保険を凌駕したため、一時期かなり人気が出ました。
しかし保険会社がその返戻率を維持するのが苦しくなり、残念ながら販売停止になったものがほとんどです。
そして、次に脚光を浴びたのがドル建て終身保険です。学資保険や低解約返戻金型終身保険よりも高い返戻率が魅力です。
具体的にどのような特徴があるのか、見ていきましょう。
ドル建て終身保険は予定利率が高く、貯蓄性に優れているため、学資保険の代わりとしても人気
予定利率とは、保険会社が契約者に約束した運用利回りのことを言います。
他の保険では、予定利率は1%程度のところ、ドル建て終身保険は3%の予定利率を誇っています。
日本ではご存知の通り、市場金利は記録的な低さですが、それと比べるとドルの金利はかなり高いため、ドル建て終身保険の予定利率も高い水準となっているわけです。
予定利率が高いと返戻率も上がる
保険で予定利率が高いというのは、同じ金額の解約返戻金が貯まるのに、少ない保険料で済むことを意味します。
例えば500万円の解約返戻金が貯まるのに、予定利率が低いと保険料の総額が400万円必要なところ、予定利率が高いと300万円で済むといったイメージです。
つまり、予定利率が高いということは、同じ積み立て目標額に対して、必要な原資が少なくて済むわけですから、解約返戻率も高くなることを意味します。
学資保険は低い予定利率に喘いでいて、ドル建て終身保険は高い予定利率を誇っていますから、貯蓄性では圧倒的にドル建て終身保険が有利ということで、学資保険の代わりとしても加入が増えているわけです。
ドル建て終身保険よりも学資保険のほうがメリットが大きい理由とは?
今までの話だけであれば、圧倒的にドル建て終身保険のほうが有利ということになりますが、実は学資保険のほうが有利なこともあります。
為替リスクがあり、ドル建て終身保険は円高のときに解約して換金するとお得にならない
例えば、同じ保険料でドル建て終身保険の解約返戻率が学資保険の1.2倍(120%)になったとしましょう。
ドル建て終身保険の解約返戻金はドル建てであり、円で受け取るにはドルを円に交換する必要があります。
この交換するレートが、以前は1ドル130円だったものが、今は1ドル100円になっていた(すなわち、円高)としたらどうでしょう?
ドルベースではせっかく高い返戻率であったとしても、円に交換した瞬間に約23%目減りしてしまいます(100円/130円=76.9%、1-76.9%=約23%)。
これが為替リスクです。円高のときに解約すると損をしてしまいます。
子どもの教育資金が必要なタイミングは決まっているため、ドルのまま放置できない
そのため、何の制約もなければ、円高のときは避けて、円安になるまで待って解約をすれば、為替リスクを被る必要はありません。
しかし、ドル建て終身保険を子供の教育資金積み立てのために加入したのであれば、教育費の支払いは、こちらの都合に合わせてはくれませんから、否応なく解約せざるを得ません。
つまり為替の動きを見ながら、タイミングよく解約することはできないということです。
学資保険はドル建て終身保険よりも返戻率は低いが、払込免除特約のメリットが大きい
契約者の親に万が一のことがあった場合に、保険料の支払いが免除される
保険料の支払いをする必要はなくなりますが、祝い金や満期保険金は当初の契約内容どおりに受け取ることができます。
まとめ
金利が高いドルでの運用だけに、ほかの保険と比べてもかなり高い返戻率を誇っています。
しかし、大きなデメリットとして、為替リスクがあり、円高のときに解約をすると損をしてしまいます。
いっぽう、学資保険の特長である、契約者である親に万が一のことがあっても、以後の保険料が払込免除となる特約を付加できるというのは大きなメリットと言えます。