終身保険は元本割れすることもあるの?!その理由や仕組みを解明!

終身保険は一生涯の保障が得られるだけでなく、高い貯蓄性があることが特徴です。そのため、中途解約した際に元本割れしてしまうリスクがあることはあまり知られていません。ここでは、終身保険を中途解約すると元本割れしてしまう理由や仕組みについて説明していきます。

終身保険は元本割れのリスクがある「保険」です!

終身保険は、定期保険のように「○○年満期」という満期型ではなく、一生涯にわたって保障される保険です。  

満期型の保険では、満期を迎えた時点で保険金が支払われますが、終身保険の保険金が支払われるのは、死亡または高度障害状態になった時になります。


 終身保険は「貯蓄性が高い」と言われていますが、それは死亡などで受け取る保険金ではなく、中途解約した際の「解約返戻金」を受け取った場合です。 


しかし、解約する時期によっては元本割れするリスクがありますので注意が必要です。 


さらに、終身保険は加入期間が長くなる傾向にありますので、インフレリスクが高くなり元本割れする可能性があることも考慮しなければなりません。  

終身保険が元本割れしないと勘違いしている人が多い

終身保険は解約する時期によって元本割れする可能性がありますが、「終身保険に元本割れはない」と勘違いしている人が少なくありません。  

それは、終身保険の勧誘を受ける時に「終身保険は貯蓄性が高い」ということを大きなメリットとして説明されることが原因と考えられます。


 確かに終身保険は貯蓄性が高い商品といえますが、あくまでも「保険」です。 


元本割れのリスクは常に頭に入れておくことが大切です。 

終身保険を銀行が高齢者に貯蓄系金融商品のように勧誘することが原因

高齢になるにつれて、老後資金の心配や子供・孫へ資金を残したいという思いが強まります。

その思いを叶えるために、高齢者に終身保険を貯蓄系金融商品のように勧誘するケースが見られます。 


確かに、終身保険は資産形成に役立つため、老後資金や孫の養育費、相続税対策などのために加入することも有効です。 


しかし、終身保険はあくまでも保険であって貯蓄系金融商品ではありません。 


本来、勧誘する際にきちんと「元本割れすることもある」ということをはっきりと説明すべきといえます。 

終身保険はあくまでも保険、貯金ではない!契約すると長期間資金が縛られます

終身保険は満期がないため契約期間が長くなるのが一般的です。  

さらに、終身保険の掛け金は定期保険などに比べて、積立部分があるため割高になります。 


割高な保険料を長期間支払い続けるためには、計画的な資金確保が必要になります。 


また、終身保険には「保険料の一時払い」というものがありますが、契約時に一度に保険料を納める支払い方法をいいます。 


一時払いで保険料を支払うと、まとまった資金を一度に払い込むことになる上、中途解約すると元本割れする可能性が高くなります。 


貯金であれば必要な時に必要な分を払い戻すことができますが、終身保険は保険料を支払ってしまうと、簡単には現金化することができません。 


そして元本割れする可能性も忘れてはいけないリスクです。 

終身保険が元本割れする仕組みを解説!

ではなぜ終身保険が元本割れを起こしてしまうのか、その仕組みについて見ていきましょう。 


 

保険料の内訳は純保険料と付加保険料!その2つについて説明

保険料は大きく分けて「純保険料」と「付加保険料」の2つの要素で構成されています。

  

【純保険料】

保険会社が将来の保険金の支払いに備えている部分。

純保険料はさらに「死亡保険料」と「生存保険料」とに分かれる。


【付加保険料】

保険会社を運営していく上での人件費や広告宣伝費に充てられる部分。  



同じ内容の終身保険でも、保険会社によって保険料が異なるのは、経費の違いが大きく関係しています。 


例えばネット専門の保険会社であれば店舗を維持する費用をかける必要がなく、人件費も最小限に抑えることができるため保険料を低く設定することができます。 

純保険料の運用益が付加保険料を上回る前に解約すると返戻金が元本割れする

貯蓄性の高い一時払い終身保険に加入してすぐに解約する場合、「支払った保険料分は戻ってくるだろう」と思いがちですが、実際は元本割れしてしまうケースがほとんどです。  

これは、保険料には純保険料だけでなく、経費に充当する付加保険料も含まれているためです。


  

一時払い終身保険では、毎年付加保険料として一定金額が差し引かれることになっています。


 純保険料の運用益が付加保険料を上回るようになる前に中途解約してしまうと、返戻金が元本割れしてしまうことになります。 


純保険料の運用益が付加保険料を上回るには商品によって異なりますが、数年かかることが多いです。 


一時払い終身保険は貯蓄性の高さから金融商品のように扱われがちですが、実は元本割れリスクのある保険商品であるということを再認識することが大切です。 

まとめ

終身保険は、その貯蓄性の高さから老後資金の確保や子供や孫へ資金を残すことを目的として加入するケースが多いこともあり、貯蓄性金融商品のように扱われることがあります。  

しかし、終身保険はあくまでも保険であり金融商品ではありません。 


貯蓄性が高いというメリットがある反面、中途解約する時期によっては元本割れしてしまうリスクがあるということをしっかりと認識する必要があります。  

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