更新日:2018/09/05
終身保険は貯蓄性があるが、元本保証ではないので注意が必要!
終身保険は一生涯の死亡保障が付き、貯蓄性のある保険ですが、早期解約すると元本割れをし、元本保証でないことに注意しましょう。特に一時払い終身保険は貯蓄性に優れていることから元本保証と勘違いする場合がありますが、一時払い終身保険こそ元本割れに注意が必要なのです。
目次を使って気になるところから読みましょう!
終身保険は元本保証ではありません!
終身保険は「保険」なのに、本当に元本保証されているのか疑問に思ってしまいますね。
終身保険は元本保証の商品ではないにもかかわらず、その特徴からそのようなイメージを持たれてしまうことがあります。
ここでは、終身保険が元本保証されない商品であることについて
- 元本保証だと勘違いされてしまうケース
- 元本割れしてしまう仕組みについて
- 終身保険の特徴から見るデメリット
以上のことを中心に解説していきます。
この記事を読んでいただければ、終身保険が元本保証の商品でないことがお分かりいただけると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
終身保険が元本保証だと勘違いするケースについて
実際「一時払い終身保険」は、預金よりも利回りのいい商品として特に高齢者に勧められることが多く、預金だと思い込んで契約してしまうケースが多く見られます。
また、中途解約をした場合は、契約より一定期間が経過すれば支払った保険料よりも高額な解約返戻金を受け取れるのも事実ですが、解約時期によっては支払った保険料よりも下回ることになり元本保証されませんので注意が必要です。
高齢者が銀行で保険を勧誘される?一時払い終身保険とは?
一時払い終身保険のこのような性質を利用し、銀行が特に高齢者に対し「預金しておくよりも利回りのいい商品がありますよ。」と勧誘するケースが多く見られます。
しかし終身保険は、定額預貯金などとは違い元本保証されている商品ではなく、早期に中途解約をした場合は支払った保険料よりも解約返戻金が下回る可能性が高くなります。
確かに保険料全額を支払うことで保険会社の運用益が増え、より高い貯蓄性を期待できるのですが、中途解約をすると、通常よりも大きな元本割れを起こしてしまうのです。
なお、一時払いをしている分、「保険料の支払いの負担が厳しいから解約をする」ような事態が発生しないというのは確かに一理あるのですが、解約理由には、「緊急にお金が必要となったので解約して解約返戻金を受け取りたい」というものもあります。
このような場合は、元本割れをしてしまう可能性があるので、注意が必要です。
高齢者は「利回りがよい商品」という勧誘をされると、元本保証の預金と勘違いしてしまい、そのまま契約してしまうことが少なくありません。
よって、中途解約した場合に元本保証されておらず、解約返戻金が支払った保険料よりも少ないと、トラブルに発展するケースも多く見られます。
一時払い終身保険についての詳細は以下の記事をご参照ください。
終身保険は貯蓄性を持つがあくまでも保険!預金ではありません!
解約返戻金は、教育資金や老後の生活資金など様々な活用方法があり、加入者のライフスタイルに合わせて利用されています。
しかし、契約後すぐに中途解約すると解約返戻率が低くなるため元本保証されませんので注意が必要です。
加入後一定期間が経過すれば解約返戻率が徐々に上がっていき、支払ってきた保険料以上の解約返戻金を受け取ることができるため、元本保証されることになります。
このように、終身保険はあくまでも保険であるため、中途解約するタイミングによっては元本保証されません。
保険は保険であって預金ではありませんので、混同しないように注意しましょう。
終身保険が元本割れする仕組みを解説!
「終身保険は元本割れで損してしまう」という声もありますが、それは早期解約をしてしまった場合です。
実は、払い込んだ保険料よりも解約返戻金が上回るためにはある程度の期間が必要とされ、それ未満で解約してしまうと元本割れしてしまいます。
終身保険の「高い貯蓄性」という性質を有効に活用するためには、早期解約にならないよう十分な注意が必要です。
保険料の運用利益が出るには時間が必要
終身保険に限らず一般的に保険料は「純保険料」と「付加保険料」に分けられます。
純保険料は保険金の支払いに充てられる部分で保険会社が運用・保管しているのに対し、付加保険料は、保険会社や代理店で働く人の人件費や広告費などに充てられます。
契約者が支払った保険料から一定額が差し引かれ付加保険料として利用されますが、純保険料の運用益が出て、付加保険料を上回るまでにはある程度の期間が必要とされます。
運用益が十分に出ていないうちに中途解約すると付加保険料を上回ることができずに、元本割れしてしまうことになります。
早期解約により返戻率が低下!元本保証ではなくなる!
しかし、元本保証されないのはやはり早期解約をしてしまった場合で、純保険料の運用益が十分に出ないうちに解約すると元本割れしてしまうことになります。
終身保険=元本保証と思い込み早期解約してしまうと損してしまうため、中途解約する場合は元本保証ラインを超えてからにする必要があります。
終身保険の特徴から見るデメリット2つ!
具体的には、すでにご説明した早期解約による元本割れや、長期契約によるインフレリスク、保険会社の倒産リスクなどです。
終身保険は長期間の契約になることが多いため、どうしてもインフレリスクにさらされることになり、保険会社の倒産も決してないとは言い切れません。
では、それぞれのリスクについてご説明していきます。
終身保険は早期解約すると元本割れするリスクがある
充分な運用益が出る前に解約してしまうと元本割れするというリスクがありますので、充分な注意が必要です。
終身保険はインフレリスクや保険会社の破綻リスクがある
インフレリスクとは、物価が上昇することが原因でお金の価値が下がることをいい、終身保険は長期間の保険になりますので、その分インフレリスクにさらされることになります。
また、保険会社が経営破綻してしまうという可能性もあり、破綻しても契約自体は残りますが、結果として損をすることになります。
保険会社の倒産リスクを避けるためには、より経営の安定している保険会社を選ぶことが大切ですが、見分けるのは至難の業です。
複数の保険会社で契約をしてリスクを分散するなどの対処も1つの方法です。
さらに詳しいデメリットについては以下の記事をご参照ください。
まとめ:終身保険は元本保証ではない
今回のこの記事のポイントは、
- 終身保険は、元本保証の商品と勘違いされやすい
- 特に一時払い終身保険も元本保証ではないことに注意が必要
- 早期解約すると元本割れしてしまう可能性が高い
- インフレリスクや保険会社の倒産リスクにも注意が必要
です。
終身保険は、高い貯蓄性を持っていることから元本保証の商品と勘違いされることがありますが、保険はあくまでも保険です。
早期解約などで元本割れすることがありますので注意が必要です。
ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。