終身保険の利回りとは?利回りからみるおすすめの終身保険や選び方

終身保険には貯蓄性があることを知っていますか。解約のタイミングによっては今までの支払い保険料総額より多くのお金が返ってきます。この利回りは大切ですが、よくある終身保険の利回りランキングなどで選ぶのは危険です。終身保険の利回りのメリット・デメリットを解説します。

終身保険で貯蓄!終身保険の利回りについて解説!

生命保険とは、加入契約者(被保険者)が亡くなったり高度障害状態になったりした場合に、保険金が下りる商品です。

生命保険の場合、たいてい加入契約者(被保険者)にではなく、受取人へ保険金が支払われることになります。


この保険に加入していることで家族(遺族)は、加入契約者がまさかの事態になっても、生活費等に困窮するリスクは軽減されます。


しかし、加入契約者からみれば契約して自分が得られるメリットは皆無のように思われます。加入契約者本人が、生前または健康な内に得をしたいなら「終身保険」へ加入するべきでしょう。


そこで、この記事では「終身保険の利回り」について、

  • 終身保険の特徴
  • 終身保険の貯蓄性からみたメリット・デメリット
  • 利回りからみて最もお得な終身保険の種類

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、終身保険の利回りについての基本的な知識を得ることができ、利回りを考えた保険選びへ役に立つかと思います。




終身保険における利回りとは?

終身保険における利回り(返戻率)とは、これまで支払った保険料総額と受け取るお金の総額の割合を言います。

以下では終身保険における利回りの特徴について説明していきます。

終身保険とは一生涯の死亡保障と貯蓄性を備える生命保険

終身保険は、一度契約を締結すれば加入契約者が解約または死亡しない限り、保障がずっと継続する貯蓄型の生命保険です。

それに加え、加入契約者が貯蓄を目的として積み立てを行い、老後の資金とすることや、家族の将来のための教育資金等へ備えることもできる保険です。


一方、終身保険は保障を継続するなら確実に保険金が下りること、貯蓄を目的とした運用も可能であるため、毎月支払う保険料は非常に高く、数万円を超える商品も多いです。

終身保険の利回りとは解約返戻金等の返戻率

終身保険の利回りは、解約した場合に戻ってくるお金(解約返戻金)の割合を指します。


これまで支払った保険料総額を100%とするなら、戻ってくるお金の解約返戻率が100%を超えていた場合なら、加入契約者はその分だけ得をしたことになります。


簡単な計算例を紹介します。


例えば、既に支払った保険料総額額を100万円とすると、受け取るお金が110万円の場合は、10万円分得したことになります。


逆に、戻ってくるお金が80万円の場合は元本割れ、すなわち加入契約者が20万円分損したことになります。


ご自分の貯蓄を目的とした運用のためには、この利回りでより得をする終身保険へ加入することが効果的な選び方といえます。


なお、解約返戻金を受け取る場合には、全額分を解約する必要はなく、その一部を解約してお金にすることが可能です。この解約の方法を「部分解約」と呼びます。

終身保険の利回りから見るメリット・デメリット

終身保険の利回りから見ると、以下のようなメリット・デメリットがあります。これらを十分把握したうえで加入を検討することが、後悔しない保険の選び方といえます。

メリット1:貯蓄の強制性があり貯蓄が苦手でも続けやすい

終身保険は、支払った保険料からコツコツと積み立てられていきます。そのため、毎月のご自分の預金口座やクレジットカードから保険料が支払われる形になります。

貯蓄を残すことは大切だと思っていても、ついついご自分の趣味にお金を使ってしまったり、家族の生活費に充てたりして、なかなか貯蓄をすることが難しい人には、継続しやすい貯蓄の手段といえます。

メリット2:解約しなければ返戻金は増え続ける

解約返戻金は解約をしなければ増え続けていくことになります。保険プランにもよりますが終身保険を契約してから30年程度たてば、概ね110%~120%の利回りが期待できます。


終身保険は、ご自分の老後のために積み立てをしているだけなら、そのまま契約を継続していけばお得になっていくわけです。


ただし、子の教育資金に活用する目的の場合など、最もお金を必要とするタイミングを見計らって解約したい時には、加入契約の際、解約したい時期に返戻率(利回り)がどの位になるか事前に確認しておくことも大切です。


この利回りについては、契約時に担当者から説明を受けたり、資料として受け取る利回りの推移表を参考にしたりして、ベストな保険プランを選びましょう。

デメリット1:最近は利率が低い

現在のような低金利の状況だと、支払った保険料総額より、はるかに多くのお金を受け取れることはあまり期待できません。
つまり、利回りが良くないということです。


通常の場合、利回り(返戻率)を少しでも良くしたいならば、保険料の払込期間を短期間にすることが必要です。


つまり、保険料を一生払い続ける「終身払い」の場合よりも、5年間、10年間で保険料を払い終えることや、55歳や60歳など一定の年齢になるまでに払い終える「有期払い」の方が、保険料は高くなりますが総支払額は減り、その分、利回りが良くなります。

デメリット2:早期解約は元本割れのリスク

終身保険の早期解約には元本割れのリスクがあります。ただし、保険に加入して間もない時期であるなら、解約しても最小限の損失に抑えられる可能性はあります。


一方、数年経ってから解約をしたい場合、それなりに支払った保険料が多くなっている状態なので、安易に解約しない方が良いでしょう。


緊急にお金が必要になった場合ならともかく、高額な返戻金を期待するなら、返戻金が既に支払った保険料を上回るまで解約は待つべきです。


解約返戻率については、契約の際に生命保険会社から受け取った「保険のしおり」等で、その一覧が明記されています。そちらを確認しながら損失を抑えた解約時期を判断しましょう。

利回りを考えたら低解約返戻金型終身保険がオススメ

利回りを考え、効率よく運用していきたい場合は「低解約返戻金型終身保険」へ加入することが良い保険の選び方といえます。


もちろん、この保険商品は死亡保険金を家族にのこすために活用することもできます。

低解約返戻金型終身保険は保険料払込後の返戻率が高い

低解約返戻金型終身保険の特徴は、保険料払込後の返戻率(利回り)が通常の終身保険よりも高いことがあげられます。


各保険商品・保険プラン毎に差はありますが、払込終了後は約120~130%の高い解約返戻率が期待できます。


それは、支払う保険料を安く抑えられることが理由で、概ね10,000円~15,000円程度が毎月の支払保険料となります。一方、通常の終身保険だと毎月の支払保険料が30,000円を大きく上回ることもあります。


低解約返戻金型終身保険は保険料が安い分、無理のない支払いを継続できます。

ただし低解約返戻金型終身保険は早期解約の元本割れリスクは高い

この終身保険の注意点としては、保険料の支払い継続期間中に解約する場合、解約返戻金がかなり低い金額(元本の7割くらい)になってしまうことです。


そのため、保険料を支払っている段階で緊急にお金が必要となり、この保険を解約する場合には、これまで支払ってきた保険料と比較して大きく損をしてしまうリスクがあります。


しかし、契約当初から保険料の払込が終わるまで解約しない、と決めている人にとっては非常に利回りが良く、お勧めの保険です。


その他の終身保険の種類については以下の記事をご参照ください。

終身保険にはどんな種類があるの?特約はどれを付加すればいいの?

まとめ:終身保険の利回り

終身保険の利回りについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 終身保険の特徴として保険金が確実に受け取れ、利回りも魅力だが、毎月の支払保険料は高い
  • 終身保険は貯蓄性からみるとコツコツ堅実に積み立てることができるが、早期解約すると損をするリスクが高い
  • 利回りを考えたら低解約返戻金型終身保険はお得だが、保険料の払込が終わるまで解約しない方が良い

でした。


終身保険は貯蓄性の方にどうしても注目が集まりがちですが、ご自分にまさかのことがあった場合、確実に受取人(家族)へ保険金が下ります。


そのため、老後の資金確保のために積み立てている場合で、このまま多額の出費が無ければ貯金で十分に自分の老後を賄うことが判断できるなら、あえて解約せずに家族のために保険金として全額を残してあげることも、“家族への思いやり”といえます。

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