生命保険のモラルリスクとは?具体例と対応策・予防策を紹介します!

生命保険のモラルリスクとは、保険金や給付金を不正に取得する、非道徳的な行為を意味します。それでは、、モラルリスクにはどのようなものがあるのでしょうか?具体的な例を説明します。また、生命保険会社が実際に行っている予防策や対応策についても説明していきます。

生命保険のモラルリスクとは

あなたは、生命保険のモラルリスクについて気になって調べていると思います。

「生命保険のモラルリスク」を端的に説明しますと生命保険制度を悪用することです。

そのような非道徳的行為が許されて良いのでしょうか。
もちろん予防策や対応策があります。

この記事では、「生命保険のモラルリスク」について
  • モラルリスクの例
  • 保険会社のモラルリスクの予防策
  • 保険会社のモラルリスクの対応策
の3点を解説させていただきます。

記事を読んでいただければ、生命保険のモラルリスクやそれに伴う予防・対応策をご理解いただけると思うので、ぜひ最後までご覧ください。


生命保険のモラルリスクの例

それでは、モラルリスクにはどのようなものがあるのでしょうか?


モラルリスクの例として、

  • アフターロス
  • 約款免責
  • 偽装事故
  • 便乗請求

などが挙げられます。


ここからは、これらモラルリスクの具体的な例についてわかりやすく説明していきます。


アフターロス

生命保険のモラルリスクの例として「アフターロス」というものがあります。

これは被災したあとに生命保険に加入することですが、これでは生命保険の意味をなさないことになります。 

生命保険に限らず保険というのは被災をする前に入ることが前提です。


保険の理念は「万人のため」ですが、これは被災していない人が被災者を助けるという相互扶助の精神が根本にあります。


アフターロスは被災した直後に保険に入り日時を偽装して保険金を搾取する行為ですが、これでは相互扶助の精神を踏みにじる行為になってしまいモラルリスクが現実になることを意味します。

約款免責

生命保険のモラルリスクの例として「約款免責」というものがありますが、これは保険が約款によって契約が成立しているという前提があります。

約款には保険金が支払われる事由が書かれており、その中には生命保険会社が免責となる事由も記載されています。


その免責である事由を偽って申請し保険金を搾取する行為です。 


わかりやすく説明しますと、事故の内容を偽って保険金を搾取することですが、約款免責の特徴としては特約に関連する偽装が多いことです。


たとえば、「業務中は免責である」にも関わらず、業務中の事故で保険金を請求したときなどはまさにモラルリスクが実行されたことになります。


偽装事故

偽装事故は生命保険のモラルリスクとしては最もわかりやすい例ですが、読んで字のごとく偽装の事故によって保険金を搾取する行為です。

実際には事故が起きていないにも関わらず、事故があったかのように虚偽の申請をして保険金を受け取ります。


たとえば、ケガや病気をしていないにも関わらず偽装によって入院するなどによって保険金を搾取することがこれに当たります。


この事例については医療関係者の共犯者がいる場合があることが特徴です。

便乗請求

生命保険におけるモラルリスクの例における「便乗請求」とは、本来なら生命保険では支払い対象にならない事故を保険対象の事故に便乗して請求する立派な法律違反です。

この「便乗請求」がモラルリスクのなかでは最も多く、その原因は罪の意識が低いことだとされています。

人間は安易なほうに流れやすい性質がありますが、「少しくらいな大目にみてもらえる」という悪魔のささやきについ飲み込まれているようです。


しかし、生命保険における便乗請求は立派な法律違反であり、モラルリスクを実行していることにほかなりません。


その認識を強く持っていることはとても大切です。

保険会社のモラルリスクの予防策

保険制度は契約者の善意と信頼、そして相互扶助精神で成り立っています。

ですから、保険会社はそれらを破壊するような行為を取り締まる対応をとっています。


たとえば、生命保険協会の登録センターに登録することです。


生命保険センターに登録された内容を過去の内容と照合や比較をして、実際に申請があったときに参考にしています。


この生命保険センターの登録内容は本人が確認することもできますので間違いがあったときは訂正も可能です。


もちろん、登録内容は第三者に公開されることや、ほかの目的で使用されることはありません。


健康状態の告知義務

「健康状態の告知義務」は加入する前に健康状態を告知することで保険制度が健全に運営されるために必要なものです。

告知にうその申告があった場合は告知義務違反となり保険金などが受け取れなくなったり保険が解除されることがあるので、慎重に告知をすることが大切です。


告知には幾つかのパターンがあり、

  • 医師の検査
  • 質問事項に答える
  • 保険会社の担当者と面会する
などの方法があります。


このやり方は保険会社によりさまざまですので加入の際はそれに従う必要があります。

他社契約との通算限度

「他社契約との通算限度」は、契約する金額が多すぎるときに注意するもので、その際は他社との契約も考慮に入れながら通算限度という予防策で対応する方法です。


保険契約をする際には、他社契約も含めて考慮することで正しい判断につながります。


これによってあまりに高額な契約を排除することで健全な保険制度を維持することが目的です。


保険金の引受制限

「保険金の引受限度制限」とは15歳未満の子供の契約に関する通達です。

本来、生命保険というのは一家の大黒柱が死亡したときに残された家族が生活に困らないために契約するものです。


ですから、15歳未満という子供には必要ないはずですが、なんらかの理由で保険契約が必要だとしてもモラルリスクの観点から保険金の引受制限を設けるものです。 

保険会社のモラルリスクの対応策

ここまでは保険会社が行なっている、モラルリスクを排除するための予防策について説明してきました。


それでは、保険会社は実際にモラルリスクが起こってしまった場合の対応策として

  • 告知義務違反制度
  • 重大自由での契約解除
の2点を解説させていただきます。

告知義務違反制度

告知義務違反制度」は保険という制度を「正直者が損をみない」ような制度にするためのものです。

告知義務とは保険に加入する前に健康状態を申告する制度ですが、この段階で本来は病気であるにも関わらず、健康であると嘘の申告をすることは契約を解除、または保険金の支払いを拒否できる制度です。


告知義務違反はアフターロスと通じる部分がありますが、病気になってから保険に加入するのは正しい契約の仕方ではありません

重大事由での契約解除

重大事由での契約解除」は、例えば犯罪などが絡む死亡などのときに効果を発揮します。

本来、保険契約は継続的契約関係ですので保険会社と契約者の信頼関係が前提になっています。


しかし、この関係を破壊する行為があったときは保険者、つまり保険会社が契約を解除することを定めたのが重大事由解除です。 


わかりやすく説明しますと、保険金目当てで第三者を保険に加入させた場合などが該当しますが、重大事由での解除が認められたことで保険制度により健全になります。

まとめ:生命保険のモラルリスク

この記事では、「生命保険のモラルリスク」についてご紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。

記事の要点は
  • モラルリスクには「アフターロス」をはじめとする4つの例がある。
  • 保険会社は「健康状態の告知義務」や「他社契約との通算限度」などの方法でモラルリスクを予防している。
  • また、「告知義務違反制度」、「重大事由での契約解除」などの方法でモラルリスクに対応している。
の3点です。

生命保険はひとつ間違えますと犯罪に悪用されるリスクがある制度であるため、モラルリスクの排除に真剣に取り組み必要があります。


契約者におきましても保険の契約を軽く考えるのではなくモラルリスクについても真摯に考える姿勢を持つことが大切です。


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