更新日:2018/05/01
年末調整時の保険料控除はどんな種類がある?最大限に活用したい控除
年末調整時には、保険料控除が気になりますよね。いろいろなものが控除対象になると嬉しいものです。どんな保険が控除対象になるのか、控除対象の全ての種類と計算方法などをご紹介します。確定申告の際の準備物もしっかりして、最大限に控除を受けてみましょう。
目次を使って気になるところから読みましょう!
年末調整における生命保険料控除の種類について説明
自分が加入している保険がどの控除対象に当たるかは、保険会社から送られてくる生命保険料控除証明書で自分でしっかり確認することができます。
年間の給与に課される所得税と住民税の両方から控除されることになります。ここでは、生命保険料控除が受けられる保険についてまずご紹介します。
その後、控除額の計算方法について詳しく説明します。計算については面倒な点もあり、意外と理解されていない人も多いでしょう。
この記事を読むことで、保険料控除についてきちんと理解することができます。
ぜひ最後までご覧ください。
生命保険料控除には3種類ある
生命保険料の控除対象となる保険には、現在3種類の保険があります。
- 一般生命保険料控除(主に死亡保険)
- 介護医療保険料控除(主に医療保険やがん保険)
- 個人年金保険料控除(個人年金のみ)
これらの生命保険料控除証明書が送られてきた場合には、しっかり保管して、年末調整で控除を行うように準備しておきましょう。
それぞれの保険については次に詳しくご紹介します。それぞれにどのような保険が控除対象となるのかを具体的に説明していきます。
一般生命保険料控除と対象になる保険の種類
原則としては、保険料を払っている人が保険契約者になっているでしょう。自分が払っている保険料に対して、控除を受けることができると考えればいいものです。
ただ、中には親が自分のために入ってくれた保険の場合があります。親が保険料を支払い、契約者も親という保険もありますよね。そうした場合は控除ができませんので、契約者を自分に変更してもらうようにすると控除対象になります。
介護医療保険料控除と対象になる保険の種類
医療保険や医療費用保険、がん保険、介護保障保険や介護費用保険などがこれに当たります。こちらも送られてくる生命保険料控除証明書の保険区分に介護医療保険として書かれていますので確認できます。
また、こちらも自分が契約者で、保険料を原則支払っているものが控除対象となります。
個人年金保険料控除と対象になる保険の種類
- 年金受取人:契約者またはその配偶者
- 年金受取人:被保険者と同じ
- 保険料払込期間:10年以上(一時払は対象外)
- 確定年金や有期年金の場合:年金受取開始が60歳からかつ、年金受取期間が10年以上
- 個人年金保険料税制適格特約が付いている
個人年金保険料税制適格特約が付いているかどうかが、控除の対象になる条件にありますので、契約の最初から付けておくことが大切です。こちらは、契約した後では変更できませんので気を付けましょう。
変額個人年金保険は控除対象外
また、保険会社の運用実績によって、受け取れる年金が上下することになる「変額個人年金保険」は、保険の種類としては、個人年金保険料控除の対象外となります。注意しましょう。
生命保険料控除額の計算方法と上限
また、旧制度の保険と新制度の保険の保険の種類によって計算の仕方が異なりますので注意が必要です。生命保険料控除証明書には、きちんと「旧制度」「新制度」と書かれていますので確認しながら行いましょう。
また、計算をした場合も上限額もありますのでここで確認しておくといいですよね。
旧制度と新制度における計算例
どちらの種類の保険なのかを〇を付けて、種類を区分したあとに保険料を別々に合計していきます。
新制度の計算式と計算例
新制度の分の保険料を合計した後に、以下の計算式に当てはめて計算することになります。
新保険料合計額 | 控除額の計算式 |
---|---|
20,000円以下 | 新保険料合計額の全額 |
20,001~40,000円 | 新保険料合計額×1/2+10,000円 |
40,001~80,000円 | 新保険料合計額×1/4+20,000円 |
80,001円以上 | 一律40,000円 |
2万円以下の場合は、新保険料の合計額がそのまま控除額になります。20,0001円~40,000円までは新保険料合計額を1/2したものに10,000円がプラスされます。
40,001円~80,000円の場合には、新保険料合計額の1/4に20,000円がプラスされる計算です。そして、新保険料の合計額が80,000円以上になると一律40,000円となります。
具体例で計算しますと、
新保険料の合計額が30,000円の場合は、30,000円×1/2+10,000円=25,000円の控除額になります。
新保険料合計額が60,000円の場合は、60,000円×1/4+20,000円=35,000円となります。保険料合計額を1年で30,000円の2倍の60,000円払っていても2倍の控除額にはなりませんので注意して下さい。
そして、80,001円以上の場合も一律40,000円とあまり割合としては控除率が高くありませんので知っておきましょう。
旧制度の計算式と計算例
旧保険料合計額 | 控除額の計算式 |
---|---|
25,000円以下 | 旧保険料合計額の全額 |
25,001~50,000円 | 新保険料合計額×1/2+12,500円 |
50,001~100,000円 | 新保険料合計額×1/4+25,000円 |
100,001円以上 | 一律50,000円 |
こちらも新制度と同じように、旧保険料の合計額が30,000円と60,000円の2倍の保険料があっても2倍の控除額とまではいかない計算式になります。
また、旧制度の場合も、100,001円以上の保険料合計額となっても一律50,000円の控除となります。
生命保険料控除額の限度額に注意しよう
また、保険料は一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の3種類を新・旧制度によって分けて計算します。それらを計算した後、新制度・旧制度の保険料控除額にはそれぞれに限度額があります。
新制度の分の保険料を合計して計算式で計算後→最高40,000円まで控除される
旧制度の分の保険料を合計して計算式で計算後→最高50,000円まで控除される
そして、新制度と旧制度を合わせた後に、控除される額にも限度額があります。
- 一般生命保険料控除:最大50,000円
- 介護医療保険料控除:最大40,000円
- 個人年金保険料控除:最大50,000円
そして、最終的にこれらの3種類を合計した控除額は最大でも合計で120,000円までが控除額限度となります。
一般生命保険料控除:最大50,000円、 介護医療保険料控除:最大40,000円、 個人年金保険料控除:最大50,000円と合計で140,000円の控除額となっても120,000円となります。
会社員の方は年末調整、自営業の方は確定申告で生命保険料控除を申請する
中には、面倒だからといって、全部の保険を申告しないで損をしている人もいるのではないでしょうか。限度額いっぱいに控除がもらえるように、自分が入っている一般生命保険、 介護医療保険、個人年金保険の3種類の保険を全て申告するようにしましょう。
そのための生命保険料控除証明書も事前に揃えて準備することが大切です。
住宅ローン控除等のその他の控除を紹介
会社員の場合には、購入したり、入居したりした際の翌年の1月~3月15日までに確定申告をします。自営業の方は、毎年の確定申告と一緒に行うといいでしょう。
他にも医療費控除も年間で家族全員の医療費が10万円を超えると還付申告ができますので領収書や明細書を取って準備しておきましょう。
まとめ
生命保険料控除証明書をしっかり取って、申告することで控除を受けることができます。
その際のポイントは以下の3つです。
- 一般生命保険、介護医療保険、個人年金保険の3種類が控除対象
- 新・旧制度に分けた計算式で控除額が決定、合計で最大12万円の控除
- 年末調整や確定申告で控除を行う
以上の3つのポイントを確認してしっかり保険料控除を最大限に行いましょう。それぞれの保険の種類を理解し、計算方法も知ることで有利な控除が行えるようになります。ぜひ、おすすすめです。
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