【記入例あり】保険料控除申告書の書き方と間違えやすいQ&Aを紹介!

「給与所得者の保険料控除申告書」の書き方をわかりやすく解説します。また、「訂正したい時の訂正印はシャチハタでも大丈夫なの?」「保険商品を枠に書ききれない!」「国民年金の支払先の名称ってどれ?」など、保険料控除申告書の書き方の間違えやすいQ&Aも解説します。

▼この記事を読んでほしい人
  • 保険料控除を申告したいけど書き方がわからない人
  • たくさん保険商品を契約していて枠に入り切らない人
  • 控除額の算出方法がわからない人
  • 自分で書いたけど合っているか不安な人
  • 保険料控除についてプロに相談したい人

給与所得者の保険料控除申告書の書き方を解説します!

本記事では「給与所得者の保険料控除申込書兼給与所得者の配偶者特別控除申請書」の書き方を解説します。

特に、保険料控除に関連する箇所を重点に置いています。


この申請書は、企業からの給与の支払いを受けるサラリーマンやOLなど、年末調整を行う方を対象としている申請書類です。


年末調整自体は雇用主がまとめて申請するので、控除の申請書を忘れずに期日までに提出しましょう。


年末調整の書類提出を忘れてしまった、遅れてしまったという方は、以下の記事をご覧ください。

まずは、保険料控除申告書の全体をみてみましょう

保険料控除申告書は国税庁のHPからダウロードすることが可能です。 

この申請書では、以下の5つの記入項目があります。


  1. 生命保険料控除
    :生命保険や医療保険などの保険料を支払っている人が対象の控除です。
  2. 地震保険料控除
    :地震保険の保険料を支払っている人が対象の控除です。
  3. 社会保険料控除
    :本人や扶養者の国民年金保険料や国民健康保険料、厚生年金保険料を支払っている人が対象の控除です。
  4. 小規模企業共済等掛金控除
    :個人型確定拠出年金の掛け金などを支払っている人が対象の控除です。
  5. 配偶者特別控除
    :配偶者に38万円以上の所得があり、配偶者控除を受けられない方が対象で、配偶者の所得に対して特別控除が割り当てられます。


年末調整時、保険料の控除で該当するのは1〜4です。

(申請書ではL字型になっていて保険料の控除のまとまりだとわかりにくいかと思います。)

氏名・フリガナ・住所・印鑑をさっと済ませましょう(記入例あり)

最上部にまずは申告書の申請者を書きましょう。


氏名欄【保険料控除の書き方】
氏名欄【保険料控除の書き方】


写真のように、左側には会社側が記入する欄ですので、右側の「氏名・フリガナ・住所」を書きます。


注意点としては、

  • フリガナを忘れずに書くようにしましょう
  • 住所は住民票の正式な住所を書くようにしましょう
  • 印鑑はシャチハタや認印でもOKです。
    (会社によってはNGのところもあります。)

といったところです。


マイナンバー制度が2018年から開始されていますが、年末調整時に用意する必要性は全くありません。

「給与所得者の保険料控除申告書」の書き方

それでは、メインの「給与所得者の保険料控除申告書」の書き方を見ていきましょう。

まずは、手順を確認することと生命保険料控除証明書などの書類を用意しておくことが重要です。


証明書の内容を申告書に書き写すだけの箇所と計算をしてその結果を書き込む個所がありますが、計算があるだけに焦って書き始めるとミスをする可能性があります。


また、今回必要である生命保険料控除証明書などの証明書は、10月以降順次発送され、住所宛に到着します。


※年ごとに記入の仕様が変わる可能性があります。今回は平成29年の物を使用しています。大きな変更は今のところ無いようですので、引き続き参考にしてください。

生命保険料控除の書き方(記入例あり)

では、生命保険料控除を見ていきましょう。



生命保険料控除は、一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除の3つに分かれています。

該当する分類は、基本的に保険会社から送られてくる生命保険料控除証明書に記載されていますので、悩むことは無いかと思います。


ただし、平成24年1月1日に生命保険料控除の制度が変更されました。

それゆえ、一般生命保険料控除と個人年金保険料控除には、旧制度と新制度の区分があります。(介護医療保険料控除については旧制度はありません。)


新制度と旧制度では新旧併用の計算方法や上限額がやや難しいので、「生命保険料控除の新制度を解説!新旧併用での控除額算出を理解しよう」で詳しく理解した方が良いです。


控除額を算出する手順

また、控除額は各区分ごとにそれぞれ控除額を割り出しますが、手順は以下の通りです。

  1. 証明書を全て集める
  2. 丁寧に各項目を転記する
  3. 申告書のガイドに従い計算を行う

1に関しては、支払っている保険料の全てを集めましょう。

すなわち、妻や子供などの扶養家族も全て保険料支払い者の保険料控除に加えることが可能です。


2以降に関しては、まず記入を始める前に、日本生命の生命保険料控除の申告書シュミレーション機能で試してみることをオススメします。


これを行うことで、記入しなくても良い項目などを洗い出すことが可能です。

多くの方が一般生命保険料控除の枠では上限額に達して入ることが多く、証明書の内容を全て書きうつさなくても良い可能性があります。

これで大幅に申込書への転記する量が減ります。


実際の申告書の記入例

2以降に関しては、以下に記入例をあげています。


一般生命保険料控除の記入【保険料控除の書き方】

黒色の記入欄は全て証明書からの書き写し、青色の記入欄は計算で算出した事項を書きます。

その際、一般生命保険料控除なのか、介護医療保険料控除なのか、個人年金保険料控除なのかを必ず確認してください。


証明書からの申告書へ書き写しの項目は以下の通りです。

  1. 保険会社等の名称(略称でもOK)
  2. 保険等の種類
  3. 保険期間又は年金支払期間
  4. 保険等の契約者の氏名
  5. 保険金等の受取人の氏名とあなたとの続柄
  6. 新旧の区分
  7. あなたが本年中に支払った保険料の金額

の7つになります。


 生命保険料控除証明書の見本  

生命保険料控除証明書の見本


ここから情報を引き出し、各項目を埋めていきましょう。


ただし、「5.保険金等の受取人の氏名とあなたとの続柄」に関しては証明書に記載されていない場合が多いので、保険会社に問い合わせて記載しましょう。

受取人が指定なしの場合もありますので、最悪の場合、空欄でも大丈夫と思われます。


ここまで記入できれば次は計算の箇所です。申告書のガイドのままに行えば大丈夫です。

シュミレーションで行ったものを転記するのが良いと思います。


全て書き終えたら、全ての金額の合計を記入し、ミスがないかチェックするようにしてください。

地震保険料控除の書き方(記入例あり)

地震保険料控除を書いていきましょう。


生命保険料控除同様、任意の地震保険や地震特約に加入していて、保険料を支払っている方に、年末調整前の時期に証明書(ハガキの場合もあります)が届きます。

火災保険に付帯して加入する地震保険ですが、所得税を最大5万円の保険料を控除することができます。

また、平成18年までに契約している損害保険に対しては、旧長期損害保険料の控除もあります。


2つの控除額の算出方法に関しては以下の通りです。

区分年間の支払保険料控除額
地震保険料50,000円以下支払金額分
50,000円超50,000円
旧長期損害保険料10,000円以下支払金額分
10,000円超
20,000円以下
支払金額×1/2
+5,000円
20,000円超15,000円
最大限度額-50,000円

実際の申告書の記入例


地震保険料控除の記入例【保険料控除の書き方】
地震保険料控除の記入例【保険料控除の書き方】


地震保険に関しては、加入率は地域にもよりますが3割程度、旧損害保険も改正から10年以上経っているので、記入しなくても良い方も多いかと思います。


また、地震保険の支払い保険料は年間で5万円も支払っている方は少ないと思われますので、ほぼ全額控除の対象となる場合が多いです。

社会保険料控除/小規模企業共済等掛金控除の書き方(記入例あり)

最後に社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除です。


社会保険料控除では、扶養家族の国民年金や国民健康保険などのの支払い額を書きます。

本人の社会保険料の支払いに関しては会社側が管理していますので、年末調整においては書く必要はありません。

妻や子どもの支払っている社会保険料を書きましょう。


具体的に、社会保険の種類としては

  • 健康保険、国民年金、厚生年金保険及び船員保険の保険料
  • 国民健康保険の保険料又は国民健康保険税
  • 介護保険法の規定による介護保険料

などです。


一方で、小規模企業共済等掛金控除では、共済契約の掛け金であったり、個人型確定拠出年金、iDecoの掛け金などを控除することができます。

証明書の送付の目安

種別送付時期送付元控除の種類
国民年金11月頃日本年金機構社会保険料控除
国民健康保険1月~2月頃各自治体等社会保険料控除
国民年金基金11月頃国民年金基金
連合会 
社会保険料控除
付加年金 11月頃日本年金機構社会保険料控除
iDeCo10月頃国民年金基金
連合会
小規模企業共済等
掛金控除
小規模企業共済11月頃中小機構小規模企業共済等
掛金控除

まだ、証明書が来ていないという場合でも、年間支払い予定の保険料金額を記入して良いです。


実際の申告書の記入例

それでは記入例をみていきましょう。

その他の保険料控除の記入例【保険料控除の書き方】
その他の保険料控除の記入例【保険料控除の書き方】

全て支払った保険料の全額が控除されるというのがここでのポイントです。計算は合計の計算程度しか無いです。


社会保険料控除を書いていて、枠が足りないといった場合があると思います。


こういった場合には、まず合計金額を正しく書きましょう。


項目に関しては、別紙などでまとめて提出すれば問題ありません。


Q&Aのコーナーで後述します。

配偶者特別控除の対象の方は申告書に記入しましょう

配偶者特別控除の対象を最後に確認しましょう。


詳しくは別の記事にて解説します。


配偶者の方の年収が103万円以下であれば「配偶者控除」という別の控除なので問題ありません。


「配偶者特別控除」に該当する条件は以下の通りです。

  • 控除を受ける人(=夫)のその年における合計所得金額が1,000万円以下であること。
  • 民法の規定による配偶者であること。
    (内縁の妻や未婚状態の人は該当しません。)
  • 控除を受ける人と生計を一にしていること。
  • その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。
  • 他の人の扶養親族となっていないこと。
  • 年間の合計所得金額が38万円超76万円未満であること。
    ※平成30年分以後は、配偶者の年間の合計所得金額が38万円超123万円以下であることが要件になります。 

配偶者特別控除を確認できたら、申告書の記入は完了です。

証明書を添付しましょう

申告書への記入が完了したら、証明書を添付しましょう。


証明書は原本でないといけません。


原本を無くしてしまった場合は各保険会社に問い合わせ、再発行することが可能です。


保険料控除証明書の再発行の手続きに関しては、各保険会社のHPを確認してください。

保険料控除申告書に関するQ&A集!

書き間違いの際の印鑑は、シャチハタや認印でも大丈夫?

書き間違い等は通常の文書のルールと同じです。

二重線で印鑑をということは知っていると思いますが、「印鑑欄」と同じ印鑑で無いといけません。


前述の通り、印鑑はシャチハタや認印でも良いということは解説しているので、そちらで問題ありません。


公的な文書とはいえ、年末調整書類は企業に提出し、企業が保管する書類なので、大丈夫なのです。


逆に言えば、国や自治体が保管するその他の確定申告書類は、シャチハタでは認められない可能性が高いです。(押印後に劣化するため)

枠に書ききれない場合はどうすれば良い?

生命保険料控除や社会保険料控除を書くとき、枠が数個しかなく、扶養家族の保険を全て記入しようと思うと書ききれないということもあるかと思います。

そういった場合には、もう一部申告書を印刷し、そちらに続きを書いてホッチキスで2枚を留めておけば問題無いです。


合計額に関しては1枚目のものに統一しておく必要がありますので、注意しましょう。


ただし、2枚必要になってくる場合はあまり多くは無いと思われます。


控除額の上限を超えている場合はいくら記載してもカウントされず、無駄ですので、必ずしも全ての証明書を記載しなくても良い場合も多いと思います。

10月以降に新規加入・変更・解約を行い、予定額と異なる場合はどすうるの?

基本的に控除証明書には、「証明額」と「申告額」の2種類の金額が記載されています。


これは、9月や10月時点ですでに支払われている保険料と12月までに振り込まれる予定の合計保険料で異なるためです。


保険料控除申告書では、このうちの「申告額」、すなわち保険料支払い予定額で申請を行います。


ですので、証明書が発行されたののちに、新規保険に加入したり、変更したり、保険の解約を行なった場合、年末調整では予定の支払額で記入をします。


確定申告では正式に前年の1月から12月までの正式な金額を記入することになりますので、確定申告で間違いがあれば修正を行えば問題ございません。

平成30年から保険料控除の申告書の仕様が若干変わります!

あまり必要な情報では無いかもしれませんが、保険料控除申告書の仕様が平成30年から変更されます。

【平成30年保険料控除申告書】
平成30年保険料控除申告書


まとめ

ここまで保険料控除申告書の書き方を解説してきましたが、いかがだったでしょうか?


そもそも、この申告書は保険料の支払いで所得税と住民税を控除する仕組みです。


保険料は、生活に必要なもの(医療や介護)を自助で支払う仕組みなので、所得税や住民税から納税額を引いている国の納税の仕組みです。


それゆえ、納税者にとって税の負担を軽減できるので、必ず正しく期限内に申告するようにしましょう。


本記事を読んで、より保険料控除について知りたい方は、ほけんROOMの記事をご覧ください。


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