生命保険控除の還付金(返金)をもらえる時期と額はどのくらい?

生命保険に加入していると控除を申請すれば還付金を返金してもらうことができます。生命保険控除の方法は難しくなく、年末調整の際に記入し、証明書を添付するだけで返金してもらえます。実際にどのくらい返金されるのかシミュレーションをしたので参考にしてみてください。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

生命保険料控除を受けると返金・還付される制度がある

生命保険に加入している人は、申請することで還付金が返ってくるシステムがあります。


これを生命保険控除といいます。


「控除」というのは税金の対象外になるということです。


保険に加入している人は自分で医療費負担やもしもの時のために備えている、ということでその分税金の負担を軽くしてもらえるのです。


生命保険料控除の対象になるのは一般的な生命保険だけでなく、医療保険やがん保険、学資保険なども含まれます。


対象の保険に加入していても、申請をしなければ還付金は戻ってこないので負担が増えてしまいます。


対象になる保険に加入している人は申請しましょう。

記事の中で申請の方法など詳しく解説しますので、是非最後までご覧ください。


ほけんROOMでは他にも保険に関する記事や、どの保険相談窓口を選べば良いかと言った記事を公開しておりますので、お悩みの方はそちらも合わせてご覧ください。 


また、生命保険に関する不安やお悩みをお持ちの方は、マネーキャリア専門家に無料相談するのがおすすめです。


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生命保険料控除のによって返金される還付金とは?

正社員やアルバイトで給与をもらっている人は毎月所得税が差し引かれていると思います。

この毎月支払っている税金は給与額から計算した仮のものです。


1年間の給与額が正式に決定した際に、そこからさまざまな控除を差し引き、所得税が決定します。生命保険料控除もその1つです。多く払い過ぎていた税金は還付金として返金されます。



還付金は年末調整・確定申告で申告する

給与を受けているの場合、還付金は年末調整・確定申告で申請することが出来ます。


会社員で年収が2,000万円以下の方は、確定申告をしなくても簡単に返金を受け取ることが出来ます。

生命保険料控除の還付金の控除額の仕組みは?

生命保険料控除には新制度と旧制度があります。

  • 旧制度:平成23年12月31日までに結んだ契約
  • 新制度:平成24年1月1日以降に結んだ契約

となっています。契約を結んだのは平成23年以前でも、平成24年以降に更新、転換、特約の追加などを行えば新制度が適用されます。


旧制度の場合

  • 一般生命保険料控除
    契約者の死亡によって保険金がおりる保険
  • 個人年金保険料控除
    個人年金保険料税制適格特約が付加された保険

が控除の対象となります。


新制度にはこの2つの他、

  • 介護医療保険控除
    入院や通院によって給付金が出る保険

が加わります。


介護医療保険控除には、医療保険やがん保険、入院保険などが含まれます。


生命保険会社から毎年「生命保険料控除証明書」が送られてきますので、年末調整の時期まで大切に保管しましょう。


証明書には自分の加入している保険がどの控除に該当するのかも記載されているので間違えることは少ないと思います。


年末調整の書類の該当欄に記載し、証明書を添付します。こうするこで還付金の返金が受けられるようになります。

生命保険料控除の上限

生命保険料の控除額には上限があります。

こちらも旧制度と新制度によって異なります。


<旧制度>

  • 各控除の上限:住民税35,000円 所得税50,000円
  • 生命保険控除全体の上限:住民税70,000円 所得税:100,000円

<新制度>

  • 各控除の上限:住民税28,000円 所得税40,000円
  • 生命保険控除全体の上限:住民税:70,000円 所得税120,000 

新制度は介護医療保険が対象になる分、各控除の上限額が低く設定されています。


また、住民税の各控除の上限は28,000円です。


3つが上限だった場合は84,000円になりますが、全体の上限は70,000円ですので気をつけましょう。

生命保険料控除の還付金はいくらくらいになるのか


では、申請をすればどのくらい返金されるのでしょうか。具体的な返金額が気になりますよね。計算してみましょう。


計算式は難しいものではありません。

  • 生命保険控除額×所得税率

です。


とはいえ、これだけ見てもピンとこないと思いますので、実際の数字を入れてシミュレーションしてみます。

年収450万円の場合の還付金計算例(シミュレーション)

所得税は年収によって税率が変わります。今回は年収450万円の人のケースを見てみましょう。


年収330万円以上、695万円以下の人の税率は20%です。


年収450万円の人が新制度の保険に加入していて、


  • 生命保険料:40,000円
  • 医療保険料:20,000円
  • 個人年金:30,000円

だったとします。この場合、いくら返金されるのでしょうか。


<所得税の場合>


生命保険に該当する金額は合計90,000円です。


ですがこれがそのまま控除対象になる訳ではありません。


所得税の場合、

  • 20,000円以下:保険料の全額 
  • 20,001円~40,000円 :(払込保険料×1/2)+10,000円
  • 40,001円~80,000円 :(払込保険料×1/4)+20,000円
  •  80,001円以上:40,000円

となっています。


計算すると

  • 一般生命保険料控除:30,000円
  • 介護医療保険料控除:20,000円
  • 個人年金保険料控除:25,000円
  • 合計:75,000円

ですが、この75,000円がそのまま返金されるわけでもないんです。75,000円が税金の対象額から除外されます。


年収330万円以上、695万円以下の人の税率は20%です。ですから


  • 75,000円×0.2(20%)=15,000円

15,000円多く税金を支払っていた、ということになるのでこの額が返金されます。


<住民税の場合>


住民税の場合はまた控除対象になる金額の計算方法が異なります


  • 12,000円以下:保険料の全額
  • 12,001円~32,000円:(払込保険料×1/2)+6,000円
  • 32,001円~56,000円 :(払込保険料×1/4)14,000円
  • 56,001円以上:28,000円

となっているので

  • 一般生命保険料控除:24,000円 
  • 介護医療保険料控除:16,000円
  • 個人年金保険料控除:21,000円
  • 合計:61,000円

61,000円が税金の対象額から外れるのでここに税率をかけます。

  • 61,000円×0.1(10%)=6,100円

6,100円が返金されることになります。


所得税と住民税を合わせると15,000円+6,100円=21,100円が返金されます。


結構大きいですよね。


ですから面倒でもしっかり申請することをおすすめします。


また、旧制度の場合は対象となる保険や計算方法、上限金額が異なるため、還付金の額も変わってきます。


また、地震保険などに加入していたり、配偶者控除など他の控除もあったりする場合は一緒に返金されます。

参考:生命保険料控除で不安なことはプロに相談しよう!

これまで、生命保険料控除の還付金をシミュレーションしながら解説しました。


しかし、自分で計算してもそれが適切なのかわからないし、不安ですよね。 


それでも、「生命保険料控除を申請して税負担を減らしたい!」と思われる方は、マネーキャリアFP(ファイナンシャル・プランナー)オンラインで無料相談しましょう。


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生命保険料控除による返金である還付金はいつ貰えるのか

生命保険控除によって、場合によっては結構大きなお金が入ってくることになります。返金はいつ行われるのでしょうか。

12月の給料日または1月の給料日

年末調整の返金はだいたい、12月の給料日もしくは1月の給料日にされることが多いです。

会社によっても異なるので気になる場合は他の社員に聞いてみるといいでしょう。


還付金は給料に加算されることが多いです。給料明細に「還付金」などの記載があるはずですので確認してみましょう。


また、会社によっては給料とは別に現金で手渡しになることもあります。


ちなみに、年末調整時に生命保険控除の申請をせず、確定申告の時に申請することもできます。


確定申告を行うのは2月から3月なので還付金が入るのは4月末頃になります。

まとめ

生命保険などに加入している人は、申請することで返金を受け取ることが出来ます。


生命保険控除には一般生命保険、介護医療保険、個人年金があります。


これらに支払った金額を税金の対象額にすることができます。


年末調整の際に、必要項目を記入し、証明書を添付するだけで返金を受けることが出来ます。


会社によっても異なりますが、返金は12月か翌年1月の給料に加算されるケースが多いです。


申請しなければ還付金は戻ってこないので損をしてしまいます。対象の保険に加入している人はしっかり申請しましょう。


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