体外受精の着床出血かも?胚移植後の妊娠判定と間違えやすい症状とは

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体外受精で胚盤胞移植後、出血が起きると「着床出血だ!やっと妊娠!」と思う方も多く、実は、流産や生理だったという現実が多くあります。妊娠の兆候は判断が難しく、妊娠判定前は着床出血と間違えやすい出血が多いです。今回、体外受精の着床出血と他の症状の違いを紹介します。

体外受精の妊娠判定前に起きる「着床出血」とは

体外受精 出血 費用体外受精は、不妊治療の中でも一般的な治療法の一つです。


妊娠を望んで今まで頑張ってきたからこそ、自分の体の些細な変化にとても敏感になりますよね。


特に、胚盤胞移植後に出血が起きると妊娠したのだと思い、嬉しさでいっぱいになるものです。


しかし、この出血は妊娠によるものとは限りません。


出血する原因はたくさんあり、「着床出血」だと思っていても、流産や生理が原因だったということも考えられます。


また、子宮外妊娠などの出血も考えられ入院や手術を余儀なくされる場合もあります。

不妊治療費+手術費・入院費が不安で、早めに医療保険に加入する方が多いようです。


この記事では、体外受精の妊娠判定前に起きる「着床出血」や妊娠の兆候と間違えやすい症状をご紹介します。


入院や手術に備えたい方は下記の「不妊治療中の医療保険の詳細」にてご覧ください。

体外受精の着床(妊娠)までの仕組み

まずは、体外受精の着床までの仕組みを知っておきましょう。


妊娠までのステップは7つに分けられます。

それぞれの工程でどのようなことをするのでしょうか。


  1. 排卵誘発:飲み薬や注射で卵巣を刺激をして排卵を促す
  2. 採卵・採精:体外に卵子を取り出す処置と精子の採取
  3. 受精:卵子と状態の良い精子を受精
  4. 胚培養:培養液の中で受精卵を育てる
  5. 胚移植:受精卵を子宮内に戻す
  6. 黄体ホルモン補充:飲み薬や注射で黄体ホルモンを投与
  7. 妊娠判定:尿検査で妊娠判定を実施
体外受精で行う胚移植にはいくつか方法があります。

着床率を高めたり、次回の治療の体への負担を軽くする方法なども様々なので
希望する胚移植の方法は、病院と相談して考えることをおすすめします。


ちなみに、排卵誘発剤の投与から妊娠判定までかかる期間はおよそ1カ月程度です。

体外受精の着床出血が起きる理由や出血量は?

受精卵が、子宮内に着床すると出血がまれに起きます。

着床出血が起きる理由やその出血量について見ていきましょう。


体外受精で胚移植をした受精卵は、しばらくすると子宮内膜にくっつきます。

そのときに、栄養を取る役目を担う絨毛が根のように伸びて、子宮内膜の中に潜り込もうとします。


この絨毛が子宮内膜の中に入ろうとした箇所から、出血が生じる場合があるのです。


着床が成功すると、わずかでも体に変化が起きるのではと期待してしまいますよね。

しかし、着床出血は妊娠したからと言って必ず起きるものではありません。


「着床出血がない=妊娠ができなかった」というわけではないため、安心してください。


また、出血したとしてもその量はごくわずかです。おりものと間違う程度の色や量の出血となります。

体外受精の胚盤胞を移植後、着床出血、妊娠の時期はいつごろ?

受精卵が着床するとまれに起きる着床出血は、体外受精の胚盤胞を移植後、どれくらいのタイミングで起きるものなのでしょうか。


着床出血は、生理が始まる頃かその少し前に起きることが多いです。

そのため、毎月の生理が始まったと勘違いしてしまう場合もあります。


体外受精で、妊娠の判定をするのは、胚盤胞の移植してから約2週間経過してからです。

病院に来院して、尿検査で判定します。


着床出血をしているかどうかで妊娠判定は行いません。

妊娠判定を病院で行う前に着床出血があっても、自分で「妊娠した」と思い込まないようにしましょう。


着床出血ではない他の要因で出血していることも考えられます。

体外受精をした後に妊娠兆候が1つでも当てはまるときは嬉しくなるものですが、自己判断は禁物です。

着床後の過ごし方

着床したからと言っても、まだまだ大きな不安を抱えています。

体外受精を行った後の過ごし方についてご紹介します。


妊娠をするなら、体外受精後は安静が一番だと思い込んでしまいますよね。

妊娠判定を受けるまでは、気持ちがそわそわしてしまうものです。


しかし、気持ちを落ち着かせておおらかな気分でいることが大切です。

なるべくいつもと同じように過ごして、妊娠判定の日を迎えましょう。

ただ、体に負担がかかるような行動は避けてくださいね。


  • 飲酒・喫煙
  • 激しい運動
  • 体を冷やす


また、体外受精を受けた当日だけは、なるべく安静に過ごすようにします。

激しい運動は避けるべきですが、適度に体を動かしてストレスが溜まらないようにしましょう。


リラックスした気持ちでいることが、着床後の過ごし方のポイントです。

「妊娠した!」と思ってしまう着床出血と間違えやすい症状


体外受精をすると、妊娠への期待が高まるものです。

そのため、着床出血でなくても、出血すると「妊娠した」と喜んでしまうことがあります。


しかし一方で、なにか体に異変が起きたせいで、出血したのではないかと不安な気持ちになる場合もあります。

出血の原因は着床出血だけではありません


他にも間違えやすい症状は4つあることを知っておきましょう。

それぞれの症状や見分け方のポイントについてご紹介します。

病院で処置が必要な症状もあるので、確認してみてくださいね。

採卵による出血

体外受精の工程の一つに、卵巣から卵子を取り出す採卵があります。

体に負担がかからないよう慎重に処置をしていますが、採卵には卵巣に採卵針を刺すため、出血は避けられません。

しかし、出血量はごくわずかであるため、腹腔内から体内に吸収されることがほとんどです。


採卵当日は、重い持ったり激しい運動したりなどのお腹に力が入るような行動を避けて安静に過ごします。

また、入浴はせずにシャワーだけにしましょう。


注意点は、採卵による出血がひどくなってしまった場合です。

その場合は、子宮内膜症などの疾病になる可能性が高いです。


不妊治療はもちろん中止ですし、不妊治療中は医療保険に加入できない場合が多いですので、子宮内膜症の治療費は全額自己負担になります。


【見分ける違いのポイント】

出血が起きた時期が採卵してから間もないタイミングであれば、着床出血ではなく採卵による出血の可能性が高いです。

出血があるとすぐに病院に行って不安を解消したくなりますが、取り乱さず落ち着きましょう。

何日も出血や痛みが続く場合は、病院に連絡をして受診してくださいね。

流産

体外受精で胚盤胞移植後に出血が起きると、着床出血の可能性もありますが最悪の事態も頭をよぎってしまうものです。


着床出血と間違えやすい症状の一つに、流産が原因の出血があります。

流産と一言で言っても、子宮内の胎児の状況によって名称が分けられます。


  • 切迫流産:今にも流産してしまいそうな状態
  • 進行流産:流産が進行している途中
  • 完全流産:体内から胎児や子宮内の組織が全て出てしまうこと
  • 不全流産:胎児や子宮内の組織が体内に一部残っている状態
  • 繋留流産:死亡した胎児が子宮内に残る状態

【見分ける違いのポイント!】

出血の他に、お腹が張ったり基礎体温が急に下がったりなどの変化が起きた場合は、流産を疑いましょう。


出血がほとんど見られない繋留流産は、流産したことに気が付かないことがあります。

その他の流産では、出血量や痛みに差はあるものの、多少の出血や腹痛を伴います。

体調をよくチェックして、何か異常があれば病院を受診しましょう。
切迫流産であれば、胎児の成長や心音が正常なら妊娠の継続が可能です。

月経様出血または月経

着床出血ともっとも間違いやすい症状が月経による出血です。


妊娠すると必ず着床出血が起きるものではありませんが、タイミングが次の月経が始まる頃と重なります。


体外受精に高い期待をしていると、月経による出血を着床出血と思い込んでしまう可能性があります。


月経による出血なら胚盤胞移植後に約2週間経過してから受ける妊娠判定で、とても落胆していまいますよね。


【見分ける違いのポイント!】

着床出血と月経の大きな違いは基礎体温の変化です。

高温期が続いていれば妊娠の継続を意味しているため、着床出血だと考えられます。

しかし、月経による出血であれば基礎体温が下がります。

基礎体温を測ると体調の変化に気が付きやすくなるので、おすすめです。

また、出血の色や量にも違いがあり、着床出血は色が薄く出血量が少ないのが特徴である一方で、月経は、色が濃く1日に何回もナプキンの交換が必要なぐらい出血します。

また、鉄のような臭いもあります。

子宮外妊娠

子宮内膜以外にの場所に受精卵が着床し、成長してしまうことを子宮外妊娠や異所性妊娠と言います。


子宮外妊娠は妊娠すると約1%の確率で発生する可能性があり、中でもおよそ95%が卵管での妊娠です。

妊娠判定を市販の検査薬で実施するときがありますよね。

そのときにわかるのは、妊娠の有無のみです。


子宮内に着床しているのか卵管などの他の箇所に着床してしまったのかという細かい点までは受診しなければ判断できません。


また、子宮外妊娠は入院費や手術費が高いです。

不妊治療費+手術・入院費となる事例も多く

  • 不妊治療費(人工授精):約3万(一回当たり)
  • 不妊治療費(体外受精):約30万(一回当たり)
  • 手術費:約20~10万
  • 入院費:約6万(1日当たり)
上記の費用を負担しなければいけません。
また、不妊治療費は両者とも平均回数は5回で子宮外妊娠の入院費は平均日数が5日間ですのでまとめると

不妊治療費:3万×5回+30万×5回=165万

子宮外妊娠手術費・入院費:20万+6万×5日=50万

総額で200万以上かかることがわかります。


この事例から、不妊治療中の方は医療保険に加入したい方が多いようです。


ですが、不妊治療中は医療保険に加入できないことが多いです。


なぜなら、治療中は子宮外妊娠などのリスクが高いと考えられているため、身体が健康な状態であっても保険会社から加入を断られてしまいます。


もし不妊治療中の方で不安な方は、不妊治療に特化した保険「子宝エール」に加入してみても良いかもしれません。


【見分ける違いのポイント】

卵管での子宮外妊娠の場合、卵管破裂などにより大量の出血激しい腹痛を伴います。
また、血圧が急激に下がるためショック状態になる場合もあります。

普段の生理と同程度かそれ以上の出血と強い痛みがある場合は、すぐに病院に連絡をしましょう。

まとめ:妊娠判定前の着床出血だと思ったら、まず医師に相談を

胚盤胞移植後に出血があると着床出血なのかと嬉しくなりますよね。
体外受精をすると、妊娠への期待が高まり体の些細な変化に喜んだり落胆したりしまうものです。

出血するのは着床が原因とは限りません。
着床出血以外に出血が伴う妊娠と間違いやすい症状について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

今回のこの記事のポイントは、
  • 体外受精後に着床しても着床出血は必ず起きるものではない
  • 胚盤胞移植後、約2週間経過してから尿検査で妊娠を判断
  • 体外受精を受けた後は激しい運動を避け、リラックスして過ごす
  • 着床出血に間違えやすい症状がある

です。


妊娠判定は市販薬を使ったとしても自己判断が難しいものです。

胚盤胞移植を受けた当日は安静に過ごし、病院で妊娠判定を受けるまではリラックスしていつも通り過ごしてくださいね。


着床出血かそれ以外のことが要因で起きた出血なのか迷ったら、まずは医師に相談しましょう。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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