体外受精の副作用とは?流れや方法に伴う太るリスクや症状を紹介

体外受精の副作用とは?流れや方法に伴う太るリスクや症状を紹介-サムネイル画像

体外受精について気になるのが「副作用」だと思います。不妊治療の中でも高度治療である体外受精は副作用やリスクがつきものですが、それでも子供が欲しい!と言う夫婦は多いです。今回、体外受精の流れや方法を紹介し、副作用による太るリスクや疾病の症状についてお答えします。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

体外受精の副作用やリスクとは?hmg注射で太るの?


不妊治療の中でも高度治療だと言われている体外受精。気になるのは、副作用やリスクがどれくらいあるのかだと思います。安全に赤ちゃんを妊娠するためにも、しっかりと体外受精の流れについて知っておきたいですよね。


不妊治療は保険適用外になるため、経済的・精神的にも大きな負担がかかる治療です。そのため、体外受精を考えているのであれば、治療の流れや副作用をきちんと理解しておくべきです。


また、注意してほしいことは、不妊治療中に子宮がん子宮内膜症が発覚してしまい、不妊治療費+手術費・入院費を負担しなければいけないことです。


上記の事例は多く不妊治療期間だけで1,000万円は軽く超えます。


今回、この記事では体外受精について、

  • 体外受精の主な流れ
  • 体外受精の副作用やリスク
  • 体外受精の副作用に備えるための医療保険とは
以上のことを詳しく解説します。

不妊治療中の方で、最低手術費、入院費を抑えたいと言う方は、下記ボタンの「体外受精中でも加入できる保険」で詳細をご確認ください。

この記事を読めば、体外受精の治療の流れや副作用が理解できるので、これから治療を考えている人の知識を高められるでしょう。ぜひ、最後までご覧ください。

体外受精の主な流れ

体外受精は、いろいろある不妊治療を試してみても妊娠が望めない夫婦で、医師が体外受精でしか妊娠できないと判断した場合のみ受けられます。

主に、
  • 重度男性不妊
  • 卵管性不妊
これらの病気を抱えている人が、体外受精になると言われています。

体外受精は、1回の治療を行うのにおよそ45~50万円かかります。不妊治療は保険適用外になるため全額自己負担になりますが、「特定不妊治療費助成制度」を利用すれば費用の一部に助成金が支給されます。

助成金の申請には、治療期間中にかかった費用を証明するため領収書が必要になります。領収書はしっかりとまとめて、無くさないようにしておきましょう。

ここでは、体外受精の主な流れについて、更に詳しく見出しを分けて解説していきます。

排卵誘発剤、注射の投与

採卵するには排卵しなくてはいけません。まず、排卵誘発剤(HMG/FSH)の注射を投与します。注射を開始すると、数日間通院しなくてはいけませんが、難しい場合は自己注射を行います。


排卵誘発の方法はいくつかあり、

  • ロング法
  • ショート法
  • ウルトラショート法
  • アンタゴニスト法
  • 自然周期
治療しやすい方法を、事前にきちんと医師と相談することが大切です。

採卵

採卵は、卵子を体外に取り出す方法のことを言います。


採卵針と呼ばれる針を膣に入れて、内部にある卵胞を吸引して卵子を採取します。静脈麻酔や局所麻酔・座薬などを使用して採取しますが、人によっては激しい痛みを伴うこともあるようです。


そのため、どうしても痛みに耐えられないようであれば、カウンセリングの時に相談をしてみて下さい。


不妊治療に大きなストレスを感じてしまうと、上手く妊娠できない可能性もあるため、どんなことでも我慢せず医師に相談することを忘れないでくださいね。

体外で精子と卵子を受精させる

採卵で卵子を確認しましたら、パートナーの精子と授精させます。


採卵日に一緒にパートナーが来院出来ればその場で採精しますが、無理な場合は自宅で採精してもらいます。


受精の方法は主に2つあります。

  1. 一般体外受精法
  2. 顕微授精法(ICSI)
1の一般体外受精法は、体外に取り出した卵子と精子をスピッツのなかで受精させる方法です。2の顕微授精法は、精液の状態が悪い場合に行われる方法です。

授精は卵子だけでは行えませんので、必ずパートナーに協力してもらってください。

胚培養

体外受精のプロセスの中でも、重要だと言われているのが胚培養です。


複数の胚盤胞がある場合は、その中でもより良い状態のものから移植に使用していきます。その時に、胚盤胞の状態を選別するために使われるものが、ガードナー(Gardner)分類です。


胚盤胞の発育段階に応じて数字が割り振られていき、細胞の評価を行っていきます。

  • 排卵2日後…4分割
  • 排卵3日後…8分割
  • 排卵4日後…桑実胚
  • 排卵5日後…胚盤胞
と、進んでいくのが理想的な分割速度です。

子宮内に胚を移植

胚移植とは、分割が進んだ胚を子宮の中に戻す方法のことを言います。カテーテルを使い、質の良いものから移植していきます。


日本産婦人科学会の会告により、移植する胚の数は、患者の年齢や過去の治療歴を考慮して1~2個になります。


過去の体外受精の実施回数によっては、移植は1個のみになることもあるようです。


胚移植は採卵の時とは異なり、痛みを伴うことはほとんど無いと言われています。移植した後は、ゆっくりと病院内で休んでから帰宅しましょう。

黄体ホルモンの補充

黄体ホルモンの補充は、

  • hCG注射
  • 黄体ホルモンの筋肉注射
  • 内服薬
主に上記の3つの方法があります。

注射は毎日クリニックに通院しなくてはいけないため、人によっては大変なストレスになることもあるでしょう。

内服薬を使った黄体ホルモンの補充であれば、妊娠判定までの間クリニックに通う必要が無いためおすすめです。

なお、内服薬も注射も妊娠率に差は無いと言われていますので、安心して選択してください。

着床し妊娠判定

妊娠しているかどうかは、血液中のhCGを測定して判断します。


一般的には、胚移植をした後2週間前後で行われますが、それよりも早く結果が知りたいという人もいると思います。


もし、どうしても2週間待てないという人は、医師に相談してみて下さい。


hCG検査は胚移植後1週間後からできると言われていますので、クリニックによっては早く検査してくれるところもあるかもしれません。


妊娠反応が陽性であれば、妊娠生活がスタートします。

体外受精の副作用やリスクはあるの?どの治療の時?


体外受精は一度に複数の卵子を採取するために、排卵誘発剤を使用したりします。そのため、副作用やリスクが全くない訳ではありません。


ここでは、体外受精で起こりうる副作用やリスクについて、

  • 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
  • 体重増加
  • 採卵の際の出血や感染症
  • 子宮内膜症
以上の4つの症状について、詳しく解説します。

副作用やリスクは必ず発症するものではありません。あくまでも、起こる可能性があるものとして確認しておきましょう。

排卵誘発剤投与による「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)とは、

  • 排卵誘発剤で卵巣を刺激することで卵巣が腫れてしまい、重症になると血栓症や腎不全などの合併症が起こる
卵巣内の卵胞が一度に成長するため、卵巣が腫れやすくなることが原因として挙げられます。

35歳以下の比較的若い年齢の女性や痩せている人、もともとPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)である人は卵巣過剰刺激症候群になりやすいと言われています。

卵巣過剰刺激症候群の初期症状には、
  • お腹の張り
  • 吐き気
  • 体重増加
  • 腹痛・下痢
これらがありますので、もし、身体に異変を感じましたら直ぐにクリニックに行きましょう。

重度の場合には入院治療が必要となるため、無理しないことが大切です。

排卵誘発剤(クロミッド錠)投与による体重増加

不妊治療を開始すると、多くの女性が体重増加に悩まされると言われています。


体重が増える原因に排卵誘発剤(クロミット錠)があるのではないかと考える人がいますが、クロミット錠の副作用に体重増加は無いとされています。


クロミット錠の副作用は主に、

  • 視覚症状
  • 情動不安
  • 食欲不振
  • 顔面潮紅
  • 尿量増加
  • 頭痛
  • 嘔吐
  • 口渇
これらが挙げられます。

体重増加で考えられるのは、排卵後にhCG注射や女性ホルモン剤を投与した場合です。女性ホルモンは妊娠しやすい状態に近付けるものですが、それにより食欲が出やすいと言われています。

ただし、クロミットには情動不安という副作用があり、食べることでストレスを発散させている人であれば体重が増えやすくなるでしょう。

採卵の際の出血や感染症

採卵は採卵針を使って行いますが、穿刺を行った箇所で出血を伴うことがあります。


出血量が多い場合は止血を行いますが、採卵後に稀に腹腔内に出血が起こることもあるため注意が必要です。


医師も細心の注意を払って採卵を行いますが、出血が酷ければ開腹手術や輸血が必要になることもあるようです。


また、膣内の細菌が腹腔内に入ると、骨盤内感染症になる恐れがあります。骨盤内感染症になると発熱や腹痛が起こるとされています。


採卵の前後には、感染症予防のために抗生物質を使います。また、膣内も十分に消毒を行ったうえで採卵を行いますので、感染症が起こるのは稀だと言われています。

採卵の際の子宮内膜症の症状が感染するリスクも

子宮内膜症による卵巣嚢腫(チョコレート嚢腫)がある人は、採卵の際に稀に感染を起こすことがあると言われています。


このようなケースの場合も、抗生物質を使用することで感染予防を行っています。


チョコレート嚢腫とは、卵巣にできる子宮内膜症のことであり、血液を含んだ袋状の腫瘍ができるという特徴があります。


慢性炎症を起こして卵巣機能・卵質の低下を招く恐れがあることから、妊娠中のリスクとして妊娠前に手術をするケースがほとんどです。


チョコレート嚢腫を持ったまま妊娠をすると、大きくなった子宮に押しつぶされてチョコレート嚢腫が破裂する危険があります。

体外受精の副作用に備えて医療保険に加入しておこう

不妊症の原因が、手術をしないと改善出来ないと判断された場合、体外受精を行う前に今持っている病気の手術を行うことがあります。

  • 子宮内膜症
  • 子宮筋腫
  • 子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症
  • 多嚢胞性卵巣症候群
  • 卵管障害
不妊治療は一般的に保険適用外になるため、全額自己負担になりますが、これらの病気は医療保険に加入しておくことでカバーできます。

不妊症は何が原因で起こるのかわからないため、自分の身体のリスクにも気を使わなくてはいけません。

不妊治療に入ってから医療保険に加入しようと思っても、加入できなくなる恐れがあります。

後になって後悔しないためにも、体外受精の副作用に備えて医療保険を検討することを忘れないでください。

まとめ:体外受精の副作用は排卵誘発と採卵の際にあることを注意する


体外受精の副作用やリスク、体外受精の主な流れについてなどを解説しましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 採卵は人によっては激しい痛みを伴うことがある
  • 卵巣過剰刺激症候群は、卵巣が腫れやすくなることが原因で起こるとされている
  • 排卵誘発剤(クロミット錠)が原因で体重増加することは無いとされているが、情動不安により食べすぎることがある
  • 体外受精の副作用に備えて医療保険に加入しておくべき
以上となります。

体外受精の副作用は、排卵誘発剤や採卵の時に起こりやすいことがわかりました。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は、重症になると血栓症や腎不全などの合併症が起こる可能性があり、入院が必要になるケースもあります。

不妊治療をする際には、あらかじめどのような副作用やリスクがあるのかというのを、きちんと理解した上で治療をしなくてはいけません。

今回の記事を読んで、少しでも副作用やリスクのことを理解してもらえたら幸いです。

ほけんROOMでは、他にも不妊治療に関する記事を多数公開していますので、ぜひ参考にしてください。

ランキング