体外受精の胚移植後の腹痛|妊娠判定日前の下腹部痛・お腹の張りなどの症状の原因

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体外受精の胚移植後に腹痛やお腹の張り、腰痛や吐き気があると「妊娠判定日前に不安。今回も無理かも」だったり「妊娠の兆候かも」という方も多いでしょう。胚盤胞移植後の腹痛は害のあるものではなく着床出血による腹痛が多いです。今回判定日前の不安な症状の原因を解説します。

体外受精の胚移植後の腹痛やお腹の張りの原因を解説

体外受精の胚移植後には腹痛が起こることが多いです。 


この腹痛によって「体外受精がうまくいかなかったのではないか?」「何かの副作用ではないか?」と不安になってしまう方も多いはず。 


体外受精では様々な流れを踏む必要があるため、体外受精が上手くいっているか知るためには、その流れで起こり得る症状を把握しておくことも大切です。 


そこでこの記事では

  • 体外受精の胚移植までの流れについて
  • 体外受精の胚移植後の腹痛について 
  • 胚移植後の下腹部痛や出血について
以上のことを中心に解説していきます。

腹痛の種類によっては、入院や手術も余儀なくされますので、不妊治療費+手術費・入院費にならないためにもまず、体外受精の理解を知りましょう! 

また、手術費・入院費が不安な方は、不妊治療中でも加入できる月額約1,800円の医療保険もございますので、そちらもご確認ください!

体外受精後の腹痛の原因や体外受精の胚移植までの流れとは


体外受精を行う前に、妊娠までまでの流れを把握しておきましょう。


妊娠までは大まかに以下のようになっています。

  1. 排卵誘発(卵巣刺激)
  2. 排卵・胚培養・受精
  3. 胚盤胞移植(胚移植)
  4. 黄体ホルモン補充
  5. 着床(妊娠)
胚移植後は「黄体ホルモン補充」を数回にわたって行います。受精卵の着床が認められてから2週間程度たった後に、病院で妊娠判定検査を行います。

排卵誘発から胚移植後まで、どのような処置となるのかを知っておくことが、体外受精を検討する上で大切です。

排卵誘発(卵巣刺激)

排卵誘発とは、妊娠の確立を上げるために重要なステップで、最初に行う必要があります。


より多く、より成熟した卵子を採取するためにホルモン剤(注射や飲み薬)を用いて排卵をコントロールする必要があります。


ホルモン剤には種類はもちろん投与の方法も様々です。費用や副作用、卵巣の状態や母体の体調面など様々な観点からどの方法を選択するか選ぶことが出来ます。


【排卵誘発の方法と特徴】

クロミッド法
自然周期法
FSN/hMG+アンダゴニスト法
クロミッド+FSN/hMG+アンダゴニスト法
ロング法
ショート法
経済的負担軽いやや重い思い
卵の数少なめやや多め多め
副作用弱いやや強い強い


採卵・胚培養・受精

成熟した卵子は、排卵される直前に体外に取り出します。


採卵された同じ日に受精させるための精子も採取され、受精に向けて準備が進んでい行きます。


ここまでの流れは

  1. 排卵日の2日前→排卵日の決定。卵子の成熟具合を確認
  2. 排卵日の2日前の夜→排卵誘発剤を注射(一般的に21時~23時の間に行う)
  3. 排卵日→朝8時~10時の間で行う
となります。

なお、排卵の方法としては、膣壁から卵胞に針を刺すことによる吸引法で行われます。

自宅もしくは採精室(メンズルーム)で採取した精液のなかから、運動能力の高い精子のみ取り出し、卵子を一緒にして受精が完了します。

胚盤胞移植(胚移植)

受精卵は体外受精専用の培養液の中で培養されていきます。


受精卵は、細胞分裂を始めると「胚」と呼ばれます。胚とは、個体が出来上がるごく初期段階の状態で、赤ちゃんになる第一歩です。


胚が移植されるのは、通常であれば2日~3日後、もしくは5日目です。その間は胚が順調に細胞分裂を繰り返せるように、ガス濃度と温度をコントロールし、体内と出来るだけ同じような環境を作り上げていきます。


このような環境を作り上げる機械をインキュベーターと呼びます。


胚移植にはいくつか方法がありますので確認しておきましょう。


【胚移植の方法と内容】

方法内容
分割期胚移植受精後2日~3日後に移植する、従来より行われている方法
胚盤胞移植受精後5日~6日の間に行われる。
「胚盤砲」と言われる、着床寸前まで成熟した胚を移植する方法
二段階移植上記の分割期胚移植と胚盤胞移植を交互に行う方法


黄体ホルモン補充

黄体機能の低下は、妊娠率を下げる最大の要因と言われています。


黄体ホルモンを補充することで、着床率を高めることが出来ます。


黄体ホルモン補充は、以下の薬剤、方法により行います。


  • 向下垂体前葉ホルモン剤
  • 卵胞+黄体ホルモン合剤
  • 黄体ホルモン膣坐薬
  • hCG注射
  • 卵胞+黄体ホルモン注射
  • 黄体ホルモン注射

自分に一番合った方法を主治医と相談しながら決めて、黄体ホルモンの補充をするようにしましょう。

後述しますが、黄体ホルモンの補充周期に伴って腹痛などが起こることも多く、しっかり認識した上で行うようにしましょう。

着床・妊娠

胚移植後に着床が確認されれから約2週間後、尿による検査で妊娠判定を行います。


ここで、出血などがあっても自分で妊娠だと判断をするのではなく、必ず病院などで妊娠判定をしてもらうようにして下さい。


副作用による影響など、体外受精では母体の状態を常に確認しておく必要があるため、各自での判定は危険を伴います。


判定に伴って、今後起こり得る腹痛などの症状について説明を受けますので、必ず主治医に相談するようにしましょう。


なお、妊娠判定から順調にいけば、1週間~2週間後に胎児の心拍を確認することが出来ます。

体外受精の胚移植後の腹痛①:「着床痛」

体外受精の胚移植後には腹痛が起こる可能性があります。これを「着床痛」と言います。


一般的に着床すること自体に痛みはないと言われていますが、着床と同時期には様々な体の変化がありますので、その変化に伴って違和感や痛みを感じる可能性もあります。


  • 腹痛
  • 下腹部のけいれん
  • 頭痛
  • 吐き気
などを感じる人も多いです。

これらは黄体ホルモンが関係していると言われています。

着床が起こる頃には黄体ホルモンがピークに達しますが、妊娠が確認されれば更に黄体ホルモンが増えていきます。これは普通の生理では起こらない変化なので、この変化が体に影響をもたらしているのではないかと言われています。

ただし、黄体ホルモンが増えることはごく普通のことなので安心して下さい。

もし腹痛を感じた場合は耐えるのではなく病院に行って問題ないか確認しておくことが大切です。

また、そのような副作用によって手術や入院を余儀なくされる場合もございます。

入院費や手術費は、全額自己負担となりますので、万が一に備える不妊治療中でも加入できる医療保険に入っておくとより安心だと思います。

体外受精の胚移植後の腹痛②:「卵巣過激症候群(OHSS)」

体外受精の胚移植後には、他にも「卵巣過激症候群(OHSS)」を起こす可能性があります。


卵巣過剰刺激症候群とは、排卵誘発剤などの薬の効果が強すぎて、必要以上に卵巣が刺激されたことによる副採用で腹痛や吐き気をもよおしてしまう症状のことです。


これは、卵巣が刺激を受けることによって膨らんでいき、胸水がたまることで胸が圧迫され痛みを感じてしまったり、腹水がたまることによる腹痛や吐き気を感じてしまうことに起因します。


卵巣過剰刺激症候群は重篤化すると合併症を起こす可能性もあり、早期に発見することが何よりも重要です。


【報告されている合併症】

  • 腎不全
  • 血栓症

何かしら体に違和感を感じたり、少しでも痛みを感じる、腹痛がある、身体が膨れている感覚があるなどした場合は、すぐに主治医に相談して対処してもらうようにしましょう。

体外受精の胚移植後の腹痛③:「骨盤内感染症」

体外受精の胚移植後は、「骨盤内感染症」をという感染症を起こす可能性があります。


採卵や胚移植などの際に専用の機械を体内に挿入する必要があります。そこから、ごくまれに細菌が体内に入ってしまい感染症を起こしてしまう可能性があります。


この感染症は、骨盤内にまで広がり、最終的に「骨盤内感染症」という病気を発症します。


骨盤内感染症は「腹痛」の症状の外に「発熱」の症状を起こすことが多いため、熱や体の違和感を感じる際は、主治医に相談するようにしましょう。


なお、過去骨盤内感染症を起こしている人は、再発のリスクがあるため、体外受精を行う前に抗生物質を投与するなど対策を行う必要があります。

胚移植後は着床率を高めるために黄体ホルモンを投与することをお伝えしましたが、この黄体ホルモンは補充周期ごとに腹痛や下腹部の痛み、出血があったりします。


黄体ホルモンは女性ホルモンの一種で、胚移植後の妊娠に向けて重要な基礎体温を上げる効果があります。しかし、黄体ホルモンの補充周期には生理のような腹痛や下腹部の痛みを感じることが多いのを理解しておく必要があります。


例えば以下のような症状が起こりやすいと言われています。

  • 頭痛
  • 食欲不振
  • 胃が思い
何かしら体に変化があった場合は、すぐに主治医に相談するようにしましょう。

体外受精の胚移植後の腹痛④:「子宮外妊娠」

体外受精の胚移植後には子宮外妊娠の可能性もあります。


子宮外妊娠とは、受精卵が子宮内膜以外の部分に着床して発育してしまうことです。別名「異所性妊娠」と呼ばれています。


子宮外妊娠をしてしまった場合は、卵管を切除する必要があるため、妊娠を継続することは期待できません。子宮外妊娠は、体外受精で1%程度の確率で起こすため、決して珍しい症状ではないことを認識しておく必要があります。


子宮外妊娠は、妊娠6週間がたったのにも関わらず、超音波検査で胎嚢が確認されない場合に疑われます。他にも


  • 膣からの出血
  • 低血圧
  • 発汗
  • 腹痛
  • 下腹部の痛み
  • 頻脈
などの症状が出た場合は、子宮外妊娠の可能性がありますので、主治医に相談しましょう。

子宮外妊娠は放置すると母体の命にも関わってきます。

また、子宮外妊娠の医療費や手術費は高額なため、万が一に備えて、不妊治療中でも入れる保険に加入しましょう。

体外受精をされた方の体験談

子どもを望んでいてもなかなか妊娠できず悩んでいる方にとって、体外受精は一つの希望の光です。


これまで多くの方が、体外受精をして妊娠を叶えてきましたが、その実体験を耳にする機会は少ないと考えます。


妊娠は身体のデリケートな悩みなので、仲の良い知人であっても聞きにくい話題ですよね。


そこで、下記では体外受精をされた方の体験談をご紹介させていただきます。


胚移植後に起こる可能性がある腹痛など、なかなか聞けない体験談を掲載させていただきますので、参考にしてみてください。

体験談①胚移植後の生理痛のような痛み

「体外受精をして胚移植をする際には、採卵と胚移植が大変でした。」と語る患者さんのお話です。


浅田レディースクリニックに通っていた患者さんは、卵を育てるための自己注射でお腹が膨らむことで、歩くだけでも痛みを感じるようになりました。


採卵後の吐き気と生理がひどく、立ちくらみや腹痛などが頻繁に起こりとても辛かったそうです。


ある日、胚移植後に生理痛のような腹痛がしました。


また、判定日より前にこの腹痛が起こったため妊娠への希望も薄くなっていたようでした。


しかし、検診を受けた結果陽性の判定が出て、念願の赤ちゃんがお腹に宿ったのです。


その後はお腹の中で順調に赤ちゃんが育っていき、無事に女の子を出産されました。


胚移植と採卵は痛みが辛く、泣きそうになることも多々ありましたが、愛おしい子どもに出会えたので体外受精をしたことの後悔はないとのことです。

体験談②BT2の腹痛

もう一人、体外受精をされた方の体験談をご紹介させていただきます。


★pukka★の不妊治療からの育児ブログでは、移植後に起こった腹痛についての体験談が掲載されています。


胚移植後に下痢が起こってしまったそうですが、インターネットで調べると、移植後の下痢は子宮に収縮が起きて着床しにくくなると書いてあったそうです。


腸と子宮は隣り合っているため、動きが影響してしまうのですね。


この方は、下痢の他に下腹部痛や胸の張りなど、生理前のような症状が起こっていたそうですが、特にお腹の不快感が気になっていた様子です。


胚移植をすると腹痛が起こる方は多いようですが、移植後の突然の下痢は原因を特定することが難しいのでびっくりされてしまうかもしれません。

体外受精を経験した芸能人の体験談:川崎希

元AKB48のメンバーで実業家の川崎希さんは、体外受精を経験して出産した芸能人の一人です。


不妊の原因が見つからない原因不明不妊として体外受精を受けることを決意しました。


初めての体外受精は、不安な思いが多かった中で、無麻酔で痛みもなく時間も思ったほどかからなかったとのことで、2回目の採卵、胚移植は安心して臨むことができたそうです。


そして、2017年8月に子供を授かることができました。


原因不明不妊は、医者でも原因がわからかったり、原因がわかるのに1年かかる場合もあります。


現在不妊治療中の方は、自身が何の治療を受けていて、どのような効果があるのかわからない方も多いのではないでしょうか。


不妊治療中の方は、医療保険に加入しておきましょう。

まとめ:体外受精の胚移植後の腹痛は焦らず、まず医師に相談

「体外受精の胚移植後の腹痛」について解説しました。


今回のポイントは


  • 体外受精の流れについて把握しておく
  • 体外受精によって起こり得る病気について把握しておく
  • 副作用や合併症に備えて医療保険も検討する


胚移植後の腹痛などは、薬の副作用や感染症の影響が疑われますので、まずは主治医に相談するようにしましょう。


胚移植後の諸症状は、放置しておくことで重症化する可能性もあります。母子ともに健康で出産を迎えられるようにしっかりとした認識を持つことが大切です。


医療保険にも加入しておくと経済的な不安もなく治療を受けられるためおすすめです。


ほけんROOMでは他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、合わせてご覧ください。

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