公的保障が充実している日本では、医療保険は必要最低限で大丈夫!

日本は公的な医療制度が大変充実しており、民間の医療保険の必要性が問われています。また、昨今情報が多様化してきた中で、民間の医療保険は最低限でいいというプロのFPも多いです。今回は民間の医療保険の必要最低限で良いという視点に立って、お話をしたいと思います。

医療保険は最低限だけの保障だけで良い6つの理由

昨今、民間の生命保険会社が販売している医療保険は、必要最低限で良いという意見が多くきかれます。それでも日本人は「万が一のため」の「保険」が大好きです。


でも本当にその保険は必要なもの、もしくは必要以上に保険に加入していませんか?


これから、医療保険への加入が最低限でよいということを、いくつかの理由とともに、お話をしていきたいと思います。

医療保険が最低限で良い理由1:公的医療保険が充実している

日本は国民皆保険により、国民全員が手厚い医療保障を受けられるようになっています。 例えば、健康保険証を病院の窓口で出すと3割負担(現役世帯)になりますよね。

当たり前のように病院で保険証を提示して、当たり前のように医療費負担の軽減の恩恵を受けていますが、これは十分充実した制度であると思います。

高額療養費制度

さらに、日本には高額療養費制度があります。


通常は公的医療保険では窓口で70歳未満の現役世帯は3割負担となりますが、それでも医療費が高額になってくると負担が大きくなってくるため1か月の自己負担の上限が定められています。この一定額を超えた場合に払い戻しが受けられる制度を、「高額療養費制度」といいます。


では、高額療養費の払い戻しに関して、説明させて頂きます。

例えば、 月収53万円以上の上位所得者の人が、ある病気の治療で300万円かかった場合、本人の負担がいくらになるかを計算してみましょう。

まず、治療費の300万円から50万円引くと250万円。その1%である2万5000円に、ベースとなる15万円を加えた17万5000円が、この場合の月額負担の上限です。

同じ治療を一般区分の人が受けた場合も計算すると、10万7430円。低所得者区分の人の場合はそもそも上限が3万5400円ですので、そのままです。


このように、仮に重い病気にかかり、3カ月間、毎月300万円の治療費がかかる治療を受けたとしても、総額の負担は上位所得者で50万円ちょっと、一般の人で30万円強、低所得者の人の場合、10万円強の負担で済んでしまいます。この程度の負担であれば、ある程度の預貯金があれば普通に払えてしまいますので、わざわざ月に何千円か支払って、医療保険に加入する必要はないのです。

まったく加入しないのはどうしても不安な方は、必要最低限の準備で良いのです。

傷病手当

さらに、会社員の方で健康保険組合に加入されている方が、労災以外の病気やケガで会社を休み、給料の一部もしくは全額が支給されなくなってしまった際には、「傷病手当金」という制度があります。


この傷病手当金の制度に関して、ご説明をします。

傷病手当金とは、以下の場合に加入している健康保険組合から支給されるものになります。


(以下協会けんぽHPより抜粋)


  • 業務外の病気やケガで療養中であること。 業務上や通勤途上での病気やケガは労働災害保険の給付対象となりますので、労働基準監督署にご相談ください。 なお、美容整形手術など健康保険の給付対象とならない治療のための療養は除きます。
  • 療養のための労務不能であること。 労務不能とは、被保険者が今まで従事している業務ができない状態のことで、労務不能であるか否かは、医師の意見及び被保険者の業務内容やその他の諸条件を考慮して判断します。
  • 4日以上仕事を休んでいること。 療養のために仕事を休み始めた日から連続した3日間(待期期間)を除いて、4日目から支給対象です。
  • 給与の支払いがないこと。ただし、給与が一部だけ支給されている場合は、傷病手当金から給与支給分を減額して支給されます。

支給額については、以下のとおりとなります。


<1日当たりの金額>

  • 支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×(2/3)            

実際の支給金額は、組合加入年数や標準報酬月額によりますが、だいたい現在支給されている給料の3分の2が支給されていると思ってください。

確かに通常の勤務をしているときと比較すると、収入は減少しますが、全くなにも支給されないときのことを考えれば、少し安心して治療に専念できるのではないでしょうか。

この傷病手当金を治療費や生活費にあてられると思えば、医療保険への加入は必要最低限で良いかと思います。

医療保険が最低限で良い理由2:入院日数が短縮傾向にあるため高額な保証金は必要ない

また、昨今は診療報酬の改定も影響してか、病院も患者をあまり長い日数、入院させません。昔と比べると、入院の短期化がどんどん進んできているのです。

七大生活習慣病の平均的な入院日数は長くない

いわゆる日本人の3人に一人の入院理由となっている、「七大生活習慣病」は、以下の病気を指します。


  • がん(悪性新生物)
  • 心疾患(急性心筋梗塞)
  • 脳血管疾患(脳卒中)
  • 高血圧性疾患(高血圧症)
  • 糖尿病
  • 肝疾患
  • 腎疾患

とくに、日本人の死因の「三大疾病」とよばれる上から3つの病気に関してですが、例えばがんの種類にもよりますが、胃がんだと23日と比較的少ないですが、脳血管系だと93日と少し長期の入院が必要になります。


そうはいっても、全ての病気(精神系も含める)の平均入院日数は、32日と、約1か月となり、そこまで長期にわたっての入院は必要ありません。

さらにがんでいうと、早期発見の乳がんで2泊3日の入院で、あとは通院治療などといった例も最近はよく聞きます。


保険会社からの給付金と入院するまで払い続けた保険料を比較するとなると、やはり医療保険は必要最低限でよいのではないかという考えになりますね。

医療保険が最低限で良い理由3:医療保険には支払限度日数がある

各保険会社の医療保険の保障内容によりますが、入院日数が長くなった場合、医療保険には支払限度日数があり、それを超えた部分に関しては給付金が支払われません。

一般的には、1入院につき、60日型や120日型などで販売している保険会社が多いのではないでしょうか。

当たり前ですが、60日型に加入しているからといって、60日分の給付金が支払われるわけではありません。


あくまでも医療保険は「実費負担ではなく、契約に該当したものが支払われる形になるので、医療費が全額補償されるわけではありません。

医療保険が最低限で良い理由4:通院で保障されないことがある

医療保険の中にも、入院だけではなく、特約で通院をつけることができるものもあります。

しかしこれは注意が必要で、ただ通院をするだけでは給付金は支給されません。

医療保険についている通院保障は、「入院してからの通院」で初めて給付金がでるのです。

一日だけ通院して、保険に入っているから、給付金がでるのではと思いがちですが、そうではないので注意が必要です。


あくまでも「入院」あっての通院給付金です。

医療保険が最低限で良い理由5:医療保険よりがん保険の方が良い

最近のがん治療は、長期に入院して治療をしていくのではなく、通院しながら抗がん剤治療を行うなど、「通院」が主となってきています。


このような現状の中で、医療保険では入院のみ日額で給付金がでるタイプが主流なので、もしそのようなタイプの医療保険に加入している場合には、入院に対しては給付金はおりますが、その後の通院までは医療保険からは一切給付金はおりません。


もしがんが心配で医療保険に加入を検討されている方がいれば、医療保険よりもがんに特化した、「がん保険」に加入することをおすすめします。

がんに特化したがん保険は、がんのみの保障にはなりますがその分、がんへの治療に専念できる保障内容になっています。

がんでの入院はもちろんのこと、昨今の治療環境に合わせて、通院や抗がん剤、手術、放射線治療などの際に給付金がおります。また、がんと診断されると一時金がでるような保険会社も多くあります。


さらに、がん経験のある人に「がん治療に関わる費用は総額いくらだったか」を聞いたところ、最も多かったのが「50万円程度」の37.5%、次が「100万円程度」の31.5%というデータが発表されており、約70%の人が、100万円以下で治療を終えられているのです。

この程度であれば、保険などかけることなく、貯蓄で備えたほうがよほど得策だと思います。


ただただがんへの不安で、医療保険を安易に選択しないように、きちんと現状の治療日数や治療方法などに合わせたがん保険も視野に入れて、検討を行いましょう。

医療保険が最低限で良い理由6:医療保険より預貯金で備える方が良い

公的医療保険により自己負担額が高額になりにくくなっています。さらに、最近は入院も短期化しているので、入院費もそこまでかからないようになっています。

そのため、何か病気をしたとしても、現在の貯蓄で医療費を支払えるなら必要ないと言えるでしょう。


医療保険に加入をすると長い間保険料を支払っていくことになります。

当たり前ですが、月々の保険料は安くても、長い間支払っていくと積み重なって高額になります。

医療保険に支払った金額に対してそれだけの保障が受けられるのか疑問なので保険料で支払う分を貯蓄したほうが得な場合もあるでしょう。


さらに、医療費のみではなく、病気前後の生活費等も考えておくと、だいたい現在の生活費の半年分くらいの貯蓄をしておくと、安心でしょう。


<参考>入院時の自己負担費用(※治療費・食事代・差額ベッド代含)

1日平均:16,000円(平成22年生命保険文化センター調べ) 

20日入院した場合:16,000円×20日=320,000円

医療保険は最低限の入院保障だけで十分

これまで色々と医療保険は最低限の準備で良いとお話をしてきました。医療保険には様々な「特約」をつけることができますが、この特約に関しても、必要最低限で良いと思います。


その理由は以下にてお話したいと思います。

その他の特約は必要ない

よく医療保険に特約としてつけることができるものとして、「女性疾病特約」「通院給付金」「退院祝い金」などがあります。

しかし先ほどからもお話しているように、公的な医療制度を活用することで、実際の手出しの金額などの負担も少なくなります。本当にその特約は必要でしょうか。


また、最近流行りの「先進医療特約」に関しても、例えば「がんの先進医療」を受けようと思っても、まだまだ治療を受けることができる設備を備えた施設の数も多くありませんし、実際には多くの方が順番待ちの状態であるといわれています。

先進医療に関する特約保険料自体は低い金額ですが、実際に活用する機会はあまりないかと思います。

医療保険は掛け捨てで最低限に抑えるべき

これまでお話をしてきた6つの理由から、現在医療保険に加入を考えていらっしゃる方は、こう考えてみてください。

自分がもし病気になって、入院や手術をした場合に、自分はどのような公的な制度が、どれくらい活用できるのか、一度落ち着いて整理してみましょう。

そして、医療保険はあくまでも公的な保障でも不足してしまう部分を「補てん」するものとして、検討しましょう。

まとめ

これまで様々な理由から、医療保険は最低限で良いとお話をしてきました。


これだけ公的な医療制度が充実している日本に住んでいる私たちです。また、貯蓄が十分ある人や、払込保険料よりも給付金の方が少なくなる可能性があるなと思っている人、会社の福利厚生により保障が十分な人などにとっては、医療保険への加入は必要最低限で良いと思います。



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