医療保険の先進医療特約なぜ必要か?病気の危険性×確率で見る必要性

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「先進医療って聞いたことはあるけど実際どんなものかわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。はたして先進医療特約は本当に必要でしょうか。先進医療特約の保障内容やその必要性、契約時の注意点など、保険のプロであるFPがくわしく解説します。

▼この記事を読んで欲しい人
  • 先進医療に備えたい方
  • 先進医療とは何か知りたい方
  • 先進医療特約の必要性や選び方について知りたい方

内容をまとめると

  • 先進医療特約は月百円程度の保険料で通算2000万円程度までの保障が付けられる
  • 治療時に先進医療に認定されている医療技術でないと保障されない
  • 更新型かどうかや、直接支払いの対象かどうかなど、契約時には注意が必要
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先進医療特約とは?


医療保険に付加する先進医療特約とは、どのようなものでしょうか。先進医療特約の保障内容について、以下で4項目にわけて解説します。

  • 保障内容
  • 適用範囲
  • 先進医療の対象となる病気の例
  • 先進医療特約を付加できる保険商品の種類
それぞれの項目について本章で確認してきましょう。

保障内容

まず特約とは何かについて説明します。特約とは、主契約の保険契約に任意で保障内容を選択して付加できる契約のことをいいます。


なかでも先進医療特約とは、先進医療による治療を受けた場合の治療費を保障するためのものです。


では先進医療とはどのようなもののことを指すのでしょうか。先進医療とは、厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養のことです。


「評価療養」の1つとされており、公的医療保険の対象外となります。つまり、先進医療に係る費用については全額自己負担となるということです。


先進医療特約を付加した場合、先進医療に係る費用は上限内で保障されます。支払われる保障の上限額は、一般的に通算して1,000万円〜2,000万円となっていることが多いようです。

適用範囲

先進医療特約が適用されるためには、いくつか条件があります。厚生労働省は先進医療となる医療技術ごとに、その技術を用いる適応症を定めています。


さらに、その技術を行うことのできる医療機関の要件を定め、その要件を満たして実際に先進医療をおこなっている医療機関を公表しています。そして先進医療特約の保障を受けるためには、治療を受けた時点で先進医療として認可されている医療技術である必要があります


保険に加入した時点で先進医療に認定されていた治療であっても、治療時点ですでに除外されてしまったようなものは、先進医療特約の保障範囲外になるので注意が必要です。また、先進医療に加入する保険の種類によっても保障範囲となるかが変わってきます。


具体的には、がん保険に先進医療特約を付加した場合には、がんの治療に関する先進医療のみが保障範囲となります。

対象となる病気の例

先進医療技術ごとに適応症が定められていることは前述しましたが、先進医療特約の対象となる病気の例とは、つまりその適応症に該当するものとなります。具体的には、次のようなものがあります。

先進医療技術名適応症
陽子線治療頭頚部腫瘍(脳腫瘍を含む。)肺・縦隔腫瘍、消化管腫瘍、肝胆膵腫瘍、泌尿器腫瘍、乳腺・婦人科腫瘍又は転移性腫瘍
重粒子線治療肺・縦隔腫瘍、消化管腫瘍、肝胆膵腫瘍、泌尿器腫瘍、乳腺・婦人科腫瘍又は転移性腫瘍
家族性アルツハイマー病の遺伝子診断家族性アルツハイマー病
高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術
子宮腺筋症

がんの治療に用いられる陽子線治療重粒子線治療は聞いたことがあるという方も多いかもしれません。そのほかにも先進医療はたくさんあり、先進医療の各技術の概要 - 厚生労働省に記載があります。

付加できる保険商品の種類|医療保険・がん保険の違い

先進医療特約を付加できる主な保険は、医療保険とがん保険です。


医療保険

医療保険は様々な種類の病気やケガに備えることができる保険です。入院や手術に対して、入院給付金や手術給付金などが支払われます。
医療保険に先進医療特約を付加した場合、保障の対象となる先進医療の種類は限定されません

がん保険

がん保険は、その名の通りがんに備えることができる保険です。がんと診断されたら支払われる診断給付金(一時金)があることや、入院給付金の支払い日数が無制限となっていることなどが特徴的です。
がん保険に先進医療特約を付加した場合、保障の対象となる先進医療の種類はがんに関するものに限定されます

また注意したいのが、同じ保険会社で医療保険とがん保険の両方に加入する場合、先進医療特約は重複して付加できないので、いずれか一方に付加することになるということです。医療保険の方に先進医療特約を付加しておけば、対象となる先進医療ががんに限定されないので、より保障範囲を広げることができるでしょう。

先進医療にかかる費用


先進医療にかかる費用は、その技術によって様々ですが、1件あたり数万円のものから数百万円かかるものまであります。


主にがんなどの治療に用いられる陽子線治療重粒子線治療にかかる費用は高額で、1件あたりの平均額は300万円前後となっています


先進医療にかかる費用については全額自己負担となるため、上記のような高額なものであれば、患者の負担はかなり大きくなるでしょう。


先進医療特約を付加していた場合には、上限額までの費用はすべて保障されるので安心です。

多額の先進医療費が必要な確率|特約付加のメリット

先ほど先進医療費が300万円近くかかる可能性があることを説明しましたが、この記事を読んでいる方の多くが「そんな大金が必要なケースなんてあるわけないでしょ!」と思われているはずです。

確かにそのようなケースは稀ですが、決してあり得ない確率ではないのです。本章では以下のテーマに沿って、先進医療特約の必要性やメリットについて解説します。
  • 300万円以上の先進医療費が必要になる確率
  • 先進医療特約の保険料と加入すべきメリット

100万円以上の先進医療費が必要な確率は「がん患者の中で1%」

厚生労働省による令和2年6月30日時点における先進医療Aに係る費用によると、主にがんの治療に用いられる陽子線治療、重粒子線治療の年間の実施件数は合計1,899件です。


また、がん対策について - 厚生労働省によると、2020年時点でがんで入院中の患者はおよそ14万人とされています。がんで入院している人でがんに関する先進医療を受けた方は、上記の数字で単純に計算したとしても1%前後であり、そんなに多い割合ではないでしょう。


しかし、今や2人に1人ががんになる時代とも言われており、仮にがんになってしまった場合に先進医療での治療を選択する可能性はゼロではないのです。

先進医療特約は「保険料100~200円で通算2000万円まで保障」

確率はがん患者の中で1%程度しかありませんが、万一先進医療を受けなければ命が助からないといった場面に直面した際に、お金の心配をしてその治療を諦めなければならないことになるかもしれません。


そういった場合に、たった月数百円程度の保険料で通算2000万円もの先進医療費に備えることができるというのは、先進医療特約の非常に大きなメリットであるといえます。

先進医療特約の必要性|保険加入のおける考え方の本質

前述のとおり、月数百円程度の保険料で高額先進医療に備える事で、先進医療をあきらめるという選択をしなくても良いことです。


陽子線治療や重粒子線治療は数百万単位と高額な治療といえるため、お金の心配をして治療に集中できないということにならないためにも必要な保険特約といえます。


また、主契約が終身タイプであっても特約は更新タイプという場合があり、保険料が変化します。先進医療を受けたいタイミングで特約の更新がされていなければ先進医療特約は使えません。がん罹患率は高齢になればなるほど上がることや、保険料が一定で長期で見ても保障内容に変化がないという点で終身タイプにすることが必須といえるでしょう。


次に、それらの理由について説明していきます。

数百万円する先進医療費が必要な確率「1%弱」は低い数字でない

がん治療の中で先進医療を受ける確率は、全体の1%前後と数字だけを見ると低く感じます。


しかし、65歳の高齢者のがん罹患率は全体のがん罹患数から見て約75%と数字は高く、ここから先進医療を受けるケースが1%と考えた時に0.75%の約5,500人が先進医療の治療を受けることとなります。(参考:国立がん研究センター 全国がん登録に基づく全国がん罹患数・率2016ん円-2018年より)


数字だけ見ると小さくみえますが、自動車事故や火災事故の発生率は1%未満であることはご存知でしょうか?


自動車や火災は自分の力では抑制できない事、もし発生してしまったら甚大な被害を被ることを知っているからこそ、1%未満のリスクに対してこれらの保険への加入率は80%以上と積極的に備えている事がうかがえます。


リスクへの考え方が、いざ自分の身体になると「気をつけているから大丈夫」「先進医療を受けるような状態になるはずがない」っという思いや先入観から深く考えることを潜在的に辞めてしまっていませんか?

保険は低リスクだが被害が甚大な事柄に対して対処すべき

保険の目的は、小さなリスクに対して甚大な被害を被る事柄へ備えるためのものです。


保険への目的を忘れ、起こりえるかどうか分からない事柄に対して、毎月お金を支払うことに損な気持ちになる方は大勢いらっしゃるかもしれません。


そのような気持ちを察し、保険会社の商品の中の貯蓄型の保険を進められることがしばしばありますが、医療保険の貯蓄タイプを選ぶことは、やみくもに保険料が高くなることに繋がり、解約に制限がかかるなど正直私たちのメリットにはなりません。


支払ったことへの元を取りたい、お金を増やしたいのであれば、貯金をしたり投資をするなどのお金を増やす目的の金融商品を利用すべきです。目的がより明確な火災や自動車などの掛け捨ての損害保険商品には、損得は考えずシンプルにリスクに対して加入されていませんか?


医療保険も同じように、長期治療や先進医療が大きなリスクへの対策のために、シンプルにしっかりと保障を選び備える事が重要です。

先進医療特約を付加する上で医療保険の選び方を2パターン紹介!


先進医療特約の重要性についてここまでの章でくわしく解説してきました。


本章では、先進医療特約を付加する上での医療保険の選び方について、おすすめのパターンを紹介します。以下の2つのパターンについて、確認していきましょう。

  1. 20〜30代の方は、定期医療保険に先進医療特約を付加
  2. 40〜50代の方は、終身医療保険に先進医療特約を付加

パターン①:20〜30代なら定期医療保険に先進医療特約を付加

20代〜30代で収入や貯金に不安のある方は、安い保険料で最低限の保障が得られる定期医療保険に先進医療特約を付加するとよいでしょう。


定期医療保険とは、保険期間が10年などの一定期間となっており、期限が来たら更新することができる医療保険です。終身医療保険と比較すると加入当初の保険料は割安となるため、特に若い方におすすめです。


具体的な保障内容の選び方の例は以下の通りです。

  • 入院日額保障金:5000円程度
  • 入院一時金:50,000円
  • 通院日額保障金(通院特約):5000円
  • 先進医療特約を付加
上記の例のような保障内容であれば、入院時の最低限の保障があり、がんになった場合の通院や先進医療の負担にしっかり備えることができます。


医療費自体は高額療養費制度も利用できるので、その場で高い給付金が必要になる可能性は低いです。したがって一時金はあまり高く設定する必要はありません。


最近では、主にがんの治療などで退院後の通院によって治療していく形が主流ですので、むしろ通院保障を優先した方がよいでしょう

パターン②:40〜50代なら終身医療保険に先進医療特約を付加

40代〜50代からは終身医療保険+先進医療特約

40代〜50代の方であれば終身医療保険に先進医療特約を付加するのがよいでしょう。具体的な保障内容はパターン①と同様です。


一般的には高齢になると病気への罹患率があがることもあり、医療保険に加入しづらくなる前に終身形のものに入っておくべきです。いくら老後に貯金があったとしても、数百万円以上の先進医療費を貯金から崩すのは大きな負担になります。


50代からの先進医療特約は医療保険に付加すべき

がんへの罹患率が高い50代から保険に入る場合、まずがん保険への加入を検討するという人もいますが、先進医療特約は医療保険の方に付加することをおすすめします


仮に医療保険とがん保険に同時に加入したとして、保険料の負担、価値観・考え方の変化、生活習慣、病気への罹患などあらゆる理由で、後にいずれか一方を解約することになった場合、保障対象となる病気ががんに限定されているがん保険の方を切り捨てることとなるでしょう。


将来保障の見直しを行うことになる可能性は全くないとは言えません。そうである以上は、がん保険の方に先進医療特約を付加しておくことはおすすめできません。

先進医療特約を追加・利用するときの3つの注意点


先進医療特約が重要であることはおわかりいただけたと思いますが、先進医療特約を付加・利用する際に注意するべきことはあるのでしょうか。その注意点は以下の3つです。

  1. 更新型なのか終身型なのか
  2. 給付金を医療機関に直接支払ってくれるか
  3. 先進医療の治療を受けられる医療機関はどこか
それではそれぞれの注意点についてくわしく確認していきましょう。

注意点①:更新型と終身型のどちらかを確認

検討している先進医療保険が更新型なのか終身型なのか、契約する前に確認しておきましょう。


更新型とは、10年ごとなど期限が来たら更新となり、定期的に保険料や保障内容が見直されるタイプのものです。終身型とは、一生涯の保障が続くため、保障内容や保険料がずっと変わらないタイプのものです。


実際、更新型の保険料は年齢が上がってもそんなに変わらず、月に100円程度である保険もあるので、保険料が上がる負担はそこまで大きくありません。気をつけるべき点は、保障内容が更新によって改悪されることがあることです。


例えば、白内障の手術で利用実績の多い「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」という先進医療技術について、厚生労働省は2020年4月1日から先進医療の認定から削除しました

(引用:厚生労働省「保険外併用療養費における改正」)


このように厚生労働省は先進医療技術の有効性や安全性を評価し、定期的に先進医療となる医療技術の見直しを行っているので、更新型の場合はその影響を受けて保障内容が変わることに注意しましょう


終身型であれば、のちに先進医療から削除されたような場合であっても、保険加入時の保障内容が変わらず適用されるので安心です。

注意点②:保険会社が直接給付金を支払う場所

先進医療特約による給付金は支払われ方が2通りある点に注意が必要です。


立替払い」となる場合は、先に自己資金で医療機関に医療費の支払いをして、後日領主書を保険会社に送付して請求するというものです。一方、「直接支払い」となる場合は、保険会社が医療機関に直接医療費を支払うというものです。


「立替払い」では、費用が高額となった場合には、支払いができるだけの貯金がないと困ってしまいますよね。


先進医療特約を検討する際には、「直接支払い」となるかどうかや、支払対象となる医療機関が決まっているのかどうかなど、細かいところまでチェックしておきましょう。

注意点③:治療治療を受けられる病院を確認

前述したように、厚生労働省は先進医療を行うことのできる医療機関の要件を定め、その要件を満たして実際に先進医療をおこなっている医療機関を「先進医療を実施している医療機関の一覧」として公表しています。


したがって先進医療はどこでも受けられる訳ではなく、定められている病院以外で治療を受けた場合には、先進医療特約の保障は適用されない点に注意が必要です。

まとめ:医療保険選びで不安や疑問があればプロに相談しよう!

ここまで先進医療の概要や、先進医療特約の必要性、付加する際の注意点について解説してきました。さらに具体的な保険会社や商品名を比較して検討することで、違いがわかり最適な保険が見つかるはずです。


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