医療保険に複数加入してもいい?メリット・デメリットや選び方を解説

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医療保険には複数加入することができます。保障が手厚くなる、給付金が増えるといったメリットだけでなく、保険料が高くなるといったデメリットも存在します。今回は複数加入の特徴のほか、おすすめできる人や加入パターンの例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

▼この記事を読んでほしい人
  • 医療保険の複数加入を検討している人
  • 医療保険に複数加入するメリットとデメリットを知りたい人
  • 医療保険の複数加入について不安や疑問がある人

医療保険には複数加入できる


病気やケガなど、いざというときのために加入する医療保険。


実は、そんな医療保険には複数加入できることをご存じでしょうか?複数加入していれば、ひとつの保険ではカバーしきれない部分まで保障を受けることができます。反面、保険料が高くなるなどのデメリットもあり、複数加入には向いている人とそうでない人がいます。


そこで今回の記事では、以下の内容を中心に解説します。

  • 複数加入のメリットとデメリット
  • 複数加入に向いているのはどのような人か
  • おすすめの複数加入例
この記事を読んでいただければ、複数加入するべきかどうかの判断ができるようになり、自分に合った複数加入パターンを見つけることもできるようになります。ぜひ最後までご覧ください。

医療保険に複数加入する4つのメリット

医療保険の複数加入には、以下の4つのメリットが存在します。
  • 給付金を複数受け取ることができる
  • 給付金が支払われないリスクを低くできる
  • 複数の保障を組み合わせることができる
  • 保険の解約や見直しがしやすくなる
それぞれくわしく見ていきましょう。

メリット①:給付金を複数受け取ることができる

加入している複数の保険からそれぞれ給付金を受け取ることができるため、受け取る給付金額が高くなります

場合によっては実際にかかった医療費よりも給付金のほうが高くなることも。医療保険は、かかった医療費にかかわらず一定の金額が支払われる仕組みだからです。

入院通院や手術によって生じる経済的負担をより大きく軽減することができるのは、複数加入のメリットといえるでしょう。

また、経済的負担だけでなく心理的な不安も見過ごせない問題です。

実際に、生命保険文化センターによる令和元年度「生活保障に関する調査」では、病気やけがに対する不安の内容として以下のような回答を得ています。
  • 家族に肉体的・精神的負担をかける(52.3%)
  • 長期の入院で医療費がかさむ(51.8%)
半数以上の人が、経済的な負担に対する不安はもちろん、家族に精神的な負担をかけることへの不安も感じているということです。

病気に対する心理的な不安が強い人にとっては、保険の複数加入で「安心を買う」のは大きなメリットだといえます。

メリット②:保障が受けられなくなるリスクを低くできる

保険の複数加入により、以下のような原因で保障が受けられなくなるリスクを低くできます
  • 保険会社の経営が破たんする
  • 保障を受ける条件が満たせない
保険会社の経営が破たんする
保険会社の破たんは、実際に過去何度もありました。

破たんした場合でも生命保険契約者保護機構によって一定の救済措置は受けられます。しかし、給付金や積立金が減ったり、新しい保険に入れなくなったりする可能性があります。

保障を受ける条件が満たせない

保険会社によって保障の条件は異なるため、病気やけがの程度によっては保障が受けられないことがあります。

複数の保険に加入しておくことで、このようなリスクを分散し、いざというときに保障が受けられないリスクを低くすることが可能です。

メリット③:複数の保障を組み合わせることができる

複数の保障を組み合わせることで、自分が必要とする保障をそろえやすくできます。

たとえば、長期入院に対する保障は厚いが三大疾病に対する保障が不安な保険と、三大疾病に対する特約がつけやすい保険を組み合わせるといったパターンです。

保険ごとに保障の範囲や強みが異なるため、自身の年齢や性別、職業、今後の人生設計などに合わせて必要な保障を組み合わせるようにしましょう。

また、組み合わせる保険を選ぶうえで考えておきたいのが遺伝的要因認知症対策です。

遺伝的要因
遺伝的要因とは、遺伝子によって特定の病気にかかりやすくなっていることを指します。

代表的な病気ががんです。家系内で以下のようなことがあれば、遺伝的要因が考えられます。
  • 若いうちにがんになった人がいる
  • 繰り返しがんになった人がいる
  • 家系内で特定のがんが発生している
遺伝的要因がみられる場合は、該当の病気への保障を厚くすることをおすすめします。

認知症対策

日本は先進国のなかでも認知症の発症率が高く、2025年には高齢者の5人に1人が認知症を発症するともいわれています。けっして他人ごとではない病気です。

認知症は介護が必要になることも少なくありません。自宅改修費や、介護のために働き手が減ることを考える必要もあります。保険の複数加入を検討する際には、認知症に対する保障が厚いタイプも選択肢に入れておきましょう。

メリット④:保険の見直しや解約がしやすくなる

複数の保険に加入していれば、保障の過不足がわかりやすいので、見直し解約がしやすくなります。

不要な保険は解約し、保障が必要な部分には特約をつけるなど、こまかい調整がしやすくなるということです。

また、契約する保険会社を複数にした場合には、各会社ごとに担当者がついてくれるので、相談できる人が増えることになります。複数の意見を聞くことにより、自分に合った保険を選びやすくなるのは大きな強みといえるでしょう。

医療保険に複数加入する3つのデメリット


ここまでは、医療保険の複数加入によるメリットをお伝えしてきました。


しかし、いいことばかりではなく、デメリットも存在します。以下の3点です。

  • 加入や給付金請求に時間と手間がかかる
  • 複数の保険で保障が重複することがある
  • 保険料や請求費用が高くなる

メリットとデメリットの両面をおさえたうえで、自分に合う保険を選ぶようにしましょう。

それでは、くわしく解説していきます。

デメリット①:加入や給付金請求に時間と手間がかかる

複数の保険に加入するので、そのぶん加入や給付金請求の手続きに時間と手間がかかります

医療保険に加入する際には、
  • 申込書
  • 意向確認書
  • 告知書
  • 口座振替依頼書・クレジットカード払申込書
といった書類への記入が必要です。とくに告知(健康状態などの申告)審査にかかる時間と手間は見過ごせません。

また、給付金の請求時にも書類への記入が必要になるほか、医師による診断書を複数用意することになります。

保険会社ごとに必要書類の種類や記入形式が異なることもあわせて、手続きにかかる時間と手間については考えておいたほうがよいでしょう。

デメリット②:複数の保険間で保障が重複することがある

入院や手術などに対する基本的な保障部分は複数の保険で重複することも少なくありません。

ひとつの保険で十分な保障が受けられる部分に関しては、菅理の手間や保険料の増加といったデメリットのほうが大きくなります。

保障内容は保険証券で確認することができるので、ある程度は自分自身で重複を減らすことが可能です。保険の複数加入を検討する際は、保障内容の過不足をしっかり確認しておきましょう。

デメリット③:保険料や請求費用が高くなる

複数の保険に加入するぶん、保険料の負担は大きくなります。月々に支払える保険料を確認し、家計を圧迫しない範囲で保険を選ぶことをおすすめします。

また、保障を請求する際には医師の診断書が必要です。医療機関にもよりますが、5,000円程度はかかると考えておいたほうがよいでしょう。保険に複数加入している場合、この診断書も複数必要になるため請求費用が高くなる可能性があります。

費用が払えず診断書が用意できないと、保障は受けられません。保険会社によっては、他社に提出した診断書のコピーでも受理可能なことがあるので、事前に確認しておきましょう。

医療保険の複数加入がおすすめできる人とできない人の特徴

医療保険に複数加入するメリットとデメリットをそれぞれ解説してきました。


それらをふまえて、複数加入がおすすめできるのは、以下のような人です。

  • 保険料が高くなっても対応できる、金銭的に余裕がある人
  • 特定の病気に対する不安が大きく、保障を手厚くしておきたい人
  • 複数の保険の管理を並行できる人
一方で、以下のような人には、あまりおすすめできません。
  • 十分な収入や貯蓄がなく、金銭的に余裕がない人
  • 病気やけがのリスクが少ない年齢で、自身の健康に強い自信がある人
  • 複数の保険の管理ができない人
一般的に、三大疾病などの病気やけがのリスクが高まるのは30代後半からといわれています。

20代で健康に強い自信がある場合はひとつの保険でも十分かもしれませんが、とくに30代後半からはいざというときへの備えを重視した保険選びをおすすめします。その際に、複数加入も視野に入れておきましょう。

【年代・男女別】複数の医療保険に加入する場合のパターン例

複数の医療保険に加入する場合のおすすめパターンを3つご紹介します。

  • 30〜40代の世帯主:医療保険+生命保険
  • 30〜40代の女性:医療保険(最低限の保障)+女性保険
  • 40代後半〜50代:医療保険(終身型)+がん保険

年代による医療保険の選び方の違いについてはほけんROOMのこちらの記事もぜひご覧ください。

30〜40代の世帯主は医療保険と生命保険で保障を手厚く

30代から40代にかけては、大きな病気やけがのリスクが高くなりはじめる年代です。


世帯主であれば、自分自身だけでなく、配偶者や子どもなど家族の生活も守る必要があります。ですから、医療保険の保障を手厚くすると同時に、生命保険にも加入することを検討しましょう。入院や通院だけでなく、死亡によって、残された家族が経済的に困窮することを防ぐためです。


たとえば入院給付金を日額1万円程度など高めに設定しておくことで、世帯主の長期の入院にも対応しやすくなります。


子どもがいる場合は養育費もかかるため、子どもがひとりだちするまでは、とくに保障を手厚くしておきましょう。

30〜40代の女性は最低限の医療保険と女性保険の併用がおすすめ

女性保険とは、その名のとおり女性専用の保険のことです。


乳がんや子宮頸がんなどの女性特有の病気や、妊娠・出産にともなう治療などに対する保障が厚くなっているのが特徴です。


30~40代は、先ほどもお伝えしたとおり、大きな病気やけがのリスクが高まりはじめる年代です。女性特有の病気に関しては、40代後半がもっともかかりやすいものもあります。ですから、この年代のあいだだけでも、一般的な医療保険と女性保険の併用を選択肢に入れておきましょう。


おすすめは、ひとつの医療保険を最低限の保障にしておいて、女性保険で女性特有の病気をカバーする備え方です。そうすることで年齢や健康状態、生活状況に応じて保険の見直しや解約もしやすくなります。

40代後半〜50代は終身型の医療保険と生活習慣病に備えた保険を

この年代では30代後半よりも、大きな病気やけがのリスクがさらに高まります。


三大疾病はもちろん、できれば三大疾病に糖尿病や高血圧性疾患などをくわえた大生活習慣病にも備えておきましょう。これらの病気は入院が長引きやすく、医療費の負担が重くなりがちだからです。


また、いちど大きな病気にかかると、新しく保険に加入する際の審査に通りにくくなります。無保険状態になるリスクが高まるということです。


ですから、この年代で保険に複数加入するのであれば、最低でもひとつは終身型にしておきましょう。それ以外の保険で生活習慣病に備えることで、医療機関の利用が増える年代で無保険になる事態を避けつつ、保障も厚くすることができます。

参考:生命保険や損害保険の複数加入は上限に注意

生命保険損害保険複数加入を検討する際は、もらえる金額に上限がある点に注意しましょう。


生命保険の場合は、保険金目当ての事件を防ぐために保険金の上限が決められています。年齢や年収によっても上限額は異なりますが、それぞれの上限額自体は、複数加入しても変わりません


損害保険の場合は、実際にかかった損害額が上限になることも多いため、医療保険のように複数加入によってもらえる金額が増えるというメリットはありません。保障の重複によるデメリットのほうが大きくなるので、基本的には損害保険の複数加入は避けたほうが無難です。

まとめ:医療保険の複数加入に不安があれば保険のプロに相談!

医療保険の複数加入について解説してきましたが、いかがでしたか?

今回の記事のポイントは以下のとおりです。

  • 医療保険の複数加入することで保障や給付金を増やすことができる
  • 反面、保険料が高くなるといったデメリットも存在する
  • 金銭的な余裕や健康状態への不安などがあれば、複数加入は有用な選択肢となる
自身の収入や貯蓄、健康状態、家族の生活などをあわせて、自分に合った保険を選ぶことが重要です。複数加入という手段を知っておくことで、より適切な選択肢を選べるようになるでしょう。

なお複数加入は、ふたつ以上の保険を選ぶことになるので、基本的には選択の難易度が上がります。自分自身で選ぶことに少しでも不安があれば、保険のプロ・FP(フィナンシャルプランナー)に相談してみましょう。


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