掛け捨て医療保険がもったいないは本当?プロ目線で必要性を徹底研究

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「医療保険は掛け捨てだからもったいない」「貯蓄型保険の方がお金も戻ってくるしおトクな気がする」もったいない派のこんな考え方を徹底検証! 公的な医療保険だけでは不十分だと言い切るプロのそのココロは?! 中高年が知らないと損する保険の常識もじっくり解説します。

▼この記事を読んで欲しい人
  • 民間の医療保険や介護保険はいらないと噂できいたことがある人
  • 医療保険はもったいないと感じている人
  • 貯蓄型医療保険の加入を検討している人

内容をまとめると

  • 民間の医療保険に入ることが結果的に家計を助ける
  • 年代別・家族構成別に医療保険を選ぶコツがある
  • 貯蓄型医療保険はおすすめできない
  • ライフスタイルに合った保険プランを知りたいならプロに相談するのが一番
  • 保険選びに悩んだら顧客満足度93%のマネーキャリアに相談しよう! 

目次を使って気になるところから読みましょう!

掛け捨ての医療保険をもったいないと思っている人の3つの理由

家計管理はタイヘンです。住居費に食費、教育費…ムダな出費は極力減らしたいものです。


医療保険はもったいない。

起こるかどうかわからないアクシデントのためにお金を払い続けるなんて…節約派にとって医療保険の優先順位は低くなりがちです。

  • 治療費は高度療養費制度など公的保障で十分だから
  • 老後の介護費は公的保障で十分だから
  • 掛け捨てで保険料が戻ってこないから

医療保険がもったいない派の主張はこうです。


ひとつずつ深掘りしてみましょう。

理由①:治療費は高額療養費制度や傷病手当金で賄える

「医療保険はもったいない」と言う人が必ず引き合いに出すのが高額療養費制度です。


高額療養費制度というのは、高額な治療費については一定の金額以上支払わなくてよいという公的医療制度のひとつです。


補助金額は収入や年齢により異なりますが、70歳未満で年収が約370~770万円の場合、1ヶ月の負担額は、


80,100円+(総医療費-267,000)×1%

たとえば総医療費が100万程度であっても、9万円弱支払えばよいということになります。


また医療保険もったいない派は、傷病手当金についても指摘します。

傷病手当金とはお勤めの方が療養を理由に休職した場合、給与の3分の2が補助されるという健康保険のしくみです。


このように「公的保障で問題ないから医療保険は不要」というのがもったいない派の主張です。

しかしこれには落とし穴があります。のちほど解説します。

理由②:要介護状態になっても公的介護保険や障害年金がある

もったいない派はさらに公的介護保険障害年金についても言及します。


40歳以上になると公的介護保険への加入が必須です。介護が必要になったときにこの保険を使って介護サービスを受けることができます。


公的介護保険は、被保険者の身体状態がどういった状態なのか介護レベルを判定する「要介護認定」を受ける必要があります。


障害年金は、年金加入期間に病気やケガをして障害が残った場合、そのレベルに応じて支給される年金を指します。


国民年金加入者には「障害基礎年金」、厚生年金加入者には「障害厚生年金」があります。

支給される年金額は、障害の程度や職業、子どもの有無により変わってきます。

理由③:掛け捨ての医療保険はもったいない

もったいない派の思考の核心は「掛け捨てなのがもったいない」というものかもしれません。


医療保険はほとんどの場合掛け捨てです。病気になるかどうかわからない。使うかどうかわからない治療費のために保険料を支払うのは、お金を捨てるようなもの。その分貯蓄した方が無駄がない。


実のところ、払い込む保険料の方が実際に受ける給付金よりも多くなるのが一般的です。


万一のリスクに備えて保険料を払っていくか、突然のケガ・病気の高額出費は割り切りその分貯蓄に回すか。


これは保険における永遠のテーマです。どちらが正解ということでもありません。


自分や家族に想定されるリスクをきちんと整理し、回避の対策(保険か貯蓄か)を十分検討することが重要です。


しかし、生活費に追われる日々の中ではなかなか貯蓄しにくいのもまた現実です。  

掛け捨て医療保険が本当は必要な4つの理由

医療保険がもったいないと言う人は、未来のリスクを軽視しがちです。

「自分だけは大丈夫」と暗示をかけ、起こり得る事態に目を向けようとしません。


果たしてそれでよいでしょうか。


もったいない派にも響く、医療保険が必要なホントの理由を挙げてみましょう。

  • 長期的な治療になると莫大な費用が発生
  • 要介護になると月8万かかる
  • 先進医療はとても高額
  • 小さいお金で大きく備えるのが保険の醍醐味
  • 自営業者は保障がたりない

ではひとつずつ解説していきます。

理由①:治療が数ヶ月以上続くと負担が莫大になる

短期間の治療であれば高額療養費制度でほぼ問題ありません。会社を休んでも傷病手当金でカバーできます。


ただし、医療保険はもったいない派の意見で盲点となるのが、治療が長期化した場合です。


入院治療費をシミュレーションしてみましょう。


◆1ヶ月あたりの入院費用(例)

  • 治療費 --- 約8万円   ※高額療養費制度使用
  • 食事代 --- 約4万円 (1,380円×30日) ※入院時食事療養費
  • 差額ベッド代 --- 9万円(3千円×30日)


◆必要となる入院費用(例)

  •  1ヶ月 --- 21万円 
  •  3ヶ月 --- 63万円 
  •  6ヶ月 --- 126万円 
  • 12か月 --- 252万円

高額療養費制度を利用しても、食事代、差額ベッド代は自費負担となるため、入院が長期になると数十万、ともすれば百万円を超えることになります。


こんな状況になる確率はゼロとは言い切れません。50万〜100万円以上医療費がかかる可能性は低いですが、あり得ない数字ではありません。 


生活保険センターの入院費用についての調査によると、治療費が50万円以上かかった人の割合は11.1%でした。少ないとは言い切れない数字です。


こんなリスクは起きてしまった場合致命的なダメージです。確率は低いが打撃の大きなリスクを軽減するのがまさに民間保険の役割です。


民間の医療保険は、給付金の支払い限度日数が120日程度であることを考えると、

  • 数ヶ月にわたる治療は民間医療保険で対策
  • 数年にわたる療養は就業不能保険などで対策

このように保険の特性をふまえ保障プランを立てることが賢明です。

理由②:要介護状態では公的保障を利用しても月8万円かかる

公的介護保険は要介護状態になった場合、およそ15万円程度が支給されます。


しかし、日常生活での移動費や住宅改修費の一部については自己負担となり、月平均では8.3万円かかるというデータもあります(生活保険文化センター 介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?)。


働けないときの給与保障として傷病手当金がありますが、支給期間の上限が1年半であり療養がそれ以上長引く場合、手当金も途絶え介護費用の月々8万円という金額が重くのしかかります。


特に独身者の場合、金銭的な援助や介護をしてくれる人は多くありません。親しい友人がいるからといって、血縁のない他人に介護を頼むのはなかなか容易ではありません。


要介護状態になった時のことを考えるなら、民間の介護保険就業不能保険への加入を検討しましょう。


要介護状態は遠い未来のようで、年齢に関係なく誰にでも訪れるリスクです。脳血管疾患など現役世代がいきなり病に倒れて要介護になるケースは数多くあります。

理由③:先進医療は数百万円以上かかる場合がある

医療保険がもったいないと言う人は、医療保険による恩恵について触れてはくれません。


そのひとつが先進医療特約です。先進医療というのは厚生労働省が定める高度な治療技術のことです。先進医療は自費負担となるため大変高額となります。数百万円以上かかる可能性もあります。


しかし医療保険で特約をつけていると先進医療も保障対象となります。


先進医療特約は月々わずか数百円の保険料で、これで通算2千万円もの先進医療を受けることができます


もし先進医療でしか治らない病気になったら、お金を理由に命を捨てることになります。もったいないという損得だけで医療保険を語るのはとても危険です。


医療は日ごと進歩しています。今日は存在しない治療技術も、近い未来に先進医療としてあなたやあなたの家族の命を救うかもしれません。

理由④:保険は「確率は低いが損害が大きい事柄」に利用すべき

もったいない派の視点で言うと、医療保険は資産運用の面で割の合わない商品です。


しかし、ここで保険というものの本質に立ち返ってみると、「保険」とは確率は低いがいざ起きたら致命的な損害にいたる事柄に対して利用するものです。


また保険には元来相互扶助の精神があり、加入者同士が互いに助け合うのがもともとの考え方です。保険に加入するのは自分のためであると同時に、見知らぬ誰かのためにもなっているのです。


掛け捨ての保険料がもったいないからと貯蓄型保険に入り、元を取ろうとする方がいるかもしれませんが、保険内容や費用効果について注意深く検討する必要があります。


それよりも掛け捨ての医療保険を使い、「長期治療」「先進医療」など損害が極めて大きい事柄に対し集中的にリスクマネジメントを行うべきでしょう。


もったいないという一面だけで語るのは早計です。医療保険を致命的なリスクから自分や家族を守る手段として見ると、決して無駄な出費ではありません。

理由⑤:自営業者や専業主婦(主夫)の場合は逸失収入が大きい

病気になると休職を余儀なくされ収入減になりますが、自営業の方は特にリスクが高くなります。


会社員や公務員が加入する健康保険では、傷病手当金という制度があり、仕事を休んでも給与の3分の2が補填されます。


しかし自営業者が加入する国民健康保険に傷病手当金はありません

傷病手当金の恩恵を受けられない自営業者は病気などにより収入が減っても何も保障がありません。


また専業主婦(主夫)の場合、もともと収入ゼロなので問題ないかと言えば「No」です。専業主婦(主夫)が背負っている作業は家事、育児、介護などは決して少なくありません。これを外部サービスに依頼すると、公的保険ではまかなえない多額の費用負担になります

医療保険が不要な2つのケース


ここまで医療保険が必要な本当の理由を挙げてきました。


公的医療保険には限界があり、長期的な入院や先進医療などの高額な治療費を十分補うのはむずかしい、また自営業の人や主婦(主夫)の方は公的医療制度では保障が手薄になることもわかりました。


しかし、中には医療保険が不要な場合もあります。

  • 医療費に使える数百万円以上の余剰資金がある場合
  • 持病や既往歴のため通常の医療保険に加入できない

ではひとつずつ見ていきましょう。

ケース①:医療費のために数百万円以上の貯蓄を用意している人

潤沢な貯蓄が用意できている人には、医療保険は不要です。


治療費が莫大になるケースは

  • 数か月以上の長期入院
  • 先進医療など公的保険が適用されない高額の治療費

このような場合数百万、治療の種類によっては1千万円を超えることもあります。


未知のアクシデントに対して医療保険でカバーするのは、リスク対策として有効な方法ではありますが、逆に言うとそれに耐えうる十分な貯蓄があれば、医療保険は必須というわけではありません。


医療保険は限られた保険料で大きな保障を得るための手段です。貯蓄が不十分な人のための方法であり、貯金から数百万といった医療費をポンと出せる人には医療保険はいらないのです。


しかし実際に貯蓄ですべてをカバーできる人というのは、一部の裕福な階層に限られるかもしれません。

ケース②:既往歴があるから通常の医療保険に加入できない

医療保険が不要、というよりも医療保険に加入できない場合があります。

代表的な例が持病ありの場合です。


持病があると、将来的に通院・入院や手術の可能性が高く、保険会社は引き受けを断ることがあります。


審査基準に引っかかったとしても、「引受緩和型」や「無選択型」など加入できる商品があるにはありますが、保険料割増という条件がついて保険料が高額になったり、保障内容に制限があったりするのも事実です。


持病がある人ほど不安が募り、保険料が高くても加入してみたいと思うかもしれませんが、普通に貯金をした方がよいケースも多いです。


高額な保険料が家計を圧迫しないか、保障内容と保険料のバランスは妥当かなどしっかり吟味する必要があります。

年代別・家族構成別の医療保険の選び方

医療保険の必要性はわかりましたが、医療保険はどのように選んだらよいでしょうか。


既婚、独身、子どものあるなし。両親と同居が別居か。家族形態は本当にさまざまです。


なので今回は医療保険の選び方を年代別・家族構成別にまとめてみました。

  • 若い世代は定期医療保険
  • 中高年(独身)は終身医療保険と就業不能保険
  • 中高年(妻子あり)は終身医療保険と生命保険

定期型、終身型の違いにも触れています。医療保険の加入を考えている方はぜひお読みください。

20代〜30代:定期医療保険がおすすめ

医療保険は保険期間により定期型終身型に分かれます。

  • 定期型:65歳、70歳までなど保険期間に限りがある
  • 終身型:一生通じて保険期間となる


20代〜30代の若い世代は定期型がよいでしょう。若い人に定期型が合う理由は、

  • 定期型の保険料は終身型に比べて割安
  • 若いときに終身型に入ってしまうと途中で保障内容が変わってしまう

という2点があげられます。


若いうちは収入もあまり高くないため、保険に充てる金額にも限界があります。定期型であれば終身型より保険料を抑えることができます

また年齢が若いほど保険料は安くなるため、早期の加入は経済的にもメリットです。


保障内容が古くなるのを避けたい場合も定期型が適しています。終身型は加入時の保証内容が一生引き継がれることになるため、若者世代にはおすすめできません。

30代後半〜50代(独身):終身医療保険と就業不能保険がおすすめ

30代後半から50代というのは、若い頃よりも医療保険に関心が出てくる世代です。


特に独身の場合、経済的にも精神的にも医療保険の必要性がリアルに迫る方が多いかもしれません。


中高年である程度収入や貯金が安定してきた人は終身型に加入すべきです。


もし高齢の人が定期型に加入していた場合、要注意です。定期型は文字通り保険期間が限定され65~70歳頃までしか保障がありません


さらに高齢者は罹患率が上がるので、新規加入するにも70~80歳頃までと年齢制限のある医療保険がほとんどです。


高齢者が定期医療保険に入りっぱなしなのは危険です。すぐに保険の見直しをしましょう。


中高年の方は、今一度加入している医療保険を確認してください。定期か終身か把握していない方も意外に多いようです。


また1人暮らしの場合、要介護になったり病気で休職した場合のリスク回避を十分考える必要があります。民間の介護保険就業不能保険もあわせて検討するとよいでしょう。


要介護リスクが高まる80代になる前に、独身者は十分な対策をとる必要があります。

30代後半〜50代(妻子もち):終身医療保険と生命保険がおすすめ

では、30代後半から50代の配偶者やお子さんのいる家庭の場合はどうでしょうか。


  • 収入にある程度余裕のある中高年は終身型
  • 定期型に加入している場合、終身型への切り替えを検討

この2点については家族の有無に関わらず、同じ考え方です。

中高年は老後に備えて終身型に加入しておくのが原則です。


扶養対象の妻子がいる場合、自分にもしものことがあった場合の対策、つまり生命(死亡)保険が必要になるでしょう。


妻子がいる場合、自分を介護してくれる人が身近にいるケースが多いため、介護保険や就業不能保険よりも、生命保険の方が重要になってきます。


とはいえ子どもの人数や同居別居などご家庭により状況は異なってきますので、各家庭ごとに効果的な保険プランを考える必要があります。

【注意】貯蓄型の医療保険には加入はおすすめできない!

医療保険がもったいないと思う人の中には、貯蓄型の保険に魅力を感じる人が多いです。掛け捨てではなく解約返戻金があるからです。


貯蓄型の医療保険は、本当にいいとこどりのおトクな保険なのでしょうか。


【1】解約返戻金をもらう=保障の放棄

貯蓄型医療保険で解約返戻金をもらうには解約しないといけません。

解約すれば、医療保険の最大のメリットである医療保障を手ばなすことになります。


高齢者は病気にかかりやすくなります。特にがんの発症率は高く治療費も高くなりがちです。中高年以降に医療保障を放棄するのは非常に危惧される点です。


【2】お金が欲しいときにもらえない

返戻金がもっとももらえるピークの時期は、70歳〜80歳などと契約時に設定されます。

また還付金やお祝い金をもらえるのは数年に一度と時期が固定されています。


給付金をもらえる時期が決まっている場合、心理的にも経済合理的にも中途半端な時期にやめづらくなります。本当にお金が欲しいときに、給付金がもらえないという不自由さがあります。


もったいない派にはおトクな保険に見えるかもしれませんが、よくよく見ていくとあまりおすすめできないのが貯蓄型の医療保険なのです。

まとめ:医療保険選びで不安や疑問があればプロに相談しよう!

医療保険はもったいないと言う人の意見を検証しましたが、結果的に医療保険は家計を助ける頼もしいツールだということがわかりました。

  • 治療の長期化、介護などに備える意味でも医療保険は有用
  • 介護費用の面からも医療保険は役に立つ

独身、夫婦二人暮らし、子育て真っ最中…家族形態はさまざまです。


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