医療保険の手術給付金はいくらもらえる?仕組みや倍率の選び方を解説

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医療保険の手術給付金は基本保障に含まれるため、加入や見直しの際に知っておくべきポイントが少なくありません。今回は手術給付金の特徴と給付対象になる手術、選ぶ際に注意したいこと、そして手術給付金はいくら必要なのかを中心に解説します。




▼この記事を読んで欲しい人 

  • 手術給付金がいくら必要なのか知りたい人
  • 手術給付金を選ぶポイントを知りたい人
  • 手術給付金の加入や見直しを検討している人

▼この記事を読んでわかること

  • 手術給付金の必要金額
  • 手術給付金の対象になる手術
  • 手術給付金を選ぶ際のポイント

内容をまとめると

  • 手術給付金は病気やけがの治療を目的にした手術が対象になる
  • 給付金額は手術内容で変わるタイプと一律で決まっているタイプがある
  • 手術給付金を選ぶときは給付倍率・給付条件・特約に注意する
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医療保険の手術給付金とは


医療保険の基本保障のひとつである手術給付金は、病気やけがによる手術を受けたときに給付金を受け取れる制度です。


基本保障として多くの保険商品に含まれているため、給付金額や給付倍率、対象となる手術の種類など、保険の加入や見直しを検討する際に知っておくべきポイントが多い給付金といえるでしょう。


適切な契約をしていないせいで、手術の際に給付金額が足りなくなったり、不必要な保険料を払い続けたりしてしまうことも。


そこで今回は、以下の内容を中心に解説します。

  • 手術給付金の対象になる手術とならない手術
  • 手術給付金はいくらもらえるのか
  • 手術給付金はいくら必要なのか
  • 手術給付金で注意すべきポイント

この記事を読んでいただければ、見直しを検討する際に注意する内容がわかり、自身に必要な給付金額の手術給付金を選べるようになります。


ぜひ最後までご覧ください。

手術給付金の給付対象になる手術とならない手術

手術給付金は、病気やけがの治療を目的とした手術に対して給付金が支払われる、医療保険の基本保障です。


ただし、どのような手術に対しても支払われるわけではありません


まずは給付対象になる手術とならない手術の条件を見ていきましょう。

手術給付金の給付対象になる手術は2パターンある

手術給付金の対象になる手術は、加入する保険によって大きく以下の2パターンに分類されます。

  • 公的医療保険に連動する約1,000種類の手術
  • 保険会社が指定する88種類の手術

公的医療保険に連動する約1,000種類の手術

公的医療保険が適用される手術に連動するパターンで、現在は多くの保険商品がこの方式です。

公的医療保険に連動しているため、過去には給付の対象外だった手術が給付対象になることもあります。医療の進歩に対応できるので、基本的にはこちらの方式がおすすめです

保険会社が指定する88種類の手術

保険会社が指定する88種類の手術が対象になるパターンです。

こまかい手術名ではなく大きな分類のため、実際には約600種類の手術が対象になります。

手術給付金の給付対象にならない手術とその条件

手術給付金の給付対象にならないのは、おもに以下の2パターンです。

  • 保険に加入する前の病気やけがが原因の手術
  • 病気やけがの治療が目的ではない手術

保険に加入する前の病気やけがが原因の手術

保険に加入する前の病気やけがが原因の手術は、給付の対象外となります。保険に加入する時点で受けることが決まっている手術も同様です。

なお、手術給付金に限らず、ほとんどの医療保険の給付金は、加入前の病気やけがを給付の対象外としています。

対象外になるからといって保険加入の際に事実と異なる告知をした場合は、告知義務違反となるので注意しましょう。悪質な場合は告訴されることもあります。

病気やけがの治療が目的ではない手術

美容整形、レーシック、正常分娩などの手術が代表的です。

給付金の給付対象となるのは、原則として病気やけがの直接の治療を目的としたものに限るということは意識しておきましょう。

なお、給付対象になる手術・ならない手術は保険会社や保険商品によっても異なるので、契約内容を確認しておくことをおすすめします。

手術給付金がいくらもらえるかは一律式か倍率式かによって変わる


医療保険の手術給付金がいくらもらえるかは、一律倍率かによって変わります。

  • 一律式:手術1回に対しての給付金額が一律で決まっているタイプ
  • 倍率式:手術の種類に応じて給付金額が変わるタイプ 

それぞれくわしく見ていきましょう。

一律式:手術1回に対しての給付金額が決まっているタイプ

一律式では、手術内容にかかわらず、手術1回に対する給付金額が決まっています。


手術1回につき〇円もしくは入院給付金日額の〇倍といったように、固定の金額もしくは固定の倍率による手術給付金が支払われるタイプです。


例えばとある保険会社では、商品ごとに以下のような固定の倍率を定めています。


入院手術の場合外来手術の場合
保険商品A入院給付金日額の20倍入院給付金日額の5倍
保険商品B入院給付金日額の10倍 入院給付金日額の5倍

保険商品Aで入院給付金日額を10,000円に設定していて、入院中に手術を受けた場合は、入院給付金日額の20倍の20万円が手術給付金です。


なお、多くの保険会社では、このように入院手術と外来手術で異なる金額もしくは倍率を設定しています。


そもそも外来手術が給付対象になるかも含めて、契約内容を確認しておきましょう。

倍率式:手術の種類によって給付金額が変わるタイプ

倍率式は、手術の種類によって支払われる給付金額が変わるタイプです。


入院給付金の日額がベースとなり、手術の種類によって異なる倍率がかけられます


以下は、とある保険商品の、手術ごとの倍率の違いを表したものです。

種類入院中の手術
開頭脳手術40倍
開胸心臓手術40倍
開胸心臓手術以外の開胸術 20倍
開腹術20倍
がん組織摘出(開胸、開頭、開腹)40倍
がん組織摘出(上記以外)20倍
感覚器に関する手術5倍
上記以外の入院中の手術10倍
入院中以外の外来手術5倍
骨髄移植10倍

基本的には大きな手術になるほど倍率が高くなるので、高額な手術費用に対応しやすくなるというメリットがあります。

医療保険の手術給付金で注意すべき5つのポイント


ここまでは医療保険の手術給付金の特徴と種類についてお伝えしてきました。


ここからは、どの種類が自分に合っているのかを判断するうえで注意すべき5つのポイントについてお伝えします。

  • 給付倍率が高くなるほど保険料も高くなる
  • 手術内容や手術期間による給付条件がある
  • 先進医療特約をつける場合は直接払いを選ぶ
  • がんを含めた三大疫病には特約で備える
  • 乳がんや出産などの女性特有の手術にも特約で備える

①給付倍率が高くなるほど保険料も高くなる

一般的に、給付倍率が高くなるほど保険料も高くなります。


手術給付金を選ぶ際は、受ける保障と月々に支払う保険料のバランスを考えて倍率を決めるようにしましょう。


収入が不安定な人や、自身で特定の病気やけがに対する特約などを付加して対応できる人であれば、低倍率の保険を選んで保険料をおさえるのも選択肢のひとつです。

②短期間の複数回の手術は給付対象外になることがある

手術給付金は、基本的には給付回数に制限はありません。


ただし一定の給付条件があり、場合によっては給付対象の手術を受けても給付金が支払われないことがあります


以下の2点には特に注意が必要です。

  • 1日に複数の手術を受けた場合
  • 手術を受けてから60日以内に手術を受けた場合

1日に複数の手術を受けた場合

1日に複数の手術を受けた場合は、手術1回分のみの給付になることがあります。


保険会社にもよりますが、一般的には、給付金がもっとも高い手術のみが給付対象です。


手術を受けてから60日以内に手術を受けた場合

手術を受けてから60日以内に受ける手術は、給付対象外になることがあります。


なお、60日以内であっても種類が違う手術であれば給付対象になることもあるので、保険内容を確認しておきましょう。

③先進医療特約をつける場合は直接払いを選ぶ

先進医療による手術は、手術給付金の対象外になる場合があります。


しかし先進医療特約をつけておくことで、先進医療での手術に対しても通算2,000万円程度までは給付金が支払われます


先進医療特約の保険料は月に数百円程度と比較的割安ですから、高額な先進医療費の負担に備えて特約の付加を検討しておきましょう。


なお、先進医療特約の給付金には以下の2パターンの受け取り方法があります。

  • 立替払い:医療費をいったん自身で医療機関に支払い、後日還付を受ける
  • 直接払い:保険会社から医療機関に直接医療費が支払われる

先進医療費は1件で200〜300万円程度かかることもあります。一時的とはいえ自身で支払うのは負担が大きいので、先進医療特約をつける際は直接払いかどうかを確認するようにしましょう。

④がんを含めた三大疫病には特約で備える

三大疾病とは、日本人の死因の上位を占めるがん・心疾患・脳血管疾患のことです。


三大疾病は医療費が高額になりやすいので、以下のような特約で備えることをおすすめします。

  • 手術給付金が上乗せされる特約
  • 診断されたときに給付金が受け取れる特約

手術給付金が上乗せされる特約

特定の病気に対して手術給付金が上乗せされる特約です。


たとえばとある保険商品では、がんの手術に対して以下のように金額が上乗せされた給付金が支払われます。

通常の手術給付金がんの手術給付金
入院20万円50万円
外来5万円12万円

保険を選ぶ際に、基本的な倍率は低くして保険料をおさえておいて、特定の病気に対してはこうした特約で備えるのも選択肢のひとつです。


診断されたときに給付金が受け取れる特約

三大疾病に対しての備えは、手術だけでなく通院リハビリについても必要となります。


それをふまえると、手術給付金だけでは給付金が不足する可能性があるので、特定の病気と診断されたときに診断給付金が受け取れる特約の付加も検討しておきましょう。


特に近年は、入院せずに通院のみの治療を長期間行うケースも増加しています。入院を伴わない通院は、一般的な通院特約では保障の対象外となるので、診断給付金の必要性はけっして低くありません。


なお、保険によっては診断されてから60~90日ほど経過しないと診断給付金が支払われないこともあるので注意が必要です。


特定の病気の発症リスクが高い人がいる

三大疾病や、三大疾病に糖尿病などを含めた七大生活習慣病には、発症リスクが高い人がいます。以下のような人です。

  • 30代後半以降の人
  • 遺伝的要素のある人

一般的に、三大疾病などの生活習慣病は30代後半から発症リスクが高まります。


遺伝的要素のある人とは、親族間で特定の病気を発症した人がいたり、親族間で特定の病気の発症率が高かったりする人のことです。


このような発症リスクが高い人たちにとっては、特約で保障を厚くする重要性は比較的高いといえるでしょう。


また、三大疾病がきっかけで認知症を発症し、働けなくなってしまうことも少なくありません。介護保険就業不能保険もあわせて検討しておきましょう。

⑤乳がんや出産などの女性特有の手術にも特約で備える

女性特有の手術は、以下の2種類が代表的です。

  • 乳がんや子宮筋腫などの、女性特有の病気に対する手術
  • 妊娠出産および妊娠出産に関連する病気に対する手術

このような手術に対しても、三大疾病のように、特定の病気に対して手術給付金が上乗せされる特約が利用できます。


女性保険や女性特約も有用な選択肢のひとつです。名前のとおり女性限定で加入・付加できるもので、女性特有の病気やけがに対する保障が厚くなっています。


乳がんは30代から50代にかけて急激に罹患率が高まる

女性特有の病気で代表的なのが乳がんです。


乳がんは30代から50代にかけて、急激に罹患率が高まります。この年代の間だけでも、特約の付加を検討しましょう。


なお、それ以降の年代の罹患率もけっして低くはないので、継続してなんらかの保険で備えておきたい病気です。

(参照:
乳房[国立がん研究センター がん統計] - がん情報サービス


出産に対する手厚い手術給付金の必要性は比較的低い

出産に関しては、公的保障の出産一時金で子どもひとりにつき42万円が支給されるため、手厚い手術給付金の必要性は比較的低いといえます。


ただし、帝王切開切迫早産などによって手術費用が高くなることはあるので注意が必要です。また、産後の状態によっては、入院が長引いて入院費用が高くなることがあります。入院給付金の日額を高くすることも検討しておきましょう。


いずれにせよ、妊娠や出産をしてから保険に加入することは難しいため、妊娠や出産を考える段階で保険の加入や見直しをしておくことが重要です。

医療保険の手術給付金は10万円程度が目安

手術給付金の特徴や種類、注意点について解説してきました。


それでは実際のところ、手術給付金はいくら必要なのでしょうか?


結論からお伝えすると手術給付金は10万円程度が目安です。


公的保障の高額療養費制度を利用すれば、一般的な年収(年収約370〜770万円)の人であれば、1ヵ月の医療費は8万円程度が上限になります。ですから、1回の手術につき5〜10万円程度が、必要な手術給付金の目安です。


手術給付金を必要以上に手厚くすることは、過度な保険料負担につながります。適切な金額や倍率の手術給付金を選んだうえで、入院給付金や特約などで必要な保障を確保することをおすすめします。

医療保険の手術給付金の請求方法

手術給付金を実際に請求する際の必要書類や手続き方法についても確認しておきましょう。


必要書類は以下のとおりです。

  • 給付金請求書
  • 病気やけがの診断書
  • 手術費用がわかる領収書
  • 事故状況報告書(けがの場合)
  • 交通事故証明書(交通事故の場合)
これらの必要書類を、保険会社や医療機関などから取りよせて記入したのち、郵送もしくはWebでアップロードすることで手続きは完了です。

なお、必要な書類や申請方法は各保険会社によって異なります。手術給付金を請求する際は、まずは電話もしくはWebで保険会社の担当者に連絡しましょう。

参考:医療保険の手術給付金は原則非課税

手術給付金や入院給付金などの医療保険の給付金は原則非課税です。


法律により、病気やけがによる給付金は非課税とすることが定められています。非課税のため、基本的には確定申告も不要です。


ただし、医療費控除を受ける際には、かかった医療費と受けた給付金の申請が必要になるので注意しましょう。また、給付金の受取人によっては税金がかかる場合があります。


医療費控除や受取人については、ほけんROOMのこちらの記事もぜひご覧ください。

まとめ:手術給付金の選び方に不安があるなら保険のプロに相談

医療保険の手術給付金ついて解説してきましたが、いかがでしたか?


今回の記事のポイントは以下のとおりです。

  • 手術給付金は病気やけがの治療を目的にした手術が対象になる
  • 保険加入日以前の病気やけがによる手術は対象にならない
  • 給付金額は手術内容で変わるタイプと一律で決まっているタイプがある
  • 手術給付金を選ぶときは給付倍率・給付条件・特約に注意する
手術給付金は基本保障に含まれることが多いため、保険を選ぶ際には必ずといっていいほど手術給付金の内容を確認することになります。

必要な保障と支払う保険料のバランスを考えて選ぶようにしましょう。

もし自身で保険を選ぶことに不安や疑問がある場合は、保険のプロ・FP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。

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