子供の扁桃腺手術、知っておくべき知識と保険で備えるべき費用

喉の奥にある扁桃腺がウイルスや細菌などで炎症を起こす病気を扁桃炎と言います。子供の頃が一番なりやすく、慢性的になると扁桃腺手術を行うことも珍しくありません。この記事では子供の扁桃腺手術に対して公的医療保険で保障される範囲と保険で備えるべき費用を解説します。

子供が扁桃腺手術をする場合、保険でどの範囲まで保障される?

あなたは、子供が咽頭扁桃(いんとうへんとう、アデノイドとも呼ばれます)と口蓋扁桃(こうがいへんとう)の扁桃腺手術をする場合、保険適応できるのかどうか悩んでいることでしょう。


特に子供の手術なので、金額だけではなく麻酔や食事に関しても不安を感じていらっしゃると思います。


他にも勉強があるので、術後から退院までどれくらいの日数がかかるのかもざっと知りたいことでしょう。


実は、子供の扁桃腺手術の場合、特に手術給付金がおりる保険とおりない保険がありますので、注意が必要です。


しかし、子供の回復力は高いので、それほど時間はかかりません。


そこで、この記事では、

  • 子供の扁桃腺手術の費用や保険について
  • 子供の扁桃腺手術について
  • 子供の扁桃腺手術の手術給付金について

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、子供の扁桃腺手術をする場合に役立つかと思います。


是非最後までご覧ください。


費用は10~16万円ぐらいが一般的

実は、扁桃腺手術費用は10~16万円程度かかります。

しかし、かかった医療費のうち、高額療養費の払い戻し制度を利用すれば一定金額以上の費用部分を地方自治体もしくは健康保険協会、組合から払い戻ししてもらえる場合があります。



この高額療養費制度は、その世帯ごとの収入によって一月ごとの上限が決められています。

世帯年収ひと月ごとの上限4月目~
年収約1,160万円以上252,600円+(医療費-842,000)×1% 140,100円
年収約770~約1,160万円 167,400円+(医療費-558,000)×1% 93,000円
年収約370~約770万円 80,100円+(医療費-267,000)×1% 44,400円
~年収約370万円 57,600円 44,400円

一般的な世帯の場合、『80,100円+(医療費-267,000)×1%』という計算式が適用されるので、約90,000円前後の医療費負担で収まり、差額が健康保険の管理をしている組合もしくは地方自治体から払い戻しされます。


また、子供の医療費に対して『乳幼児医療費助成』を施行している地方自治体もあり、自己負担がより緩和されている場合もあるので、自治体に問い合わせてみましょう。

公的医療保険で入院費用の全てをまかなえない場合も

手術費用はすべてが公的医療保険でまかなえるわけではありません。


あくまでも医療を施すために掛かる治療費を補助するのが公的医療保険なので対象外となる部分の費用も発生します。


対象外となる費用

  • 入院中の食事代:全国一律で1食360円
    (住民税非課税世帯は1食210円)
  • 差額ベッド代:1~4人部屋に入室した時に掛かるベッド代。
    2000~8000円前後/1日
  • 付き添い用ベッドレンタル:
    500~1000円前後/1日
  • 親の交通費  etc...

特に子供さんが小さいほど個室選ぶことが多いため、入院日数が長くなればより費用がかさみます。

咽頭扁桃と口蓋扁桃の手術は、子供の耳鼻咽喉科でよく行われる

咽頭扁桃(アデノイド)と口蓋扁桃の扁桃腺手術は、子供の耳鼻咽喉科にて普通に行われる手術です。

元々、扁桃腺は免疫力がまだ低い子供の体を守るために存在しております。


子供さんの口から色々な細菌やウイルスが体の中に入るのを防ぐので、扁桃腺で止められた細菌が炎症を起こさせ扁桃炎となります。


この扁桃炎が慢性化してしまうと、高熱を出しては収まりを繰り返すようになってしまったり、扁桃腺が肥大してしまいます。


そうなると、呼吸や食事が困難になるなど日常に弊害が起きるため、予防として扁桃腺を取る手術を行うのです。

扁桃腺手術は3~5歳頃に行う方が良い場合も

子供の扁桃腺手術は、全身麻酔をかけて手術が行われます。


そのため、手術中に子供さんが痛みや恐怖を感じることはありません。


しかし、手術前後の食事・水分の制限や行動制限があるので、ある程度大人の言うことが理解できるようになる3~5歳頃に行うのが良いと思われます。


また手術後、麻酔の影響もあり、泣いたり騒いだりと感情のコントロールが出来なくなる場合があります。


その場合、傷口から出血があったとしても、子供さんが知らず飲み込んでしまい、気づいた時にはかなりの出血量となってしまう、などという状況もありますので注意が必要です。

扁桃腺は4~8歳の幼小児期に大きさも最大になる

扁桃腺、特に咽頭扁桃は4~8歳頃にピークの大きさになります。


子供の頃に特別な症状がなければ、扁桃腺肥大になっていても様子をみます。


その後、18歳くらいの年齢に掛けて徐々に縮小していき、それに伴って免疫機能も向上していきます。


中には小さくならず、大人になっても扁桃腺が大きいままの人もいますので、その場合は扁桃腺手術で取ることを推奨されます。

扁桃腺手術後は1~2日点滴が必要で、術後4~7日で退院できる

扁桃腺手術後は、感染症を防ぐため抗生物質などの点滴を1~2日行いながら、止血薬が入ったうがい薬での口内洗浄が治療として行われます。


また、扁桃腺手術日翌日から3分粥などの柔らかい食事を取り始め、3~4日を目安に普通の食事に戻していきます。


ただし、扁桃腺手術後は食事をとる際などの痛みはどうしてもあります。


痛み止めなどで完全に痛みを取り除くことはできないため、子供さんには我慢をしてもらい徐々に食事をとっていかなければなりません。


その後、普通の食事ができるようになると4~7日程度で退院が可能です。


子供の場合、治癒力が高いため、大人の扁桃腺手術より早く退院する場合がほとんどです。


退院後も傷跡は徐々にほっぺの細胞へと治癒していくため、刺激がある(辛い、酸っぱい)味付けや、揚げ物などの表面がカリカリしているもの、ポッキーなどの先端がとがっているもの等はしばらく避けることが必要です。

参考:扁桃腺手術の場合、手術給付金は給付されない保険が多い


一般的な民間の医療保険に加入している場合、入院給付金はすべての保険で適用されますが、手術給付金に関しては注意が必要です。

医療保険によっては手術給付金対象の手術が『88種目』と限定されているものがあります。


これは、公的医療保険保障が対象となる手術約1000種程度の中で、一般的に手術適用が多い88種目を抽出して手術給付金の対象としている医療保険です。


6~7年前に加入した医療保険に多く、保険会社によっては現在も医療保険の対象は88種目としているところもあります。


注意すべきは、この88種目の中に扁桃腺手術は対象”外”となっているということです。


そのため、医療保険が少し古いものに入っている場合や、88種目を対象としている保険会社の保険に加入している人は、扁桃腺手術の手術給付金は給付されませんので手術前に見直しをすることをお勧めします。

子供の扁桃腺手術と保険の関係まとめ

子供の扁桃腺手術をする場合について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • 子供の扁桃腺手術の費用は高額療養費の払い戻し制度で一部返金される
  • 子供の扁桃腺手術はよく行われ、術後4~7日で退院できる
  • 子供の扁桃腺手術は、手術給付金の対象になっていない保険もある

です。


子供の扁桃腺手術費用は10~16万円程度ですが、一般的な世帯の場合、高額療養費の払い戻し制度で90,000円ほど返ってきます。


しかし、食費やベッド代、付き添い費用や交通費は出ませんので、注意が必要です。


また、子供の場合退院は比較的早く、術後4~7日で退院できますが、全身麻酔のリスクも知っておくべきでしょう。


そして、入院給付金は全ての保険で適用されますが、手術給付金に関しては、扁桃腺手術が対象外となっている保険もあります。
この機会に保険を見直しておきましょう。


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