芸能人は個人事務所を設立して法人化で税金対策をするべき!

この記事では、芸能人が法人個人事務所を設立するメリットについて解説しています。法人の立場を利用した具体的な対策の方法や事務所設立のタイミング、設立時に注意するポイントなどを分かりやすく説明しました。事務所からの独立を考えている芸能人の方は、ぜひご覧ください。



▼この記事を読んで欲しい人
  • 現在芸能事務所に所属しているアイドルや芸能人の方
  • 将来個人事務所を設立したい芸能人の方
  • 芸能事務所に現在所属している方で、税金の高さに悩まされている方
  • YouTuberなどの新興ジャンルでヒットを目指している芸能人の方

▼この記事を読んでわかること
  • 芸能人が個人事務所を設立すると得られるメリット
  • 事務所を設立すると税金対策できる金額と具体的な対策法
  • 個人事務所を設立するのに適したタイミング
  • 事務所を設立の際に必要な知識や手続き
法人のお金やリスクに関する悩みならまずはマネーキャリアで相談してみてください!

内容をまとめると

  • モデルやアイドルなどの芸能人は個人事業主に含まれる職業
  • 芸能人が個人事務所を設立するのは税金対策のため
  • 法人で個人事務所を設立すると家賃や高級品の購入費を経費化できる
  • 法人税は所得税と比較すると最大でも約半分の23.2%の支払いで済む
  • 個人事務所を設立すると肩書は「代表取締役」となり社会的信用を得やすくなる
  • 年収600万円を超え、円滑な人間関係が築けたときが独立に最適なタイミング
  • 個人事務所を設立するには税務関連の専門知識と多数の手続きが必要
  • 法人設立や対策に関しての相談は法人資金問題のプロがいるマネーキャリアに相談を!

【前提知識】芸能事務所と芸能人の雇用関係 |モデルやアイドルは個人事業主!



芸能人は個人事業主に該当する職業であり、その報酬は常に安定しているわけではありません。


芸能プロダクションに所属していても毎月サラリーマンのように同じ金額の給料をもらえるわけではなく、報酬は成果に応じて得られる事業所得として支払われています。


芸能プロダクションにとって芸能人は外注先でもあるため、仕事を受注した芸能プロダクションは芸能人に仲介手数料を請求するのが一般的です。


芸能人は基本的に売れるまでの下積み時代はギャラが低い上にそこから仲介手数料を取られてしまうため、非常に大きな金銭的苦難を強いられることになります。


ある程度売れてからギャラが上がり給与について苦心することは少なくなりますが、実質的な金銭的苦難とは別の問題に直面することになります。


それが個人事業主であるからゆえの、高額な所得税などの税金問題なのです。

支配芸能法人とは?

芸能人一人だけが所属する法人事務所のことを「支配芸能法人」と呼びます。


支配芸能法人は表向きはマネジメントのための会社や個人芸能事務所となっていますが、実際にその会社が行っているのは芸能人本人のスケジュール管理程度になっています。


所属する社員はおらず会社の役員も芸能人本人のみか、親族で構成されることがほとんどです。


芸能人が支配芸能事務所を設立する目的の多くは、税金対策のためです。


会社を設立して法人となり、法人のみに適用される経費や法人税の恩恵を得ることによって対策を行います。


これは多くの芸能人が行っている、合法的かつ効果絶大な対策方法なのです。

芸能人が個人事務所を設立して法人化するメリット

芸能人が所得税や仲介手数料などの金銭的苦難を避けるためには、個人事業主を設立し法人成りすることが効果的です。


ここでは芸能人が法人事務所を設立して得られるメリットを4つ紹介していきます。


  1. 家賃を約90%、高級品は全額経費にできる
  2. 所得税を最大23.2%に抑え、非課税金額を増やすことができる
  3. 退職金を支給し、所得にかかる税金の大幅なカットが可能
  4. 肩書が代表取締役となるため、社会的信用が非常に高くなる

①家賃や高級品が経費にできる

芸能人は活動拠点に応じて転居する必要があることが多いため、賃貸に住むことが多い職業です。

事務所に所属し身分が個人事業主となっていた場合、家賃は全額経費化できず50%を支払わなくてはなりません。

しかし個人事務所を設立し法人化すれば、「会社名義で借りた家を役員に貸す」という名分の元、家賃の90%を経費化することができるようになります。

国税庁では以下のように社宅の経費化基準が定められています。

<役員に貸与する社宅が小規模な住宅である場合>
次の(1)から(3)までの合計額が賃貸料相当額になります。

(1) (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%

(2) 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/(3.3平方メートル))
(3) (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

<役員に貸与する社宅が小規模な住宅でない場合>

役員に貸与する社宅が小規模住宅に該当しない場合には、その社宅が自社所有の社宅か、他から借り受けた住宅等を役員へ貸与しているのかで、賃貸料相当額の算出方法が異なります。

(1) 自社所有の社宅の場合次のイとロの合計額の12分の1が賃貸料相当額になります。
イ (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12% ただし、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には12%ではなく、10%を乗じます。
ロ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%

(2) 他から借り受けた住宅等を貸与する場合会社が家主に支払う家賃の50%の金額と、上記(1)で算出した賃貸料相当額とのいずれか多い金額が賃貸料相当額になります。

引用元:役員に社宅などを貸したとき|国税庁

また、法人が許可される経費化については、携帯電話代の支払いや車や高額品の購入においても全額適用されます。

②非課税になるお金を増やせる

非課税になるお金を増やせることも、芸能人が法人で個人事務所を設立する大きなメリットのひとつです。

所得税の税率はMax45%まで上がるため、稼げば稼ぐほど税金を多く払わなくてはならなくなります。

所得課税金額税率控除される金額
195万円以下5%¥0
195~330万円10%\97,500
330~695万円20%\427,500
695~900万円23%¥636,000
900~1,800万円33%¥1,536,000
1,800~4,000万円40%¥2,796,000
4,000万円以上45%(MAX)¥4,796,000



一方法人が所得税の代わりとして納める法人税の納め方は簡潔となり、以下のように年収800万円以下かそうでないかで区分されます。

法人税の税率は最高でも年収の23.2%にしかならず、合法的にかなり多くの税金を対策することが可能です。

  • 年収800万円以下の部分:15~19%
  • 年収800万円超の部分:23.2%

③退職金を支給できる

個人事務所を法人で設立した芸能人は、退職金を自身に支給することができるようになります。

芸能人といえど、いつかは芸能界を引退する時が来ます。

引退の際には会社を休眠させたり、会社清算を行うなどして同時に退職金を支給すれば所得税を大幅に下げかなりの税効果を得ることが可能です。

【モデルケース】年収2,000万円の芸能人が退職する場合
  • 会社役員報酬として給与を払うと700万円がかかり、手取り1,300万円で退職することになる
  • 退職金として2,000万円を支給すれば、かかる税金は100万円以下で済む

このような形で法人の退職金制度を利用すれば、老後の資金を大幅に残すことができます。

自営では不可能な利益の繰り延べを、法人で個人事務所を設立すると行うことがしやすくなります。

法人特有の退職金制度を上手く利用し、将来のための貯蓄を意識して増やすように心がけると芸能界から足を洗っても生活を安定させることができるのです。

④信用が高くなる

個人事務所を設立すると、その芸能人の肩書は「雇われ個人事業主」ではなく「代表取締役」となります。

フリーランスや個人事業主と比較すると、代表取締役は社会的地位の高い肩書です。

収入額の大小を問わず法人で個人事務所を設立していれば代表取締役の地位は得ることができ、自身の社会的信用を大きく高めることにもつながります。

なおYouTuberなどのまだ社会的地位を獲得していない新興ジャンルの芸能人である場合は、この信用の向上法は非常に効果があります。

芸能人が個人事務所を設立するべきタイミング

個人事業主が事務所を設立するメリットについて知ったところで、次は事務所を設立する適切なタイミングはいつなのかについて解説していきしょう。


芸能人が個人事務所を設立するべきタイミングは主に2つあります。


  1. 年収600万円を超えて仕事が安定したとき
  2. 個人事務所設立に向けて円滑な人間関係を築けたとき
個人事務所設立にベストなタイミングを知っておけば、いざ独立しようと思ったときにスムーズに行動ができます。

この章で解説されている項目をよく読み、適切な独立のタイミングを見極められるようになりましょう。

①年収600万円を超えて仕事が安定したとき

年収が600万円を超え収入が安定してきた時が、芸能人が個人事務所を設立する絶好のタイミングだといえるでしょう。

個人事業主に適用される所得税が法人税の限度額である年収23%を超えるのは、年収600~900万の範囲を超えたときです。

年収が900万を超えたときに芸能事務所に所属していると、法人税よりも圧倒的に高い税金を取られてしまうことになります。

よって年収600万を超えたときが、芸能事務所から独立し税金対策のために個人事業主を設立するタイミングとしては最適だといえるのです。

②個人事務所設立に向けて円滑な人間関係を気づけたとき

事務所設立のサポートをしてくれる人が見つかったり、所属事務所の円満退社が可能になりそうな時も、個人事務所を設立する良いタイミングであるといえます。

身近に法人設立に詳しい人がいない場合や、理解者が少ない場合には会社設立の代行業者サービスを利用するのも手です。

 個人事務所の設立をサポートしてくれる代行業者の種類は、以下の3種です。

  • 税理士:税務関連のスペシャリストであり、税務届出をしてくれる。法人登記に関する業務には長けていない。価格は比較的安価。
  • 司法書士:書類作成から法人登記までこなす法人設立のプロフェッショナル。法人登記に不安がある方におすすめだが、価格は高め。
  • 行政書士:主に書類作成や許認可の手続きを代行してくれる。専門職であるため依頼価格はやや高め。

芸能人が個人事務所を設立する際に知るべき注意点

芸能人が個人事務所を設立すると様々なメリットが得られますが、同時に解決すべき問題もいくつか発生します。


ここでは芸能人が個人事務所を設立する際に知るべき注意点を2つ、わかりやすく解説しています。


  1. 税務関連の処理は専門的な知識が必要 
  2. 設立までに複数の手続きがある

個人事務所設立までに起こり得る問題を知っておくことで、事前に資金を用意しておいたりスケジュールに余裕を持たせたりして不測の事態に備えることが可能になります。

いざ法人個人事務所を設立するという時に焦らないでいいように、この章をしっかりを読んでおきましょう。

①税務関連の処理は専門的な知識が必要

個人事務所の税務関連の処理には、専門的な知識を持った税理士への依頼が必要になります。

税理士を雇うにはもちろんお金が必要であり、依頼する内容によってその費用は異なってきます。

依頼別の税理士に支払う平均金額の目安は以下の通りです。

  • 確定申告書類作成:数万円
  • 青色申告:500万円以下は10万円・500~1,000万円は15万円・1,000万円以上は20万円
  • 顧問税理士を雇う:月30~50万円程度

なお、金銭的に余裕がない場合には、芸能人自身が確定申告を行うことももちろん可能です。

しかしその場合には税務処理に関する専門的な知識をしっかり学び、帳簿の付け間違いが無いよう細心の注意を払う必要があります。

虚偽申告をしてしまうリスクもあるため、基本的には税務関連の処理は税理士に依頼する方が安全だといえるでしょう。

②設立までに複数の手続きがある

法人での個人事務所設立を計画しても、すぐに立ち上げが済むというわけではありません。


個人事務所を設立するには、複数の法的な手続きを済ませる必要があるからです。


会社設立を行うまでのステップは、株式会社の場合以下の通りとなります。


  1. 発起人(会社設立の手続きを決める人)を決定
  2. 社名や事業内容などの基本事項の決定
  3. 会社の憲法である定款を作成
  4. 公証人による定款の確認と認証
  5. 会社印や銀行印・角印を作る
  6. 出資金の払い込みをする
  7. 法人登記申請
  8. 年金事務所・税務署・役場へ登記完了書類を提出
  9. 法人会社が設立される

法人登記までには書類をたくさん作成する必要があり、時間的にも体力的にもかなりの苦行を強いられることになります。

そのため法人登記や定款作成については、行政書士や司法書士に依頼する芸能人も多いです。

自分で法人登記を行う場合には、設立キットや自動で書類を作成してくれるサイトを利用するとよいでしょう。

なお、会社設立後の関連手続きは政府運営のサービス「マイナポータル」を利用すれば簡単に済ませることが可能です。

芸能人の個人事務所設立による法人化についてのまとめ

いかがだったでしょうか。

この記事の内容をまとめると、以下の通りとなります。

  • 芸能人が個人事務所を設立するのは税金対策のため
  • 法人で個人事務所を設立すると家賃や高級品の購入費を経費化できる
  • 法人税は所得税と比較すると最大でも約半分の23.2%
  • 個人事務所を設立すると肩書は「代表取締役」となり社会的信用を得やすくなる
  • 年収600万円を超え、円滑な人間関係が築けたときが独立に最適なタイミング
  • 個人事務所を設立するには税務関連の専門知識と多数の手続きが必要

芸能人が個人事務所を設立すると、主に税金対策の面でのメリットを得ることができ、社会的信用も大幅に上がります。

税金の支払いについて悩んでいる芸能人の方は、ぜひ法人個人事務所を設立してみてはいかがでしょうか。

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ほけんROOMでは他にも会計や税務に関する記事を多数掲載していますので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

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