学資保険を引き出したい?損をしないための注意点を徹底解説!

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学資保険をかけている途中に経済状態が大きく変化し、学資保険からお金を引き出したいと思うことがあるかもしれません。しかし、「引き出し」という形は難しく、保険の解約ということになるので不利になることも多いです。損をしないための引き出し方はあるのか解説します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

学資保険のお金を引き出したい?引き出し方には注意が必要

「学資保険に貯まっているお金の引き出し方を知りたい」と考える方はいらっしゃいますよね。


祝い金・据え置き金等を引き出すのにも手続きが必要になります。


また、契約途中に引き出してお金にしたいのであれば、保険を解約する必要があります。


この引き出し方ですと、解約してしまうことで本来もらえるはずだった保険からの給付金額が大幅に減ることになり、損となってしまうこともあるのです。


では、損をできるだけ少なく学資保険に貯蓄されているお金を引き出すことはできないのでしょうか?


そこで、この記事では

  • 学資保険の契約途中でお金を引き出したい場合
  • 学資保険の祝い金の引き出し方
  • 学資保険の満期後の据え置き金の引き出し方リダイレクト

について解説します。

学資保険を途中解約すると損をする可能性が高い

学資保険を途中で解約した場合、お金が戻ってこなかったらどうしよう、と不安になる方もいるでしょう。

学資保険は、子どもの教育資金のために積み立てるお金です。積み立てたお金が返ってこないと子どもの将来が心配です。

ただ、学資保険は積み立て型の保険で、掛け捨ての生命保険とは違うので、途中で解約してもお金は受け取れることを覚えておきましょう。

預けた期間や保険の内容にもよりますが、1年目で解約しても積み立てた分の約6割、10年目で解約しても積み立てた分のほとんどのお金が返ってきます。

ただし、積み立てた金額全額が戻るのは、契約から15年以上経ってからなので、それ以前に解約すると、積み立てた金額100%は戻ってきません。つまり、損をするということになります。

受け取るお金、解約返戻金が損をするかどうかは、解約時期に大きく左右されるのです。

解約時期によっては大きく損をすることも

では、学資保険を解約する時期によって、お金がどのように違ってくるのでしょうか。

まず、学資保険を解約する場合、払い戻されるお金は『解約返戻金』と言います。この解約返戻金と払い込みした金額との差を比べることで、どれだけ損をするかがわかります。

また、払い込みした金額に対して、解約返戻金がどのくらいの割合になるか、これは『返戻率』で表されます。この返戻率を見ると、どのくらい損をするのか、トクをするのかが分かります。

返戻率が100%を上回る時期に解約するとトクをする一方、返戻率が100%を下回る時期に解約すると、損をしてしまうことになります。

では、5年目、10年目、15年目で解約した場合を試算してみましょう。

●月額15,000円の学資保険、5年目で解約
  • 払込した保険料:900,000円
  • 返戻率:92.0%
  • 解約返戻金:828,000円
  • マイナスになる金額:72,000円

●月額15,000円の学資保険、10年目で解約
  • 払込した保険料:1,800,000円
  • 返戻率:98.0%
  • 解約返戻金:1,764,000円
  • マイナスになる金額:36,000円

●月額15,000円の学資保険、15年目で解約
  • 払込した保険料:2,700,000円
  • 返戻率:100.0%
  • 解約返戻金:2,700,000円
  • マイナスになる金額:0円
払込期間が長くなるにつれて、返戻率が100%に近づいていき、払い込んだ金額のほぼ全額が戻ってきます。

解約時の返戻率は保険会社により違うので、止む終えない理由で学資保険を解約したい場合は、契約している保険の返戻率を確認してみましょう。

返戻率が100%より大幅に下回ってしまうのであれば解約を避け、他の方法でやりくりしてみましょう。

あと少しの期間で返戻率が100%を上回るようであれば、解約をせず保険を継続し損をしない時期まで待ってから解約をしてもよいでしょう。

ただし、解約した場合は今後のお金のやりくりにも大きく左右してきます。解約を検討する際は数十年後のライフプランを明確に立てる必要があります。

「何十年後ものライフプランなんて自分じゃ立てられないよ…」という方はファイナンシャルプランナー(FP)とライフプランについて相談してみてはいかがでしょうか。

どの年代で貯金がいくら必要で、そのためには今どうするべきかを一緒に考えてくれます。ぜひ気軽に利用してみてください。

現金は必要でも損はしたくない「自動振替貸付制度」を利用して


夫婦のどちらかが失業してしまった、病気になってしまったなど、予期しないことが起こると、保険の支払いが困難になることもあるでしょう。

すぐに解約をしてしまうと損が出る場合、他の方法で生活をサポートできるとよいですね。

保険料の支払いが難しくなった場合は、「自動振替貸付制度」が利用できます。

「自動振替貸付制度」とは、保険の解約をせずに、保険料の支払いがサポートできる制度です。

学資保険だけではなく、積立型の保険ならこの制度を利用することができるので、いざという時のために覚えておきましょう。

自動振替貸付制度を利用するときの利点

では、「自動振替貸付制度」を利用すると、どのような利点があるのでしょうか。

まず、保険の支払いは保険会社が立て替えてくれます。ですから、手元のお金は生活に回すことができます。これまで積み立ててきた返戻金の中から、自動的に保険料を振り替えてくれるのです。

そして、保険は解約にはならず継続することができます。保険が解約にはならないので、保証も継続します。

「自動振替貸付制度」を利用するには、契約者側から特に連絡は必要ありません。支払いが滞った時点で自動的に振り替えが行われるので、事前に保険会社に連絡しておく必要もありません。

自動振替貸付制度を利用するときの注意点

ただ、自動振替貸付制度を利用するときには、次のことに注意しておかなければなりません。

それは、振り替えた金額に対して利息が付くことです。振り替えした金額と利息を合わせた合計金額を、後々返済していかなければならないのです。

ただ、自動振替貸付制度の返済には期日が特にありません。ですから、保険料の支払いが厳しい状況であれば、ひとまずこの制度を利用してみましょう。

そして、生活の見通しがついたら少しずつ返済をしていく、という風に活用していくとよいでしょう。

前提として、保険料を払い込んでいないと引き出しできない

子どもの教育資金を貯めるために、多くの人が学資保険に加入するのは、将来的にその教育資金が増えて返ってくるというメリットがあるからです。

しかし、契約してすぐの数年で解約してしまうと、解約返戻金がほとんど返ってこないか、少額しか返ってきません。

学資保険は、積立型の保険です。保険契約から数年は解約返戻金は少なく設定されており、年数を経ることで、返戻率も返戻金も上がっていきます。

ですから、契約から数年で「自動振替貸付制度」を利用しようとしても、利用できない場合があります。払い込んだ保険料(解約返戻金)が一定以上なければ、この制度を利用できないのです。

振り替えられる保険料は、払い込んだ保険料(解約返戻金)から貸し付けされます。契約から数年しか経っていないと、十分に解約返戻金が積み立てられていない状態で、サポートを受けられないようになっています。

契約から数年は、「自動振替貸付制度」を利用しなくてもよいくらい、余裕を持って保険金の払い込みができるようにしたいものです。

解約返戻金以上借り入れすると学資保険が失効してしまう

では、「自動振替貸付制度」を継続して利用した場合、どうなるのでしょうか。

上でも言いましたが、振り替えられる保険料は、払い込んだ保険料(解約返戻金)から貸し付けとなります。

ですから、保険料の支払いがないまま、払い込んだ保険料(解約返戻金)以上の貸付が行われた場合、引き出しできるお金が足りない状態となり学資保険は失効となってしまいます。

振り替えられる保険料は貸付金ですから、利子も付き返済の義務もあります。

1-2ヶ月分の保険料の支払いなら、やりくりすれば返済可能かもしれませんが、長期間「自動振替貸付制度」を利用し続けると、返済がさらに困難になるでしょう。

「自動振替貸付制度」は、利子も付き返済の義務もあることに十分注意して、返済できる範囲内での利用に留めておきましょう。

学資保険を担保に借りる「契約者貸付制度」について

保険料の支払いに困ったときに利用できるのが「自動振替貸付制度」ですが、保険の解約を避けるために利用できる制度がもう一つあります。

契約者貸付制度」と言い、解約返戻金を担保にお金を借りることができる制度です。

一時金の受け取りはまだ先なのに、学費や塾の費用など急にお金が必要となった時、「契約者貸付制度」を利用すれば、その借り入れ金で費用を支払い、学資保険を解約せずに済みます。

借り入れできる金額は、保険会社によって限度額が異なりますが、一般的に限度額は解約返戻金の7割から9割の範囲内となっています。

今まで積み立ててきた返戻金の中から引き出す感覚ですが、貸し付けという形になるので、もちろん利子が付きます。

ただ、この制度を利用すれば、銀行や郵便局等のローンの金利より低く借り入れすることができます。急な入り用があるときには、利子の分も考えて上手く活用しましょう。

「契約者貸付制度」を利用するには所定の書類への記入が必要

「自動振替貸付制度」を利用するときは、保険料が振り込まれなかった時点で自動的に振り替えが行われるので、特に保険会社への連絡は必要ありません。

しかし、「契約者貸付制度」の利用時は、所定の手続きを踏むことで、この制度を利用できるようになります。契約者自身が保険会社へ連絡を入れ、「契約者貸付制度」を利用することを伝え、所定の用紙に記入しなければならないのです。

手順としては以下のようになります。
  1. 保険会社へ「契約者貸付制度」を利用したい旨を電話で伝える。
  2. 申込書が保険会社から届く。
  3. 申込書に必要事項を記入し、保険会社へ返送する。
  4. 提出から1週間程度で、貸し付け金が所定の口座に振り込まれる。
貸し付け金が銀行や郵便局の口座に振り込まれるまで、約1週間ほどかかります。急な入り用の時には、時間の余裕をもって保険会社へ連絡を入れるようにしましょう。

学資保険の預かり祝金を引き出したい方:引き出し方を解説

学資保険は、子どもの大学や高校入学の教育資金の積み立てる保険です。ですから、子どもの大学入学時に合せて、満期時期が設定されていることがほとんどです。


一方、中には満期以前でも返戻金の一部を「祝い金(一時金)」として受け取ることのできる保険もあります。その祝い金はそのまま受け取ってもいいですし、据え置いて必要な時に引き出すこともできます。


「祝い金(一時金)」の支払い日前になると、保険会社から「祝金請求書」が送られてきますが、据え置きしたい場合は、この請求書を保険会社に返送せず、手元に置いておくことで、「祝い金(一時金)」が据え置きになります。


この据え置いた「祝い金」のことを、「預かり祝金」とも呼びます。


すぐに必要のない資金なら引き出しをせず、据え置きにしておくと利息もついておトクです。


ただ、必要になった時すぐ引き出しできるように。引き出し方は確認しておきたいものです。


「預かり祝金」の引き出しをするにも、所定の手続きが必要になります。

祝い金の引き出し方:必要書類と手続きの流れを解説

では、「預かり祝金」の引き出しをする際の手続きについてみていきましょう。


まず、「預かり祝金」の引き出しには「祝金請求書」が必要になります。「祝い金」を据え置いた際、保険会社に返送せず手元に置いておいた書類です。


万が一「祝金請求書」を紛失してしまっても、保険会社に連絡して「祝金請求書」を郵送してもらえるので大丈夫です。


「預かり祝金」を引き出しする際の、「祝金請求書」がある場合とない場合、それぞれの手続きの方法を確認していきましょう。


●「祝金請求書」がある場合

  1. 契約者から保険会社へ「祝金請求書」を郵送する。
  2. 保険会社が「祝金請求書」を確認する。
  3. 保険会社から「預かり祝金」が振り込まれる。
●「祝金請求書」がない場合

  1. 契約者から保険会社へ電話で連絡
  2. 保険会社から手続き書類が契約者に郵送される
  3. 契約者から保険会社へ書類一式を提出
  4. 保険会社が書類一式を確認
  5. 保険会社から「預かり祝金」が振り込まれる

保険会社によって多少違いはあるものの、手続きはこのように進みます。


保険会社へ電話で連絡する際には、保険証券の記号や証券番号が分かるものを手元に用意すると、手続きがスムーズに進むでしょう。


また、富国生命では、富国生命カードを持っていて、預かり祝金の引き出しについて契約している場合、カードでも引き出しが可能です。

学資保険の据え置き金の引き出しをしたい方:引き出し方を解説

また、学資保険の満期を迎えて、すぐに使う必要がない場合、その満期金も据え置くことができます。「祝い金(一時金)」だけでなく、満期金も「据え置き金」として全額または一部を据え置いて運用に回すことができるのです。


必要になった時すぐ引き出しできるように、「据え置き金」の引き出し方法も確認しておきましょう。


「据え置き金」を引き出すにも所定の手続きが必要です。


「据え置き金」の引き出し方法には、電話、インターネット、ATM、保険窓口など、様々な方法があります。

据え置き金の引き出し方:必要書類

さて、「据え置き金」を引き出す際の、手続きをみていきましょう。


「据え置き金」を引き出す際の必要書類は、保険会社によっても違いますが、以下のものを用意しておくと安心でしょう。


●「据え置き金」を引き出す際の必要書類

  • 各社所定の請求書
  • 受取人の公的証明書のコピー
  • 印鑑
  • 受取り口座(受取人本人口座)

「据え置き金」を引き出す際の必要書類は、保険会社によって異なるので保険会社に確認してみましょう。上記のもの(請求書以外)も準備しておくと安心です。

まとめ:途中解約はストップ!他の選択肢を検討すべし

さて、学資保険を引き出す方法についてみてきましたが、いかがでしたか。

学資保険を引き出す方法についてまとめてみましょう。
  • 契約途中でお金を引き出したい場合、「自動振替貸付制度」や「契約者貸付制度」を上手く利用して、解約はできるだけ避ける。
  • 預かり祝金」を引き出しするには、「祝金請求書」を保険会社に郵送する。
  • 満期後の「据え置き金」を引き出しするには、保険会社に電話で連絡する。
学資保険から直接お金の引き出しはできませんが、解約返戻金からの引き出しのような形で保険料の支払いを自動で振り替えてくれる制度などはとても便利でありがたいですね。

学資保険に一度加入したら、できれば途中解約という形は取らない方がいいでしょう。

お金を引き出したいからと解約してしまうと、再度学資保険に加入しようと思っても子どもの年齢に制限があったりと、再加入が難しくなってしまいます。

また、「預かり祝金」や「据え置き金」の引き出しは、急な出費に備えて引き出し方法を確認しておきたいものです。

「預かり祝金」や「据え置き金」が銀行や郵便局に振り込みされるまで、1週間くらい余裕をみておくとよいでしょう。

子どもの教育資金の確保のためにも、保険加入時にはしっかりと保障内容、そして支払っていける保険料かをきちんと検討しておくことをおすすめします。

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