更新日:2022/09/18
学資保険をお得に使うためには?途中解約すると間違いなく損します。
学資保険は教育資金を確保するための保険ですが、ただ単に使うだけではお得には使えません。途中解約をするとほぼ間違いなく損をする保険であるだけに、お得な使い方というものを知っておく必要があります。今回は、学資保険の使い方と途中解約しないための注意点をご紹介します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
学資保険のお得な加入の仕方とは?
- 学資保険で返戻率をあげる具体的な方法は?
- 学資保険加入中にやってはいけないことは?
- 学資保険を解約しないですむ方法は?
お得な加入の仕方:学資保険の返戻率を上げる方法
返戻率を上げるためには下記のような方法が有効です。
- <基本>返戻率を比較する
- 保険料の支払い期間を年払・短期払にする
- 学資金の受け取り期間を後にする
それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
<基本>返戻率を比較する
例えば、AというプランとBというプランがあったとすると、AとBはそれぞれの保障内容が違い保険料も変わります。
一般的には保険料の安さや保障内容の充実度で比較すると思いますが、学資保険については返戻率がどれくらいなのかも見ないとどちらがお得かはわかりません。
それでは、下記表のAとBでは、どちらがお得でしょうか?
A | B | |
---|---|---|
保険料 | 10,000円 | 8,000円 |
保険期間 | 15年 | 20年 |
満期保険金 | 190万円 | 200万円 |
保険料総額 | 180万円 | 192万円 |
返戻率 | 110% | 103% |
保険料と保障内容だけ見るとBの方が良さそうですが、返戻率も含めると評価は大きく変わります。
返戻率はAが110%、Bが103%なので、この場合はAの方がお得なプランと言えるでしょう。
なぜなら、返戻率が高いということは満期金に対しての保険料が割安ということだからです。
そのため、受けとれるお金の総額÷保険料の総支払い額を計算して、返戻率でも比較することを忘れないでください。
保険料の支払い期間を年払・短期払にする
つまり早めにお金を回収できればその分だけ運用の幅が広がり、このお得分が加入者にも還元される仕組みになっているのです。
では、もっとも一般的な月払いと年払い、短期払いそれぞれを比較してどれがお得なのかを見ていきましょう。なお、契約条件は以下の通りとします。
- 契約者:30歳
- 子供:0歳
- 保険料:13,030円(月払):153,470円(年払)
- 保険料払込18歳まで
- 給付金受取総金額:300万円
月払いの場合では支払保険料総額が
13,030円×12か月×18年=2,814,480円
となり、一方年払いでは
153,470円×18年=2,762,460円
となります。この時点で52,020円の差が出ており、返戻率にすると月払いでは約106%、年払いでは約108%という計算になります。
次に月払いと短期払いを見てみましょう。
このケースでは月額と支払い期間を
- 月払い:13,030円(18歳まで)
- 短期払い:22,420円(10歳まで)
として比較します。短期払いにおけるその他の条件は、月払いと同じです。
月払いは先ほどと全く同じですが、短期払いでは
22,420円×12か月×10年=2,690,400円
となり、支払保険料総額に124,080円の差が生まれました。短期払いの返戻率は111%になり、月払いの106%と比べると5%もお得になることが分かります。
学資金の受け取り時期を遅くする
支払い期間を短くする場合と同じ理屈で、その増加した運用利益は加入者に還元されるため、加入者からすると受け取り期間は後にするほどお得に受け取れるということになります。
例えばA生命の学資保険の場合、学資金の受け取り回数と時期によってⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型と3つのタイプに分かれて、受け取りタイミングはそれぞれ
- Ⅰ型:小6、中3、高3の3回
- Ⅱ型:高3の1回
- Ⅲ型:高3、大1、大2、大3、大4の5回
となっています。
これらの返戻率を順に挙げると102.7%、106.9%、110.3%となり、保険金を受け取る時期が遅いほど返戻率が上がっていることが分かります。
途中解約は損!学資保険をお得な保険にしておくためには?
- 途中で解約せずに満期保険金を受け取る
- 保険料控除申請を忘れずに行う
途中解約せずに満期金を受け取る
ある保険会社の学資保険の場合、18年間の学資保険を契約している方で、3年目に途中解約してしまった時、返戻率は85%です。
仮に毎月1万円の保険料で3年間の合計36万円を払っていたとすると、返ってくるのは30万6000円ということになります。
貯めていたお金が目減りして戻ってくるのでは、保険どころか貯蓄としても不十分ですね。
年末調整の際、保険料控除申請を忘れない
学資保険は生命保険料控除の対象になる商品です。
生命保険料控除とは、支払った保険料の額に応じて税金の減額を受けられる、税制上の優遇制度のことを言い、所得税と住民税が減額される可能性があります。
毎年10月頃になると保険会社から支払保険料の通知書が送られてきますので、年末調整の際にその通知書を添えて申請をすることで、条件を満たせば控除が適用されます。
もしも通知書を失くしてしまった場合には保険会社に連絡して再発行してもらい、忘れずに申請をするようにしましょう。
学資保険を解約しないで済む方法
以上のように、学資保険は途中で解約すると損をしてしまうので、極力満期まで継続するようにしたいものです。
しかし長い契約期間の間には、家計が苦しかったりして保険料の支払いが負担になることもあるかもしれません。
そのような場合に解約せずに済むための手段として、次のようなものが考えられます。
- 契約者貸付制度でお金を借りる
- 一部だけ解約して保険料を下げる
- 解約のタイミングを見計らう
契約者貸付制度でお金を借りる
一部だけ解約して保険料を下げる
解約のタイミングを見計らう
学資保険は途中解約すると元本割れの可能性が高いことは既に説明しました。
しかしどうしても解約せざるを得ないという結論になった場合についてです。
返戻率は、満期より前/満期という2段階ではなく、加入している年数によって徐々に上がる仕組みになっています。
そのため、解約のタイミングが1年違うだけでも返ってくる金額は異なり、場合によっては数ヶ月待てば返戻率が上がる可能性もあります。
具体的な数字は学資保険によりますので、設計書を確認した上で、支払える期間と受け取れる額のバランスを見極めるようにしたいものです。
まとめ:学資保険は途中解約しない方が確実にお得です
- 学資保険をお得に受け取るには返戻率が重要
- 返戻率を上げるには「払込期間を短くする」「受け取り時期を遅くする」の方法がある
- 学資保険は途中解約すると損をするので、できる限り満期まで継続する