学資保険をお得に使うためには?途中解約すると間違いなく損します。

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学資保険は教育資金を確保するための保険ですが、ただ単に使うだけではお得には使えません。途中解約をするとほぼ間違いなく損をする保険であるだけに、お得な使い方というものを知っておく必要があります。今回は、学資保険の使い方と途中解約しないための注意点をご紹介します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

学資保険のお得な加入の仕方とは?


子どもの将来の教育資金のため、学資保険を検討している方は多いと思います。

そして保険に入る以上、受け取る保険金が少しでも多くなるようにしたいものですね。

その際重要になるのが返戻率(支払った保険料に対していくら受け取れるかの割合)です。

保険商品自体の比較ももちろん大切ですが、実は同じ保険であっても、返戻率が異なる場合があります。

そこで、この記事では学資保険加入時に返戻率が少しでもお得になるように、
  • 学資保険で返戻率をあげる具体的な方法は?
  • 学資保険加入中にやってはいけないことは?
  • 学資保険を解約しないですむ方法は?
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、学資保険のお得な加入の仕方と加入中にするべきことがわかります。

ぜひ最後までご覧ください。

お得な加入の仕方:学資保険の返戻率を上げる方法

学資保険は子どもの教育資金を貯めることが目的ですので、支払った保険料に対して受けとれる金額がどれくらいなのかが大きなポイントになります。

その指標になるのが返戻率で、返戻率が100.1%以上であれば、支払った保険料より受けとれる金額の方が多くなります

例えば、返戻率が110%の場合に保険料を100万円支払った場合は、満期までに110万円が受け取れます。

学資保険を検討する際には返戻率が少しでも高い商品を選ぶことが大切ですが、同じ商品であってもちょっとした工夫で返戻率を上げることができるのです。


返戻率を上げるためには下記のような方法が有効です。

  • <基本>返戻率を比較する
  • 保険料の支払い期間を年払・短期払にする
  • 学資金の受け取り期間を後にする

それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。

<基本>返戻率を比較する

基本的なことですが、まずは学資保険の比較の仕方についてご説明します。


例えば、AというプランとBというプランがあったとすると、AとBはそれぞれの保障内容が違い保険料も変わります。


一般的には保険料の安さや保障内容の充実度で比較すると思いますが、学資保険については返戻率がどれくらいなのかも見ないとどちらがお得かはわかりません。


それでは、下記表のAとBでは、どちらがお得でしょうか?

保険料10,000円8,000円
保険期間15年20年
満期保険金190万円200万円
保険料総額180万円192万円
返戻率110%103%


保険料と保障内容だけ見るとBの方が良さそうですが、返戻率も含めると評価は大きく変わります。


返戻率はAが110%、Bが103%なので、この場合はAの方がお得なプランと言えるでしょう。


なぜなら、返戻率が高いということは満期金に対しての保険料が割安ということだからです。


そのため、受けとれるお金の総額÷保険料の総支払い額を計算して、返戻率でも比較することを忘れないでください。

保険料の支払い期間を年払・短期払にする

返戻率を上げる学資保険の選び方として、保険料の支払期間を短くするという方法があります。

保険会社は、毎月の保険料を逐一運用に回しているわけではなく、手元にある資金や資産を使い運用しています。

つまり早めにお金を回収できればその分だけ運用の幅が広がり、このお得分が加入者にも還元される仕組みになっているのです。


では、もっとも一般的な月払い年払い短期払いそれぞれを比較してどれがお得なのかを見ていきましょう。なお、契約条件は以下の通りとします。

  • 契約者:30歳
  • 子供:0歳
  • 保険料:13,030円(月払):153,470円(年払)
  • 保険料払込18歳まで
  • 給付金受取総金額:300万円

月払いの場合では支払保険料総額が

13,030円×12か月×18年=2,814,480円

となり、一方年払いでは

153,470円×18年=2,762,460円

となります。この時点で52,020円の差が出ており、返戻率にすると月払いでは約106%、年払いでは約108%という計算になります。


次に月払いと短期払いを見てみましょう。


このケースでは月額と支払い期間を

  • 月払い:13,030円(18歳まで)
  • 短期払い:22,420円(10歳まで)

として比較します。短期払いにおけるその他の条件は、月払いと同じです。


月払いは先ほどと全く同じですが、短期払いでは

22,420円×12か月×10年=2,690,400円

となり、支払保険料総額に124,080円の差が生まれました。短期払いの返戻率は111%になり、月払いの106%と比べると5%もお得になることが分かります。

学資金の受け取り時期を遅くする

次に、保険金の受け取り時期をなるべく遅くすることでお得にする方法をご紹介します。

受け取り期間が後になることでも、保険会社は集めた保険料の運用期を延ばすことができ、運用利益も上がると見込めます。


支払い期間を短くする場合と同じ理屈で、その増加した運用利益は加入者に還元されるため、加入者からすると受け取り期間は後にするほどお得に受け取れるということになります。


例えばA生命の学資保険の場合、学資金の受け取り回数と時期によってⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型と3つのタイプに分かれて、受け取りタイミングはそれぞれ

  • Ⅰ型:小6、中3、高3の3回
  • Ⅱ型:高3の1回
  • Ⅲ型:高3、大1、大2、大3、大4の5回

となっています。


これらの返戻率を順に挙げると102.7%106.9%110.3%となり、保険金を受け取る時期が遅いほど返戻率が上がっていることが分かります。

途中解約は損!学資保険をお得な保険にしておくためには?

学資保険の返戻率について説明してきましたが、これはあくまでも満期まで保険を続けた場合の話です。

もしも学資保険を途中で解約した場合、支払われる解約返戻金は少なく、多くの場合で返戻率が100%を下回る「元本割れ」となり、損をしてしまいます。

また返戻率以外の観点として、税金対策も覚えておきたいところです。

これらについて、お得な契約にするために、下記2点を見ていきましょう。
  • 途中で解約せずに満期保険金を受け取る
  • 保険料控除申請を忘れずに行う

途中解約せずに満期金を受け取る

学資保険は、支払期間中および満期になるまでの間に解約した場合でも、積み立てた金額の一部が解約返戻金として支払われます。

しかし前述のように、解約返戻金は少なく、元本割れの可能性が高くなります。その金額が一体どれくらいなのか、実際の例を見てみましょう。

ある保険会社の学資保険の場合、18年間の学資保険を契約している方で、3年目に途中解約してしまった時、返戻率は85%です。


仮に毎月1万円の保険料で3年間の合計36万円を払っていたとすると、返ってくるのは30万6000円ということになります。


貯めていたお金が目減りして戻ってくるのでは、保険どころか貯蓄としても不十分ですね。

年末調整の際、保険料控除申請を忘れない

学資保険は生命保険料控除の対象になる商品です。


生命保険料控除とは、支払った保険料の額に応じて税金の減額を受けられる、税制上の優遇制度のことを言い、所得税住民税が減額される可能性があります。


毎年10月頃になると保険会社から支払保険料の通知書が送られてきますので、年末調整の際にその通知書を添えて申請をすることで、条件を満たせば控除が適用されます。


もしも通知書を失くしてしまった場合には保険会社に連絡して再発行してもらい、忘れずに申請をするようにしましょう。

学資保険を解約しないで済む方法


以上のように、学資保険は途中で解約すると損をしてしまうので、極力満期まで継続するようにしたいものです。


しかし長い契約期間の間には、家計が苦しかったりして保険料の支払いが負担になることもあるかもしれません


そのような場合に解約せずに済むための手段として、次のようなものが考えられます。


  • 契約者貸付制度でお金を借りる
  • 一部だけ解約して保険料を下げる
  • 解約のタイミングを見計らう

契約者貸付制度でお金を借りる

家計が苦しい時というのは、保険料に限らず、他にも支払いに困っているお金があるかもしれません。

子どもがいれば特に、部活の遠征費や習い事の発表会、塾の特別講習など、予想外の出費がかさむこともありますよね。

学資保険にもよりますが、こういった時に利用できるのが契約者貸付制度です。

これは、契約している保険を担保にして貸付が受けられる制度で、貸付額の上限は積み立てられている額の70%~90%程度となります。

なお、よく似た制度として「自動振替貸付制度」というものもあります。

こちらは将来受け取る予定の保険金の中から、保険会社が自動的に保険料に振り替える仕組みとなり、その他の支払いにあてることはできません。

一部だけ解約して保険料を下げる

保険には、保障を充実させる様々なオプションを付けることができるようになっています。

学資保険の契約時にもし何かオプション(特約)を付加していたなら、その見直しをするのも1つの方法でしょう。

契約したときには必要だと思ったけど今となっては不要、あるいは不要とまでは言えないけれど優先順位は下げても良いものがあるかもしれません。

その特約部分のみを解除することで、毎月の保険料を減額することができます。

解約のタイミングを見計らう

学資保険は途中解約すると元本割れの可能性が高いことは既に説明しました。


しかしどうしても解約せざるを得ないという結論になった場合についてです。


返戻率は、満期より前/満期という2段階ではなく、加入している年数によって徐々に上がる仕組みになっています。


そのため、解約のタイミングが1年違うだけでも返ってくる金額は異なり、場合によっては数ヶ月待てば返戻率が上がる可能性もあります。


具体的な数字は学資保険によりますので、設計書を確認した上で、支払える期間と受け取れる額のバランスを見極めるようにしたいものです。

まとめ:学資保険は途中解約しない方が確実にお得です

学資保険をよりお得なものにする方法について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

今回の記事のポイントは
  • 学資保険をお得に受け取るには返戻率が重要
  • 返戻率を上げるには「払込期間を短くする」「受け取り時期を遅くする」の方法がある
  • 学資保険は途中解約すると損をするので、できる限り満期まで継続する
でした。

学資保険は満期まで継続してこそお得に受け取れる商品ですが、このことには副次的なメリットもあります。

何より、毎月一定額を強制的に教育資金の貯蓄に回せるため、いざ大学入学目前となって大きなお金が必要になっても慌てずにすみます。

計画的にお金を貯めるのが苦手な人には特に適しているでしょう。

またほとんどの学資保険には「払込免除特約」というものが標準的に付いています。

これは契約者(親)が万が一死亡もしくは重大疾病などになった場合、その後の保険料支払いが免除されながら保険金は満額受け取ることができるという制度です。

自分に何かあった時に心配なのは残される家族と子どもの将来のこと…という親心に応えるこの制度は、学資保険の最大の魅力とも言えます。

学資保険は、純粋に金額を積み立てるだけではなく、これらプラスアルファのメリットも織り込んでの検討をおすすめします。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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