学資保険の契約者変更(名義変更)の方法や必要書類、注意点!受取人変更の場合も

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学資保険における契約者変更、手続きの方法や必要書類は保険会社によっても異なるため、複雑ですよね。今回、学資保険の契約者変更(名義変更)の手続き方法や必要書類、注意点を解説します。また、受取人変更の方法や離婚時に契約者変更をおすすめする理由も解説します。

学資保険の契約者変更(名義変更)の手続き・必要書類・注意点

子供の教育資金として学資保険を活用されている方は多いと思います。


文部科学省の統計では、子どもが大学卒業までにかかる費用は国公立の場合約1,000万円。


全て私立の場合約2,300万円となります(文部科学省 我が国の教育水準と教育費)。


一方で、学資保険の長い支払期間には、色々なことが起こります。


例えば離婚など、保険加入時には考えてもいなかった場面に直面して「そういえば、学資保険の契約者ってこのままでいいの?」と、思う方も多いでしょう。


記事のポイントは

  • 学資保険の契約者変更(名義変更)の手続き・必要書類
  • 学資保険の契約者変更(名義変更)の方法・必要書類
  • 学資保険の契約者変更(名義変更)の際の注意点
  • 学資保険の受取人変更の方法・必要書類
  • 離婚時に学資保険の契約者変更は行った方がいいのか
  • 学資保険の保険料、夫婦どちらが契約者になった方が安いか
  • 贈与税がかかる場合とかからない場合
です。

この記事を読めば、学資保険の契約者変更(名義変更)の方法や必要書類、注意点までしっかり理解できます。

ぜひ最後までご覧ください。

学資保険の契約者変更(名義変更)の方法・必要書類を詳しく解説

学資保険の契約者を変更するには、あらかじめ大まかな内容を知っておくとスムーズです。


これから、まずは手続きの流れ、続いて必要書類について解説します。


なお保険会社にもよりますが、アフラック、かんぽ生命などは保険会社の窓口(※)、および、それぞれのコールセンターやカスタマーセンターでも対応しています。


(※)かんぽ生命は、郵便局(ゆうちょ銀行)の保険担当窓口

契約者変更手続き

保険会社によって詳細は異なりますが、一般的には次のような手順となります。

  1. 保険証券などを参照し、契約者変更をおこなう学資保険の証券番号を確認する
  2. 保険会社の窓口もしくはコールセンターに連絡する
  3. 保険会社から必要書類などが案内されるため、それらを提出する
  4. 手続きが完了し、新しい保険証券が保険会社から郵送される

電話もしくは窓口へ直接の連絡を前提として説明しましたが、最近ではインターネット上で契約者変更の書類郵送を受け付けていることもあります。


手続きについて不安なことや相談したいことがある方は電話や窓口の利用が無難でしょう。


保険契約はひとりひとり条件が異なり、契約内容によっては名義変更ができないケースなどもありますので、保険会社の担当者と話をして、問題がないことを確認できると安心です。


手続きに不安がない方や、日中は仕事などで忙しく営業時間内に連絡することが難しい方は、24時間365日連絡可能なインターネットを利用できると便利ですね。

契約者変更の必要書類

こちらも保険会社によって多少の違いはありますが、基本的なものとしては

  • 保険証券
  • 契約者の身分証明書
  • 新契約者の身分証明書
  • 印鑑
  • 戸籍謄本
  • 保険契約者継承請求書
  • 新契約者の口座振替依頼書

などとなります。


「意外と多い…」と思われるかもしれませんね。


なお、戸籍謄本は戸籍を置く市区町村ら取り寄せる必要があります。


遠方であれば郵送にも時間がかかりますので、それを含めて契約者変更のスケジュールを考えておきましょう。


身分証明書についても、新旧両方の契約者のものが求められるため離婚した相手からもらわなければならなかったり、写真付きのものと条件があったり、また証明書によっては2種類用意しなければならなかったりします。


ひとつずつ、間違いのないように用意しましょう。

学資保険の契約者変更(名義変更)の際の注意点

保険契約では、基本的に契約者変更は行われません。

契約者死亡や離婚など、特別な事情がある場合にのみ認められるものです。

手続き自体は手順を踏んでいけば可能ですが、その際注意すべき点が2つありますので、これから詳しくご説明します。
  • 学資保険の契約者変更は契約者にしかできない
  • 学資保険の解約は契約者の一存で決められる

学資保険の契約者変更は「契約者」にしかできない

例としてこのようなケースを考えてみましょう。

夫婦と子どもという3人家族が夫を契約者として学資保険に加入し、その後離婚をして元妻が子どもの親権者となった場合です。

元妻は、もちろん学資保険を子どもの将来の教育資金にと考えています。

このまま元夫を契約者として保険料を払い続けてもらい、満期になった保険金を受取人=元夫からもらうという方法で大丈夫でしょうか。

元夫婦が良好な関係で、保険料支払いを元夫がしっかりと完了し、保険金を間違いなく子どものために使えるのであれば問題はありません。

しかし、元夫が再婚した場合や、金銭的な事情で保険金を子どものために使えなくなる可能性があるのならば、契約者変更をして元妻の名義とするべきでしょう。

この際の変更手続きが行えるのは、契約者(元夫)のみです。子どもの親権者であっても元妻には行うことができないことを覚えておいてください。

かんぽ生命など、委任代理人による手続きを認めているところもありますが、契約者が委任状を自署したうえで代理人が提出することになります。

学資保険の解約は契約者の一存で決められる

契約者変更ができるのは契約者のみであるのと同じく、契約者のみが学資保険の解約をすることができます。

逆に言えば、誰の同意も必要なく、契約者の一存で解約することができてしまうのです。

子どもが大学に進学する頃になって保険金を受け取ろうと連絡したら、元夫が経済的な困難から、知らないうちに解約してしまっていた…などとなっては大変ですね。

離婚の要件を話し合うタイミングで、学資保険を継続するか、するのであれば契約者をどうするかについてもきちんと整理しておくことが大切です。

学資保険の受取人変更の手続き方法・必要書類

学資保険は、将来の子どものための保険だから受取人は子ども名義にしているという方。


また、「そろそろ満期を迎えるが学資保険の受取人は変更しなくてもいいのかな...」とお迷いの方も多いのではないでしょうか。


基本的には、学資保険は契約者と受取人は同じという場合が多いですが、満期保険金の受け取りの際には、契約者本人のままだと不都合なときもありますよね。


そんなときに、事前に受取人変更を行う場合の手続きの流れと必要書類について、項目別に解説していきます。

学資保険の受取人変更の手続き方法

契約者変更に関連して、学資保険の受取人変更についても触れておきたいと思います。


これは離婚時のみでなく、万が一の契約者死亡時にも必要となる手続きです。


基本的に、保険金の受取人は契約者と同一人物となります。


またもし契約者≠受取人の場合には贈与税の対象となりますので、どちらにしても契約者とセットで変更されるべきですが、支払いなどの関係で受取人のみを変更する場合には以下の手順をとります。

  1. 保険証券などを参照し、受取人変更をおこなう学資保険の証券番号を確認する
  2. 保険会社の窓口もしくはコールセンターに連絡する
  3. 保険会社から必要書類などが案内されるため、それらを提出する
  4. 手続きが完了し、契約内容の変更明細書が保険会社から郵送される

行うべきことは、契約者変更の場合とほぼ同じとお考えください。


受取人変更の際も、手続きを行えるのは契約者となります。


注意したいのは、受取人変更には被保険者(学資保険であれば、子ども)の同意が必要となる点です。


子どもが未成年の場合には親権者が法定代理人となり、離婚が未成立のタイミングであれば両方の親が同意しなければなりません。

学資保険の受取人変更の必要書類

学資保険の受取人変更を行う場合には、どのような必要書類を準備しておいたらいいのでしょうか。


学資保険の受取人変更に必要な書類は、保険会社によって多少変化があります。


以下のような書類を準備しておくとスムーズに手続きを進めることができるでしょう。


受取人変更に必要な書類

  • 契約者本人の身分証明書
  • 保険証券
  • 戸籍謄本
  • 印鑑
  • 学資保険任意継承申込書
  • 新たに受取人名義になる人の口座情報
などがあります。

詳しくは、学資保険を契約している保険会社へ一度確認しておくことをおすすめします。

現在の契約で、契約者と受取人が異なる場合もあるでしょう。

その場合は、契約者本人の身分証明書も必要になりますので注意しておきたいですね。

離婚時は学資保険の契約者変更を必ず行うべき

保険は名義変更などの手続きって、難しそうでなかなか腰が上がりませんよね。


しかし、子どもたちの将来のために備えた大切な保険です。離婚する時には学資保険の契約者変更は必ず行っておきましょう。


離婚時に契約者変更を行うことで、以下のようなことを事前に防ぐことができます。

  • 現契約者に勝手に何の相談もなく学資保険を解約される
  • 離婚後、現契約者が学資保険の支払いをしなかったため解約されてしまった
  • 離婚後、現契約者が借金等の滞納が続いた際に学資保険を差し押さえられてしまう

学資保険は、離婚時に夫婦の財産として財産分与の対象になります。


財産分与は、結婚後からできた二人の財産のすべてのこと。原則2分の1ずつで分け合います。


また、離婚から2年が過ぎると請求権は消失してしまいます。しっかりと話し合いを重ねておくことをおすすめします。


学資保険を継続したい場合は、契約者を変更し『親権者』にしておくといいでしょう。

参考➀:学資保険の保険料は、「女性」が契約者になった方が安い


学資保険に限ったことではありませんが、保険の契約者を夫婦どちらにするかは悩みどころですよね。

基本的には、収入の多い方が契約者になるのが良いでしょう。

学資保険の大きな特徴として「払込免除特約」があります。

これは契約者に万が一のことがあった場合、それ以降の保険料支払いが免除されながら、保険金は満額を受け取ることができるという制度で、子どもの将来の教育資金を確実に残すための制度です。

この制度をふまえると、万が一があった時に家計に影響が大きい方が契約者になっておくのが順当と考えられるのです。

また、学資保険は生命保険料控除の対象となるため、給与をもらっている人が契約者になると税制面でのメリットもあります。

一方で、毎月支払う保険料は男女や年齢によって少しずつ変わってきます。

具体的にA社の学資保険で見ていきましょう。

基本条件

  • 被保険者(子ども)の年齢は0歳
  • 受取開始は被保険者が18歳時に設定
  • 払い込みは18歳までとする
  • 受取総額は240万円とする

上記の条件で契約者を3パターン見てみます。


契約者が28歳男性の場合

  • 月々の保険料:1万1,536円
  • 満期金受取総額:240万円
  • 払い込み総額:249万1,776円
  • 返戻率:96.3%
契約者が28歳女性の場合

  • 月々の保険料:1万1,496円
  • 満期金受取総額:240万円
  • 払い込み総額:248万3,136円
  • 返戻率:96.6%

同じ年齢であった場合、男性と女性では月々の支払いが100円ほど違ってくることがわかりますね。これを払い込み終了までと考えると、総額が1万円ほど変わってくるため返戻率にも影響してくるのです。


契約者が30歳女性の場合

  • 月々の保険料:11,504円
  • 満期金受取総額:2,400,000円
  • 払い込み総額:2,484,864円
  • 返戻率:96.5%

例えば、契約者が30歳の女性であった場合は28歳の男性とほとんど同じ保険料だということがわかりますね。


夫が10歳以上年上の夫婦であれば、妻を契約者として学資保険に加入した方が、月々の保険料負担や返戻率から見ると得策かもしれません。


ちなみに、主婦もしくは主夫であっても契約者になることは可能ですし、選択した保険にもよりますが祖父母でも契約者になることは可能です。


それぞれのご家庭に合わせた加入の仕方があることを覚えておきましょう。

参考②:学資保険の契約者≠受取人の場合、贈与税がかかることがある

学資保険は、契約者と受取人が異なる場合、満期の保険金に税金がかかることもあります。


契約者から受取人に保険金を贈ったとみなされるため、贈与税の対象となるのです。


贈与税には、1人あたり年間110万円の控除枠がありますが、学資保険の満期金は一般的に200万円、300万円といった額になりますので、ほぼ確実に超えてしまうと考えた方が良いでしょう。


そして贈与税は所得税(一時所得)に比べて税率が高いので、注意が必要です。


これまで見てきたとおり、学資保険の契約者と受取人は同一が基本ですが、もしも離婚などした場合の契約者変更手続きはなかなか面倒なものです。


「最初から子どもを受取人にしておけば良いのでは…」と思われるかもしれませんが、この贈与税のことを考えると、やはり契約者を受取人としておくべきと言えるのです。

まとめ:学資保険の契約者変更は手続き方法と必要書類をよく確認しよう

学資保険の契約者変更についてご紹介をしましたが、いかがでしたでしょうか。


本記事のポイントは

  • 学資保険の契約者変更・解約は契約者の権限でできるので注意
  • 学資保険の加入中に離婚をした場合、契約者変更の手続きをする必要がある
  • 契約者≠受取人となると、保険金受取に贈与税がかかることがある

でした。


契約者を変更する際、手続き自体は保険会社の案内に沿って進めれば問題ないのですが、用意すべき書類が色々とあります。


特に身分証明書は新旧両方の契約者のものが求められます。


「離婚後、音信不通で書類がそろえられない…」ということにならないためにも、離婚を考える時には、学資保険をどうするかを忘れずに話し合いましょう。


夫婦で学資保険を検討する際に、離婚について考えることはあまりしませんよね。


また口に出すのも良くないように思われるかもしれませんが、今や3組に1組が離婚するともいわれる時代です。


「子どもの教育資金は何よりも大事だから、保険に入る時には、みんなこういうことを決めておくらしいよ」など、あらかじめ話し合っておけたら理想的ですね。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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