別居時の学資保険の扱いは?名義変更や離婚時の財産分与について解説

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別居中は学資保険の解約リスクや保険料支払いなどを考慮する必要があります。ここでは、別居時の学資保険の注意点、名義変更方法、解約、財産分与について解説します。万が一別居後離婚したら、子どもの教育資金を確保するためにも財産分与や名義変更などは把握しておきましょう。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

別居中の学資保険、保険料は?名義変更はすべき?

子どもの教育資金準備のため、学資保険に加入されている方は多いと思います。 その中には、現在夫婦が別居中もしくは別居予定で、保険料支払いや名義変更について悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。


事実として、別居した夫婦の7割以上が離婚に至るというデータもあります。(厚生労働省 平成 21 年度「離婚に関する統計」の概況


夫婦間の問題がどうあれ、子どもの将来を一番に考えていればこそ、もしも離婚となった場合のために、財産分与や名義変更についても把握しておくことが大切です。


この記事のポイントは

  • 別居中の学資保険の扱い
  • 別居中における学資保険で注意すべきこと
  • 子どもの学資保険は財産分与の対象になるのか
  • 万が一離婚したら学資保険の財産分与と名義変更には注意
です。

この記事を読めば、別居中の学資保険で気を付けなければならないことが分かります。

ぜひ最後までご覧ください。

別居のみで離婚していない場合、学資保険契約は全て契約者の自由

夫と別居し、子どもと2人で暮らしている妻・Aさんのケースを例として考えていきましょう。


Aさん夫婦は、夫を契約者として子どもの学資保険に加入しています。


保険料はAさんが払っていて、いずれ離婚も考えていますが、契約者が夫になっていることで何が起こりうるか不安に思っています。


この場合、契約者である夫には学資保険を勝手に解約する権利があり、また祝い金などの保険料を勝手に使ってしまうこともできます。そのような行為に対し、法律はなんら拘束力をもっていないのです。


学資保険をめぐるこのような心配事は、どう解決していけば良いでしょうか。


また、別居していて今後のお金に関するライフプランが立てられない。このままだとお金のやりくりが上手くいかないという方はファイナンシャルプランナーと相談してみてはいかがでしょうか。


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別居中の学資保険の注意点。名義変更はすべきだが難しい


別居中の学資保険の扱いについては、注意すべきポイントがいくつかあります。

  • 学資保険料の支払いを誰がするのか
  • 学資保険を途中で解約される心配はないのか
  • 学資保険の契約者、契約時のままにしておくのか
  • 学資保険を財産分与として請求されたらどうするのか
  • 学資保険の満期金の扱いをどうするのか
まず1点目の保険料支払いですが、必ずしも契約者が支払いをしているとも限らないでしょう。

このことも踏まえ、2点目以降について詳しく解説していきます。

学資保険は契約者の一存で解約できる

前述のように、学資保険は契約者の権限でいつでも解約することができます。また、解約返戻金や保険金を勝手に使ってもいいことに、法律上ではなっています。


仮に契約者である夫が保険料の支払いをしていた場合でも、子どもの教育資金に手を出されることになるので問題ですが、Aさんのように妻(非契約者)が支払いをしている場合には、さらに話がこじれてしまいます。


学資保険の加入中、必ずしも契約者が保険料支払いをしなければならないわけではありませんが、もしも別居となった際にはまず最初にこのことを思い出しましょう。

学資保険契約者の変更(名義変更)には契約者の同意が必要

では、学資保険の契約者変更(名義変更)はどのように行うのでしょうか。

名義変更についても、基本的には契約者が手続きをすることになっています。

保険会社によって詳細は異なりますが、一般的な手順は
  1. 名義変更を行う契約の証券番号を、保険証券などで確認
  2. 保険会社の窓口もしくはコールセンターなどへ連絡
  3. 保険会社から必要書類の案内があるため、それに従って提出
  4. 保険会社から、新しい保険証券が郵送され、手続き完了
となります。

Aさんが手続きを行いたいのであれば、委任代理人という立場をとることになりますので、委任状や戸籍謄本が必要となり、契約者の同意も求められるなど、とても煩雑です。

どちらにしても契約者が名義変更の意思を表示してくれない限り手続きができないため
  • 別居して連絡がとれづらい
  • 行方がわからないような状態になっている
  • 感情的なもつれで話し合いができない
など別居の事情によっては、契約者の変更は難しいことも多いようです。 

別居していた場合子どもの学資保険は財産分与の対象になるのか


財産分与は離婚時にする場合もありますが、別居した時点で行うということも多くあるようです。


では、子どもの学資保険も財産分与の対象になるのでしょうか。


子どもの教育資金のためにかけていた保険なので、それがなくなってしまったらと思うと心配ですよね。

学資保険は子どもの教育資金でも財産分与になる

結論から言うと、学資保険は財産分与になります。

方法としては、学資保険を解約して解約返戻金を折半、もしくは期金を受け取った時点で折半のどちらかが一般的ですが、学資保険そのものを財産として親権者が受け取る(継続する)方法もあります。

財産分与は、婚姻中に夫婦で築いてきた共有財産を分け合うものです。

保険契約であれば、夫婦のどちらが支払いをしたか、また名義がどちらであるかに関わらず、共有財産とみなされます。

なお財産分与には時効があり、請求ができるのは離婚届が受理された日から2年以内となっています。すでに離婚を見据えての別居であれば、早めに手続きできるものはしてしまうに越したことはありませんね。

ただし、学資保険の満期金は契約者のものになってしまう

ただ財産分与の原則とは別のところで、保険契約上、満期金は契約者が受け取ることになります。Aさんのケースで言えば、契約者の名義を変更していなかったとすれば夫が受け取るということです。


学資保険の満期は子どもの大学進学前後のタイミングとなっていることが多く、別居からかなりの年数を経ていることもあります。


別居の時点で「まだまだ先のこと」と思って話し合いをおろそかにしてしまうと、支払期間の長い年月の間にうやむやになってしまう可能性もないとは言い切れません。


満期金の扱いについては、先のことであるからこそ、特にしっかりと話し合っておきましょう。

別居後離婚したら、学資保険の財産分与と名義変更には注意

では実際に離婚となった場合の具体的な手順について説明します。

  1. 解約するか、親権者が契約を継続するかを決める
  2. 契約を継続する場合、契約者が非親権者であれば名義変更
  3. 名義変更は契約者が手続き、もしくは親権者(非契約者)が委任代理人として手続き

補足すると、学資保険は財産分与にあたるので、解約するか親権者が受け取るかを、まずは選択します。後者の場合、学資保険分は別の財産で埋め合わせるという考え方です。


契約者の名義変更についてはすでに解説した通りですが、感情的なもつれなどから、スムーズに進まないことも多いでしょう。その場合には財産分与額の減額など、ある程度、条件を譲歩することもやむを得ないかもしれません。  

まとめ:別居中、学資保険の契約者や解約には要注意!

別居中の学資保険の注意点について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは

  • 学資保険の保険契約は、契約者に変更の権利がある
  • 別居した場合、学資保険は名義変更するべきだが現実的に難しい面もある
  • 学資保険は財産分与の対象になる
でした。

学資保険は、大切な子どもの教育資金にと加入していたはずです。

別居時には何かと事情が入り組み、冷静な話し合いが難しいこともありますが、保険金が本来の目的に使われるようにしたいものですね。

そのためにも、名義変更の手順や法的な扱いについて、しっかりと理解しておきましょう。

特に「契約を勝手に解約することができる」「満期金を勝手に使ってしまえる」など、契約者の権限が非常に大きいことと、名義変更手続きは、別居中や離婚後であっても契約者に行ってもらわなければならないことには注意が必要です。

保険ROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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