生命保険料を毎月払いと前納って何が違う?メリットやデメリットは?

生命保険に加入している場合、保険料の払い込み方法を選択することがあります。毎月の引き落としが多いかと思いますが、今回は前納と呼ばれる方法はどんなものなのか?毎月払うのと前納は何が違うのか?そんな生命保険にまつわるお悩みを解決していきたいと思います。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

生命保険の全期前納払いとは?



生命保険に加入するにあたり、払い方をどうしたらいいかと考えている人もいると思います。多くの方は

・月払い(毎月支払うもの)

・半年払い(半年に1度支払うもの)

・年払い(年に1度支払うもの)

の3つから選ぶことが多いと思われます。


毎月口座から引き落としされているという方が一番多いのではないでしょうか。


保険会社によっては2回払い、年1回払いなど名称が異なることもありますので注意しましょう。


その他の払い方として

・一時払い

・全期前納払い

というものもあります。


この記事では、一時払いと比較した全期前納払いのメリット・デメリットや注意点などについて説明します。

なお、生命保険でも、終身保険や定期保険など種類によって、全期前納払いが適しているかどうかも変わるので、それについても説明します。

前払いして保険会社にお金を預けておくこと

最後にあげた2つは言葉だけではわかりにくいので、すこし細かく見ていきましょう。


一時払いというのは、保険契約時から払い込みが終わるまでの全部の期間の保険料を1度で支払ってしまう方法となります。


その一方で、全期前納払いというのは、保険契約時から払い込みが終わるまでの保険料を一度保険会社に支払うもので、一時払いとほとんど払い込みに関しては一緒です。


ただ、契約者はお金を一度しか払いませんが、保険契約としては毎月もしくは毎年の支払い日が来たら、その預けたお金から保険料が払い込まれるという仕組みなのです。


この2つに関しては、のちほど詳しく比較をしますので、簡単に用語の説明をしておきましょう。

保険料の払い方と割引率の関係


それでは、実際に払い方についてどのくらい違うのかを詳しく見ていきたいと思います。
保険料の払込方法(回数)には、毎月払い込む「月払」、半年ごとに払い込む「半年払」、毎年1回払い込む「年払」などがあります。一般的に、月払より半年払、半年払より年払など、まとめて払い込む方法をとるほど保険料が割安です。

出典: http://www.jili.or.jp/knows_learns/basic/insurance/payment.html

現在インターネットで、生年月日と性別を入力するといろいろなプランやシミュレーションが出てくるので、毎月の保険料は確認できると思います。


ただ、実際にそのプランが半年払いや年払い等に変更した場合の正確な金額は、各保険会社に問い合わせてみないとわからないことが多いので、気になった時は問い合わせをしてみましょう。


一つ言えることは、毎月金融機関からの引き落としするという手数料を考えると、回数が少ない方が手数料がかからないので保険料が安くなると考えていただければと思います。


お勤めの会社によっては、各保険会社で団体割引が適用されることもありますし、他の商品とセットで加入しているとさらに割引になるケースもあります。


生命保険(終身保険)における一時払い、全期前納の方法として相続税対策として考えている人もいます。建物や土地などは現金化するのには多少時間がかかるのに対し、保険金は現金のため、いざ相続税を払うことになると便利な使い道だと考える人もいるからです。

一時払いと比較した全期前納払いのメリット・デメリット

一時払いのほうが、総保険料支払額は少ない

それでは先ほどご紹介した払い込みの中で、一時払いと全期前納払いについて比較をしてみましょう。一払いについてのメリット・デメリットは以下が挙げられます。


メリット

  • 全期前納払いと比べると、合計保険料の支払額が安くなる。

デメリット

  • 生命保険料控除は保険料を払った年だけが適用される。
  • 万が一途中で契約者が死亡した場合や解約した場合は、払ってしまった保険料は返ってこない。 

といった形になります。

全期前納払いの場合、生命保険料控除が毎年受けられる

次に全期前納払いにした場合ですが、こちらもメリット・デメリットをご紹介していきます。


メリット
  • 生命保険料控除は払い込み期間の間は毎年控除を受けることができる(保険会社に預けている形のため) 

デメリット

  • 一時払いと比べると、合計保険料の支払いが高くなる。

平成24年以降に契約した場合、生命保険料控除は毎年8万円以上の保険料に対して、4万円の控除が受けられるため、税制面でも有利になると考えられます。


保険料だけを比べてみると、一時払いにした方が安くなるということになりますね。

全期前納払いの場合、死亡時や解約時に未経過分の保険料が返ってくる

その他にもこういったメリットがあります。


  • 万が一途中で契約者が死亡した場合や解約した場合は、残りの期間の保険料は返ってくる。 

一括でお金を払うという同じ方法でも、大きな違いというのはこの部分なのではないでしょうか。


一時払いとして払われた保険料は、生命保険会社のものとなりますが、全期前納の場合は預かっている保険料なので、解約もしくは死亡した場合は返されるお金として扱われます。


生命保険の全期前納払いの注意点

現時点で、全期前納分を支払うことのできる貯蓄が必要

大前提として、今加入している生命保険を全期前納払いする時に、その総額のお金が手元にあるということはいうまでもないことです。


ただし、ご家庭の貯蓄をかき集めてもうこれ以上余分な資金がないという状態ではおすすめできません。


例えば、この先住宅ローンを組むのであれば少しでも現金で頭金があった方がローンも組みやすいですし、お子さんが産まれるとなると出産などに一時金が必要になってきます。


さらに現在お住まいの住宅でも何か大きな電化製品の買い替えや、お部屋の修理・修繕が必要になってくることもありますし、急な冠婚葬祭でもまとまったお金が必要となってきます。


つまり、生命保険において前納をしようと考える時は、手元にある現金でこの先明確に使う予定がない余裕資金を投入するということを考えておきましょう。

途中から全期前納払いに変更する場合はタイミングに注意

例えば定期預金の満期を迎えたなど大きなまとまったお金が入った時に、現在の生命保険の払い方を変更して全期前納払いにしてしまおう、と考えることもあると思います。


そういった場合、途中から払い方の変更する時はタイミングに注意をしましょう。


例えば今までが月払いで、1年に1回の年払いにする場合は、契約日が4月1日だった場合、次の年以降の4月が変更のタイミングとなります。


半年払いはその年の10月、もしくは次の年以降の4月が手続きのタイミングとなるわけです。


払い方変更をしよう、となるとタイミングが重要になってきます。


全期前納払いに向いている保険商品とは

生命保険の中でも、全期前納払いに向いている商品とそうでない商品があります。


例えば掛け捨ての部分が多くを占める、定期保険がメインのタイプでは、ライフプランの変化によって途中で保険を見直すタイミングが出てくるため、一時払い・前納払いには向いていないと考えられることが多いです。


解約返戻金のある終身保険などは、返戻率の高くなる全期前納払いはおすすめです。


保険商品によっては、まとめて払う前納や一時払いができないこともありますので、十分注意しておきましょう。

まとめ

今回は生命保険における払い方についてご紹介をしました。


それぞれのメリットやデメリットはわかっていただけたかと思いますが、生命保険の種類やプランによって全期前納払いや一時払いができないものもありますので、これからそういった払い方を活用しようとお考えの方は、あらかじめご相談することをおすすめします。


生命保険は多くの場合、結婚やお子さんの誕生に合わせて加入される方が多いものです。


それと同時期に新しいマイホームを手に入れる方、マンションの住宅ローンを組む方もいらっしゃいます。


例えば貯蓄等でまとまったお金が出来た場合、そのお金を住宅に回すのか、それとも生命保険に充てるのかなどはしっかりと考えていく必要があります。

生命保険の選び方が気になるという方はぜひこちらを読んでみてください。

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