うつ病と診断されると、生命保険への加入が難しくなるのは本当?

うつ病患者は、通常の生命保険や団体信用生命保険への加入が難しい場合が多いですが、うつ病が完治後5年経過した場合は加入でき、未完治でも特定部位担保や引受基準緩和型など加入しやすい保険もあります。また、うつ病患者の味方となる公的保障についても説明します。

うつ病と診断されると、生命保険への加入が難しくなる

厚生労働省の「みんなのメンタルヘルス総合サイト」によると、日本では100人に3~7人の人々が、うつ病を経験したことがあるそうです。

この記事を読んでいる読者は、現在うつ病を患っている方か、過去にうつ病を患っていた病歴がある方が大半でしょう。


「うつ病のせいで生命保険に加入できないの?」、「うつ病にかかってしまったら生命保険の更新はどうなるの?」と不安に思っていると、ますます体調が崩れてしまいますよね。


そこで、この記事ではうつ病患者(元患者も含む)の生命保険加入審査について、

  • うつ病患者が生命保険に入りづらい理由
  • うつ病でも加入できる保険
  • うつ病のときに受けられる公的保障

以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、うつ病のせいで生命保険に加入できずお悩みの方ができることについて知ることができます。

是非最後までご覧ください。


うつ病患者が生命保険に加入しづらい理由

なぜ、うつ病を患うと生命保険への加入が厳しくなるのでしょうか?

それは、「うつ病患者など精神的な病気を抱えている方は自殺率が高い」と保険会社や保険会社の営業マンに推測されるからです。


自傷行為や自殺願望は「自分の心を守るための自己防衛」ともいわれていますが、保険加入の際は大きな壁となります。


また、うつ病患者は、「生命保険金目当てに生命保険に加入したいのではないか」という疑いをかけられやすいという問題もあります。


そのため、うつ病患者は、死亡保障がメインの生命保険に加入することは難しくなっています。


一方で、死亡保障がメインではないがん保険(がん治療のみが保障対象の保険)などは、うつ病患者でも加入できます。

うつ病はたいてい生命保険の加入時の告知審査で引っかかる

生命保険に加入するときは、健康状態の告知義務があります。

告知とは、生命保険に加入する際の加入審査のようなものです。

告知された加入希望者の健康状態によって、各保険会社が加入の可否を審査します。

もちろん、精神疾患も例外ではなく、うつ病である場合はその旨を申告しなければなりません。

そして、うつ病で通院したり薬を服用していたりすると、たいていの保険会社で告知審査に引っかかってしまいます

では、具体的な告知内容はどのようなものなのかご説明していきます。

過去の病歴(既往歴)などを告知書に記入しなければならない

生命保険に加入するときは、過去の病歴(既往歴)などを告知書に記入して提出する必要があります。


生命保険の告知内容は保険会社や保険商品によってさまざまですが、うつ病患者にとって重要な審査項目は主に以下のものでしょう。


  • 過去3か月以内に、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか。 
  • 過去5年以内に、病気やケガで初診日から最終受診日まで7日以上の期間にわたり、医師の診察・検査を受けたこと、または7日分以上の投薬を受けたことはありますか。
  • 過去5年以内に、病気やケガで手術を受けたことがありますか。 


過去の病歴とはいっても、過去5年以内の病状などを聞かれることがほとんどで、すべての病歴を記入する必要はありません。

うつ病の告知が必要ないケース

過去にうつ病を患っていても、完治から5年以上経過している場合、それを告知する必要はありません。


上記の通り、告知では過去5年以内の病歴を聞かれますが、それより前の病歴は聞かれないのです。


しかし、うつ病が完治したと自分で思っていても、それを証明することは厳しいです。


そのため、医師から完治の診断書を受け取る必要があるので注意しましょう。

告知で嘘をついてばれると、告知義務違反となる

告知の際、うつ病であることを隠したり、嘘をついたりすると告知義務違反となります。 


うつ病は、怪我などと違い目に見えないので騙せると思う方もいるかもしれません。


しかし、いざ保険金を請求するとき、加入時にうつ病だったことがばれる可能性は高いです。


そもそも、ばれる・ばれないという以前に、生命保険に入りたいがために嘘の申告をするのはやめましょう。


虚偽申告がばれた場合、告知義務違反ということで、もちろん保険金は降りず、契約自体を解約しなければならないケースもあります。

生命保険の更新時にうつ病だった場合はどうなる?

生命保険の契約時にうつ病だった場合、もしくは過去5年以内にうつ病だった場合は契約しづらいということをご説明してきました。

では、加入時は問題なくても、生命保険の更新時にうつ病だった場合はどうなるのでしょうか。

結論から言うと、生命保険の更新時にうつ病だった場合でも、問題なく契約を継続できます。

なぜなら、生命保険の更新時は再審査がないからです。

もちろん告知の必要もありませんので、1度契約してしまえば後は問題なく契約を更新できます。

ただし、更新型の生命保険であれば問題ありませんが、再加入型の生命保険だった場合は注意が必要です。

再加入型の場合、契約期間が終了したときにもう1度審査を行うので、そのとき持病があった場合は再加入できないおそれがあります。

うつ病で通常の生命保険への加入が厳しい場合、他の選択肢は?

今まで説明してきたように、うつ病患者は通常の生命保険に加入しづらいのが現状です。

しかし、それでも、特別な条件をつけたり、告知審査の緩い保険を利用したりすれば、生命保険に加入することができます。


特別な条件とは、保険料の支払いを多めにする、もらえる保険金を減額するなど、通常とは異なる条件のことです。


これらは加入希望者にとって不利な条件ですが、それで生命保険に入ることができれば、入院費保障がつくなど、患者にとって嬉しい保障を受けることができる可能性もあります。


では、うつ病患者が生命保険に入るための方法を解説していきます。


特定部位担保など特別条件付き契約の下、加入する

まず、ご説明したとおり、うつ病患者が生命保険に入るためには、特別な条件をつけて加入するのも1つの手です。

代表的な特別条件としては、以下のようなものがあります。

  • 特定部位不担保
  • 保険料の割り増し
  • 保険金の減額

これらの条件を追加すれば、通常の生命保険と同様の内容で契約することができる場合があります。

特定部位不担保とは、文字通り、特定の部位を保障の対象外にするという条件のことです。


例えば、うつ病患者の場合なら、「うつ病に関わる入院や薬の費用は保障しない」という条件などが挙げられます。

告知審査の緩い、引受基準緩和型保険や限定告知型保険に加入する

他にも、うつ病患者が生命保険に加入できる選択肢として、告知審査の緩い保険に加入するという方法があります。

告知審査の緩い引受基準緩和型保険や、告知内容が限定されている限定告知型保険であれば、うつ病患者でも加入しやすいでしょう。

上記2つの保険は、持病や健康上の理由で保険加入を諦めていた方でも入りやすい保険です。


例えば、D社の引受基準緩和型保険プランを参考にすると、告知内容は以下の通りになっています。


  • 最近3か月以内に受けた医師による検査または診察で、入院または手術をすすめられたことはあるか。 
  • 過去1年以内に、病気やケガで入院したこと、または手術を受けたことがあるか。 
  • 過去5年以内に、がんまたは肝硬変で、入院したこと、または手術を受けたことがあるか。 

通常の生命保険では過去5年以内の病歴などを問われることを考えると、この引受基準緩和型保険は加入条件が緩くなっていると言えるでしょう。


ちなみに、このプランの具体的な保険内容は、「40歳男性の加入で、月々の保険料が3,831円」です。


保障される入院日額は5,000円、入院での手術が5万円、外来での手術が12,500円です。 


そのほかにも、先進医療、退院後の通院、3大疾病(がん、心疾患、脳卒中)での入院保障延長などが保障されます。 


ただし、契約1年目は給付金が半額となるなど、保障内容に制限があります。

うつ病を告知しなくてもいい無選択型保険に加入する

引受基準緩和型保険や限定告知型保険でも加入が厳しい場合は、告知審査の無い保険を選ぶこともできます。

無選択型保険は告知審査がないので、引受基準緩和型保険などで審査に落ちた方でも加入できるでしょう。

しかし、保険料は割高になる場合が多いです。


例えば、F社の無選択型保険プランを参考にすると、加入後の保険料は上がらず、40歳男性で6,596円の保険料となります。


保険料の支払い額が高く、保障金額を上回る可能性が高くなるのであまりオススメできません。

まずは通常の生命保険への加入をトライしよう

うつ病患者でも、いきなり引受基準緩和型保険などの加入を検討するのではなく、通常の生命保険への加入をトライしましょう


今までご説明してきた通り、引受基準緩和型保険、限定告知型保険、無選択型保険には以下のようなデメリットがあります。


  • 保険料が割り増しで支払いが大変
  • 保障内容が限定的


通常の生命保険に加入できるのであれば、上記3つの保険に入るメリットはあまりないと言ってもよいでしょう。


まずは通常の生命保険への加入をトライし、それでもダメだった場合、特定部位不担保の特別条件付きで生命保険に加入するのが現実的な解決策でしょう。

うつ病患者は、公的保障を確認しよう

ここまで、うつ病患者の方が生命保険に加入する方法についてご説明してきました。

しかし、ここまで読んでくださった方の中には「やっぱり生命保険に加入できる自信がなくなってきた…」と落ち込むような症状をお抱えの方もいるかもしれません。

そのような方にご紹介できるのが、公的保障です。

うつ病患者には、民間の生命保険に入るだけではなく、公的な保障を受けるという選択肢もあります。

公的保障でお金が下りるのであれば、頑張って生命保険に加入しようとしなくてもよいわけですよね。


では、うつ病患者が知っておくべき主な公的保障について確認していきましょう。

うつ病で休職している会社員は傷病手当金を請求できる

公的保障の1つに、傷病手当金というものがあります。

傷病手当金とは、病気や怪我などで働けず休職している会社員に給料の3分の2の給付金を保障するものです。

傷病手当金は、うつ病を理由に休職している場合でも適用されます

傷病手当金の支給条件には、「連続する3日間を含み、4日以上仕事に就けなかったこと」などがあります。


それらの支給条件をクリアすれば、傷病手当金を受け取ることができます。

うつ病患者は自立支援医療制度の対象

会社員ではない場合、支給条件をクリアできない場合は、自立支援医療制度を利用することができます。


自立支援医療制度とは、うつ病患者の通院費用を軽減するという制度です。ただし、入院費用は対象外となっています。


実は、自立支援医療制度は生命保険よりも役に立つ場合があります。


なぜなら、生命保険の通院保障では「退院後の通院」しか保障の対象となっていないからです。


しかし、うつ病の治療は、入院することよりも、通院で済むケース(カウンセリングのみのケースなど)も多いでしょう。


ご説明したとおり、生命保険では退院後の通院のみ保障されるので、カウンセリングのみでは保険金がもらえません。


しかし、自立支援医療制度なら、自己負担額が軽減するというメリットがあります。

うつ病患者は障害年金を受け取れる

障害年金とは、病気やケガで生活や仕事などが制限される場合に受け取ることができる、国の公的な年金のことです。

うつ病も障害年金の対象となります


障害年金を受け取るには、医師の診断書などを用意して市区町村などに申請します。

特別障害者手当や生活保護なども検討してみよう

特別障害者手当とは、うつ病など、精神または身体に重度の障害を持つ20歳以上の方が、1か月あたり2,600円ほど受け取れる手当のことです。

生活保護とは、ご存じの通り、収入がなくなり生活が困難となった人への保障です。


他にも、税金の負担が軽減される障害者控除・特別障害者控除、精神障害者保健福祉手帳などがあることも知っておきましょう。


生命保険に加入できなくても、うつ病患者にはたくさんの選択肢が用意されているのです

参考:うつ病になると団体信用生命保険に加入しづらい

団体信用生命保険とは、住宅ローンを組んで家を建てるときに加入する生命保険です。


住宅ローンを組んだ方が死亡または所定の高度障害状態になったとき、その生命保険で住宅ローンを返済するための生命保険のことです。


つまり、加入時の健康状態が悪ければ、団体信用生命保険に加入しづらいということになります。


そのため、団体信用生命保険には告知義務や告知書の記入があります。


うつ病と診断されていると、通常の生命保険と同様に、団体信用生命保険へ加入しづらいことが多いです。


ただし、団体信用生命保険にも引受基準緩和型保険などが用意されています。

うつ病でも入れるフラット35とは?

民間銀行で住宅ローンを組む場合、団体信用生命保険の加入が必要になります。 


団体信用生命保険に加入しなければ住宅ローンを組むことができませんが、フラット35という住宅ローンならローンを組むことができる場合もあります。


フラット35とは、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している住宅ローンです。フラット35では、団体信用生命保険への加入は任意となっています。


フラット35なら、団体信用生命保険に加入してもしなくても住宅ローンを組むことができるということですね。


そのため、うつ病と診断されている場合でも、フラット35を利用することで住宅ローンを組むことができます。


ただし、万が一加入者が亡くなったり高度障害状態になった場合、団体信用生命保険に加入せず住宅ローンを組んでいると、大きなリスクを背負うことにもなりかねません。


フラット35の利用は慎重に考えましょう。

まとめ:うつ病患者の生命保険加入について

うつ病患者の生命保険加入について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

今回のこの記事のポイントは、

  • うつ病患者が生命保険に入りづらい理由
  • うつ病でも加入できる保険
  • うつ病のときに受けられる公的保障

です。

うつ病と診断されたからといって、生命保険への加入を諦めてはいけません。

うつ病と診断された場合、確かに生命保険の加入時の告知審査はありますが、特定部位不担保の条件付きで加入できることもあるし、うつ病患者でも比較的加入しやすい引受基準緩和型保険などもあります。


自分1人で悩まずに、通っている病院の先生、プロのFP、保険会社の営業マンなどに相談してみましょう。


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