医療保険の加入率や保険料はどれぐらい?必要性と選び方を徹底解説!

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多くの人が加入している医療保険。実際どれぐらいの人が加入しているのか、そもそも医療保険は必要なのか、気になっている方も少なくはないでしょう。そこで今回の記事では、医療保険の加入率や必要性、知っておくべき考え方や公的制度、医療保険の選び方などを解説します。



▼この記事を読んで欲しい人

  • 医療保険の加入率について知りたい人
  • 医療保険に加入するか迷っている人
  • 医療保険に加入する必要性を知りたい人

内容をまとめると

  • 医療保険はほとんどの人が加入していて必要性が高い
  • 公的医療制度により医療費は一定額におさえられる
  • 公的医療制度でカバーできない部分をまかなうのが医療保険
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目次を使って気になるところから読みましょう!

データから見る医療保険の必要性



病気やけがなど、いざというときに備えて加入する医療保険


実際にどれぐらいの人が加入していて、どれぐらいの保険料を支払っているのか気になる方は多いかと思います。また、なかには医療保険が本当に必要なのかを疑問に感じている方もいらっしゃるかもしれません。


そこで今回は、以下の内容について解説します。

  • 医療保険の加入率と保険料の推移
  • 医療保険の必要性に関する考え方
  • 医療保険の加入前に知っておくべき公的医療制度
  • 医療保険の選び方
この記事を読んでいただければ、医療保険の必要性についてを理解し、自分に合った保険の選び方を知ることができます。人によっては、不要な保険を解約するきっかけにもなるでしょう。

ぜひ最後までご覧ください。

医療保険の加入率(全体・年代別・男女別)

まずは医療保険の加入率について見ていきましょう。


自身の属性とも比較して、医療保険の必要性を考えるきっかけになるデータです。


以下の3つの視点をご紹介します。

  • 全体の加入率
  • 年代別の加入率
  • 男女別の加入率

全体の医療保険加入率|93.6%で増加傾向

公益社団法人生命保険文化センター「2021年度(令和3年度)生命保険に関する全国実態調査(速報版)」によると、医療保険・医療特約の加入率は93.6%という結果でした。


家族のうちの誰が加入しているかという調査では、世帯主の加入率が88.7%、配偶者は65.8%と、世帯主の加入率が比較的高いことがわかります。


医療保険の加入率は直近5年でほぼ横ばいもしくは微増で、世帯全体の加入率については2021年度が過去最高値となっています。


これらの結果から、医療保険にはほとんどの人が加入しているといっても過言ではない状況です。

【年代別】医療保険加入率|30代で加入率が増加する

次は、年代別の加入率の推移です。

年代加入率
~20代48.6%
30代72.0%
40代80.1%
50代79.0%
60代75.9%

(参照:生命保険文化センター「生活保障に関する調査」


30代で加入率が大きく増加することがわかります。


この年代は、結婚や出産などのライフステージの変化があるほか、三大疾病を含めた病気やけがのリスクが高まる年代です。医療保険への加入を検討すべき年代だといえるでしょう。


60代で加入率が下がるのは、公的保障により自己負担費用が下がることと関係しています。手厚い医療保険の重要性は低くなるので、医療保険の見直しや解約を検討する年代です。

【男女別】医療保険加入率|女性は医療保険で備える傾向が強い

男女別の加入率の違いは以下のとおりです。

年代男性女性
20代44.9%51.3%
30代69.3%74.2%
40代77.7%81.9%
50代77.1%80.4%
60代71.7%78.8%

(参照:生命保険文化センター「生活保障に関する調査」


このように、女性のほうが医療保険で病気やけがに備える傾向が強いです。


これは、乳がんなどの女性特有の病気があることや、出産にともなう入院・手術があることが関係しています。こうした女性のニーズに応えるために、女性限定の女性保険女性特約を用意している保険会社も少なくありません。

医療保険の月額保険料の年齢別の推移

以下の表は、生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」のうち、年間保険料の調査結果を参考に、月額にした数字をまとめたものです。

男性女性
20代約1,2万円約9千円
30代約2万円約1.2万円
40代約2万円1.3万円
50代約2.4万円約1.7万円
60代約1.8万円約1.5万円

50代では20代の約2倍の保険料を払っていることがわかります。


これは、一般的に保険料は年齢に応じて上がるからです。


また、持病や既往症(過去にかかった病気)がある場合はさらに保険料が割高になりやすいので、病気のリスクが高まる30代後半からは健康状態が良好なうちに医療保険への加入を検討することをおすすめします。

医療保険の必要性に関して知っておくべき考え方

医療保険にはほとんどの人が加入しているとはいえ、実際に必要か不要かは個々人の状況によって変わります


ここでは4つの観点から、医療保険の必要性に関して知っておくべき考え方をご紹介します。

  1. 先進医療費は基本的に全額自己負担
  2. 障害年金は最大でも1ヵ月に15万円程度
  3. 配偶者や子どもがいる場合は医療保険の必要性が高まる
  4. 入院は短期化の傾向にある

①先進医療費は基本的に全額自己負担

先進医療とは、高度な医療技術を用いた治療法のことで、医療費は全額自己負担とされています。


そして先進医療費は高額になることが少なくありません。200~300万円ほどかかることもあります。(参照:厚生労働省「先進医療の概要について」


医療保険の役割のひとつは、このような高額な自己負担に備えることです。


なお、先進医療の場合は先進医療特約を付加することで対応できます。月々100~200円程度の保険料で付加できるので、いちど検討してみましょう。

②障害年金は最大でも1ヵ月に15万円程度

障害年金病気やけがで生活や仕事が制限されるようになった際に受け取れる年金です。


1等級から3等級まであり、もっとも重い1等級でも受け取れる金額は1ヵ月に約15万円程度です。傷害年金を受け取る状態であれば、入院・通院などの療養費や収入減による家計への負担はけっして小さくありません。


ですから、入院や通院に対して医療保険で備えることが重要です。近年では日帰り入院などの短期入院に対応した保険商品も増加傾向にあり、自分に合った保険を選びやすくなっています。

③配偶者や子どもがいる場合は医療保険の必要性が高まる

配偶者や子どもがいる場合は、独身よりも医療保険の必要性が高まります。


自身の医療費以外にも以下のような状況に対応する必要があるからです。

  • 家族の生活費
  • 子どもの養育費
  • お見舞いに来る家族の交通費

貯蓄がないとこういった状況に対応できませんし、貯蓄があっても取り崩すことになる可能性があります。


ですから、よほどの貯蓄があって、自己負担費用が大きくなっても対応できる人以外は医療保険への加入を検討しましょう。

④入院は短期化の傾向にある

このように、さまざまな医療保険の必要性がありますが、過度に手厚い保障は不要なので注意が必要です。


過度な保障の例には長期の入院保障が挙げられます。入院保障は一般的に、入院1日あたり一定額の給付金が支払限度日数まで受けられるものです。


医療の進歩により入院は短期化しているため、支払限度日数をあまり長くすると、受ける保障に見合わない割高な保険料を支払うことになります。


入院保障の支払限度日数は60~120日程度が目安です。そこから自身の健康状態や貯蓄状況、家族の有無などに応じて日数を変更しましょう。

医療保険への加入前に知っておくべき公的医療保険制度

医療保険への加入前に知っておくべき公的医療保険制度があります。


代表的なものが以下の3つです。

  1. 健康保険
  2. 傷病手当金
  3. 高額療養費制度
基本的には健康保険に加入していれば利用できます。ですから、これらの制度を利用する前提で、カバーできない自己負担費用部分を民間医療保険でまかなうようにしましょう。

それぞれくわしく解説していきます。

①健康保険

健康保険は、医療機関を受診した際に窓口で保険証を提示すると、自己負担が3割ですむ制度です。


一般的な会社員が加入する健康保険のほかに、自営業者などが加入する国民健康保険、75歳以上が加入する後期高齢者医療保険などがあります。


ただし、以下のように健康保険の適用対象外になる費用も少なくないので注意が必要です。

  • 差額ベッド代
  • 予防注射
  • 健康診断
  • 先進医療費
  • 美容整形などの、治療を目的としない手術
とくに差額ベッド代は自己負担費用が大きくなりがちなので、医療保険で備えることをおすすめします。

②傷病手当金

傷病手当金は、病気やけがのために働けず、療養のために3日以上継続して欠勤した際に、4日目から最長1年6ヶ月まで支払われる手当金です


1日あたりの支給金額は以下の計算式で算出されます。

(支給前の12ヵ月間の標準報酬月額を平均した額)÷30×(2/3)

働けなくなってもある程度の保障が得られるのは大きなメリットですが、基本的には会社員のような被雇用者しか利用できない制度です。


ですから、自営業者などが働けなくなるリスクに備える場合は医療保険に加入しましょう。

③高額療養費制度

年収の目安自己負担限度額
住民税非課税者等35,400円
~約370万円57,600円
約370万円~770万円80,100円+(総医療費ー267,000円)×1%
約770万円~1,160万円167,400円+(総医療費ー558,000円)×1%
約1,160万円~

252,600円+(総医療費ー842,000円)×1%

高額療養費制度により、年収に応じた自己負担限度額以上に支払った医療費は返還されます。


上記の表は、70歳未満の1ヵ月の自己負担限度額をまとめたものです。この制度により、医療費負担は一定の金額ですむようになります。


なお、高額療養費はいったん窓口で全額支払ったのちに払い戻しを受ける制度なので、医療費が高額になることが事前にわかっている場合は限度額適用認定証を利用しましょう。

医療保険に入る必要性が低い人の特徴

医療保険に加入する必要性が低い人の特徴についても解説します。


以下のような人たちです。

  1. 高額な自己負担費用に貯蓄で対応できる、経済的に余裕がある人
  2. 後期高齢者医療制度が受けられる75歳以上の人

①高額な自己負担費用に貯蓄で対応できる、経済的に余裕がある人

医療保険に加入する大きな目的は、病気やけがをしたときに金銭的なサポートを受けることです。


貯蓄がなくても、保険料を支払うことで、大きな自己負担費用に備えることができます。逆にいえば、高額な自己負担費用に貯蓄で対応できる、経済的に余裕がある人であれば、医療保険の必要性は低いです。


しかし、治療にかかる医療費以外にも、通院にかかる交通費が必要になったり、働けないことで収入が減ったりすることは少なくありません


ですから、実際にはなんらかの医療保険に加入して備えることをおすすめします

②後期高齢者医療制度に加入できる75歳以上の人

保険料は基本的に、年齢に応じて上がります。年齢が高くなればなるほど保険料負担は大きくなるということです。


ですから、75歳以上で後期高齢者医療制度に加入できる場合は、窓口での自己負担費用よりも保険料のほうが高くなることがあります。医療保険の必要性が比較的低くなる年代だといえるでしょう。


しかし、少子高齢化によって、後期高齢者医療制度が今後見直される可能性は低くありません。可能であれば終身型の医療保険に加入し、定年までに保険料を払い終えることをおすすめします。


終身型であれば年齢による保険料の増加はなく、また、保障を一生涯受けることが可能です。

自分に合った医療保険の選び方

ここまでは、医療保険の必要性について解説してきました。


ここからは、お伝えしてきた内容をふまえて、自分に合った医療保険の選び方を解説します。


大きく以下の5点です。

  1. 公的保障と貯蓄をふまえて医療費がいくら必要なのかを計算する
  2. 日帰り入院を含めた入院時の保障内容を確認する
  3. 手術給付金の対象となる手術と日帰り手術が対象かどうかを確認
  4. 通院保障は必要性が低いので注意する
  5. 必要に応じて特約を付加する

①公的保障と貯蓄をふまえて医療費がいくら必要なのかを計算する

医療保険は、公的保障でカバーできない自己負担費用部分をまかなうように選ぶことをおすすめします。


ですから、まずは高額療養費制度の限度額と傷病手当金の有無を把握しましょう。勤務先で独自の保障が受けられる場合はそれも加味します。


そのうえで、自身の貯蓄と経済状況、結婚や出産などの大きな出費が必要なライフステージなどをふまえて、いざというときに医療費がいくら必要なのかを計算しましょう。


そして、必要な医療費をもとに、十分な保障が受けられる医療保険に加入します。

②日帰り入院を含めた入院時の保障内容を確認する

入院給付金は基本保障として多くの保険に含まれているため、加入の際には必ず保障内容を確認しましょう。


ポイントは以下の3点です。

  • 入院給付金日額
  • 支払限度日数
  • 日帰り入院が保障対象か

給付金日額や支払限度日数は、自身が必要とする医療費によって異なります。


日帰り入院に関しては、入院が短期化しているため、保障対象に含まれる商品がおすすめです。

③手術給付金の対象となる手術と日帰り手術が対象かどうかを確認

手術給付金は、入院給付金と同じく基本保障として多くの保険に含まれています。


重要となるのは日帰り手術が対象かどうかです。日帰り手術が対象の保険も増えていますが、入院中の手術以外は給付対象外の保険もあるので注意しましょう。


また、対象となる手術は公的医療保険に連動するタイプを選ぶのがおすすめです。


手術給付金についてはほけんROOMのこちらの記事もぜひご覧ください。

④通院保障は必要性が低いので注意する

入院なしの通院による療養が増加しているため、通院保障の内容には注意しましょう。一般的に、通院保障は入院なしの通院が保障の対象外だからです。


言いかえると、入院をともなう長期の通院に対する保障になるため、入院が短期化している現代においては必要性が低い保障ともいえます。


通院保障を手厚くしすぎて、保障に見合わない割高な保険料を払うことがないようにしましょう。

⑤必要に応じて特約を付加する

医療保険には基礎部分となる主契約と、上乗せ部分となる特約が存在します。


以下の表は、おもな3つの特約の保障内容をまとめたものです。

特約名保障内容
女性疾病特約子宮がんや乳がんなどの女性特有の疾病に対して給付金が支払われる
先進医療特約高度先進医療を利用した医療費の実費分が還付される
がん特約がんに罹患した際に、主契約に上乗せして給付金が支払われる

特約を付加することで、より保障を手厚くできますが、主契約だけのときよりも保険料は高くなります。


本当に必要な保障のみを、支払える保険料の範囲で選ぶようにしましょう。

まとめ:医療保険選びに不安があるなら保険のプロに相談しよう

医療保険の必要性について解説してきましたが、いかがでしたか?


今回の記事のポイントは以下のとおりです。

  • 医療保険はほとんどの人が加入していて必要性が高い
  • 公的医療制度により医療費は一定額におさえられる
  • 公的医療制度でカバーできない部分をまかなうのが医療保険

利用できる公的医療制度を把握したうえで、受ける保障と支払う保険料のバランスを考えて医療保険を選びましょう。


なお、もし自身で保険を選ぶことに不安がある場合は、保険のプロ・FP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。


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