ピルの服用を前向きに捉え始めた生命保険会社、でもここに注意!

ピルの安全性が生命保険会社に認められ始め、加入できる場合があります。ただし、ピルの服用を告知しないと契約違反として生命保険会社に契約解除をされてしまいます。生命保険に加入したい場合は、正直に服用を告知した上で生命保険契約を結んでください。

ピルを服用していると生命保険に加入できないのか

ピル服用中の生命保険加入希望者に生命保険会社が難色を示すのは、以下のような理由があるからと言えます。

  • ピルは薬物療法でも使用

ピルは避妊のために飲むお薬であることは周知のとおりですが、病気の治療にも薬物療法として用いられる場合があります。治療中の方の生命保険加入が一律で認められないわけではありませんが、生命保険の加入は制約されることになります。

  • ピルの服用による重大な副作用のリスク

ピルの副作用として血栓症なりやすいというリスクがあります。血栓症は、血管の中に血の塊ができ様々な症状を引き起こす病気です。血栓症の症状としては、腹部・胸・手足の痛み、息苦しさ、しびれ、偏頭痛、けいれん等を引き起こします。脳や肺に血栓ができると最悪の場合は死亡するケースもあります。



生命保険会社によって変わる

ピルを服用している加入希望者に対しては、生命保険会社の対応は様々です。

各生命保険会社がピルの安全性をどの程度認知しているかによっても、加入の可否判断に違いが出ます。

また、ピルの服用が病気の治療ためなのか避妊のためなのかという服用目的、ピルの服用期間、服用している用量によっても生命保険会社の判断は変わります。

女性特約などは特に要注意

女性(疾病)特約とは、子宮、乳房、甲状腺の病気など女性特有の病気や女性が発症しやすい病気で入院した時に、通常の医療保障の内容に上乗せして給付金が支払われる特約のことです。

生命保険各社は、それぞれ加入を判断する基準が異なるため、ピルの服用がある場合、女性特約を付けることができないケースも出てきます。

ただし、女性特約を付けなかったからといって女性特有の病気になった際、医療保険等の対象外になるというわけではなく、女性特約を付かなかった分の上乗せ給付金が受け取れないという場合にとどまります。

どうしても女性特約を付けたい場合は、加入を検討している保険会社の代理店へピルを服用しても加入することができるか、または加入を希望する保険会社のカスタマーセンターへお問い合わせして確認することをお勧めします。

生命保険の告知義務

生命保険を加入したい場合は、加入希望者の健康状態を報告する義務を負います。これが「告知義務」であり、生命保険会社は報告された健康状態をもとに審査し、問題がなければ生命保険契約が締結されます。

生命保険会社にとって、持病のある方や治療中の方、手術を受けたばかりの方などは、多くの保険金を支払うリスクがあるため加入を制限することになります。

健康告知の質問例としては、最近数カ月以内の医師の診察、治療、投薬の有無、過去数年以内の手術等の有無が聞かれ、事実を素直に答えなければいけません。

ピル服用は告知義務がある

持病や病気の治療のために、過去3ヶ月以内に医師の診察・検査を受けている場合、被保険者証を使い、医師からピルを7日以上処方されている場合には告知をしなければなりません。

ピルの服用には生理痛の緩和や、放置しておくと不妊症の原因となる子宮内膜症の症状を抑えるための薬物療法として、使用される場合があります。生命保険会社は告知された服用目的の深刻度を、自社の基準で審査し加入の有無を決定します。

避妊用のピル服用は告知して問題ないことが多い

保険加入を希望する方が全くの健康体で、治療中で無いことはもとより、過去に病気やけがで入院や手術を受けたり、診察で医師から入院や手術を勧められたりしたことが無く、避妊目的のためだけにピルを服用している場合、告知は通過できる可能性が高いことが多いです。

ですが、被保険者証を使い、医師からピルを7日以上処方されている場合には告知をしなければなりません。ピルは種類によっては海外で市販されていますが、日本では医師の処方箋が必要なため、告知書に記載が必要となります。被保険者証の使用によりピルが処方された記録は残ります。告知は忘れずに行いましょう。

なぜピルの服用を告知しなければならないのか

ピル服用の告知は、生命保険会社が現在治療している病状と、副作用のリスクを把握したいためであると言えます。

  • 病気の深刻度を審査するため

ピル服用が、子宮内膜症等のように深刻な症例になり得る病気の薬物治療で使用されているか否かを判断するためです。

子宮内膜症とは、女性特有の病気で通常は子宮内で形成される子宮内膜が、子宮外で形成され増殖してしまう病気です。主に20代から40代の女性が発症する場合が多いと言われています。病状が進行すれば最悪の場合、不妊症の原因となります。

  • ピルの副作用のリスク

前述しましたが、ピルを服用した場合の重大な副作用として「血栓症」が挙げられます。

そもそも、ピルを服用し血液が固まりやすくなるのは、ピルに含まれるエストロゲン(卵胞ホルモン)が原因とされています。

このエストロゲンが含まれる量が50マイクログラム(μg)である中用量ピルは、30マイクログラム(μg)以下の低用量ピルと比較して、約2倍の血栓症のリスクがあると言われています。

服用している量も、生命保険会社の加入の可否判断に影響を与えることになります。

徐々にピル安全性が認められて来ている

最近では、特に子宮内膜症の治療に関して低用量ピルによる治療が行われ、副作用は現れにくいことが周知されるようになりました。

生命保険会社でも、この安全性を理解し始めています。加入希望者のピル服用のケースにもよりますが、加入できる生命保険はあります。

加入できそうな生命保険会社を探す場合は、複数の生命保険を取り扱う保険代理店に相談し、見込みのある生命保険会社を指摘してもらいましょう。

告知義務違反には気をつけよう

生命保険を締結する際には、加入希望者の健康状態のチェックのために告知書の記載や、生命保険会社から嘱託されている医師の健康診断、生命保険面接士の面談等を行います。

その際には、告知書に包み隠さず職業、傷病歴、健康状態を記載します。生命保険の加入に影響が出ると考えて、病歴等を記載しなかった場合は、生命保険会社は契約を解除することが可能です。

告知義務違反により解除された場合は、保険金は支給されず、それまで支払った保険料も返還されません。

もし通常の保険に加入できなくても入れる可能性がある保険

引受基準緩和型保険

引受基準緩和型保険とは、加入希望者の健康状態に関する条件を緩和している保険の事です。

引受基準緩和型保険は、通常の生命保険よりも加入しやすくなっていますが、一般的に保険料は割高であり、保障の内容も通常の保険ほど充実しているとは一概に言えない場合もあります。

また、緩和される基準や保障内容も各社バラバラであるため、引受基準緩和型保険に加入したい場合は、生命保険各社から資料を取り寄せ、自分の希望にあった保険を選びましょう。

無選択型保険

無選択型保険とは、加入希望者の健康状態の告知が不要な保険です。このため持病がある方など通常の保険や、引受基準緩和型保険でも断られた場合にも加入できる可能性があります。

しかし、誰でも加入できるというわけではなく、加入希望者が入院中は加入ができず、職業や年収の関係で認められない場合もあります。

また、保険料も通常の保険より高く、保障条件も限定的となります。

生命保険会社毎に加入可能な範囲も異なるため、同じ病気でも加入できる会社と加入できない会社に分かれる場合があります。

まとめ

生命保険に加入する際の女性特有の問題、徐々に社会的に認知されてきていると思います。ピル服用の問題もその中の一つです。

各生命保険会社は、日本のみならず各国のピル服用にかかわる現状や問題点を今一度精査し、悩める女性たちに的確な保険商品を提供していくべきでしょう。

一方、加入を希望する側も代理店等に質問・相談しながら、より自分にふさわしい保険商品を発見する努力も必要ですね。

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