生命保険を解約しても再契約できる?その方法や注意点を知っておこう

万が一の際の保障として生命保険に加入している人は多いですが、何らかの事情で解約したもののやっぱり生命保険が必要だったと気付いて再契約を希望することもあります。解約した保険を再契約することは可能なのか、どんな注意点があるのかを理解しておきましょう。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

生命保険は一度解約・失効した保険を再契約・復活できるのか


生命保険は数年、数十年と長期間加入し続けるのが基本です。

それだけ長期間加入するとなると、途中で状況が変化して生命保険が不要になった、もっといい生命保険を見つけたなどで、生命保険を解約する可能性がありますよね。

また、保険料の支払いが負担になって解約したり、長期間保険料の支払いを滞らせて契約が失効してしまったりといったことが起こる可能性もあるでしょう。

しかし、後から「やっぱり生命保険が必要だった」「前の生命保険の方がよかった」となった場合でも、原則として1度解約した生命保険を元の契約内容で再契約することはできません

保険料滞納によって契約が失効した場合は、一定期間内であれば復活できることがありますが、強制解約までいった場合再契約するのはむずかしいでしょう。

そこで今回は、
  • 解約した生命保険を再契約するリスク
  • 解約せずに生命保険の保険料の負担を軽減する方法

についてくわしく解説します。


生命保険を解約したり、保険料を滞納したりしてしまう前に、しっかりチェックしてみてくださいね。

生命保険を再契約するにはリスクを伴う

解約した生命保険を元に戻したいと考えても、基本的には戻すことは不可能です。


このため、解約前と同じ保障を希望する場合には、生命保険を新規で契約することになるのですが、これには大きなリスクが伴います。


どんなリスクやデメリットが存在するのか事前に分かっていれば、安易に解約したり再契約を希望して悩むこともなくなります。


生命保険の契約内容によっては解約しなくても問題を解決できる可能性もあるので、解約や再契約についての知識を持っておきましょう。 

保険料が割高になる

生命保険の保険料は、3つの基礎予定率をもとに計算されています。
  • 予定死亡率
  • 予定利率
  • 予定事業費率

この中で、再契約の際に大きく関係してくるのが予定死亡率です。

予定死亡率とは、1年間の死亡率を、性別・年齢別に予測した数値です。
生命保険会社は、性別や年齢により異なるリスクに応じた保険料を設定することで、契約者間の公平性を保っています。リスクが高いほど保険料は高く設定されるのです。

年齢が高くなれば死亡率が上がります。死亡するリスクが高くなるので保険料も高くなるのです。

生命保険を解約して再契約する場合、当然前回その生命保険に加入したときよりも年齢が上がっています。そのため、前回と全く同じ保障内容にしたとしても、保険料が高くなるのです。

健康状態によっては契約できない

再契約といっても、取り扱いは新規契約と同じです。加入の際には健康状態などの審査を受けなくてはなりません。

このとき、健康状態に問題があると保険を契約できない可能性があります。


解約後に生命保険の必要性を感じたとしても、再契約できなければ万が一のときの保障はなくなってしまうのです。


万が一の時に遺族にかかる負担の例として、子どもの教育費を見ていきましょう。


文部科学省の「令和3年度・子供の学習費調査」によると、幼稚園から高等学校まですべて公立に通ったとしても、教育費は約574万円かかります。


大学に進学すれば、国公立でも年間約53万円、入学費等を含めると4年間で約250万円かかります。子ども1人あたり800万円以上の教育費が必要になるのです。


生命保険がなかった場合、こうした教育費は貯金から捻出することになるため、遺された家族に多大な負担がかかります。


生命保険を解約するときには、こういったリスクまで考えることが大切です

解約せずに生命保険の負担を減らす方法

生命保険の解約を考える場合、保険料の負担が辛かったり一時的に現金が必要になるなど様々な理由が考えられます。

実はそういった問題を解決するための方法はいくつもあり、生命保険を解約せずに負担を少なくすることも可能なのです。


再契約するよりも遥かに簡単で便利なので、この方法をまず試してみた方が賢明です。 

保険料を減額する

もし生命保険の保険料支払いが難しいという理由で解約を希望する場合、無理なく支払える範囲まで保険料を引き下げることもできます。

保険金額を引き下げるなど契約内容を見直せば、その分保険料を削減することができます。


再契約しても保険料が高くなって結局負担が大きくなってしまうだけなので、現行の生命保険を見直すことから始めましょう。 

特約だけを解約する

生命保険は主契約である死亡保険金などとは別に、入院給付金などの特約を付加するケースもあります。

実は特約の方が保険料が高いことが多いので、死亡保険金の保障はキープしたまま保険料を減らしたいのであれば特約だけを解約すると効果的です。


再契約すれば特約はおろか主契約にも加入できない可能性もあるので、万一の際の保障を維持したい場合や保険料を大きく減らしたい場合はこの方法が最適です。 

解約返戻金の契約者貸付

生命保険は、契約によっては解約することで解約返戻金という一時金を受け取れるものもあります。

何らかの事情でまとまった現金が必要になった場合、もったいないとは分かりつつも生命保険を解約せざるを得ないこともあります。


このような場合は、解約ではなく契約者貸付というサービスを利用するのが効果的です。


契約内容や契約年数などによって金額は異なりますが、解約返戻金の範囲内でキャッシングのように貸し付けを受けることができる制度です。


解約返戻金の範囲内ならいくらでも借りることができ、利息は発生しますがきちんと返済すれば生命保険を残しつつ必要な現金を得ることができます。


いつまでも借りて良いわけではなく、所定の期日に返済する必要があるので、利用する際にはしっかり内容を確認しておくことが大切です。 

生命保険の特約を解約後、再契約できるのか


さて、ここまで生命保険の再契約のリスクや、解約せずに負担を減らす方法をお伝えしてきましたが、保険会社各社がどのような対応を取っているかが気になりますよね。


ここでは、女性に人気のA生命について見ていきましょう。A生命も、ここまで解説したように解約後の再契約自体は可能です。


ただし「再契約の場合は健康状態や職業によって加入できない場合がある」「保険料が高くなる可能性がある」などの注意書きがあります。やはり、安易に解約することは避けた方がよいでしょう。


保険料の滞納によって契約が失効した場合は、特定の保険商品で保険会社が定める期間内であれば復活可能です。


ただし、ただ滞納分の保険料を支払うだけでは復活はできません。契約を復活させるには、以下のすべてを完了させ、生命保険会社の承諾を受ける必要があります。

  1. 保険会社に復活申込の書類を送る
  2. 保険会社に滞納分・失効中の保険料を支払う
  3. 健康状態の告知・審査を済ませる

まとめ:生命保険は解約すると再加入できないので注意!

生命保険を解約するリスクや対処法は理解できたでしょうか。


ポイントをまとめます。

  • 生命保険を解約すると、原則として前と同じ契約内容で再契約することはできない
  • 再契約後は解約前と同じ保障内容でも、保険料が高くなる可能性が高い
  • 解約後に健康に問題が出ていると、再契約を断られる可能性がある
  • 保険料の支払いが負担で解約を考えている場合は、保険金額を下げたり、特約を解約したりすることで対応できないか検討する
生命保険を安易に解約すると、後々とても困る可能性があります。もし、解約後に子どもが産まれて、子どものために何も保障が用意できないなんてことになると大変ですよね。

もし解約を検討しているのであれば、どれくらいのリスクがあるか、解約する以外に方法はないのかをよく考えてみましょう。

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