更新日:2018/05/31
養老保険の満期保険金が一時所得扱いとなるケースとは?
養老保険の満期保険金には受け取ったタイミングで税金がかかります。契約の形態によっては、一時所得扱いとなったり、雑所得扱い、贈与税扱いとなります。この記事では、養老保険の満期保険金が一時所得扱いとなるケースと計算方法、確定申告の有無と手続きについて説明します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
養老保険の満期保険金が一時所得になるケースとは?
受取人にとって保険金が受け取れるのはありがたいですが、そのお金を受け取れば納税をしなければならない時もあります。
保険金を受け取って納税の必要があるのかどうか、気になるところですよね。
実は、養老保険の満期保険金は、契約の形態によりますが、一時所得扱いとなるケースが多いのです。
そこで、この記事では「養老保険の満期保険金が一時所得になるケース」について
- 養老保険の満期保険金が一時所得になる条件
- 一時所得の計算方法
- 確定申告が不要な場合
以上のことを中心に解説していきます。
この記事を読んでいただければ、養老保険の満期保険金を一時所得として納付する条件や、その計算方法を知ることに役立つかと思います。
満期保険金や解約返戻金は保険料負担者と被保険者、受取人の関係で税金の種類が変わる
- 保険料負担者(夫)、被保険者(夫)、受取人(夫)→所得税(一時所得または雑所得)
- 保険料負担者(夫)、被保険者(夫)、受取人(妻または子)→贈与税
保険料の負担から保険金の受け取りまで全て夫の場合は、所得税がかかります。
その内、満期保険金・解約返戻金を一括で受け取る場合は「一時所得」扱いとなり、分割で受け取る場合は「雑所得」扱いとなります。
養老保険の保険料負担者と受取人が同じで、満期保険金を一括受取したら、一時所得扱い
こちらでは、この一時所得の計算方法と税率について説明します。
一時所得の計算方法と税率について
(養老保険で受け取った満期保険金総額[所得金額]-支払った保険料総額[必要経費]-50万円[特別控除])×1/2=税金
事例をあげて計算してみます。
- 満期保険金:1,500万円
- 保険期間:20年
- 支払保険料(毎月):45,000円
45,000円(毎月の支払保険料)×12ヶ月×20年=1,080万円(支払保険料総額)
(1,500万円-1,080万円-50万円)×1/2=185万円
こちらのケースでは185万円が課税対象となります。
この185万円を、給料をはじめとした他の所得と合計して課税所得を計算し、納付する税額が決まります。税率については下表を参考にしてください。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
~195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超~330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超~695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超~900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超~1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超~4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超~ | 45% | 4,796,000円 |
養老保険の解約返戻金を一括受取した場合も同様に一時所得扱い
計算式は前述した計算方法と一緒です。
事例を上げて計算してみましょう。
- 解約返戻金:550万円
- 保険期間:10年
- 支払保険料(毎月):45,000円
45,000円(毎月の支払保険料)×12ヶ月×10年=540万円(支払保険料総額)
(550万円-540万円-50万円)×1/2=0万円 こちらのケースでは非課税となります。
一時所得扱いの場合は、養老保険の保険金を受け取っても確定申告が必要なケースは少ない
こちらでは、確定申告が不要となる条件について説明します。
一時所得の金額が20万を超えなければ、確定申告は不要となる
- 1か所から給与の支払を受けている人であること
- 養老保険の満期保険金受取等の一時所得のみであること
つまり、この条件に該当するのは、年末調整を行っている給与所得者となります。
自営業者や自由業者の人はその対象とはならず、所得の額がどんなに少額であろうと申告の必要があります。
保険期間が5年満期の一時払い養老保険、もしくは一時払い養老保険の5年以内の解約では源泉分離課税となり確定申告は不要
源泉分離課税が適用される商品だと、お金が支払われる時点で所得税分が指し引かれているため、確定申告は不要となります。
また、保険期間が5年を超える養老保険でも、契約から5年以内に解約した場合、やはり金融類似商品と同じ取り扱いになります。
まとめ
今回の記事のポイントは
- 養老保険の保険料負担者と受取人が同じで、更に満期保険金を一括で受け取ったら、一時所得扱いとなる
- 一時所得はその利益が50万円を超えない限り課税されることは無い
- 一時所得扱いの場合、一定の条件に該当すれば確定申告は不要となる
でした。
満期保険金は、ご自分の生活資金としてありがたいお金ですが、納税の必要がある場合は、しっかりと申告し「納税の義務」をはたしましょう。